【妊娠29週】胎児と母体の症状で知っておきたいこと

妊娠29週 8ヶ月目

妊娠29週目は、最も胎動が激しくなる時期です。赤ちゃんの動きが激化し、お腹の上からでも胎動がわかるほどになります。しばらくすると落ち着いていきますので、お腹が張って辛いような時は「もうしばらくの辛抱」と考えるようにしましょう。

栄養がこれまで以上に必要となるので、食事が大変になりがちですが、あと10週ほどもすれば赤ちゃんが産まれてくるので頑張りましょう。妊娠29週の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

妊娠29週の胎児の成長、お腹の様子

妊娠29週のお母さんのお腹と胎児の様子

妊娠29週 胎児の体重は?様子は?

妊娠29週 胎児 胎盤 羊水 の様子

妊娠29週 胎児体重は正常発育児95.4%が972g~1653g 平均体重:1313gです。※1

妊娠後期に入ると、赤ちゃんの身長スピードも勢いづいてきます。最初は全長が1ミリ程度しかなかったことを考えると驚いてしまいます。出産に向けて赤ちゃんの大きさはより大きく、成長していきます。栄養がさらに必要になっていくので、バランスの良い食生活を心がけるようにしましょう。

脳に「しわ」が出来るように

妊娠29週 胎児 頭 の様子

妊娠29週目になると、大脳皮質が細かく形成されていくようになり、脳の発達がスピードアップするこの頃から、脳溝つまり脳のしわが出来始めます。脳のしわは限度のある大きさの中で脳細胞の表面積を増やすためには不可欠な方法で情報処理能力も増え、器官の働きもさらに充実してきます。

しわが出来始めたといっても成人と比べればまだ浅く、これからしわが刻まれるスタート地点といっても良い時期です。栄養不足やお母さんの急激な体重増加などの脳の成長を妨げるような生活習慣の乱れには十分注意しましょう。

脳の発達で記憶能力が表れる

脳にしわが出来始めるのと同時に、脳の発達がさらに進みます。子宮にいた事を覚えている小さい子供は結構多いのですが、その胎内記憶と呼ばれる能力はこの週に芽が出始めます。

自分の意思がさらにしっかりとしてくるので、お母さんがイライラしていたりお腹に向かって否定的な言葉を言えば、胎児も気持ちが沈み胎動が少なくなってしまう事も少なくありません。夫婦喧嘩などはもっての外です。これから自分や周りの言動は、すべてお腹の赤ちゃんが聞いていると考えて行動しましょう。

この時期から感受性を備えます

妊娠29週 胎児 の様子

知能指数が発達すると、喜んだり、悲しんだりする感情も出てくるようになるので、29週目の赤ちゃんはすでに「感受性」を備えています。

また、この頃には海馬の発達によって胎内のできごとを記憶するようになっているので、5歳までの児童に「お腹の中で何をしていたの」と訊ねると、「丸まっていた」「音楽を聴いていた」ことを答えたりするのです。

お腹の中でモロー反射が見られるように

妊娠29週 胎児 モロー反射 の様子

出生するまでに胎児は多くの原始反射を身に付けますが、これは大昔の人類が必要としていた動きの名残です。この週に見られるようになるモロー反射は、一般的に寝かせた新生児の頭を少し持ち上げて急に離すと赤ちゃんが抱きつくように前に両手を突き出す動きを指します。

研究者によれば母親に抱き付く時の仕草だとの事ですが、子宮にいるこの時期からすでにこの反射は始まっていて、急に大きな音がしたり自分のくしゃみでびっくりするとこの動作をする事があります。モロー反射は神経が発達する時に起こるものなので、胎児がしているのなら正常に成長している証拠といえるでしょう。

29週胎動について

胎児の状態が気になる場合はお腹を撫でてみましょう

29週目の赤ちゃんは最も活発な動きを見せますし、胎動も激しくなるので、お腹の上から触ることによって、赤ちゃんが元気であることを感じることができます。

赤ちゃんの健康状態を手で察することができると、お母さんの精神状態も安定しやすく、安心しつつ過ごすことができるので、妊娠中に多大なストレスを受けてしまった場合などは、お腹に手を当て、撫でることでリラックス感を得るようにしましょう。

胎動で目が覚めてしまうことも

胎動で目が覚めてしまうことも

妊娠29週目は胎動が最も激しくなる時期なので、それによって夜中に目が覚めてしまうこともあります。胎動は数週間後には落ち着く方が多く、不眠症もその頃には改善されるようになっていきますが、29週目の時期は何かと眠りが浅くなりがちです。

日中の作業が辛くなってしまう方も非常に多いので、眠りがあまりにも浅い場合は睡眠薬を処方してもらうことも検討しなければなりません。家で過ごす時間が長いお母さんの場合は、日中に昼寝などをして過ごし、睡眠不足を解消してみるようにしてみましょう。

※1 参照 日本産婦人科学会 胎児計測と胎児発育曲線について
※1 参照 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線」

妊娠29週の母体の症状などについて

29週逆子について

定期健診の際に逆子を指摘されても、8ヶ月ならまだまだ子宮内で動くスペースがあるので、最初は逆子であっても次第に頭位になってくる胎児が多いです。しかし逆子で心配なお母さんは、医師に相談して逆子体操を試してみてはいかがでしょうか。

仰臥位(ぎょうがい)

やり方は胸膝位・仰臥位などいくつかありますが、仰臥位(ぎょうがい)ブリッジ法は腰を浮かせる体勢を程度の時間をその体勢のままで過ごすのがポイントです。腰に枕などをあてて楽な姿勢で行ってもかまいません。胸膝位(きょうしつい)

胸膝位(きょうしつい)は、お腹に力を入れない様にし、おしりを高く持ち上げて15~20分キープ。その後はシムス体位で横になりましょう。

1回行っただけでは効果が出ないので習慣にする必要がありますが、自己流ではなく、必ず医師の指導のもとおこなって下さい。また逆子体操をやってはいけない妊婦さんもいらっしゃいますので注意が必要です。詳しく:逆子について知っておきたいこと

みつご、ふたごを妊娠している場合

みつご、ふたごを妊娠している場合

三つ子や双子の赤ちゃんを妊娠している場合は、お腹が余計に張るようになります。世の中には五つ子を産むようなお母さんもいますが、やはり人数が増えれば増えるほどお腹が張りますし、歩くことすら困難になってしまったりするのです。

ふたごなどを妊娠しているお母さんは、その分カロリーを多めに摂取するようになりがちなのですが、栄養バランスを考えつつ毎日しっかり、カロリーを摂取するようにしましょう。

29週おりものの量、色

29週おりものの量、色

一度治まったおりものの量が、また増えてくるのがこの頃で、エストロゲンの多量分泌で子宮頸管腺から分泌物が増えてくるのがおりものの原因です。おりものは酸性なので膣内に雑菌が侵入・繁殖するのを防ぐ働きを持っていますが、こう多くなると不快に思う方も多いです。

症状は皮膚にストレスを与えがちですし、不快感に苦しむようになりがちなのですが、通気性の良い下着を身につけ、スカートを穿くようにすると不快感を解消できます。

おりものシートをこまめに替えたり、蒸れないような工夫をしましょう。おりものの不快感から、トイレのたびにビデで洗浄する方も中にはいるかもしれませんが、雑菌の侵入を防ぐおりものを洗い流してしまえば侵入を許してしまいます。特に妊娠中は免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすいので、ビデは使わず別の方法で対策をとるようにしましょう。

膣から白っぽいカスが出る場合

膣からポロポロとした質感の白いカスが出てくる場合は、カンジダ腟炎になっている可能性があります。膣炎になっていると出産が非常に辛くなってしまいますし、カンジダ腟炎は感染性のものなので、産道を通って産まれてくる際、赤ちゃんに感染してしまう可能性があるのです。

おりものの色がおかしい場合は、早産の危険性もありますので、早めに産婦人科で治療するべきです。おりものの状態は毎日チェックするようにしましょう。

膣のゆるみでおりものが増えます

出産が近づいてくると、出産のために産道が開くようになるので膣がゆるみます。膣がゆるむことによって今まで以上におりものが出るようになるのですが、これも妊娠による症状の一つなので、戸惑う必要はありません。

シャワーの回数を増やしたり、下着を交換する頻度を増やしたりするとより快適に過ごせるようになるので、自分なりに工夫しつつ、おりものによる不快感を回避するようにしましょう。

さらに手足のむくみを感じます

身体が水分を多く取り込むようになり、手足がむくみます

大きくなった子宮が下大静脈などを圧迫するので、その関係で手足がさらにむくみます。むくみは、身体が水分を多めに取り込むことによって発生する症状ですが、妊娠中のむくみは完全に解消することができない類のものでもあります。

マタニティヨガやストレッチを試してみたり、寝る時は足を頭よりも上に挙げる、着圧ソックスを履いて寝る、マッサージをしたりすることによって緩和するしかないので、パートナーなどにマッサージしてもらいつつ、少しでも症状を緩和するようにしましょう。ただし、マッサージをしてお腹が張るような場合はすぐ中止して他の方法に変えてください。

29週体重の増加には注意

体重の増加には注意が必要

女性は妊娠するとどうしても、体重が7~10kg程度は増えるものです。しかし、10kg以上増量してしまうと太りすぎですし、15kg以上増量してしまうとなると、産道が狭くなってしまうので、難産の原因となってしまいます。

29週目のこの時期はとにかく、体重が増量しがちな時期なのですが、太りすぎると出産のために半日以上掛かり、母体がキケンな状態に陥ってしまうので、気をつけなければなりません。

食中毒などにも万全の注意が必要

食中毒などにも万全の注意が必要

妊娠中は、食中毒にも注意が必要です。他のことに意識が行き過ぎて、食中毒への注意を忘れてしまう人もいるのですが、妊娠中に食中毒になってしまうと、お母さんと赤ちゃんの両方が生命の危機に陥ってしまいます。

生卵を使って卵掛けごはんを食べただけで、サルモネラ菌にあたって胃腸炎になってしまう人もいますし、加熱せずに食べ物を口にすると、それだけで胃腸炎になってしまうこともあるのです。

胃腸系のトラブルに巻き込まれると1ヶ月以上も、食事がまともに摂れない時期が続いてしまうので、食中毒にも万全の注意をはらうようにしましょう。

妊娠29週お腹の張り 腹痛 出血 破水 早産など

臨月・正産期・過産期・早産・切迫早産いつからいつまで 出産予定日いつ 一覧表

切迫早産、早産のリスクが高い状態は、妊娠高血圧症候群、前置胎盤、様々な感染症、子宮頸管無力症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮奇形、羊水過多、羊水過小、多胎妊娠、慢性疾患 高齢出産、若年出産、体重増加、ホルモンのバランス、性交渉、疲労、ストレス、喫煙、アルコール、早産経験などのリスクがある場合には、十分自己管理をして改善できるものは改善しましょう。

大量の出血、常位胎盤早期剥離の可能性

大量の出血、常位胎盤早期剥離

大量の出血、腹痛が確認された場合は常位胎盤早期剥離(早剥)の可能性があります。上記で記した妊娠高血圧症候群、感染症、生活習慣などの様々原因で起こるとされています。

胎盤から赤ちゃんは栄養や酸素をお母さんからもらっています。胎盤が剥がれてしまうとそれらが止まり、赤ちゃんが障害をもったり、早産、死産の可能性もあります。剥離が軽度の場合は適切な治療で問題ありませんが、重度の場合は母体、胎児とも危険な状態ですので緊急手術となります。

体重管理、血圧管理をしっかり行い、早期発見が大切ですので健診をしっかり受け、あと2ヶ月程で臨月、正産期になりますので、お腹の様子、腹痛、出血には注意しましょう。

いつもと違うお腹の張りは注意が必要

お腹の張りが酷い場合はすぐに休憩を

お腹の中にいる赤ちゃんが1100g~1600g程度の重さになっているので、お腹の張りが悪化しがちです。

お腹の張りが酷くても、それを我慢して立ち仕事を続けてしまう人もいるのですが、妊娠後期に無理をすると早産の原因となってしまいますし、張りが酷すぎる場合はお腹の中でトラブルが起こっていることもあるので、辛い時はすぐに休憩を取るようにし、我慢できない場合は産婦人科に相談しましょう。

また腹痛、出血、異常なおりもの、破水などは切迫早産、早産の危険サインですので、すくに病院に行くようにしてください。

軽い切迫早産でも入院措置になる場合も

軽い切迫早産でも入院措置になる場合も

正産期まで後2ヶ月ほどですから、この時期の出血や断続的なお腹の強い痛みがある時は、大事をとってすぐ入院措置を取る病院も少なくありません。

お腹が大きくなり、ホルモン量や体のシステムが色々変わる事で妊娠中はお母さんの体に大きな負担をかけ続けているので、ここで体の疲れが出血や子宮収縮の形になって現れる事も多いです。また特に経産婦の方はお産の進みが速いので、何かあっても対応できるように入院を勧めるケースがあります。

いま早産になっても生存率や障害率などは低いのですが、やはり赤ちゃんの体を考えればもう少しお母さんのお腹にいた方が安心です。先生が入院を勧めるのも母子の健康を考えてのことですから、仕事や上の子の世話などで入院が困難な場合でもなるべく従うようにしましょう。詳しく:妊娠後期腹痛切迫早産早産おしるし破水帝王切開

破水などのトラブルにも有効! マタニティタクシーの登録を

破水などのトラブルに有効! マタニティタクシーの登録を

破水すると、すぐ産まれるかも!とパニックに陥ってしまう妊婦さんはとても多いのですが、実は破水してから出産までには結構時間がかかります。もし破水してしまった場合は、すぐに行動せずにまずは病院へ連絡しましょう。今の状態を説明すれば病院側から指示があるので、それに従えば大丈夫です。

緊急に病院へ移動する場合に便利なのが陣痛タクシーやマタニティタクシーで、前もって登録すれば陣痛時だけでなくとも破水のケースでも、お母さんの体に負担がないように病院まで搬送してくれます。

まだ登録していない方で今住んでいるエリアに利用できる陣痛タクシーがある場合は、ぜひ早めに登録するようにしましょう。

ここまでのまとめ

29週目は妊娠中、最も胎動がさかんになる時期なので、お母さんは元気に過ごす赤ちゃんに喜びを感じられるようになります。

しかし、体重が急激に増加してしまいがちな時期でもあるので、食べ物には注意が必要ですし、カロリーをいくらでも摂取していいわけではないので、なるべく毎日体重計に乗るようにしましょう。

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