【妊娠28週】胎児と母体の症状で知っておきたいこと

妊娠28週 8ヶ月目

妊娠28週目は妊娠後期に入る時期であり、胎位が段々と下がってきます。胎動も激しくなり、逆子も気になる時期です。これまでに悩まされていた身体の不調が段々と改善されるようになり、赤ちゃんの体重ますます重くなってくる時期だからこそ注意しなければならない点もあります。

これまで通り、栄養バランスに気を付けつつ、コンディションを安定させるように努めるようにしましょう。妊娠28週の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

目次

妊娠28週の胎児の成長、お腹の様子

妊娠28週のお母さんのお腹と胎児の様子

妊娠28週 胎児の体重 赤ちゃんの聴覚がほぼ完成します

妊娠28週 胎児エコー 超音波 写真

妊娠28週 胎児体重は正常発育児95.4%が853g~1474g 平均体重:1163gです。※1

少しずつ成長していた聴覚が、28週目にはほぼ完成します。外部の音もよりハッキリと感知できるようになりますし、胎教を始めるにはうってつけの時期なので、クラシックを聴かせたり、話しかけたりしつつ過ごしましょう。

この時期は音によるストレスにもより、注意が必要となってくるので、荒々しい音は聴かせないようにし、口喧嘩などもしないように心がけましょう。

呼吸の練習がより活発になります

妊娠28週 胎児 の様子

赤ちゃんの呼吸が段々と上達してきます。妊娠中期の時点で、鼻腔が開くようになるので、呼吸の練習は27週目の段階から始まっているのですが、28週目になると呼吸の練習がより活発になります。

28週目の赤ちゃんは、羊水を吸い込んだり吐いたりをより頻繁に繰り返すようになりますし、それによって呼吸がどんどん上手になっていきます。最初は呼吸をすることさえできなかった赤ちゃんも、妊娠後期に入るとしっかり呼吸ができるようになります。

赤ちゃんの皮膚が赤く

赤ちゃんの皮膚が赤くなる

4層の皮膚細胞が出来ているので、皮膚が厚くなります。これまでは皮膚が薄かったので、エコーでは皮膚を通して骨や内臓がはっきり見えていましたが、この頃になると透けて見える部分も少し減りました。

骨髄が機能し始めているため自分で血液を作れるようになりますが、胎児の血液は赤血球が多いので皮膚が赤くなります。また引き続き皮下脂肪も増えているので、身体が以前よりも丸みを帯びてまさに「赤ちゃん」と呼ばれる状態になります。

28週性別 生殖器も完成に

赤ちゃんの生殖器も完成に近づきます

胎児の生殖器も完成に近づいていき、男の子は睾丸が、女の子は陰唇が育つようになります。生殖器がほぼ完成に近い状態で形成されていくのですが、完成するまでにはもう少し時間が掛かります。

28週目になると、睾丸の位置や陰唇の位置がより正しい位置に収まるのですが、陰唇や睾丸は完成まであと一歩の状態なのです。骨盤内にあった精巣は少しずつ位置を下げて、この頃に陰嚢内の正確な位置に収まり、陰唇は小さいながらも形成されている真っ最中です。

性別判定が遅い方もこの頃には、胎児が動いて股間が見えれば、誰が見ても男女の性別がはっきり分かるようになります。性別は生まれるまで楽しみに取っておきたいと思う方は、先に担当医師に伝えておいた方が良いかもしれません。

心臓が4つの部屋に分かれます

妊娠28週 胎児 胸の様子

この頃の赤ちゃんの心臓は、大人と同等の機能を備えています。心臓はすでに左心室、右心室、左心房、右心房と4つの部屋に分かれていますし、段々と赤ちゃんの心臓はアドレナリンの分泌によって心拍数も上がっていきますし、周辺にある肺や横隔膜などの機能も働き出すようになるのです。

羊水量に注意

妊娠28週 胎児 胎盤 羊水 の様子

赤ちゃんを外部の衝撃から守るための羊水の量は、個人差がありますが、この頃がピークで最大800ml程度になります。羊水量は多すぎても少なすぎてもトラブルとなり、800mlを超えれば羊水過多症で100ml以下または羊水ポケット2cm以下を羊水過少症といい、これらが起こる原因の6割は原因不明という誰にでもなる可能性がある症状です。

特に急激な体重増加は羊水過多症の大きな原因となり、深刻な場合はどちらの症状も分娩誘発をする事になるので、お母さんが摂取する栄養の過不足や感染症には十分注意してください。

胎動のピクピクは

28週胎動 ピクピクは

胎動がさらに強くなり、回数も増えます。赤ちゃんがピクピク動くときがあると思いますがこれは足をけっているのではなく、しゃっくりしているのです。

この赤ちゃんが痙攣でもしているような感覚は毎日する場合もあれば、まったくしない場合があります。様々な胎動が感じられる時期ですので赤ちゃんと楽しみましょう。

28週逆子について

28週逆子について

28週に逆子の状態でも赤ちゃんの頭が固定する32週~36週までに改善すれば逆子(骨盤位)での出産とはなりません。

ちなみに逆子の種類もいろいろあり、足が下にある場合、膝が下にある場合、臀部(でんぶ=おしり)が下にある場合になります。逆子を治す方法は逆子体操や外回転術があります。逆子ですと帝王切開での出産となるケースが多いです。詳しく:逆子について知っておきたいこと

人間の基本的な細胞がすべて完成に

人間の基本的な細胞がすべて完成します

人間は60兆個もの細胞によって形成されていますが、28週目の赤ちゃんの身体には既に、同等の細胞が存在します。人間の基本的な細胞が完成する時期ですので、赤ちゃんの各期間もこの時期から、より完成に近づいていきますし、各部位が完成まであと一歩のところまで来ます。

いつも以上に栄養が必要となるので、食事の管理が難しくなりがちですが、カロリー摂取ではなく栄養の摂取を意識できるようになると、赤ちゃんがよりしっかりと成長するようになります。

※1 参照 日本産婦人科学会 胎児計測と胎児発育曲線について
※1 参照 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線」

妊娠28週の母体の症状などについて

胎位が下がることで諸症状が緩和

胎位が下がることによって諸症状が緩和されます

胎位が下がる時期に突入することにより、諸症状が緩和されます。今までは、子宮によって周囲の内臓が圧迫されてしまい、動悸が激しくなったり、頻尿になったり、便通が悪くなったりと様々な弊害に悩まされる場合が多いのですが、妊娠後期に入ると胎位が下がることによって体調が比較的安定します。

胎位が下がることによってコンディションも落ち着いていくので、体調と相談しつつ定期的にウォーキングなどもするようにしましょう。

前駆陣痛 子宮の筋肉の収縮が激しく

前駆陣痛 子宮の筋肉の収縮が激しく

28週を過ぎると、出産に向けて子宮が本格的に動き出すようになります。これまではそこまで激しくなかったお腹の張りも、より一層激しくなっていきますし、子宮の筋肉の収縮がより激しくなるので、下腹部が苦しくなることも多くなります。

苦しみは出産に至るにつれて段々と増えていくのですが、お腹の張りや前駆陣痛は出産のために必要不可欠な「準備運動」であり、必ずいつか終わりがくるので、ゴールを楽しみにしつつ過ごすようにしましょう。

粘膜充血で出血が見られる場合も

粘膜充血で出血が見られる場合も

この時期は、「出血」が増える時期です。ホルモンの影響により粘膜が充血しがちな週なので、この時期に色々な部位から血が出てしまう人もいます。

歯を磨いただけで歯茎から血が出てしまったり、鼻血が頻繁に出てしまったりと、何かと出血することが多くなるのですが、これも妊娠後期によく見られる症状の一つなので、「身体が出産に近づいている証拠なのだ」と捉えるようにしてみてください。

28週 腰痛予防のために

腹筋を鍛えることが腰痛を防ぎます

お腹が大きくなることによって腰痛が激しくなってしまう方も多いですが、元々腹筋を鍛えていた方などは腰に負担が掛からないので、腰痛の苦しさには個人差があります。

妊婦に適した腹筋運動をした後、30分以内にたんぱく質を摂取するようにすると腹部に筋肉がつきやすくなり、腰に負担が掛からなくなっていくので、腰痛が苦しくて日常生活を送るのが難しくなってしまっている方は、運動を始めるようにしましょう。腹筋は最低でも1ヶ月以上鍛え続ける必要があるのですが、2ヶ月も続ければ腹筋がつくようになります。

ストレスによる諸症状に注意が必要

ストレスによる諸症状に注意が必要です

妊娠後期になると、妊婦さんは出産に向けて身体が本格的に作られるようになるので、その分、運転ができなくなったり、仕事ができなくなったりする変化が出てくるようになります。

変化が多くなると、パートナーと諍いが起こってしまったり、喧嘩をしてしまったりすることも出てきてしまいがちです。ストレスが多くなると体調も悪くなってしまうものですし、赤ちゃんにも悪影響が及びます。パートナーの不理解に悩みがちな場合は、ストレス回避のために実家で過ごす時間を作るようにしてみましょう。

28週 体重増加、食事の管理

28週体重増加、食事の管理

受精卵から細胞分裂を繰り返して胎児になりますが、ちょうどこの時期は細胞が増殖しているのに加えて、細胞自体が大きくなる時でもあります。身長よりも体重がぐっと増えるので、お母さんは成長をサポートするため、今以上に胎児に必要な栄養素の摂取を意識しましょう。

身体を作るたんぱく質や器官の働きをスムーズにするビタミンを増やすのを最重視し、急激な体重増加の原因となる炭水化物は今より少なめを心がけて。そうすれば、もし食欲に負けてドカ食いしてしまってもリカバリーしやすいです。

ビタミンやたんぱく質を多めに

ビタミンやたんぱく質を多めに摂取しましょう

赤ちゃんの体重がどんどん重くなる時期であり、より多くの栄養が必須になる時期です。ビタミンやたんぱく質をこれまで以上に摂取するようにし、たんぱく質などもできるだけ多めに摂取するようにしましょう。

ビタミンの摂取の仕方がよくわからない方は野菜ジュースを毎日摂取するようにするだけでも構いません。たんぱく質は肉ではなく、魚や豆などから摂取するようにすると、太りすぎを防ぐことができます。

食べ過ぎると赤ちゃんが肥満児に?

食べ過ぎ

世の中には「生まれつき太りやすい人」のようなタイプがおり、栄養に気を付けていても肥満になってしまいますし、一度も痩せたことがないまま生涯を終えることになってしまいがちです。

お母さんが太りすぎてしまったことが、原因や家庭での食生活が関係していることがあります。赤ちゃんの生涯における健康状態が危うくなってしまうリスクがあり、食べ過ぎ、太りすぎないように気をつけなければなりません。

良い母乳の為の食事内容に注意

母乳の出を良くするための食事内容に切り替えて

もうすでに乳房マッサージを始めている方もいられますが、それと同時に良い母乳を出すために食事内容も切り替えていきましょう。

脂肪と糖の摂取が多いと血管内壁が厚くなり高血圧の原因になります。血液と同成分で出来ている母乳もそれと同様に、乳腺は血管よりも細いので詰まりやすく、酷い場合は乳腺炎を引き起こすケースがあります。もちろん脂肪も糖も必要ですから、バランスの良いメニューを考えましょう。

色素沈着が激しくなります

色素沈着が激しくなります

ホルモンの影響で乳輪や陰部がますます黒くなります。「妊娠中期の段階で乳首は黒く変色していたけど、陰部までは変色していなかった」方も妊娠後期になると陰部が変色しだす人が多いので、「これも妊娠による一つの変化である」ことを覚えておきましょう。

身体の各部分が変色すると落ち込んでしまいがちなですが、出産という大仕事さえ終えてしまえば、諸症状は必ず元通りになるので、落ち込む必要はありません。

多胎妊娠の方は管理入院がスタート

多胎妊娠の方は管理入院がスタート

双子・三つ子を妊娠されている方は、妊娠中の大変さが普通の妊婦の倍と考えてよいでしょう。多胎妊娠の場合は安定期がないと言われるほど、母体と胎児双方にトラブルが多発します。

この週になると、経過観察を目的とした管理入院を義務付ける病院が多く、予期しない早産にも対応できるので万が一の時も安心です。長期の入院になるため入院費を心配される方もいますが、妊娠前から入院保障のついた生命保険に加入していると管理入院となった場合には保障金が出るので、一度加入生命保険を確認してみてはいかがですか。

後期母親教室に参加しましょう

後期母親教室に参加しましょう

妊娠週が進むと外出しづらくなるため、この週の妊婦を対象に後期母親教室を開く病院も多数あります。前期母親教室とは異なり、実際に陣痛から出産までの手順や出産後の赤ちゃんの世話の仕方、バースプランなど実践的な内容が多いので、前期は参加しなかったけど今回は参加した方も多いです。

それと同時にパートナーも参加して、赤ちゃんの世話の仕方だけでなく妊娠中のお腹の重みを体験したり出産時にどうサポートするかなど、夫や父親の役割を確認できるパパママ教室が開催されている所もあるので、ぜひ二人で参加してみてはいかがですか。

妊娠28週お腹の張り,腹痛,出血,破水,早産など

臨月・正産期・過産期・早産・切迫早産いつからいつまで 出産予定日いつ 一覧表

できる限りお腹の中で正産期まで赤ちゃんと過ごすためには、妊婦の努力も必要になります。妊婦の注意事項を守り無理をしない生活を心がけましょう。

慢性疾患(高血圧疾患、心臓病疾患、肝臓疾患、腎臓疾患 糖尿病)がある場合は早産のリスクが高まりますが医師と相談して適切な処置と自己管理で軽減できます。

切迫早産、早産の兆候としてお腹の張りの異常、耐えられない腹痛、陣痛、太もも、足の付け根の圧迫、おりものの変化、出血、破水などの症状が出たときはすくに病院に行くようしましょう。素早い対応で切迫早産でも正産期まで妊娠継続できます。

詳しく:妊娠後期腹痛切迫早産早産おしるし破水帝王切開

安定期~妊娠後期に 出血には注意を

安定期~妊娠後期に 出血には注意を

妊娠後期の初めの月、妊娠28週の出血はこれまでと同様に注意する必要があります。それは早産につながる可能性高くなるからで、中には切迫早産としてすぐ入院をさせて様子を見る病院も少なくありません。

それだけ妊娠後期の出血には注意が必要なのでしょう。病院側がこれだけ注意を払っているのですから、少量の出血でも放置せず病院を受診するようにしましょう。

また、あちこち動ける最後の月として予定を入れてしまう方もいますが、無理をするとこれまで以上に子宮の収縮や出血につながりやすいので、休憩を沢山入れた予定に立て直しましょう。

また、仕事を続けている方は、仕事に追われているうちに自分の体調を忘れてしまいがちですが今までの疲れが溜まっていますから、仕事をしていない方以上に休憩時間をとるようにしてください。

おりものがくさい?早産の可能性

絨毛羊膜炎 おりものがくさい?早産の可能性

膣内で繁殖した細菌が子宮膜を炎症している状態を「絨毛羊膜炎」と言い、破水、早産のリスクがある感染症とされています。原因としては、膣内の細菌は誰でもありますが、自浄機能の低下により細菌が繁殖し、膣内を炎症させてしまうのです。

おりものの変化には注意が必要です。魚くさい、生臭いおりもの、いつもと違うおりものは医師の診断を受けてください。早期発見で抗菌薬などの適切な処置で早産を防ぐことができます。

腹痛や高熱が伴う場合は危険な状態になりますので、先生の判断で早産の処置を行うこともあります。

臍帯巻絡(さいたいけんらく)と言われたら

妊娠中へその緒が巻きついている状態、臍帯巻絡は良くある状態といわれています。胎動が激しい赤ちゃんほど臍帯巻絡を起こしやすいのですが、動きが激しい分、解けやすくなるのであまり心配せず先生の指示に従うのが一番です。

臍帯巻絡が判明した時は、ノンストレステストを行って赤ちゃんの心拍に異常がないかをチェックしますが、臍帯の長さ太さは人それぞれなので、へその緒が巻きついていてもきちんと酸素と栄養が赤ちゃんへ送られているのなら問題ないとする先生もいます。

胎動がいつもと同じなら問題ないと言えますが、反対に胎動が弱くなって緊急分娩や緊急帝王切開となるケースもありますから、注意して赤ちゃんの様子をチェックするようにしましょう。

ここまでのまとめ

妊娠28週目になると妊娠後期に入るので、身体の諸症状が一変します。今までにはなかった出血や変色などの症状も現れてきますが、赤ちゃんがしっかり育っていると症状が出てしまいます。コンディションが悪くなりがちな場合も、落ち込み過ぎないようにしなければなりません。

心身にストレスを抱えがちな場合は、パートナーを頼ることで改善される場合もあるので、周囲の協力を得つつしっかり生活するようにしましょう。

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