破水について知っておきたいこと

破水について知っておきたいこと 出産

いよいよ臨月に入ると出産の兆候が気になってきます。出産の三大兆候といわれているのが、おしるし、陣痛、そして破水です。これが初めての出産になる方にとって、破水とはどんなものか、非常に気になるに違いありません。

通常破水は陣痛が起こったあとに起こるとされていますが、中には破水が起こってから陣痛がくる妊婦さんもいます。破水についての知識を備えておかなければ、病院に行くタイミングを計ることが出来ません。

出産の兆候であるおしるし、陣痛、そして破水に関して、確かな知識を備えておくと、いざ陣痛や破水が起きたときに慌てません。破水の起こる原因から破水の種類、そして破水が起きたらどうすべきかなど、破水について知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

破水とは?

破水とは?

破水とはそれまでおなかの赤ちゃんを包んでいた卵膜が、分娩を直前にして破れ、中の羊水が出てくることを指します。破水が起こったら、いよいよ分娩があるというしるしになります。

通常は陣痛の間隔が短くなり、いよいよ分娩が起こる寸前になって破水が起こりますが、陣痛よりも先に破水が起こる場合もあります。

破水が起こったということは、赤ちゃんをしっかり包んでいた卵膜が破れてしまっていることを意味しますので、一刻も早く病院で必要な処置を受けなければ、母子ともに感染の恐れが出てきます。

破水のにおいや量

破水のにおいや量

破水は尿ではなく、子宮内の羊水が漏れ出たものですので、尿特有のアンモニア臭はありません。しかし匂いがあまり場合もあれば、精液のような生臭い匂いが強くすることもあります。破水の量に関しても妊婦さんによって違いがあり、一度にたくさんの量が出てくることもあれば、少量が少しずつ漏れ出てくることもあります。

漏れ出てくる量がわずかで、匂いもあまりない場合、尿漏れと間違える方もいますので、トイレに行ったときには必ず注意を払うようにしましょう。破水があった場合には、子宮や膣が出産に備えて準備できた状態ですので、そのまま何もしないでおくと感染症にかかってしまうこともあります。

破水の起こる症状 順序

破水の起こる症状 順序

出産の前に起こる兆候にはいろいろなものがあります。出産前の兆候がどのような順番で起こるかを把握していなければ、病院に向かうタイミングを計ることが難しくなります。

まずはじめに起こるのが前駆陣痛、これは本物の陣痛の予行練習のようなもので、本陣痛と違い、痛みの間隔に規則性はなく、断続的に痛みが弱まるのが特徴です。前駆陣痛が起こったのち、おしるし、陣痛、そして破水と続くのが一般的ですが、この順番は必ずしもその通りになるとは限りません。

前駆陣痛やおしるしがなく、そのまま本陣痛が始まって焦ったという妊婦さんもいれば、出産予定日よりも一週間以上も前に前触れもなく、いきなり破水が起こったという妊婦さんもいます。出産までのプロセスは一人一人の妊婦さんの状態により異なります。

破水から出産までにかかる時間

破水から出産までにかかる時間

破水から出産までに要される時間は、妊婦さんが初産かどうか、そしていつ破水が起こったかにより異なります。陣痛開始後、子宮口が完全に開いてから起こる適時破水であれば、出産までさほど時間がかからないことが予想されます。

一般的にいって、陣痛から出産までにかかる時間は、初産婦さんよりも経産婦さんのほうが短いので、経産婦さんは陣痛の間隔が狭まってきたら、出来るだけ早く病院に行くようにしましょう。

陣痛よりも早く破水の起こる前期破水の場合は、赤ちゃんや子宮の状態を見て、必要があれば陣痛促進剤を用いて分娩を促すこともあります。

破水の種類 卵膜の破れる箇所が異なる

高位破水とは?症状 対処方法

高位破水、完全破水とは

妊婦さんにより破水の量に違いがあるのはどうしてでしょうか。破水の量が少なく、尿漏れのように少ししか出ない方もいれば、一気に大量の破水がある場合もあります。

破水の量に違いが出るのは、卵膜の破れる箇所が異なるためといわれています。破水の量が少ない場合、高位破水が起こった可能性があります。高位破水とは子宮口ではなく、子宮口とは反対、すなわちおなかの上側、卵膜の上のほうで破水が起こることを指します。卵膜の上側から羊水が漏れ出てくるため、少量がじわじわと出てきます。

高位破水の場合、出る量が少なく、破水なのか尿漏れなのか、判然としないときがあります。尿と羊水では匂いと色に違いがありますが、それ以外には違いがあまりなく、量が少ない場合にはさらに判断が難しくなります。病院に診てもらいましょう。

一般的な破水の事を「完全破水」と言い、子宮の近くからの破水の事をさします。

破水の種類 卵膜の破れる箇所が異なる

前期破水とは?症状 対処方法

前期破水

前期破水とは陣痛が始まる前に起こる破水を指します。これに対して陣痛は始まったものの、いまだ子宮口が完全に開ききっていないときに起こる破水は、早期破水と呼ばれています。

破水が起きてしまうということは、おなかの赤ちゃんを保護している卵膜が破れていることを意味しますので、膣を通して子宮内の胎児まで感染症にかかってしまう恐れがあります。前期破水が起こってしまったら、出来るだけ早急に病院に行くようにしましょう。

早期破水とは?

早期破水

早期破水とは陣痛開始後、子宮口が全開していないときに起こる破水を指します。これは陣痛前に起こる前期破水よりもリスクは少ないといえますが、それでも赤ちゃんがまだ完全に下に降りていないときに起こると、分娩困難に陥ることもありますので注意が必要です。

適時破水とは?分娩が正常の状態

前期破水、早期破水、高位破水と破水(完全破水)の種類について説明してきました。これらの破水に関しては、医師の慎重な診断と適切な処置が求められることはいうまでもありません。

もう一つの破水、適時破水は陣痛が始まり、そして子宮口が完全に開ききってから起こる破水を指します。適時破水は分娩が正常に行われているときに起こるもので、母体と胎児にとってもっともリスクの少ない破水になります。

前期破水を予防するには

破水は陣痛が始まり、子宮口が完全に開いてから起こることが理想的です。陣痛よりも先に起こる前期破水は出来るだけ避けるようにしなければなりません。

前期破水のいちばんの原因は、絨毛膜羊膜炎などの感染症。細菌が繁殖してしまうことにより、膣炎や子宮頸管炎が起こり、子宮頸管に密接している卵膜を薄く弱くしてしまいます。

重い荷物を持つ妊婦

他に考えられる原因として挙げられているのが、子宮に強い刺激がかかること。重い荷物を持つなどして、おなかに余計な力を入れてしまったり、性行為により子宮に刺激が加わることも前期破水の原因になりえますので、妊娠後期はおなかに力がかからないよう、十分注意しなければなりません。

ただし前期破水には医師にも原因が特定できないものがあります。臨月を迎えたら、いつ破水があってもおかしくないと考えるようにしましょう。

正産期以前に前期破水が起こったら

正産期、早産、臨月、過産期の表

前期破水の中でも、正産期と呼ばれる37週以前に起こる破水はとくに注意が必要です。正産期を迎えてからの前期破水の場合は、おなかの赤ちゃんの成長が順調であれば、とくに心配はありませんが、正産期以前に破水が起こってしまった場合、母体と赤ちゃんの両方をよく診察した上で医師が判断を下すことになります。

誕生後の赤ちゃんの発育のためには、一日でも長くお母さんのおなかの中で育てたほうが有利ですが、子宮から羊水が流れでているので、おなかの赤ちゃんをそのまま留めておくことは不可能な場合もあります。

また破水が起こったらそのまま分娩へと自然に進んでしまうこともありますので、出産予定日までまだ日にちがあったとしても、破水が起こったらすぐに病院に連絡しなければ重大な事態に陥ることもあります。

破水によるリスク 臍帯脱出

破水によるリスク 臍帯脱出

破水で怖いのが、破水の勢いで赤ちゃんよりも先に臍帯(へその緒)が子宮口からでてしまう臍帯脱出(さいたいだっしゅつ)で、臍帯は赤ちゃんの頭に挟まれてしまうため、赤ちゃんに酸素が送れなくなってしまいます。

赤ちゃんは酸素不足となり心音が低下して、迅速な処置をしても後遺症が残ってしまう可能性が出てきます。

定期健診で赤ちゃんよりも臍帯が子宮口に近い場所にある臍帯下垂であるとすでに判明している場合は、病院側も準備ができますが、これまで臍帯の状態に問題がない方でも、兆候が無くいきなり破水から臍帯脱出へとつながるケースがあります。

破水の症状について

破水は止まらない

破水は止まらない

破水と尿の違いは、尿は我慢しようと思えば我慢することが出来ますが、破水は自分の意思では止められないことにあります。

卵膜が破れることにより羊水が出てくる破水は、いったん始まると止まることはありません。少量が少しずつ出てくる高位破水の場合も同様ですが、ただし赤ちゃんの頭が蓋のようになり、羊水が漏れ出てこない場合があります。

ほんの少量が出ただけで止まった場合にも、破水の疑いがあるならば、念のため病院に連絡するようにしましょう。

破水の際の痛み

破水の際の痛み

陣痛とともに破水が起こる場合には痛みがありますが、高位破水や前期破水の場合はこれといった痛みを感じることなく、羊水が出てしまいます。

ほとんどの場合は陣痛の開始後に破水が起こりますが、妊婦さん全体の約一割から二割の方は適時破水ではなく前期破水になるといわれています。痛みがあるかどうかは破水かどうかの基準にはなりませんので注意しましょう。

破水が起きた瞬間

破水が起きた瞬間

高位破水の場合は、少量の羊水が少しずつ漏れ出てきますが、そうでない場合にはいきなり大量の羊水が一気に流れでることもあります。

妊婦さんによっては、おなかの辺りでポンと勢いよく音がして、破水が起きることもあります。破水の瞬間にそれと気がつくかどうかは、流れ出る羊水の量や卵膜の破れ方にもよります。

破水かどうかの検査

破水かどうかの検査

膣鏡による視診により破水かどうか判断がつかない場合には、検査が行われます。妊娠中の正常な状態では、膣内は弱酸性ですが、羊水は中性から弱アルカリ性。この羊水の性質を利用して、試験紙を用いてphの値を検査することにより、羊水かどうかが確定されます。

破水していることが確実になったら、感染がないかどうか、おなかの赤ちゃんの状態は正常かどうか、そして残っている羊水の量はどの程度かを精密に検査していきます。

破水が起きたら即病院に

破水が起きたら即病院に

破水が起きたということは、これまで赤ちゃんを外界から保護していた卵膜が破れたことを意味しますので、即刻病院に向かわなければなりません。

破水は陣痛前に起こることもありますので、いざというときのことを考えて、臨月に入ったら、病院に行く方法などについてよく考えておくようにしましょう。

病院に行く手段を確保しておく

病院に行く手段を確保しておく

自宅にいるときに破水が起きるのであれば、対処の仕方も比較的簡単ですが、それでもやはり前もって病院に行く方法や手段について考えておかなければなりません。破水が起きたら、自分で運転して病院に行くことはお勧めできません。

家族の運転で病院に行くことが出来れば理想的ですが、そうでなければ陣痛タクシーなどを利用することも考えなければなりません。どのような交通手段で病院に行くかを、前もって決めておき、家族にすぐに連絡できるような体勢を整えておきましょう。

専用のナプキンなどや母子手帳、入院に必要な身の回りのものをすべてきちんと用意しておくことも大切です。破水が先に起きるか、陣痛が先になるかは、そのときにならなければ分かりません。基本的な出産までの流れを把握した上で、いざと言うときには臨機応変に対応できるように準備を整えておきましょう。

陣痛よりも破水が先に起きたら

陣痛よりも破水が先に起きたら

通常病院に行くタイミングは陣痛の間隔を計ることにより見極めますが、陣痛よりも先に破水が起きた場合は、これを待たずに病院に行くことになります。

一度にたくさんの羊水が出てくるようであれば、破水していると気がつきやすいのですが、少量がじわじわと出てくる場合には、自分ではなかなか気がつかないこともあります。

破水は時間が経過すればするほど、母体と赤ちゃんへの感染率が高まりますので、自分では破水かどうか判断がつかない場合は、すぐに病院に連絡するようにしましょう。

破水による赤ちゃんの後遺症は? 胎便吸引症候群

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破水発生後の処置が遅くなると、赤ちゃんには様々な後遺症が現れます。外からの菌感染や酸欠による脳の障害といった症状の他には、胎便を飲んでしまう胎便吸引症候群があります。

お腹の中で酸素不足になると、赤ちゃんの腸が活発化し羊水内の胎便が増えます。その胎便を赤ちゃんが鼻や口から吸い込むことで発生する、呼吸困難やチアノーゼ・肺炎など様々な症状を胎便吸引症候群といい、酸素不足の状態が強ければ脳に障害が現れる可能性が高くなります。

ただ、胎便吸引症候群になった赤ちゃんの多くは抗生剤や酸素投与で元気に回復しますので、心配しすぎないようにしてください。

破水後の処置

破水後の処置

破水が起きたのちの処置としては、まずは感染を防ぐための抗生物質の投与が行われます。

そのあと出来れば自然に分娩が起こるのを待ちますが、あまりにも時間がかかり、母体と赤ちゃんへの負担が大きすぎると判断されると、陣痛誘発剤を用いることになります。

破水から帝王切開に至る場合

破水から帝王切開に至る場合

破水はしたものの自然に陣痛が起こらず、そして陣痛誘発剤を用いても子宮口が全開にならず、赤ちゃんの心拍数が下がってきてしまう。このような場合は、医師の判断により急遽帝王切開での出産になる場合があります。

しかしこれは自然分娩が不可能になった場合に限りますので、とくに問題がない限り、陣痛前に破水が起こっても自然分娩での出産が可能です。

ここまでのまとめ

破水に関して知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介しました。初産婦の方にとってははじめてだらけの出産で、陣痛や破水と不安なこともいろいろ出てくるかと思います。

疑問な点や不安な点はあらかじめ医師や助産婦さんに尋ねておくと同時に、急に破水が起きたときにどのような方法で病院に向かうかなどについて考えておくようにしましょう。

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