【妊娠3週】胎児と母体の症状で知っておきたいこと

妊娠3週 1ヶ月目

妊娠3週目になると、受精卵がいよいよ子宮に着床し、細胞が赤ちゃんとして育ちはじめるようになります。この時期は、2週目までとはまた違った動きが見られるようになり、身体の中に新たな変化が生じてくるので、自分の身体を注意深くチェックするようにしましょう。妊娠3週に知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

妊娠3週の着床について

子宮内膜に着床する

子宮内膜に着床する 

排卵後に受精しその受精卵は卵管から子宮内腔へ移動し、子宮内膜へと着床します。ただ内膜の上に乗っかるのではなく、胎盤の基となる絨毛組織を形成して子宮内膜へと絨毛を伸ばして行き、しっかりと固定させますが癒着が完了します。

大抵は子宮上部に着床するのですが、受精卵が移動しすぎて子宮下部や子宮口近くに着床してしまい、その場合は前置胎盤と呼ばれて妊娠中の注意・観察が必要になります。着床が完成してから、少しずつ母体から栄養と酸素をもらうために胎盤を形成し始め、最終的に胎盤が完成するのは15週目、妊娠4ヶ月の頃です。

着床出血などが見られる場合も

着床出血などが見られる場合があります

この時期になると、2週目の時点で身体の中に産まれた受精卵が子宮に着床します。着床には一週間程度かかるので、性交渉をしてから大体一週間程度で着床することになるのですが、中には着床したことによって「着床出血」を起こす人がいるので、注意が必要です。

着床出血は生理と勘違いされやすいですが、生理ではなく着床による出血なので、この時期に出血した場合は妊娠した可能性を疑ってみましょう。

着床出血はどのように現れるか

着床出血はどのように現れるか

子宮内膜内部に受精卵が入る時は、子宮内膜を溶かしながら侵入します。子宮内膜には毛細血管が張り巡らされているので、絨毛細胞が溶かした時に毛細血管が切れて出血する事があり、それを着床出血と言います。

着床出血の現れ方は人によって様々ですが、「生理の血とは明らかに違った」という方が多く、妊娠についてある程度知識のある人ならば、着床出血であることがすぐに察知できると言われています。着床出血の血は生理の血よりもサラサラしていることが多く、量がかなり少ないのが特徴となっているので、覚えておきましょう。

まれに着床時に子宮が疼く人も

まれに着床時に子宮が疼く人も

まれに、着床した時に子宮が疼く人がいます。着床に痛みを伴うことはよくあることなので、不安に思う必要はないですが、着床に痛みを感じる方の場合は痛みを感じると共に、着床出血もしているものなので、出血が見られた場合は様子をうかがうようにしましょう。

その後、4週目に入った時に妊娠検査薬を使ってみて陽性反応が出た場合は、3週目の出血は着床出血であったことになります。また、妊娠のために計画的に子作りに励んでいる方は、この時期におりもの用ナプキンを装着しておくと、下着を汚すことがないので快適に過ごすことができます。

着床した部分からホルモンが分泌

着床すると絨毛組織は内部へと入って行き、がっしりと根を張って固定します。またその絨毛組織からはhCGと呼ばれるホルモンが分泌されて、プロゲステロンとエストロゲンの分泌を促し妊娠状態を維持するのです。

hCGホルモン分泌量が最大になる妊娠7週~10週はつわりが一番激しい事から、このホルモンはつわりと大きな関係があると言われています。このホルモンは妊娠時のみに分泌され尿と一緒に排泄される為、妊娠検査薬は尿内の含有ホルモン量によって陽性か陰性化を判断します。

妊娠検査薬が陽性反応を起こす場合も

妊娠検査薬が陽性反応を起こす場合も

基本的に、妊娠検査薬は4週目以降から反応するものですが、稀に、3週目でも反応することがあります。

ただし、妊娠検査薬は使用時期を守って使うべきであり、「早く妊娠しているかどうかを知りたい」思いから使用時期を無視して使ってしまうと、間違って陽性反応が出るような場合もあります。ぬか喜びになってしまうと後が辛いので、「フライング検査」にならないよう注意しましょう。

HCGホルモンが分泌=妊娠検査薬反応

HCGというホルモンを分泌するようになります

3週目の終盤にさしかかってくると、尿の中に「HCG」と呼ばれるホルモンが見られるようになります。

別名「ヒト絨毛性ゴナドトロピン」とも呼ばれるこの成分は「絨毛(じゅうもう)」から分泌されるものであり、妊娠した場合にのみ分泌されます。妊娠検査薬を使った時に反応する成分がこのヒト絨毛性ゴナドトロピンなので、母体で絨毛が作られるようになると、次第に妊娠検査薬にも反応するようになってくるのです。

妊娠3週の胎児の成長、お腹の様子

赤ちゃんの成長が始まります

赤ちゃんの成長が始まります

3週目になると、受精卵が子宮に着床し、「絨毛(じゅうもう)」と呼ばれる根っこを生やすようになります。この絨毛が胎盤のもととなるものであり、この時期から赤ちゃんを育てるのに必須である胎盤が段々と出来上がっていくようになり、赤ちゃんもそれと共に大きく育つようになります。

受精卵が育つ基本環境が整う

受精卵が育つ基本環境が整う

受精卵は細胞分裂を繰り返しながら着床しますが、この週には胚盤胞で大きく2つの塊に分かれます。卵子の内側には内細胞塊があってこれから身体を形作るあらゆる細胞へと分化していきますが、卵子の外側を囲む外細胞塊は栄養膜とも呼ばれていて、胎児に成長していく為に必要な器官に分化していきます。

特に胎盤が完成して母体から栄養を受け取れるようになるまでは、自力で栄養を得なければならないのですが、そのための重要器官が卵黄嚢です。胎盤が完成に近づくにつれて退化しますが、妊娠2ヶ月には胎芽と繋がった卵黄嚢を確認できます。その他に羊水腔や胎盤など、本格的に成長する前の基本環境が整ってきます。

胎のう心音が確認できる5・6週目ごろ

目で確認は出来ないですがもうすでに胎芽を包む胎のうが形成されていて、心音が確認できる5・6週目ごろには楕円形をした胎のうが超音波検査で確認できるようになります。

妊娠3週の母体の症状などについて

「無影響期」に該当する期間です

「無影響期」に該当する期間です

3週目のこの時期は、「無影響期」に該当します。「無影響期」とは、その名の通り何の影響も受けない期間であり、この時期に飲んだ薬の悪影響は受けないので、3週目の段階では薬に関する心配をする必要はまだありません。

ただし、3週目を過ぎ、赤ちゃんも着床し、子どもが段々と育つようになってくると無影響期を抜け、薬の影響を受けやすい過敏な時期に突入するので、気をつけるようにしましょう。

体温が37度以上になる日が増える

体温が37度以上になる日が増える

妊娠2週目は排卵期であり、体温が高くなっている状態なので、平熱が35度しかないような人も、体温が36度まで上がっていたりします。

通常であればその後、排卵期を抜けることによって平熱が35度台に戻ってきますが、着床すると中々体温が平熱に戻らなくなり、風邪の症状がないにも関わらず、体温が37度を超えてしまったりします。微熱が続くような場合は妊娠した可能性があることなので、時期を見て妊娠検査薬を使ってみましょう。

中には超初期症状が出る方も。

中には超初期症状が出る方も

例えば妊娠を望んで色々準備してきた方や経産婦の方は、受精後や着床後のちょっとした違和感を感じる場合があり、それを妊娠超初期症状と呼んでいます。生理直前に減少するはずのプロゲステロンが分泌されたままなので、基礎体温も高いままとなって身体のだるさや熱っぽさが顕著になります。

またhCGホルモンが多く分泌されるようになる為、胸の張りや痛みを感じる方も少なくありません。ただ、生理前症候群の症状が表れる時期なので区別が付かない方も多いですが、その時点では分からず生理予定日を過ぎても生理が来ない事で、あれは超初期症状だったと後日確認できます。

喫煙は母体と赤ちゃんに悪影響を

喫煙は母体と赤ちゃんに悪影響を及ぼします

精子の質の良さに関係してくる為、排卵前は特にパートナーの飲酒や喫煙を控えた方がよいですが、受精卵が着床してこれから本格的に育っていくこの時期は、パートナーに続いてお母さんもタバコやアルコールを止めましょう。

タバコは血管収縮作用のあるニコチンが血行を鈍らせて子宮内の動きを抑制するので、低体重児になる可能性が高くなります。またアルコールは肝臓で代謝した時に発生するアルデヒドなどが、胎盤や血管を通して胎児に届き、妊娠初期の器官形成を妨げ、妊娠後期には発育遅延や中枢神経障害を引き起こしやすくなります。

これからはおなかの赤ちゃんにとって最重要時期に入るので、お母さんも赤ちゃんへ悪影響を与えるものは排除し、体調をしっかり整えて成長をサポートしましょう。

早めに産婦人科を受診する手も

早めに産婦人科を受診するという手も

前述の通り、この時期に妊娠検査薬を使うと陽性反応が出ることもありますが、産婦人科へ行ったとしても特別なことはしてもらえませんし、早く診察を受けたからといってその分、赤ちゃんが元気に育つとは限りません。

ただし、もともと母体が何らかの病気を抱えていた場合は早期発見に役立ちますし、それによって赤ちゃんが元気に育ちやすくなる場合もあるので、気になる場合は早めに産婦人科を受診しましょう。

葉酸の摂取を開始するべき時期です

葉酸の摂取を開始するべき時期

妊婦に対し、厚生労働省は、1日440マイクログラムの葉酸を摂取することを推奨しています。葉酸の摂取は妊娠している女性にとって非常に重要なことであり、葉酸が不足すると何かと赤ちゃんの成長を阻害してしまうので、3週目の時点から葉酸をこまめに摂取するようにし、赤ちゃんが育ちやすいように工夫するようにしましょう。

葉酸の過剰摂取は逆効果?

ちょうど器官形成期を目の前にした今の時期に、葉酸を摂取するのはとても大事です。非妊娠時でも女性の1日葉酸摂取量は240μgですが、妊娠中はなんと倍の440μgの摂取を勧められています。しかし、葉酸の摂取量が少ない女性が多く葉酸は水溶性ビタミンなので、少々摂取量をオーバーしても大丈夫と思う方もいるでしょう。

頑張って沢山摂取するのは良い事ですが、上限摂取量の1000μgを超えて長期間摂取すると、痺れなどの神経症状や蕁麻疹・亜鉛などの栄養素吸収低下など、様々な副作用が表れます。葉酸の過剰摂取には気をつけましょう。

まとめ

3週目のこの時期は、まだまだ母としての自覚を抱きづらい時期ではありますが、身体の中ではすでに赤ちゃんを育てるための準備がはじまっています。

早い方だと、3週目の時点で妊娠検査薬の陽性反応が出ることもありますし、この時期からお母さんとしての自覚が徐々に芽生え始めるので、体調管理を徹底し、体温を毎日測るなどして過ごすようにしましょう。