妊娠後期 お腹はちきれそう!妊娠後期のお腹のはりや腹痛について知っておきたいこと

妊娠後期の腹痛について知っておきたいこと 妊娠後期

妊娠後期は赤ちゃんがどんどん成長し、初期・中期よりも胎動も大きく感じられるようになります。この妊娠後期に悩まされるのがお腹のはり、軽いはりならば少し休むだけでおさまる場合が多いのですが、中にはがちがちに固まってしまったり、一日に10回も20回もはりを経験する方もいるようです。

胎動による軽いお腹のはりであれば問題ありませんが、痛みや出血を伴うようになると、陣痛の可能性も出てきます。お腹がはるということは子宮が収縮していることを意味しますので、赤ちゃんに対する酸素や血液の供給が減るということになります。赤ちゃんの健康な成長のためにも、早産にならないためにも、お腹のはりや痛みには格別の注意を払わなければなりません。

妊娠後期のお腹のはりと痛みに関して知っておきたいことや対処法などの情報をご紹介します。どれも無事に出産日を迎えるために知っておきたいことばかりなので、ぜひ参考にしてください。

お腹にはりや痛みを感じる原因とは?

お腹にはりや痛みを感じる原因とは?

妊娠後期には赤ちゃんの成長の伴い、子宮がどんどん大きくなってきます。お腹にはりを感じる原因は、子宮の筋肉が収縮しようとすることにあります。子宮の筋肉はいわばゴムのようなものですので、子宮内の赤ちゃんの成長につれて伸びる一方で、もとの大きさに戻ろうとする動きも示します。

これが妊娠中のお腹のはりの大きな原因になります。他にも子宮のまわりの筋肉が動くことや、胃腸の蠕動運動により、お腹がはる感覚を覚えることがあります。

赤ちゃんの胎動によるお腹のはり

赤ちゃんの胎動によるお腹のはり

妊娠後期では赤ちゃんが成長して胎動も大きくなっていますので、赤ちゃんが動くにつれて、お腹を蹴られているような感じがします。

赤ちゃんの動きにつれて、お腹のまわりの皮膚がつれるような感じがする場合もあり、これもお腹のはりや痛みの一因となります。胎動によるお腹のはりや違和感は、ほとんどの場合じっと静かにしているとおさまります。

お腹にはりを感じたら

お腹にはりを感じたら

妊娠後期にはお腹のはりがそれまでにも増して多くなります。これは子宮の収縮だけでなく、赤ちゃんが成長し、胎動が活発になることや出産を目前にしたストレスから起こることもあります。胎動によるお腹のはりは、しばらくするとおさまってきますので、お腹にはりを感じたら、とりあえず横になるなどして安静にします。

じっとしていてもお腹のはりが治らない場合や痛みが激しくなる場合、出血がある場合には、即座に産婦人科で診断してもらう必要があります。

お腹のはりのチェックの仕方

お腹のはりのチェックの仕方

お腹のはりについては個人差があり、自分のお腹のはりや痛みについて、客観的に判断できないお母さんも多いようです。どんな状態になると病院に行くべきか、いまひとつ分からないという方は、自分のお腹の状態によく気をつけておくようにしてください。

お腹がはると固くなり、場合によってはバスケットボールやバレーボール、あるいは自分の頭のような固さになり、座っても横になってもその状態が続きます。

これに対してお腹がはっていない状態では、ちょうど頬の固さと同じくらいの固さと感じる方が多いようですので、お腹がはったと感じたら楽な姿勢を取り、お腹にそっと手を触れ、固さを確認してみましょう。自分の頬の固さと同程度であれば、まず問題ありません。

ひどい場合は張り止めも検討

妊娠後期になったら心がけて起きたいこと

お腹がぱんぱんに張り、痛みがある場合や、30分以上経過してもはりがおさまらない場合、たとえ痛みがなくてもお腹のはりが断続的に起こる場合には、一度産婦人科で診断してもらうようにしましょう。

産婦人科ではお腹の張りをおさえる薬を処方してくれます。これを服用すると張りが和らぐだけでなく、早産の防止としても有効といわれています。お腹のはりが辛く不安な方は定期健診の際に必ず医師にその旨伝えるようにしましょう。

赤ちゃんへの影響は?

赤ちゃんへの影響は?

お腹がはるということは子宮が収縮していることを意味します。子宮が収縮すると早産が起こりやすくなることが知られています。子宮が収縮したままでいると、中にいる赤ちゃんへの血液や酸素の運搬が滞ることもあり、最悪切迫早産という形で子宮が赤ちゃんを押し出そうとしてしまいます。このようなリスクを防止するには、日頃から自分のお腹のはりについてよく把握しておくことが大切になります。

一時間の間に5、6回以上のはりを感じる場合や、規則的にはりが起こる、痛みと痛みの間の間隔がだんだん少なくなっていく、このような場合には即刻医師に連絡するようにしましょう。

はりや違和感、痛みを感じたら安静に

妊娠後期にもなると、お腹のはりを完全に防ぐことは出来ません。胎動や姿勢により自然に起こるお腹のはりは静かにしていれば、ほとんどの場合30分以内におさまりますので、それほど神経質になる必要はありません。

ただお腹が固くがちがちになると、どんな体勢を取っても辛く感じられ、ゆったりと休息することが難しくなります。お腹にはりを感じたらまずは動き回るのをやめ、痛みが発生しないように安静にしましょう。

便秘が原因の腹痛

便秘が原因の腹痛

妊娠中はエストロゲン・プロゲステロンの分泌量が増加しますが、プロゲステロンには腸の動きを鈍らせる働きがあります。これらの女性ホルモンは受精卵が着床してから急激に分泌量を増すため、妊娠初期から出産までずっと便秘に悩まされる妊婦さんも多いのです。

便秘を放置すると腸を圧迫して痛みを引き起こしますが、トイレに行っても中々出ずに辛い思いをする羽目になってしまうので、食事や運動を工夫したり薬に頼るなど色々工夫してみましょう。あまりにも長い便秘は子宮をも圧迫してお腹が張る原因となってしまうので、早目の対処が大事です。

下痢が原因の腹痛

下痢が原因の腹痛

妊娠中は免疫力が下がるので、ちょっとした事でも感染症にかかりやすい傾向にあり、また、基礎代謝が上がって常に暑く感じるため、ついつい冷たいものや水分を取りすぎる事も多いです。

これらが原因で起きる吐き気や下痢は、腸が過敏に動いて差し込むような痛みが発生します。ここで気をつけなければならない事は、お腹の張りと脱水です。下痢がひどいようだと、度重なる下腹の痛みに誘発されてお腹の張りも出てくるようになります。

また吐いてしまえば体内の水分も失われてしまいますから、少しずつスポーツ飲料などで水分を補給するよう意識しましょう。辛い時は、市販の下痢止めや整腸剤は使わず、病院から処方してもらうようにしてください。

腹圧(くしゃみや咳など)が原因の腹痛

腹圧(くしゃみや咳など)が原因の腹痛

もう妊娠後期になると、腹圧が少々かかっただけでもお腹の張りが誘発されるようになります。例えばくしゃみや咳、重い物を持ち上げるなど日常生活でよくある事が原因となりかねないのです。

もちろん1回のくしゃみや咳ではどうにもなりませんが、感染症にかかってくしゃみが止まらなかったり、喘息になって強く咳き込むようだとお腹の張りも強くなってしまうので、感染症対策はしっかり行iいましょう。

喘息の方は前もってかかりつけの病院で薬を処方してもらうなど、腹圧をかけない予防をしっかりしておきましょう。

子宮頸管が短くなってきた妊婦さんや子宮口が開きかけている妊婦さんが重いものを持つと、お産が早まる可能性が出てきますから、周りの人にお願いしてください。

切迫早産で入院の可能性も

切迫早産で入院の可能性も

妊娠36週以降の強いお腹の張りは陣痛の可能性が高いですが、それ未満の週に陣痛のようなお腹の張りがあった場合は切迫早産として入院するケースがあります。

妊娠後期だと生育限界も過ぎているためもう出産してもいいのでは?と思いがちですが、実は妊娠8・9ヶ月でも発達を続けている器官があります。

外に出てすぐに必要となる肺と目の網膜は正産期に入るギリギリまで発達しているので、それより前に生まれてしまうと赤ちゃんに異常が発生したり、退院が遅れる可能性がわずかですがあります。

可能な限りお母さんのお腹の中で成長するのが赤ちゃんにとってベストなので、切迫早産で入院が必要だと言われた時は主治医の指示に従ってください。

臨月は前駆陣痛、本陣痛の可能性がある腹痛

臨月は前駆陣痛、本陣痛の可能性がある腹痛

臨月に入ると前駆陣痛(偽陣痛)により腹痛の可能性があります。不規則に痛みがあり強く感じたり、弱く感じたりすることが特徴です。前駆陣痛の感じ方は様々です。

経産婦の方は分かると思いますが一般的に痛みの質やレベルが前駆陣痛と本陣痛とは違います。初産婦の方は不安があるかもしれませんが不安なことは病院の先生に相談するようにしましょう。

本陣痛は痛みが不規則ではなく、痛みの間隔がだんだん小さくなっていきます。出産のため病院へ向かう間隔の目安は初産婦は陣痛10分間隔、経産婦は陣痛15分間隔です。

激痛 出血 破水などが起こったら

激痛 出血 破水などが起こったら

自然な張りではなく、お腹が固くぱんぱんになり、激しい痛みが断続的に襲ってくる場合は、常位胎盤早期剥離などの可能性があります。常位胎盤早期剥離が起こると、胎盤がはがれてしまい、お母さんも赤ちゃんも危険な状態になります。

その他、妊娠高血圧症候群、前置胎盤、低置胎盤、子宮頸管炎、絨毛膜羊膜炎、細菌性膣症、子宮頸管無力症、子宮筋腫、子宮奇形、羊水過多症、羊水過小症など様々な早産のリスクがあります。

異変を感じたら、出来るだけ早急に病院に行くようにしましょう。

妊娠後期になったら心がけて起きたいこと

妊娠後期になったら心がけて起きたいこと

妊娠の経過が安定していて、とくに問題ない方であっても、万が一の場合に備えてどんな方法で病院に行くかなどについて、家族の方と相談しておくようにしましょう。自宅で一人でいるときに切迫早産になったりすると、慌ててしまいとっさにどうしてよいか分からなくなることもあります。

臨月が近づいたらいざというときのことを考え、出産前に用意しておくべきものなどをあらかじめ整えておくようにしましょう。

妊娠後期の過ごし方

妊娠後期の過ごし方

妊娠後期になると赤ちゃんが下に下りてくることにより、それまであまり食事が食べられなかった方も美味しく頂けるようになります。ただしいくら食欲が沸くからといってカロリーオーバーな食事をしていると、体重が増えすぎてしまい、出産後にひびいてしまいます。食事の内容に注意を払い、便秘を予防する食材を毎日の食事に取り入れるようにしましょう。

ストレスもまたお腹にはりをもたらすといわれています。とくに初産婦の方は出産を目前にし、いろいろ不安に思うことも出てくるかと思います。分からないことは早めに解決し、精神的ストレスを抱えてしまわないようにしましょう。

根拠のない不安を持たないよう、陣痛や出産に関する確かな知識を得るようにし、分娩のための入院に向けて必要なものをひとつひとつ用意しておくようにしましょう。

ここまでのまとめ

お腹のはりは妊娠後期には付き物、子宮の筋肉の収縮によるものや、赤ちゃんの胎動から生じるものであれば、ほとんどの場合しばらく休むとおさまってきます。ただしお腹のはりには度合いがあり、痛みがひどいとき、出血を伴うとき、規則的なリズムでお腹にはりを感じるときなどは、早急に病院で診断してもらう必要があります。

お腹のはりの感じ方は一人一人違っています。臨月も近くなると、前駆陣痛の起こる可能性もありますので、自分の普段の状態によく注意を払い、いつもと違うはりや痛みを感じたときに即座に対処できるようにしておきましょう。

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