妊娠13週目の胎児は体内器官が更に発達し、羊水の中を胎児が自由に動き回っています。骨もだんだんと硬化していく過程ですし、首と頭が分かれて顎がハッキリエコーで見え始めます。
胎盤が完成に近づいてくるので血液も不足気味になりますので注意が必要です。つわりが終わる方とまだひどい方がおり、状況によって体調管理が必要になる時期です。妊娠13週の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます
妊娠13週の胎児の成長、お腹の様子
妊娠13週の胎児の様子
胎児の身体の輪郭がハッキリしてくるこの頃は、胎児の成長によっては健診の際に平均よりも小さい・大きいと指摘され、悩んでしまう妊婦も出てきます。だからといって2人分食べようとしたり、過度なダイエットを考えるのはまだ時期尚早です。
胎児の超音波計測や推定児体重には若干の誤差がともないます。大きくなれば更に詳細に分かりますから、今の段階ではあまり気にしない事も大事です。
体内器官が更に発達してきます
全ての内臓器官が完成しましたが、これからは出産時にはすぐに外の世界に対応でき自分一人で成長していけるように、それぞれが更に発達を続けます。
例えば腸は体内に全て収まりましたが、ただ収まっているだけの状態でした。この週になると大腸が小腸を取り囲んで、人間と同じような腸の位置に落ち着くようになります。それから血液を作るのは骨髄ですか、また機能していないために、この頃は脾臓と肝臓を使って自分で血液を作り出すようになります。
胎動はもう少しあと 掌握反射
これまでは足を交互に動かしたり呼吸しているような動きを見せたりと、お腹の赤ちゃんは原始反射をいくつか見せてくれましたが、この週になるともう1つ原始反射が増えます。
最初はただの突起だった手も、一本一本の指に分かれて爪も形成されており、掌握反射の反応が起きるようになっています。
掌握反射とは触れたものを握ろうとする習性のことであり、13週目の赤ちゃんは握る動作を繰り返したり親指をしゃぶったりしながら、お腹の外に出た時のために練習するようになります。胎動を感じるほどではありません。楽しみの赤ちゃんの胎動を感じるにはもう少しあとになります。
エコーで顔が見れるかも?
これまで軟骨で出来ていた骨もだんだんと硬化してゆき、胎児が自由に羊水の中を動き回る、大元の支えとなっています。今までずっと同じ格好でいた胎児も色々向きを変えるようになって、この頃のエコーでは後ろを向いてしまって顔が見えないなんて事もあります。
また、骨の硬化に伴って顎が出来上がり首の骨も伸びるため、今まで俯いていた胎児も首と頭が分かれて顎がハッキリ見え、ますます赤ちゃんと同じような顔のつくりになっていきます。エコーを見て、どっちに似ているかなんて二人で話すのも楽しいです。
妊娠13週性別はわかる?わからない?
まだエコーでは生殖器は確認できません。妊娠5ヶ月以降にわかるケースがほどんどです。女子は膣や卵巣が作られ、男子は精巣などが作られます。
成長が早い胎児であることと、エコーで見たときの角度によって先生はわかる場合もありますが、確実ではないので言わない場合が多いそうです。先生も確証が得るまでは告げませんのでもうしばらく待ちましょう。
妊娠13週の母体の症状などについて
妊娠13週お腹がポコンと出るように
妊婦の方の中には、「13週目に入ってからお腹が大きくなっていることに気づくようになった」方が多く、この頃から衣類を窮屈に感じるようになってきます。
お腹がポコンと出ることによって今までに着ることが出来たスカートやパンツも入らなくなってきますし、無理に着てしまうと腹圧によってお腹が痛くなってしまうので、ゆるく大きめのシャツを着るなどして対処しましょう。
妊娠13週貧血気味に
胎盤は13週目になると、ますます完成に近づきます。血液量は妊娠後期の最大量になるまでどんどん増えていきますが、それは全て胎児への栄養として使われます。増えた血液量では足りずにお母さんが必要とする血液までも胎児へまわります。
栄養を乗せた血液が胎盤の方に集中してしまうため、鉄欠乏性貧血になりやすいですが、貧血になってしまうと赤ちゃんに栄養が行きづらくなってしまうので注意をしなければなりません。
脳に血が行かなくなるとフラフラしてしまいます。転倒の危険性が増してしまいますし、お腹も少しずつ大きくなって重心も不安定になりがちなので、貧血でめまいを起こせば簡単に転倒してしまいます。
胎児と母体双方にとって危険な状態になりますので、鉄分をしっかり摂取するようにしましょう。また食事以外にも鉄剤やサプリを上手く活用しましょう。
妊娠13週つわり
妊娠13週目は、まだつわりがある方はもう少しで楽になりますので、もう少し頑張りましょう。
つわりも落ち着いた方はラクに過ごせる時期です。妊娠している身体にも慣れてきて、ごはんを美味しく食べられるようになります。つわりが落ち着くとストレスを感じることが少ない時期になりますので、精神的にも肉体的にも余裕が出てきます。
妊娠13週便秘が重くなる?
お腹が目に見えて大きくなり、便秘の症状も重くなります。これは大きくなった子宮が腸を圧迫していることが原因ですが、子宮は今後もどんどん大きくなっていきます。便秘の症状は放置すればするほど、重くなってしまいます。
適度な運動や一日一回ココアを飲むだけでも違いますし、消化しづらい物を食べないようにすれば便通が良くなります。
痔にも気をつけて
妊娠初期から頻尿と便秘に悩まされますが、4ヶ月目に入ると子宮は上方に大きくなるため頻尿は軽減されますがが、便秘は更にひどくなる傾向に。元々便秘がちな人はこんな状態に慣れているのかもしれませんが、放っておくと痔になりやすくなります。
妊娠中はむくみやすくうっ血しやすい事から通常よりも痔になる可能性が高く、また免疫力が低下しているために一度なってしまえば治りにくいです。痔にならないためには、食事や運動など便秘対策をしっかり行いましょう。
妊娠線が出やすくなる時期です
妊娠線とは、妊娠によってできてしまうお腹の線のことです。外見でお腹が膨らんでいるのが分かるようになります。気をつけるのが妊娠線ケアで、特に妊娠前は痩せていた人や皮下脂肪の多い人はなりやすいので、今からしっかりケアし始めましょう。
まだ子宮は小さいサイズなので、まだ必要ないと思っている方も多いですが、この頃から保湿をしっかりして皮膚を柔らかくしておくと、妊娠中期・後期に入って急激にお腹が大きくなっても、妊娠線が出来るのを遅らせたり少なく出来ます。
妊娠線ケアを始めましょう
妊娠線はできてしまう人とできない人に分かれますが、マッサージをしていた方は妊娠線が比較的出来づらい、薄い傾向にあります。
妊娠線を気にする女性は非常に多く、マッサージなどを怠ると出産後もずっと線が残ってしまいます。妊娠線を予防するためにクリームなど使い、気づいた時にマッサージするようにしておきましょう。
ウエストラインが気になる場合
ウエストラインが徐々に太くなってくる時期ですが、元の体重よりも妊娠中に10kg以上増えてしまうと増えすぎで要注意です。ウォーキングの回数などを増やすようにし体重管理ための努力をしましょう。
妊娠中だからといって食べ過ぎてしまうと、妊娠後も不健康な状態になってしまうので、この時期にも適度な運動、体重管理を心がけましょう。
腰痛にも注意が必要
赤ちゃんが大きくなってくると、腰の疲れなども増大しやすくなるので注意が必要です。お腹の大きさがひと目に付くようになるので、周囲から「何ヶ月目ですか?」と質問されるようになる方もおられます
お腹が大きくなってくると、その分腰に負担もかかりますし、立っているのが辛くなってしまうことも増えてくるのです。立っているのが辛い場合は、すぐに椅子に座るようにし、絶対に腰に負担をかけすぎないようにしましょう。
妊娠13週食事内容について
つわりや体調不良などがあり食欲不振でも、栄養はできるだけ摂取するべきです。鉄分不足や葉酸不足にもこれまで以上に注意が必要となるので、きちんとそれらの栄養を摂取するようにし、栄養不足にならないように気をつけるようにしましょう。
葉酸欠乏性貧血に注意
この時期は赤ちゃんが急激に成長するので、葉酸が不足しがちです。葉酸は肝臓に蓄えられる性質のある栄養成分なのですが、不足して「葉酸欠乏性貧血」になってしまう危険性があります。
貧血になってしまえば、胎盤の形成にも悪影響が及びますし、赤ちゃんの発育にも悪い影響が及んでしまいます。サプリメントやとうもろこし、アスパラガスを摂取すると葉酸を取り込むことができるので、こまめに摂取しつつ、赤ちゃんの成長を助けるようにしましょう。
排尿困難 尿閉
排尿感はあるのにトイレに行くと出ない、パターンを繰り返す方は排尿困難の可能性があります。排尿困難は子宮後屈の方が多く、子宮がまっすぐのまま大きくなると尿道をふさいでしまい尿が出なくなる原因となります。
また、リラキシンの影響で子宮や膀胱を支える骨盤低筋が緩み、子宮や膀胱の位置が変わり出にくくなってしまうのも原因の1つと言われています。重度な場合は病院で導尿をしてもらうこととなります。胎盤が完成する頃には改善さるケースが多いですが、つらい場合は医師の診断を仰いでください。
改善、予防方法は、まず水分をしっかりとってクッションなどを腰において横になると、膀胱の位置が変わるため尿が出やすくなります。また、骨盤低筋を鍛えると、排尿困難だけでなく出産時のいきみの練習にもなります。
妊娠13週の出血や腹痛 流産について
胎盤がしっかり固定されて完成に近づくと、それに伴って早期流産の可能性はぐっと低くなり、胎児とお母さんの体調も安定してきます。だからといって100%流産の危険はないのかというと、低い確率ですがこの時期でも起こりえます。
初期の段階では、流産の可能性もありますし、切迫流産などに悩む方も多いですが、後期流産13週目の段階で腹痛と出血があり、産婦人科へ行った結果切迫流産だと診断された方もいます。
安定期に近いからと安心せずに、妊娠中は無理をしない事を肝に銘じるのが一番大事です。お腹に引きつるような痛みや段々ひどくなる痛み、それから出血があった日にはすぐ病院に行って処置をしてもらいましょう。腹痛や痛みを伴わない稽留流産の場合もありますので、定期健診は必ず受けるようにしましょう。
自己判断で「もう13週目なんだから大丈夫だろう」と無視してしまうと、後々大変なことになってしまう場合もあるので、気をつけるようにしましょう。
詳しくは:妊娠初期出血:お腹の張り痛み:切迫流産:稽留流産:初期流産:切迫早産:早産
気になる腹痛とそうでない腹痛
腹痛にも種類があり、流産など危険な腹痛とマイナートラブルの腹痛、子宮が大きくなる過程の腹痛などがあります。危険な腹痛は上記でも記したように、出血が伴う腹痛やおりものの変化による腹痛は流産の危険がありますので、すぐに医師の診断を受けてください。
初産の方が区別がつかない腹痛として、マイナートラブルの腹痛があります。便秘、下痢、胃痛、つらりの影響の腹痛、お腹の圧迫などがあり、これらは問題ありませんが、酷くなると妊娠生活に影響がありますので、予防、改善を行いましょう。
また子宮が大きくなる過程の腹痛は「チクチク」する痛みがすると表現しますが、この腹痛は赤ちゃんが成長している証拠でもありますので問題はありません。しかしお腹に痛みがあることは心配ですので一度医師に相談してみましょう。
この時期に基礎体温が下がった時は大丈夫?
妊娠中も基礎体温をつけていた方は、次第に基礎体温が低下していくのに気がつくかもしれません。体温低下をすぐ流産と結び付けてしまう方も多いですが、この頃の基礎体温低下は黄体ホルモン分泌量の低下によるものが大きいです。
胎盤が完成するまでは、赤ちゃんを子宮内に留めておくために多量の黄体ホルモンが必要でしたが、胎盤完成が間近になるこの時期では今まで程の黄体ホルモンは必要ではなくなるため、分泌量が低下すると共に基礎体温も低下していきます。
ただ、この時期の基礎体温低下は当たり前だとしても、体の冷えなどで基礎体温が低くなりすぎると赤ちゃんに悪影響を与えてしまいます。これまで同様、引き続き体の保温には気をつけましょう。
持病持ちや高齢出産は健診でトラブルを未然に
持病持ちの妊婦や30代後半・40代の高齢出産は、より慎重になる必要があります。例えば妊娠13週に入ると胎盤が完成に近づくため、流産の可能性は一気に減ります。しかし高齢出産の方は、出産するまで流産の危険があると思って行動に十分注意してください。
一番大事なのは、定期健診を必ず受ける事です。高齢出産の場合は1ヶ月に1回の健診が2回・4回と増えますが、頑張って受けるようにしましょう。
それから、本格的にお腹が大きくなってからトラブルになる、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの検査を早めに行うこともあります。健診や検査の回数が増えますが、その分お母さんと赤ちゃんの健康をチェックするためですから、サボらないようにしましょう。
ここまでのまとめ
13週目頃にはつわりが落ち着き始める方もいらっしゃいます。しかしこの時期になってもつわりが継続している方もいますので、体調不良には注意し健康的に毎日を過ごしましょう。栄養の摂取には依然として気をつけなければなりませんし、腰痛や腹痛などのマイナートラブルにも注意が必要です。