【妊娠6ヶ月】胎児と母体の症状で知っておきたいこと

妊娠6ヶ月 6ヶ月目

妊娠6ヶ月目は、胎児は毛髪が生えるようになり、活発に動きますので胎動が感じやすい時期になります。性別が分かり名前を考え始めると赤ちゃんを実感できる時期です。

腹が大きくなり体重増加に伴い体重管理が大変な時期でもあります。安定期に産後育児の準備を整えておくことで、産褥期に子育てに集中できますので具体的な準備を進めておきましょう。妊娠6ヶ月の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

目次

妊娠6ヶ月の胎児の成長、お腹の様子

胎児の体重は?様子は?

妊娠6ヶ月 胎児 へその緒 の様子

妊娠20週胎児体重は正常発育児の95.4%が211g~416g 平均体重:313gとなります。※1妊娠21週胎児体重は正常発育児の95.4%が262g~512g 平均体重:387gとなります。※1妊娠22週胎児体重は正常発育児の95.4%が320g~617g 平均体重:469gとなります。※1妊娠23週胎児体重は正常発育児の95.4%が386g~733g 平均体重:560gとなります。※1

個人差はありますが、妊娠6ヶ月目になると赤ちゃんの大きさは311g~733g程度にまで成長します。徐々に身体に脂肪がつきはじめ、シワシワだった身体が段々とぷくぷくとした白ピンクの皮膚をまとうようになってきます。成長スピードも段々と加速するようになります。

胎脂とは?白ピンク皮脂に全身に

胎脂という白ピンク皮脂に全身にまといます

胎児は胎毛が全身に生えていて、羊水の刺激を抑えていますが、この1ヶ月でクリーム状の胎脂が全身の皮膚につきます。胎毛と同じく羊水の刺激から胎児を守ったり体温調節の働きをするもので、さらに出産時に胎児が産道を通りやすいよう潤滑油の役目も果たします。

妊娠5ヶ月頃から代謝システムが出来上がり、胎児は自分で熱を生めるようになりますが、まだその熱は小さいものなので熱を奪われないように胎脂が守ってくれます。

妊娠6ヶ月胎動について

妊娠6ヶ月胎動について

「妊娠5ヶ月の時点では胎動をあまり感じられなかった」という人も、6ヶ月目に突入するとほとんどの場合、胎動を感じられるようになります。妊娠6ヶ月は子宮低長の上端がおへそまで来て、胎児は子宮の中を動き回るので、おへそから下腹部までのいろんな部分で胎動を感じらます。

「お腹の中にたしかに我が子が存在している」と感じられるようになると、出産をする実感が湧くと共に母としての実感も湧くので、この頃はより前向きな気持ちが芽生え、気が引き締まるようになることでしょう。1日のほとんどを寝てすごしている胎児が、お母さんに自分を主張する数少ない時間なので、ぜひ母子でコミュニケーションをとってください。

妊娠6ヶ月胎教 声が聞こえるように

赤ちゃんに声が聞こえるようになります

妊娠6ヶ月になると顔もハッキリしてきますし、声も聞こえるようになってきます。赤ちゃんに話しかけることによってリラックス効果を得ることができるので、きちんと赤ちゃんに話しかけるようにしましょう。

喉の問題で話しかけることができない方の場合も、音楽を聞かせてみたり、指で小さく叩いてみたりすると良いので、色々な方法を試してみてください。

お腹の羊水が増え始める時期

お腹の羊水が増え始める時期

羊水がたっぷりお腹の中に溜まるようになります。羊水は赤ちゃんを衝撃に守るための緩衝剤となってくれるので、以前よりも神経質に行動せずにすむようになり、気分的にもラクになってきます。

37度程度の温度が保たれるようになりますが、やはり母体が冷えてしまうとそれが羊水の温度にまで影響してしまうので、できるだけ身体は冷やさないように心がけましょう。

妊娠6ヶ月性別がはっきりわかるように

妊娠6ヶ月性別がはっきりわかるように

この時期になると、産婦人科で男の子か女の子かがわかるようになります。超音波検査で調べることができるので、確認したい方はぜひとも確認するようにしましょう。

6ヶ月目の時点で性別をきちんと確認しておくと、名前を考える時間を多く取ることができるので、出産予定日までに周囲の方としっかりと名前を相談し、決めておくようにしましょう。

眉毛・まつ毛・毛髪が生え始めます

妊娠23週 胎児エコー 超音波 写真

妊娠12週目頃からあちこちに毛が生えてきますが、妊娠6ヶ月頃になると眉毛・まつ毛・毛髪が生えるようになります。これらは胎毛と違って普通の毛なのですが、新陳代謝が活発なため2週間ほどでぬけてしまい、再び生えてくるサイクルを繰り返します。

通常のエコーで毛髪や眉毛・まつ毛を確認するのは難しいですが、3D・4Dで詳細な部分まで良く見えるエコーならば、確認できるかも知れません。

※1 参照 日本産婦人科学会 胎児計測と胎児発育曲線について
※1 参照 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線」

妊娠6ヶ月の母体の症状などについて

妊娠6ヶ月体重増加、管理について

妊娠6ヶ月体重増加、管理について

妊娠中の体重増加は毎週500g増を目安に、体重変化をグラフにすると緩やかなカーブを描くのが理想です。しかし、そう上手くはいかないもの。

つわりが終わって食欲が出てきたのに加えて、低血糖の状態が続くので食欲が非常に湧いてくるようになり、周りも妊娠中だからと食べ過ぎるのを止める方はあまりいないのではないため、急激に体重が増えてしまいます。

急激に体重が増えると糖尿病や妊娠高血圧症候群、胎児が産道を通り抜けるのが大変になるほどの巨大児になってしまう可能性が高くなり、母子ともども良い事は何一つありません。上手く調節して増えすぎないように注意しましょう。

詳しく:妊婦の体重管理について知っておきたいこと

乳首の黒ずみなどが顕著に

乳首の黒ずみなどが顕著になってきます

この時期はホルモンの影響で肌に変化が起きやすくなっています。乳首が一気に黒ずんできたり、シミやそばかすができたり肌トラブルが顕著になってきます。日焼け止めを塗ったり美白クリームを塗ったりして対処するようにしましょう。

ただし、乳首周りに塗るものに関してはかなり注意するべきであり、間違っておかしなものを塗ってしまうとその後赤ちゃんに母乳を飲ませるときにかなり苦労することになるので、気をつけるようにしましょう。

お腹の冷えは絶対NG

お腹の冷えは絶対NG

この頃になると、お腹は前に出っ張るように大きくなっています。今までは使うことができていたTシャツなどもサイズが合わなくなり、お腹がはみ出してしまうことなども出てくるので、出来るだけきちんとした衣類を揃えるようにし、必要があればマタニティウェアやマタニティランジェリーなども購入しておくようにしましょう。

無理してサイズの小さいものを着続けてしまうと、それによってお腹が冷えてしまって血行が悪くなってしまうので、気をつけなければなりません。

「初乳」が出るお母さんも

この時期に「初乳」が出るお母さんも

入浴中に胸を搾ってみると、「初乳(しょにゅう)」が出ることがあります。初乳とは、産後初めて出るお乳のことを指し、初乳の後に出るお乳のことは母乳と呼ぶことで区別していますが、早い人だと6ヶ月目の時点で黄色みのある初乳を確認することができるので、お風呂に入った際などに試してみるようにしましょう。

もちろん、この時期に初乳が出なかったからといって不安に思う必要はありません。大体の方は、産後すぐに初乳を確認できるので、焦りは禁物です。

妊娠6ヶ月便秘について

便秘になりやすい時期なので消化にいいものを

ホルモンの影響を受けることにより、便通がどうしても悪くなってしまいます。消化に良いものを食べるようにすると胃腸に負担が掛からなくなり、疲労感も取れるようになってくるので、油っこいものや肉料理など、胃腸に負担を掛けるものは消化に時間がかかるようなものは摂取しないようにし、野菜たっぷりのおじやなどを食べるようにしてみましょう。

同じものを摂取し続けるよりも、色々なものを摂取した方が赤ちゃんも喜ぶので、栄養バランスを気にしつつ食べるようにしてみてください。

シートベルトの締め方にも注意

シートベルトの締め方にも注意が必要

この時期にあると移動が困難になってしまうことも多く、自転車やバイクを使うことを控える方も多いですが、そうなってくるとやはり車を乗る機会が増え、シートベルトをする機会も増えるようになってきます。

シートベルトは一見するとそこまでお腹を締め付けていないように思えますが、長時間締め続けているとやはり赤ちゃんに悪影響を及ぼしてしまうので、なるべく子宮を避けて締めるようにし、きつく感じる場合は定期的に車を降り、休憩を挟むなどしてドライブするようにしましょう。

脚がむくむようになってきます

脚がむくむようになってきます

お腹が大きくなるため、ホルモンの関係でカリウムが少なくなってしまうのもあって、何かと脚がむくみがちになってきます。

脚のむくみを取るにはこまめに水分を補給したり、塩分を控えたりすることが重要なので、塩辛い食べ物はなるべく控えるようにしておきましょう。寝る時に脚の下にクッションを挟むことなども効果的なので、むくみ対策を万全にしてみてください。

妊娠6ヶ月お腹が張りについて

お腹が張るようになり、家事や仕事が困難になることも

体調が安定していても自分の体重が増えて、お腹が大きくなる事によりバランスが崩れやすくなって気をつかいますよね。また糖質は胎児に最優先に流れるため、いつも通りに動いていてもすぐ低血糖状態になります。この頃になってくると身体のバランスを取ることができるようになっており、お腹の大きさに振り回されずに生活できるようになってきます。

しかし、大きなお腹で生活するのはやはり大変ですし、家事をするだけで疲れてしまったり、腰に負担を感じることが増えてきて、何をするにも休む休みになってしまいがちです。

周囲の人は決して、妊婦さんに無理をさせたいとは思っていないはずなので、家事をするのが困難な場合はサボることも検討し、何も手につかない時のために冷凍食品などを買い込んでおくようにしましょう。冷凍食品があると家事を休みやすくなり、少しだけ気がラクになります。

お母さんが疲れればお腹の張りが強く冷えて固くなり、お腹の赤ちゃんのためにも良くありません。仕事の合間に休憩を入れて、仕事自体も簡単に終わらせるように工夫してみてください。

里帰りするならそろそろ準備

里帰りするならそろそろ準備

実家から離れて暮らしていて、出産後はやはり周りのサポートが必要だからと里帰りして出産する方も多いでしょう。

もし里帰り出産を計画しているのならば、体調が安定している今のうちに一度帰って出産する病院を選び、出来るのならば一度受診して里帰り出産である事を伝えておきましょう。

臨月に近くなって里帰りしてから始めて受診しようと思っても、その時期では出産時のトラブルの可能性を考慮して初診を嫌がる病院も少なくありません。出産する病院を決めたら、今通っている産婦人科医から紹介状を書いてもらうとスムーズに移れますので、お願いしてみましょう。

妊娠6ヶ月に妊娠に気づいた場合

ビックリマーク

最近では性の低年齢化が進んでおり、14~16歳の児童らは6ヶ月目(20~23週の時期)に妊娠していることに気づきがちです。この時期にはもうすっかりお腹が大きくなっているので、焦ってまず何をするべきかを見失ってしまうかもしれませんが、一番良いのは「信頼できる大人」に相談することです。

ご両親に打ち明けるのが一番ですが、相談しづらい場合は保健室の先生に相談することも考え、一人で抱え込まないようにしましょう。

妊娠6ヶ月の出血や腹痛 流産・早産

流産のいつからいつまで時期、切迫流産、切迫早産、稽留流産、化学流産、初期流産、後期流産、切迫早産、早産の一覧表

妊娠6ヶ月の流産・早産の兆候は、疲れや冷えなどでお腹の張り、腹痛などから破水、出血し流産、早産となります。

原因としては、妊娠高血圧症候群、前置胎盤、低置胎盤、子宮頸管炎、絨毛膜羊膜炎、細菌性膣症、子宮筋腫、子宮頸管無力症、子宮奇形、羊水過多症、羊水過小症、多胎妊娠、妊娠糖尿病、疲労、ストレス、喫煙、飲酒、早産経験者、高齢出産などがあります。

腹痛、お腹の張り、出血、破水など異常を感じたときはすくに病院に駆け込むようにしてください。

22週以降は早産に

早産でも生きていける大きさに

妊娠6ヶ月内の22週になると、胎児が何らかの原因で子宮外に出なければならなくなっても、医療技術でもって生存できるラインに入ってきます。

よって、22週以前に胎児に異常があって体外に出た場合は流産という言葉を使いますが、それ以降は早産になります。ただ、22週だと本来はまだまだ子宮の中で成長すべき状態なので、よほどの事が無い限りは入院・安静を徹底し子宮収縮抑制剤などを点滴するなど、病院側は早産を抑えるように努めます。

詳しくは:お腹の張り痛み安定期流産破水切迫流産稽留流産切迫早産早産

胎盤が剥がれる 早期剥離とは

胎盤が剥がれる 早期剥離とは

早期剥離(常位胎盤早期剥離)とは、赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまう事です。

胎盤が剥がれると、その分赤ちゃんへ送る酸素や栄養が減少し、最悪の場合では胎児子宮内死亡となってしまうケースがありますが、胎盤が剥がれて胎盤と子宮内膜の間に血の塊ができると血液が固まりにくくなる状態へと変化し、出血多量や肝臓・腎臓の障害を引き起こします。

このように胎盤の早期剥離は母子ともども危険な状態に陥りやすい疾患です。喫煙がやめられない方や妊娠高血圧症候群や慢性高血圧の方は、早期剥離を起こす確率が高くなりますので、日々の習慣を見直す事は非常に大事です。

胎盤異常の警告出血ってなに?

胎盤異常の警告出血ってなに?

胎盤が子宮口の一部または全てを覆ってしまう状態を、前置胎盤と呼びます。血管が多く通っている胎盤が出口にあるわけですからすでに出血しやすい状態になっていて、少し歩いたり通常の家事をするだけで出血が起きる事も珍しくありません。

ただし流産や早産とは違い、お腹の張りや下腹部痛を伴う出血ではないので、この無自覚出血を警告出血と呼ぶ事があります。この出血は胎盤が剥がれた部分からのもので、安静にしていなければ大出血を引き起こす可能性が出てきます。

この時点で出血がある方は入院して処置が行われます。前置胎盤の疑いを指摘された方は、医者の指示に従い安静に努めましょう。

感染症に注意!再発にも注意を

感染症に注意!再発にも注意を

妊娠初期から引き続き免疫力が低下している時期なので、感染症には十分注意しましょう。特に初期の検査で感染が見つかり、治療し完治していたとしても、免疫力が弱くホルモン分泌両辺かによるストレスなども重なって、この時期に再発してしまう事が少なくありません。

特に感染者の多いクラミジアは出産時に母子感染をする可能性が高いので、妊娠中期にクラミジア検査を勧める病院も多いです。クラミジア検査は義務ではないため受けない方も多いですが、性器にかゆみが発生したりおりものが増えたような時は感染を疑った方がよいでしょう。

また、クラミジアはお互いに移しあうピンポン感染が多いので、妊婦が検査をして陽性となった場合は、ご主人も一緒に治療するようにしましょう。

ここまでのまとめ

妊娠6ヶ月を過ぎると生育限界を突破するので、万が一早産になっても赤ちゃんが生存できる可能性が濃厚になります。腰痛が出てきたり、むくみが酷くなったりと体調はおもわしくない方向へ行きがちですが、この時期を過ぎれば赤ちゃんが安全に産まれてくる可能性はますます、高まります。

また、この時期から色々な準備をしておくと、産後の様々なことに対応しやすくなりますし、焦る必要がなくなるので、産後必要になるものはこの時期に揃えてしまいましょう。

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