【妊娠20週】胎児と母体の症状で知っておきたいこと

妊娠20週 6ヶ月目

妊娠20週になると、安定した体調が続くようになり、妊娠生活を楽しめる様になってきます。また体重増加が気になり始めますので注意が必要です。胎動を感じ性別がわかり、日増しにかわいく感じる時期です。

お腹の中では、羊水が増え、新しい羊水と古い羊水の交換が頻繁に繰り返されるようになり、めざましい変化がありますが、それに応じて食事管理し、栄養が不足しないように注意しましょう。妊娠20週の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

妊娠20週の胎児の成長、お腹の様子

妊娠20週のお母さんのお腹と胎児の様子

妊娠20週 胎児の大きさや様子

妊娠20週 胎児 胎盤 羊水 の様子

妊娠20週胎児体重は正常発育児の95.4%が211g~416g 平均体重:313gとなります。※1

この時期の赤ちゃんは足もしっかり曲げたり伸ばしたりできるようになっています。当初はかなり小さなサイズだった子宮もどんどん大きくなってきますし、羊水もたっぷりあるので、この時期の赤ちゃんは眠ったり踊ったり、お腹をキックしたりと、かなり自由に動くようになります。

羊水の量がこれまで以上に増えます

もうすでに胎児は、羊水を飲み込んで腎臓でろ過し尿として排泄する一連のシステムを行っていますが、羊水内は無菌のため尿が出ても問題ありません。

20週目になると羊水の量がかなり多くなり、新しいものと古いものが交換されるようになります。羊水が頻繁に交換されることにより、赤ちゃんはより清潔に過ごせるようになりますが、やはり羊水の交換が激しくなると、その分、水分が必要になってしまいます。

水分をこまめに摂取するようにすると、赤ちゃんの育つ環境を良くすることができるので、夏場などは脱水症状に気をつけつつ、こまめに水を飲むようにしましょう。特に喫煙は副流煙であっても血流を鈍らせトラブルにつながりますので、周りにも禁煙をお願いしましょう。

赤ちゃんがしゃっくりをするように

妊娠20週 胎児 の様子

20週目の赤ちゃんは、各器官がすっかり発達していますが、横隔膜はまだ発達していません。

そのため呼吸のリズムがおかしくなりがちであり、赤ちゃんはお腹の中で頻繁にしゃっくりをするようになります。このしゃっくりは横隔膜が形成されるまで続いてしまいますが、いたって無害な症状なので、気にする必要はありません。

妊娠20週性別について

妊娠20週性別について

エコーではっきりと男の子、女の子がわかるようになってきます。性別がわかると産後の準備をしたり、名前を考えたりとお母さんになる喜びが増します。

まだ性別がわからない方も、しばらくするとわかるようになりますので、次の健診を楽しみにしましょう。

赤ちゃんの頭に毛が生え始めます

妊娠20週エコー 超音波 写真

これまでの赤ちゃんの頭部には産毛しか生えていませんでしたが、20週目に入るとちゃんとした髪の毛が生えてくるようになります。この髪の毛は、人間の通常の髪の毛ほどしっかりしていないですが、赤ちゃんの頭部を守るために働いてくれます。

また、この時に生えた髪はおよそ2週間程度で抜け落ちてしまいますが、また新たに髪が生えてくるようになり、だんだんと人間らしい髪が生えるようになります。

妊娠20週胎動について

胎動をハッキリ感じられるようになってきます

「19週目の時点では胎動を感じられなかった」人も20週目になると胎動を感じられるようになります。この頃の胎動は気泡のようなものではなく、ギュルギュルと動きであり、お腹の中で違和感を覚えることにより、胎動に気がつきます。

しかし、日中動き回ることが多いような方は、まだ20週目になっても胎動を感じ取ることができません。最初は不安に思うかもしれませんが、21週、22週と過ぎるうちに胎動をハッキリ感じられるようになってくるので、焦らずに待ちましょう。
詳しく:胎動について知っておきたいこと

五感が発達しコミュニケーション

20週目に入る前の段階でも五感はそれなりに発達していますが、20週目に入るとますます、触覚や聴覚が発達します。耳も聞こえるようになっていて、内耳も完成していますし、指先や足の感覚もより鮮明になっていきます。段々と、五感の発達に伴ってコミュニケーションが取れるようになっていくので、楽しみに待ちましょう。

睡眠サイクルが出来ます

妊娠20週 睡眠胎児 の様子

20週目になると、赤ちゃんがお腹の中で眠ったり起きたりを繰り返すようになります。眠っている時にお母さんが激しい動きをすると、それによって起きてしまったりもしますし、睡眠リズムができることも発育の一つの過程なので、寝ている状態を邪魔しないように気をつけなければなりません。

また、赤ちゃんの胎動などを注意深く見守っていると、赤ちゃんがいつ起きていつ寝ているのかわかるようになるので、ぜひともチェックしてみましょう。

神経ネットワークが形成されます

神経ネットワークが形成されていきます

20週目の赤ちゃんは思考機能が発達するので、様々な神経伝達が可能となります。脳や身体の先端部分の神経回路が更に発達してくるので、胎児の指先の感覚も更にしっかりとしたものになってゆきます。

これまでは全身の皮膚に当たる感覚のみでしたが、これからは指先に触れるものの感触が分かるように。また、脳の神経回路の更なる発達によって記憶能力が発展します。

それまでは細かく感じられなかった物事も、細かく察知できるようになるので、お腹の外で夫婦喧嘩をするようなことはあってはいけませんし、ストレスになるような音や動作なども避けなければなりません。神経が過敏になってくると、赤ちゃんもストレスをしっかり感じるようになるので、赤ちゃんがより快適に過ごせるように工夫しましょう。

※1 参照 日本産婦人科学会 胎児計測と胎児発育曲線について
※1 参照 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線」

妊娠20週の母体の症状などについて

お腹が大きく 子宮成長スピードが加速

子宮の成長スピードが加速します

今まではグレープフルーツ大だった子宮も、20週目を過ぎると週に1cmのスピードで大きく育つようになります。この1ヶ月間で胎児の大きさは約1.5倍にも成長すしますが、その成長に合わせて羊水もこれからどんどん増え始め、胎児の大きさにマッチするように子宮も大きくなっていきます。

急激に育ち始めるので戸惑う方も多いですが、マタニティウェア-を用意しておけば問題ありません。着ることができる衣類がなくなってしまうことが一番問題になりやすいので、なるべく今の時期にマタニティウェアを揃えておくようにしましょう。

無理に、キツイスカートやキツイズボンを履き続けてしまうと、それが体調不良の原因となってしまうので、気をつけなければなりません。おしゃれできない、と思うかもしれませんが、十分デザインの良いマタニティ服が販売されているので、今しか出来ないスタイルを楽しんでみてください。

妊娠高血圧症候群には気をつけて

妊娠高血圧症候群には気をつけて

妊娠中は体内の水分量がかなり増えて、血液として全身に送り出す心臓や老廃物をろ過する腎臓に大きな負担をかけるようになります。血管を通る血液が多くなるので自然と高血圧気味になり、また腎臓の働きが鈍くなると腎臓にあるたんぱく質が尿と一緒に排出されて尿たんぱくが出るようになります。

食生活や生活習慣に気をつけてすぐ改善する方なら問題は無いですが、高齢出産の方や元々血圧が高い方・肥満の方は改善されずに高血圧症候群となる場合があり、その時は安静にする事や妊娠中でも使える降圧剤を用いて治療を行います。しかしそれ以上に、日頃から気をつけて予防する事が一番大事です。

乳頭が陥没しがちな場合は・・・

乳頭が陥没しがちな場合は・・・

赤ちゃんはお母さんの乳頭をしゃぶることによってミルクを飲みます。乳頭はしゃぶりやすい状態がベストですがお母さんの中にはもともと乳首が陥没してしまっている方は「乳頭マッサージ」をおススメします。

マッサージをするようになると段々と、陥没していた部分が起き上がってくるようになります。この頃からマッサージをしておくと、後々ラクなのでぜひとも取り組んでみましょう。

外出の交通手段には十分気をつけて

外出の交通手段には十分気をつけて

これまでは自由にあちこち出掛けていたかもしれませんが、注意が必要になってきます。お腹が大きくなってバランスを崩しやすい時期は、もう自転車に乗るのは避けた方が良いでしょう。昔は妊婦が車に乗る際シートベルトはつけなくても良かったですが、今では着用が義務付けられています。

お腹に負担をかけないようなシートベルトのつけ方を心がけてください。また、頻繁に車に乗る機会がある人は、妊婦用補助シートベルトも販売されているので上手く活用しましょう。

便通と腰痛の予防のために

便通と腰痛の予防のために

20週目以降になると子宮が一気に大きくなるので、腸などが子宮にますます圧迫されるようになります。

そうなると、便秘などもどんどん悪化してしまいますし、腰痛などもますます酷くなってしまいがちなので、できれば運動するなどして、各症状を緩和するようにしましょう。ウォーキングなども、するとしないとでは大違いなので、ぜひとも毎日するようにしましょう。

体重増加に伴い体重管理や運動を

体重管理や気分転換にもなるススメの運動

妊娠後期に入ってしまうと身体が重くなって運動する気も起きなくなるので、一番身体が動きやすく気持ちも上向きの今、運動を始めて習慣にしてしまいましょう。適度な運動をすれば食べ過ぎても太りすぎる事もなく、体力もつくので出産が短時間で済む嬉しいメリットがあります。

色々な運動がありますが、おススメはマタニティビクス。妊婦の体調を考慮しながらも、腰痛防止や出産に必要な筋肉・体力をつけて有酸素運動でカロリーを消費するので、出産後から産後までをフォローしてくれる運動です。また、同じように妊娠中の方が集まるので、お友達つくりにもピッタリです。

つわりで口の中の環境悪化

カルシウムが不足して歯が痛むことも

この頃の口の中の環境は、つわりやマイナートラブルの症状により、歯磨きがおろそかになったり、3食きちんと食べる食生活ではなく、食べたい時に食べる生活を送りがちです。また酸っぱいものを好んで食べたりします。

それらのことで、口の中の環境が悪化(酸化傾向)し、虫歯や歯周病のトラブルになりがちですので注意が必要です。

また妊娠中は女性ホルモンの影響で歯周病(妊娠性歯肉炎)になりやすいです。妊娠の歯周病は、早産や低出生体重児になるリスクがあることがわかっていますので、今の状況にあったオーラルケアを意識してみてください。

妊娠中のサウナや長時間のお風呂は控えめに

妊娠中のサウナは控えめに

妊娠中は体調が不安定になりがちなので、サウナや長風呂は控えめにしましょう。この時期は既に安定期に入っているので、サウナに入ったからといって赤ちゃんの容態がおかしくなったりはしません。

お母さんは、この時期に水分不足を起こしてしまうと、脱水症状や貧血などの様々なトラブルが起こります。水分不足を避けるためにも、サウナや長時間の風呂の利用は控えめにするようにしましょう。

妊娠20週の出血や腹痛 流産について

流産いつからいつまで時期、切迫流産、切迫早産、稽留流産、化学流産、初期流産、後期流産、切迫早産、早産の一覧表

後期流産(安定期流産)の可能性がある妊娠20週ですが、安定期のため油断をしてしまい、腹痛、お腹の張り、出血などが起こり、切迫流産・流産になってしまうケースがあります。

その他原因として子宮筋腫、子宮奇形、子宮頚管無力症、絨毛膜羊膜炎、破水、ストレスなどがありますので、安定期だから健診をしないなどがないように心がけましょう。

腹痛、お腹の張り、出血のを感じたときはすくに病院に行き医師の診断を受けてください。早めの処置で流産とならず切迫流産で妊娠継続は可能です。

詳しくは::お腹の張り痛み安定期流産破水切迫流産稽留流産切迫早産早産

前置胎盤、低置胎盤での出血も

正常な胎盤と前置胎盤、低置胎盤の比較表

突然の出血、病院での診察後、胎盤の位置が通常より低い前置胎盤、低置胎盤と診断される場合や疑いありと診断された場合は安静が必要になります。安静にし様子を見て胎盤が上に上がる場合は問題ありませんが、安静にせず無理をすれば、流産の危険があります。

また妊娠後期になっても改善が見られない場合は、早産、帝王切開のリスクがあります。定期診断を必ず受けて、事前にお腹の状態を知ることも大切なお母さんの仕事です。詳しく:前置胎盤 低置胎盤

トイレでは不正出血の有無の確認を

トイレでは不正出血の有無の確認を

基本的に安定期に入ってからの出血は、少量であっても病院を受診すべきです。もちろん内診や性交時の刺激や痔の出血など問題ないものもありますが、胎盤剥離や切迫流産など緊急を要する出血と区別がつかないので、必ず病院で確認してもらう必要があります。

中には少量だからと放置してしまう方もいますが、それが単なる刺激や傷からの出血であるかもしれませんし、長期にわたる子宮筋腫や胎盤からの出血かもしれません。

数日続くからと病院を受診したら、その場で入院措置になった方も少なくありませんから、普段からトイレの時には確認しておくと良いでしょう。

感染症予防をしっかりと

感染症予防をしっかりと

妊娠初期は性行為を控えるよう言われますが、安定期に入ればいくつかの注意点はあっても以前と同じように性行為できるようになります。普段はコンドームをつけていても、妊娠中だからと全くつけない男性も多いですが、コンドームは避妊目的だけではなく性感染抑制のためにも重要なものです。

性器ヘルぺス、淋病、尖圭コンジローマ、クラミジアなどがあり、感染症の種類によって異なりますが、性行為から感染する菌によって、流産・早産や赤ちゃんの成長に悪影響を与えたり、分娩時に母子感染する可能性が高くなります。、赤ちゃんの順調な成長のためにも、感染予防をしっかり行いましょう。

ここまでのまとめ

この時期になると、赤ちゃんの神経回路なども形成されていきますし、ますます赤ちゃんが人間らしい形になっていきます。お母さんはカルシウムが不足したり、腸が痛くなったりと様々なトラブルを抱えがちではありますが、運動しつつ、適度に休みつつ過ごせば、毎日を穏やかにやり過ごすことができます。

特にウォーキングは、症状を緩和させるのに非常に役立つので、毎日決まった時間にお散歩などをしつつ、母体の健康を守るようにしましょう。

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