【妊娠4週】胎児と母体の症状で知っておきたいこと

妊娠4週

妊娠4週目は、身体の中で赤ちゃんがだんだんと形成されていく時期です。妊娠検査薬を使えば陽性反応が出るので、この時期に産婦人科へ行く人も多く4週目を境に段々とお母さんとしての自覚が芽生えるようになっていきます。

この週からは赤ちゃんのために母体を健康に保たなければなりませんし、様々な面で注意しなければならないことが出てきます。妊娠4週の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

妊娠4週の胎児の成長、お腹の様子

妊娠4週のお母さんのお腹と胎児の様子

赤ちゃんの各器官が形成され始めます

胎児4週

この時期は「器官形成期」とも呼ばれる時期であり、4週目を過ぎるとどんどん、赤ちゃんの内臓などが形成されるようになります。

それにも順番があってまず最初に最重要器官である心臓が作られ拍動を開始します。脳自体が形成されるのはこれからですが、3週末から脳の原器とそれを支える脊髄になる中枢神経管が出来上がりつつあります。

それから肝臓・すい臓と身体の中心から重要度の高い臓器から順に形成されていきますが、骨や筋肉の形成は少し遅れて始まるのと胎芽が小さいため、臓器の位置は本来の位置に収まらず現在はずれた所にあります。

もちろん、母体の健康状態が各器官の形成にも関わってきますし、この時期から健康管理をしておかないと、後々、赤ちゃんの成長に問題が出てきてしまいがちなので、健康面に問題がある方はなるべく、この時期に解消しておくようにしましょう。

妊娠4週の成長と様子

赤ちゃんの大きさは2ミリ程度にまで成長

また、三胚葉とが形成されるようになり、外胚葉、中胚葉、内胚葉の三つの胚葉が段々と、各器官として成長していくようになります。

内胚葉は消化器官や膀胱・扁桃腺と身体の一番内側のパーツへ分化し、中胚葉は筋肉・リンパ組織・心臓・生殖器・骨・肺等、身体の中心部分のパーツへ分化します。それから外胚葉は皮膚・爪・葉・神経システム・髪の毛など身体の一番外側のパーツへとそれぞれ身体のつくりに併せた形成を行います。

赤ちゃんとしてのかたちが作られるようになる時期ですが、この時点ではまだ、各器官を目で確認することはできません。

胎盤が準備を始めます

胎盤が準備を始めます 4週

胎盤が完成するのは妊娠15週目くらいなので、まだ2ヶ月ほどかかりますが、それでもすでに胎盤形成の準備が始まっています。赤ちゃんに栄養を送るために胎盤が段々と完成に近づくようになり、栄養や酸素が母体から運ばれやすくなっていきます。

絨毛組織はどんどん子宮内膜内部へと先端をもぐりこませて、効率的にお母さんから酸素と栄養をもらえるようなシステムを形作り始めています。すでに一部分は未熟ながらも胎盤の機能をし始めています。子宮内膜を通る血管から酸素や栄養を受け取り、反対に胎芽から排泄される老廃物が絨毛組織を通って母体へと排出されています。

妊娠4週の妊娠有無の検査について

妊娠検査薬の状態は?うっすら陽性

妊娠検査薬の状態は?うっすら陽性

生理が遅れると、妊娠の心当たりのある方は妊娠検査薬を試してみたくなります。しかしこの週に検査をするとうっすらラインが見えるのみで、陽性なのか陰性なのか判断しにくい事があります。

一般の検査薬はhcg値が50mlU/ml以上になると陽性反応を示しますが、4週目のhcg値はようやく50mlU/mlになるかならないかのレベルなので検知しにくいです。

数日後にははっきり判別できるようになるのでそれまで待つのが一番ですが、もし我慢できない時は尿濃度の高い朝一番に検査をするか、25mlU/mlから陽性反応が起こる早期妊娠検査薬を試してみてはいかがでしょうか。

超音波診断で赤ちゃんは確認できない?

超音波診断で赤ちゃんは確認できない?

この時期の赤ちゃんは、各器官が続々と形成され始めますが、すぐに大きくなるわけではありません。妊娠検査薬が陽性反応だったからといって、産婦人科へ行っても赤ちゃんの姿(胎のう)は確認できませんし、超音波診断をすればどんな小さな赤ちゃんでも発見できるわけではありません。

せっかく行ったとしても、「また1週間後に来てください」と言われることになりがちなので、焦らずに確認できるようになる頃を待つようにしてみましょう。

4週後半の時点で胎のうが見える人も

4週エコー胎嚢

4週の時点では、病院へ行ってもなかなか、胎のうが確認できないのですが、中には4週後半の時点で胎のうの影が確認できるような人もいます。「友達は4週の時点で胎のうが確認できたのに、わたしは確認できなかった」

落ち込んでしまったり気にしてしまったりするかもしれませんが、4週の時点で確認できないからといって赤ちゃんの発育が遅れているわけではないので、安心して様子を見守りましょう。

子宮内膜の厚さも妊娠確定要素にも

子宮内膜の厚さも妊娠確定の条件になる場合も

胎のうがエコーで確認できる事が妊娠確定の一般的な条件ですが、中には胎のうが確認できなくても子宮内膜の厚さと妊婦の自覚症状を持って、確定はしないのですが妊娠の可能性が高いと判断する病院もあります。

子宮内膜は生理周期に合わせて増減を繰り返し、通常排卵期から生理直前まで8mm~10mm程度に増えますが、10mm以上あれば受精卵の着床が可能で、特に不妊治療を行っている病院は、子宮内膜の厚さも重要な判断目安と考えています。

ただ、子宮内膜が厚すぎても子宮内膜増殖症が疑われるため、生理の出血が非常に多い方は胎のうが確認できない今でも受診した方がよいかもしれません。

4週目の段階では、胎盤はまだまだ完成しているとは言いがたいですが、赤ちゃんの糞や尿などの老廃物も外に運び出せるようになっていきますし、胎盤は徐々に徐々に、完成していくのです。

月経が来ないことで妊娠に気づく時期

月経が来ないことによって妊娠に気づく時期

妊娠について詳しい知識を持たない女性でも、生理が来ない=妊娠ということは知っているはずです。妊娠している女性は、月経予定日を過ぎても月経が来ませんし、プロゲステロンの作用によって排卵が抑制されている状態なので、月経による血液は出ません。

たまに、妊娠しているのに月経予定日に血が出ることもありますが、その血は月経によるものではなく着床によるものなので、おりものナプキンなどを使用しつつ、妊娠検査薬で陽性反応が出るかどうかチェックするようにしましょう。

妊娠4週の母体の症状などについて

「絶対過敏期」と言われる時期に突入

「絶対過敏期」と言われる時期に突入します

「絶対過敏期」は、お母さんの摂取した薬などの影響が赤ちゃんの形成にまで及んでしまいがちな時期です。この時期に危険性の高い薬を常用していると、その薬の悪影響を受けて赤ちゃんが奇形児になってしまったり、未熟児になってしまったりするので、その後8週目に突入するまではずっと、薬に注意しなければなりません。

何も気にせずに色々な薬を服用し続けてしまうようだと、赤ちゃんが発育不良になってしまうこともあるので、医師に相談し妊婦が服用しても問題ない薬だけを口にするようにしましょう。

妊娠初期症状が出るように

妊娠初期症状が出るように

この頃になると、身体がもう妊娠しているので、妊娠初期症状が出るようになります。胸が張るようになったり、身体がだるくなったり、下腹部の痛みに襲われるようになったりと、様々な症状が出るようになるので、そのような症状が出た場合は妊娠していることを疑ってみましょう。

妊娠初期症状は生理前の症状と混同されやすいですが、乳頭が黒ずみ、生理前にはない症状も現れるようになるので、注意深く皮膚の色をチェックするようにしてみてください。

つわりが始まる前の段階です

つわりが始まる前の段階です

4週の時点ではつわりはまだ来ませんし、つわりが始まるのは5週目前後となります。虫歯の治療などはつわりが始まる前にやっておいた方がラクです.

つわりの状態だと困難だと思われるようなものはこの時期にやってしまった方が良いので、「つわりが来てからでは出来ないかもしれない」と少しでも感じるような用件は、この時期に済ませてしまいましょう。

月経不順だと感じる場合は

ただの月経不順だと感じる場合はどうするべきか

妊娠の初期症状は生理前の症状に非常によく似ており、月経不順だと勘違いする人が非常に多くなっています。

しかし、月経不順だと多い込んだまま放置してしまうと、お腹の中に赤ちゃんがいることを知らずに、飲んではいけない薬を飲んでしまったり、不摂生に過ごしてしまったりしがちなので、月経不順のような印象があったとしても、少しでも妊娠が疑われる場合はあえて産婦人科へ行き、診察を受けるようにしましょう。

ホルモンの分泌によって情緒不安定に

ホルモンの分泌によって情緒不安定になりがちです

妊娠するとあらゆるホルモンの分泌が盛んになるので、どうしても情緒不安定になりがちです。情緒不安定になると母体にまで響いてしまいますし、ストレスは血行を悪くする原因の一つなので、自分を情緒不安定にする原因になると思われるようなものは、なるべく日常の中から追い出してしまうべきだと言えます。

工夫をしておかないと、パートナーとの喧嘩が増えてしまい、ますますストレスのタネになるような出来事が起きてしまうので、トラブルのタネになりがちなものはなるべく、少しずつでも排除するようにしましょう。

一番良いのは、この時期を経験した事のある赤ちゃんがいるお母さんに話を聞いてもらい共感を得る事です。イライラを感じるのは自分だけではないと分かれば、多少は気が楽になるのではないでしょうか。

煙草などの悪影響に注意

煙草や放射線などの悪影響に注意

お腹の赤ちゃんはとても小さいですが、今が一番大事な時期です。赤ちゃんがこれからしっかり育っていけるかどうかは、お母さんの体調にかかっていると言ってもよいでしょう。

この時期は母体の状態がまだ安定期に入っておらず、薬だけでなく、煙草などの影響も受けてしまいます。煙草を吸う人にも近づくべきではありません。自分が喫煙者である場合は、今日からでも禁煙を考えるべきなので、赤ちゃんのためにも、煙草は思い切って捨ててしまいましょう。

妊娠中にタバコやアルコールを止めなかった場合に、生まれてくる赤ちゃんには発育の遅れや中枢神経の異常が見られる確率が高くなります。また母親が妊娠中に充分な栄養を摂っていないと、赤ちゃんに悪影響が出る場合もありますので、赤ちゃんの為にもパートナーと一緒に、生活習慣を見直してみてください。

病院をさがし始める時期

少しずつ病院通いを始めるべき時期です

まだこの時期は母体にそこまで変化が現れていないですが、この頃から通うべき病院を見定めておくと、出産の際も焦らずに済みますし、産後も落ち着いた状態で過ごすことができます。

妊娠中はどのような病院を選ぶかによっていろいろと左右されます。出産方法や育て方なども考えつつ選ぶようにすると、安定した妊娠生活を送ることができます。

妊娠4週の出血や腹痛 流産について

流産のいつからいつまで時期、切迫流産、切迫早産、稽留流産、化学流産、初期流産、後期流産、切迫早産、早産の一覧表

妊娠4週は受精して着床したとしてもまだまだ不安定な時期なので、出血が見られる事も少なくありません。出血原因で一番多いのが、胎盤を形成する際に絨毛繊維が子宮内膜の血管を傷つけてそこから少量出血するケースです。この場合は安静にしていればすぐ直るので、あまり不安にならないようにしましょう。

妊娠初期出血には要注意1

妊娠初期出血には要注意2

すぐ受診した方が良い場合は、絨毛組織が異常繁殖する胞状奇胎や子宮外妊娠・受精卵の染色体異常による流産などです。これらは出血が多量であったりいつまでも続く時、下腹部痛など他の症状が付随する事が多いので、出血があった時は自分の状態をよく観察し、すくに病院で診察を受けましょう。

化学流産とは妊娠検査薬は反応したが胆のうが確認されない状態です。妊娠したと思っていたところ、着床などに問題があり生理の出血で化学流産と気付くケースが近年増えています。

妊娠初期の流産は、胎児の何らかしらの問題で起こつ可能性が高いです。何度も初期流産を繰り返すようなら産婦人科で検査をしましょう。

詳しくは:妊娠初期出血:初期流産化学流産切迫流産稽留流産切迫早産早産

おりものの状態は?感染症のチェックを

おりものの状態は?感染症のチェックを

おりものの量が増えて、いつも以上に水っぽくさらさらしているように感じるかもしれません。おりもの量は卵胞ホルモン分泌量に比例していて、妊娠すると卵胞ホルモン量が更に増えるので、それとどうじにおりものも増えます。

量は個人差がありますが、おりものシートが欠かせないほど多い方もいますので、準備はしっかりしておきましょう。また、免疫力が下がるため性感染症にかかりやすいのですが、おりものの変化によって感染を知る事ができます。

量が多くてさらさらでも、異臭がする・色が違う・性器のかゆみ等の症状があった時は、病院ですぐに治療を開始してください。性感染症は自覚症状が少ないですが、妊娠経過や出産に大きな悪影響を与えるので、早めの対策が必要です。

おりものに血や不正出血があった場合は?

おりものに血や不正出血があった場合は?

また、この時期おりものに鮮血が混ざる事があります。子宮の入り口から出血する子宮頸管びらんや、絨毛膜下に血液が溜まり、そこから出血する絨毛膜下血腫が原因である事が多く、安静にしていれば治るものがほとんどで、問題のない出血といえるでしょう。

しかし、生理と同量の出血があったり、出血量が少なくても長期間にわたって出血が続くような場合は化学流産の可能性があります。

どちらの場合も自分では判断できませんから、病院で相談するのが一番です。また、ストレスや多忙でもホルモンバランスが崩れて出血する事があります。普段でもこのようなケースはありますが、妊娠中は特にバランスが崩れやすく起こりやすいと考えてよいでしょう。多忙な方も、時間を見つけて休むようにしましょう。

便秘の腹痛も妊娠初期症状の1つ

便秘の腹痛も妊娠初期症状の1つ

この週は妊娠していなければ生理が始まり、プロゲステロン量が減少する代わりにエストロゲン分泌量が再び増えるのですが、妊娠するとその状態を維持するためにプロゲステロンの分泌量が維持され、エストロゲン分泌量も増えます。

プロゲステロンにはあらゆるものを体内に溜め込む性質を持っているため、妊娠して赤ちゃんをお腹の中に置いておくだけではなく、水分や脂肪・栄養・老廃物など全てを体内に留めようとします。

そのためむくみや便秘が酷くなりますが、月経前症候群のように生理がくれば終わるわけではなく、プロゲステロン分泌量はどんどん増えるため、それらの症状も更に酷くなりやすいです。

妊活をされていた方は、お腹の痛みに神経質になる傾向がありますので、流産と妊娠初期症状の痛みがあることを知っておきましょう。

ここまでのまとめ

4週目に入ると一気に、赤ちゃんの生命力が感じられるようになりますし、胎のうの影が確認できるようになりはじめるのもこの時期なので、何かとこの時期を境に忙しくなり始めます。

最初は慣れないことの多さに戸惑うかもしれませんが、4週目を過ぎるとお母さんとしての実感が湧くようになりますし、パートナーとの絆も深まるようになっていくので、毎日をポジティブに過ごすようにしてみてください。

次のページ