妊娠33週目になると、赤ちゃんの頭位がしっかり落ち着くようになります。この時期の赤ちゃんは、子宮の中で、ぎゅうぎゅうの状態になりつつも動くので、お腹の上からでも動きが確認できるようになるのですが、赤ちゃんは段々と大きくなるにつれて自由に動けなくなっていきます。
お母さんの体調管理は継続して行い、ストレスなく出産までの時期を楽しめるような妊娠生活を心がけましょう。妊娠33週の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。
妊娠33週の胎児やお腹の状態
妊娠33週 胎児の体重は?
妊娠33週 胎児体重は正常発育児95.4%が1508g~2451g 平均体重:1980gです。※1
赤ちゃんの五感がますます高まります
これまで少しずつ五感が発達してきましたが、とうとう全部が完成します。聴覚や嗅覚はこの時点ですでに成人にほぼ等しい機能が備わりましたが、触覚も敏感になってきて、自分の手が触れたものの感覚や痛みが分かります。
赤ちゃんは、羊水を飲みつつその味を感じられるようになっています。お腹の中でも光を感じられますし、大きな音にビックリしたり、怒りの感情を覚えたり、笑ったりしています。
視覚は「見る」準備が整った程度で、また子宮内は暗闇なので胎児が実際に何かを見る事はありません。この時の胎児の目は青っぽいのですが、それはまだ色素沈着していないから。目の色が出来るのは出産後数週間してからです。
脳はまだ完成に至っておらず、体温調整などもまだまだ完璧にできるわけではないのですが、それでも人間的な精神は育っていますし、この時期の赤ちゃんは充分、人間らしくなっているのです。
羊水の中で痛みを感じる事はほとんどありませんが、出産時に陣痛が長引くと胎児が苦しさを感じる事があるので、なるべくなら陣痛を長引かせないよう今から体力と筋力を付けておきたいです。
羊水を飲みつつ出産の準備をしています
赤ちゃんは呼吸の練習のために羊水を飲み込むことを続けていますし、この練習はお母さんのおっぱいを飲むための練習でもあります。
赤ちゃんは子宮の中で絶えず、このような練習をしているので、外に出てからすぐに、呼吸ができるようにもなりますし、お母さんのおっぱいも吸えるようになります。子宮の中では排泄活動もおこなわれています。お母さんからは見えないところで一生懸命、産まれた後のための準備をおこなっているのです。
逆子や胎位について
33週目の赤ちゃんは、頭囲が急激に発達します。頭が大きくなるとお母さんのお腹もますます張るようになります。寝苦しくなってしまう方も多いのですが、赤ちゃんの頭囲が大きくなり、下向きのまま落ち着いてくれれば逆子の心配はあまりありません。
しかし逆子の場合は、帝王切開になるケースがありお母さんは心配です。逆子の予防、改善方法は逆子体操や、逆子になりにくい寝方、冷え性改善、外回転術などがあります。詳しくは:逆子について知っておきたいこと
胎児は一定の周期で就寝しています
33週目の赤ちゃんは、お腹の中で寝たり起きたりを頻繁に繰り返しています。赤ちゃんは大体、一定の周期で就寝しています。起きている間は指しゃぶりをしたりあくびをしたり排泄したりして過ごし、寝ている時は丸まったままの状態で沈黙しています。
この時期に激しい音を聴かせてしまうと赤ちゃんが起きてしまい、睡眠リズムが崩れてストレスが溜まってしまうので、頻繁に激しい音楽を聴くのはできるだけ避けるようにしておきましょう。
胎動の動きに異変を感じた場合は
この時期になると胎動が少なくなるものなのですが、稀に胎動に明らかな異変が感じられるような時もあります。
早産の可能性もまだまだ捨てきれない時期ですので、お腹の中の様子を怪しく感じた場合はすぐに産婦人科へ行くようにし、赤ちゃんの様子を診てもらうようにしましょう。
また、様子がおかしいと感じた場合は、手を当てて中の様子をうかがうなどして、いつもとどのように胎動が違うかをチェックしてみてください。詳しくは:胎動について知っておきたいこと
子宮の中から音がする?
骨もずいぶんしっかりしてきましたが、まだ柔らかく曲がりやすい状態です。同様に関節もまだまだ硬くなっていないので、子宮の中で胎児は時折びっくりするような体勢をとる事があります。前屈状態で顔の前に足があったり、正座しているなんて格好も良く見られるほどです。
また、この頃はお腹を押されたり衝撃が加わった時に、お腹の中で何かが折れるような音が聞こえる事があり、「もしかして赤ちゃんの骨が折れた?」なんて大抵のお母さんは驚きます。
実はこの音は胎児の関節が鳴る音やおしゃぶりをした指を引き抜いた時に出る音で、心配する必要はありません。胎児が順調に大きくなっている証の一つだともいえます。
アレルギーと胎児の関係
免疫抗体はすでに母親から胎盤を通して移行されていますが、胎児が自ら作り出す免疫抗体もあります。免疫グロブリンは5種類ありますが、そのうち胎盤を通るのはIgGのみですが、IgMやT細胞はこの頃から胎児自身が作り出すようになり、簡単なものなら対処ができるようになります。
アレルギーの原因となるIgEは一般的には胎盤を通さないとされていますが、胎児の血中にIgEを認めた研究もあるため、胎児が作るのか母親から移行するのかははっきりしていません。
しかし、どうすることもできないのですがアレルギーの遺伝は気になります。アレルギーを持つ方は胎児に移る可能性を少しでも低くするために、極力アレルギー源(食事、ハウスダスト、ダニ、カビ等)には気を付けましょう。
※1 参照 日本産婦人科学会 胎児計測と胎児発育曲線について
※1 参照 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線」
妊娠33週の母体の症状などについて
少しずつ「前駆陣痛」が始まります
33週目になると、「前駆陣痛」が始まります。前駆陣痛とは陣痛の練習のようなものなですが、やはり練習とはいえ痛みは本格的ですし、前駆陣痛が始まるといろいろと考えすぎて鬱になってしまうお母さんもいます。
前駆陣痛はたしかに、非常に辛く苦しい症状ではあるのですが、痛みを経験しておくと出産に対する恐怖感も薄れますし、いざ出産・本陣痛になっても、焦らずに対処できるようになります。
手根管症候群になった場合は
妊娠には細かな身体の不調がたくさん表れますが、一番困るのがこの手根管症候群かもしれません。これは手の正中神経が束になって通る管のような部分で、神経が圧迫される事で起こる手の痺れや痛み、しびれをさします。
妊娠中や更年期の女性に多いため女性ホルモンが関係していると言われていますが、実際の原因は良く分かっていません。対策としてはギプスやサポーターを用いて手首を動かさない事や、ビタミン剤の服用などがあります。
身体が重いうえに手も動かしづらいとあっては不安かもしれませんが、産後は回復するのであまり心配しないようにしましょう。不安な場合は、かかりつけの医師に診察してもらうようにしましょう。
つわりが激しい場合も痩せすぎには注意
つわりは個人差が非常に激しいので、早々につわりが終わってしまう人もいれば、9ヶ月目のこの時期になっても激しいつわりに悩まされている人もいます。後期つわりです。つわりがあまりにも激しく、食事もまともに摂れなくなっている場合は、間食でもいいので何か、口にするようにしましょう。
体重が減りすぎてしまうと未熟児を出産することになってしまいますし、体重が減りすぎてしまうと出産のための体力が失われてしまうので、出産によって生死が左右するようになってしまいます。
体重増加に注意が必要
出産まであと残りわずの時期なので、ついつい食べ過ぎてしまいがちです。妊娠後期なので疲労が出てくることもありますし、気が抜けて運動を怠ったり、好きな物ばかり食べてしまったりしがちなのですが、まだまだ赤ちゃんの機能は完全ではありません。
栄養バランスには依然として気を付けるようにするべきですし、できればウォーキングなど体を動かすことも行いが、体重計に毎日乗るようにしつつ健康管理も徹底しましょう。
足の付け根が張って辛い場合は・・・
33週目になると腹部がますます大きくなり、身体全体が重たくなります。胎児と羊水の重さはこの頃には3kg前後になり、体重はこの頃には妊娠前の5~15kg程度も増えます。その重さがすべて恥骨や足の付け根付近にかかってくるので、しばらく立っているだけでこれらの部分が痛くなってきます。
特に恥骨は大きくなる子宮を支えるため、また出産時に産道を広げるために、結合部分を緩めるホルモンが分泌されているのですが、緩んだ分直接子宮の重さがかかってくるので痛みを感じるのです。
出産後半年ほどでほとんどの方が改善しますが、妊娠中は改善ではなく痛みをやり過ごす方法しかありません。足の付け根などが張って痛い場合は、やはり横になって安静にするのが一番ですが、その他に運動や入浴で身体を温めるのも効果的です。とにかく無理せず休むようにしましょう。
睡眠不足に悩みがちになる場合も
33週目に入ると、お腹の大きさによって寝苦しさを感じてしまいがちです。今までは仰向けで寝ることができていた人も、33週目に入ると眠ることができなくなり、寝返りを打つことが増えたり、逆に寝返りを打てなくなってしまったりするので、睡眠の質が悪化しやすいです。
睡眠不足が続くと赤ちゃんにまでストレスが伝わってしまうので、ラクになれる体勢を探すようにし、最もラクになれる体勢で寝るようにしましょう。
便秘が酷い場合は漢方を試してみては
便秘がいつまでも続いてしまい中々改善しない時は、漢方を使うようにすると改善する場合があります。自分に合わないものもありますので、漢方を使っても便秘が解消しない方もいますが、辛かった便秘も自然と解消する方もいます。漢方は妊娠中の服用がNGの物もありますので、医師に相談し指示を受けるようにしましょう。
疲労困憊しがちな時期です
妊娠期間も33週目になると、さすがに疲れが溜まってきます。33週目に入ると今までの疲労が肩こりや腰痛、身体の倦怠感としてドッと出てしまう傾向にあり、寝込むようになるお母さんも多いのです。家に引きこもりがちになると今度は身体に贅肉がつきすぎてしまい、お産が大変になります。
お風呂にゆっくり入るなどして疲れを取りつつも、ウォーキングなども定期的にしておいた方が安産には効果的なので、運動もしっかりとおこなうようにしましょう。
保育園選びは今から
産休を取る方で、いつ復帰するかを決めるのに重要なポイントになるのが保育園選びです。出産してから選んでは募集時期に合わなかったり近くの保育園は満員だったりと、復帰するのもなかなか難しくなってしまいます。役所や口コミなどで情報を集めて、出産後なるべくスムーズに会社復帰できるよう、今から行動を開始しましょう。
妊娠33週お腹の張り 腹痛 出血 破水 早産
妊娠33週は早く妊娠から解放されたい気持ちで、様々ななことで油断しがちな時期となりがちです。無理をしてお腹の張りの症状が出てしまったりします。
出血、おりもの、破水なども出産の兆候ですので注意深くチェックすることで、切迫早産、早産の兆候がわかります。また前駆陣痛、陣痛、胎動、腹痛の区別がつきにくい妊婦さんもいらっしゃいますので注意が必要になります。
早産で出産した場合の赤ちゃんは
妊娠37週から42週までの出産を正期産といいますが、これは胎児が子宮の外に出ても十分に対応していけるよう身体の機能が完成しているからです。妊娠9ヶ月に入れば体液循環システムはもちろん最重要な肺機能・脳などすべて完成するので、もしこの週に早産になったとしてもあまり心配する事はありません。
37週目以前までに産まれた赤ちゃんは「早産」の扱いになります。33週目の時点で産まれてしまった場合も、早産の扱いになりますし、赤ちゃんを早く産みすぎてしまうと、健康上の問題なども出てきやすいのですが、早産で誕生する赤ちゃんの大多数は、最新の医療によって健康的に生きていくようになるのです。
臨月を待たずに赤ちゃんが産まれてきてしまったとしても、助かる場合が大半なので、不安を抱えすぎないようにしましょう。
33週の胎児の体重は1600~2300gと低体重児の範囲に入ってしまうのと体温調節機能が少々未熟なため、出産後は保育器で経過観察をする必要がありますが、それ未満の週で生まれてしまった赤ちゃんよりも短期間で退院でき、後遺症もあまり心配はいりません。低出生体重児は2,500g未満で産まれた赤ちゃんのことです。
帝王切開になるケースとは
帝王切開でないと出産できないケースにはどんなものがあるのしょうか?帝王切開をするには赤ちゃん側とお母さん側の原因に分かれます。
赤ちゃん側には逆子や体重4000g以上の巨大児など、自然分娩だと難産になる可能性がある時や、発育が遅い時に取り出して保育器で育てるケースがあります。
お母さん側の原因としては、前置胎盤や合併症・感染症など自然分娩では母子に命の危険が及ぶ可能性がある時、それから以前子宮の手術や帝王切開をしている方は、子宮に異常が発生する可能性を避けるために帝王切開での出産を勧められます。帝王切開と決まった時は、費用面での補助や助成金があるか調べておくと、出産後役に立ちます。詳しく:妊娠後期腹痛:陣痛兆候:切迫早産:早産:おしるし:破水:帝王切開
ここまでのまとめ
33週~34週ごろから産休に入る方も多く、お母さんの中にはこの頃からやっと、おうちでラクに過ごせるようになる方もいます。しかし、前駆陣痛が始まる時期でもありますし、健康管理には依然として注意が必要です。
油断して太りすぎてしまうと、出産が非常に辛いものになってしまうので、ウォーキングをするなどして体重をコントロールするようにしましょう。