流産の種類は?兆候は?原因と対処方法

流産の種類、兆候と原因、対処方法! 流産

妊婦にとって最も聞きたくない言葉。それが「流産」です。しかし、流産はなぜ起こるのか、正しい知識を得ていれば必要以上に怖がる必要はありません。

流産には、稽留流産、進行流産、化学流産などさまざまな種類があります。流産って何?種類でどう違うの?何が原因?切迫流産、切迫早産とは?など知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

流産とは

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流産とは、何らかの原因で妊娠が継続できなくなった状態のことを言います。

流産にはさまざまな種類がありますが、基本的に自然に発生する流産は、妊娠初期の段階に発生するとされています。

妊娠初期に流産する確率は、妊娠した人たち全体の8%~15%が平均です。つまり、6人~7人に1人、流産する確率があることになります。

流産と年齢

流産と年齢

流産する確率は、どんな年齢の人も同じと言うわけではありません。年齢により流産する確率は変わってきます。

健康な状態の女性であっても、20代なら8~20%の確率で流産し、30代では20~25%、40代では30%程と言われています。これは、年齢が重なるにつれて、健康な卵子を排卵することが難しくなってくるからです。

未完成の卵子だと、受精してもうまく細胞分裂できずに流産してしまいます。また、精子においても同様のことが言えるでしょう。女性の方が卵子の低下が早いので、年齢が上がるにつれて流産する確率が高くなってしまうのです。

流産する時期は?

流産する時期は?

妊娠22週未満に胎児が死亡、または体外に排出されてしまう事を流産と言いますが、その中で最も確率が高いのは妊娠12週未満の妊娠初期で、全体の流産率の8割程度を占めます。

流産の確率が下がるのは15週前後の胎盤が完成する時期からで、お母さんと胎児がしっかり 繋がった事で安定するからなのでしょう。

もちろんわずかながらも出産までの間に何らかの原因で赤ちゃんが子宮内で死亡する確率は残っているので、流産確率の高い時期が過ぎたからと安心せず自分の体調を良く観察して無理をしないのが大事です。

流産の兆候

流産の兆候

流産の兆候としてどのような体の状態になるのでしょうか?

出血(鮮血、茶色、薄いピンク色)
お腹の痛み
お腹の張り
つわりが急に楽になった、なくった
胸の張りがなくなった
体温が下がった
破水
お腹が冷たい

などさまざまな兆候があります。気になったらすくに病院で診察を受けるようにしてください。しかし何も兆候が出ない方もおられます。

流産の出血について

流産の出血について

さまざまな流産の兆候として取り上げられるのに、不正出血がありますが見極めは難しいのが現状です。例えば、着床するときに少し出血する場合があります。着床による出血の場合、おりものに少し血が混じる程度の量です。

また、茶色や薄いピンク色をしており、量もごく少量となっています。しかし、切迫流産の出血量はごく少量になります。しかしその代りに激しい腹痛が伴うことが多い為、痛みが生じる腹痛を感じたときは、すぐに婦人科を受診するようにしましょう。

また、不正出血はその他の病気の兆候として出ている可能性もあります。子宮がんや、クラミジア、ポリープなど、何か異常をきたしている可能性があるので、不安な場合はすぐに受診し確かめてもらうと安心です。

詳しく:妊娠初期の出血について知っておきたいこと

感染による流産

感染による流産

妊娠初期の流産は受精卵の染色体異常が原因のほとんどを占めますが、中には特定の菌に感染したのが原因で流産するケースもあります。

風しん・サイトメガロウイルス・B型肝炎などで、これらの菌が血流に乗って胎児にまで届き感染すると、胎児が死亡する・または重篤な障害が残る可能性が高くなります。

特に妊娠中は免疫力が低下するので、感染してしまうと 治るまでに時間がかかったり、妊娠していない方よりも容態が悪化する可能性があり、その分胎児にも長期間悪影響を与え続けます。

また、クラミジア・梅毒・ヘルペスなど性感染症は子宮までの距離が近いため 感染による炎症を起こしやすく、流産をまぬがれても母子感染するという恐ろしい面を持っています。

赤ちゃんが危険な状態について

切迫流産(22週未満の危険な状態)

切迫流産

切迫流産は流産がおこる可能性がある状態です。症状は腹部の傷みや、不正出血などの兆候から発見されることが多いです。

しかし、中には自覚症状がない人の場合もあります。切迫流産の場合、ストレスや身体的な負担が原因となって引き起こされることが多く、いわゆる「がんばりやさん」がなりやすいのが切迫流産です。

多くの女性が、仕事が忙しくてなかなか休めない状況にあるようです。この切迫流産は、処置が早ければ流産を免れるケースがあります。違和感があったことから産婦人科を受診したところ、切迫流産と診断されて絶対安静にしておくように言われたという例はたくさんあります。

詳しく:切迫流産について知っておきたいこと

絶対安静を無視した場合

切迫流産は、早めに処置を行えば、本当に流産することは免れます。

しかし、回復できるのは絶対安静が条件です。もし、この切迫流産と診断された後も、仕事を無理して続けるようなことがあれば、本当に流産してしまうでしょう。

絶対安静とは、ベッドで寝た状態のことを言います。自宅にいればそれでよいだろうと、炊事や洗濯などを無理してしないことが重要です。

切迫早産(22週以後の危険な状態)

切迫早産(22週以後の危険な状態)

妊娠22週は生育限界ラインを超えるので、これ以降は胎児が子宮の外で生きていける可能性があるとして妊娠期間を延ばすための治療を行います。21週6日では流産ですが、22週0日ならば早産として扱い方が変わってくるのです。

お腹の中で亡くなってしまう稽留流産や完全流産ならば手の施しようがないのですが、このまま何もしなければ流産してしまう切迫流産の場合は、入院をさせて子宮収縮を抑える薬を処方し、なるべく長くお母さんのお腹の中にいられるように治療を行います。

中には妊娠5ヶ月で切迫流産になってしまい、その後切迫早産として子宮収縮抑制剤を点滴したまま出産を迎えた方もいるほど。妊娠中期の流産はお母さんの頑張り次第で回避できることが分かりますね。

詳しく:切迫早産について知っておきたいこと

流産の種類

流産には、化学流産、稽留流産、進行流産、完全流産、不完全流産、自然流産、人工流産などさまざまな種類や状態、きっかけがありますが、それぞれどのように違いがあるのでしょうか。

また、それぞれの流産を引き起こす原因も違いがあります。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

化学流産

稽留流産

化学流産とは、受精したものの着床が継続しない状態のことを言います。流産の中でも最も初期の段階で起こる流産で、昔は気づかない方も多かったようです。また医学的には流産とは言われていません。

今は、妊娠検査薬が発達しているため、妊娠したことを示す陽性反応を示しますが、産婦人科を受診したものの胎胞が確認できず、流産していることが分かったというケースが多いようです。化学流産の兆候は生理と似ており、間違えることが多々あります。

いつもより鮮やかな色をしている生理だったり、重い生理痛が生じたりした場合は、化学流産している可能性が高いと言えるでしょう。

詳しく:化学流産について知っておきたいこと

稽留流産

稽留流産

稽留流産は、ほとんど兆候が表れないことがほとんどです。妊娠検査薬が反応し、婦人科で妊娠と確定された後、再び経過を診察してもらおうとしたら、胎児が亡くなっていて気づきます。

妊娠6週目から7週目にかけて起こることが多く、何の兆候もないことから、妊婦の精神的なショックは大きくなるようです。

胎児が亡くなる原因のほとんどが、染色体異常で母体に原因があるわけではありません。妊娠初期の頃に起きるほとんどの流産が、この稽留流産なので、誰かが通る道となっているのです。

詳しく:稽留流産について知っておきたいこと

増えつつある稽留流産

稽留流産は、基本的に胎児の染色体異常などが原因です。しかし、近年この稽留流産が増えてきています。これは、ストレス等が大きな原因となっているようです。ストレスをたくさん受けていると、子宮周辺の血流が滞りやすくなります。

すると、健康な卵子を生み出すことが難しくなってしまうのです。不完全な卵子は、染色体異常を起こしやすく、結果的に稽留流産を招きやすくなります。また、ストレスによる血行不良により、胎盤がうまく形成されないケースもあります。

そうなれば、胎児は成長し続けることができなくなるため、稽留流産となってしまうのです。ストレスを受け続けた環境では、妊娠しづらくなるというデータもありますので、妊娠を望み、稽留流産を避けたいと思うのなら、環境を変えてみるのもひとつの方法と言えます。

進行流産(流産)

流産症状の出血があり、子宮口が開き流産の状態になります。完全流産、不全流産のどちらかの状態になります。

完全流産

子宮内のものがすべて(胎児や胎盤など)が、子宮の外へ流れてしまう状態になります。

不全流産

子宮内のものの一部(胎児や胎盤など)が流れ、一部が残っている状態になります。出血や腹痛が続く場合がほとんどです。子宮内容除去手術が必要になる場合があります。

子宮外妊娠

子宮外妊娠

子宮外妊娠は子宮以外に受精卵が着床してしまう事で、そのままにしておくと大出血を引き起こし命にかかわる危険な状態になってしまうため、外科手術で受精卵を取り除きます。

正確に言えば流産ではないのですが、何らかの原因で受精卵が育つ状態でなくなったという点では流産と子宮外妊娠は同じと言えるでしょう。

子宮外妊娠は9割が卵管で起きますが、これまでは着床した部分を含めて卵管を切除する外科手術だったため、患者の妊娠の確率が下がってしまっていました。

現在はなるべく着床箇所のみに切除を求める腹腔鏡手術が増えているので、子宮外妊娠であったとしても処置後次の妊娠が出来るようになります。

詳しく:子宮外妊娠について知っておきたいこと

胞状奇胎

胞状奇胎

受精卵が育たないと言う点では、この胞状奇胎と流産には共通点があります。通常受精卵が着床した後は絨毛組織が子宮内膜へ侵入して胎盤の基を作りますが、染色体異常が原因で胎芽の成長を妨げるほど異常繁殖するのを胞状奇胎と呼びます。

このような場合もう赤ちゃんの成長は期待できず、そのままにしておくと絨毛がんに変質する可能性を考えてそうは手術をして完全に絨毛組織を摘出する必要があります。

ただ、完全に子宮内容物を排除したら妊娠できる流産と違って胞状奇胎は子宮内膜に絨毛組織が残っているケースがあり、この時点で妊娠すると再び同じ事が起こるので、完全に排除されたとわかるまでは妊娠できません。

流産のきっかけ

流産のきっかけ

自然流産

自然流産とは、何も手を加えなくても自然に流産することを言います。上記の切迫流産、化学流産、進行流産のケースは自然流産ということになります。

人工流産 (中絶)

やむを得ない事情がある方や望まない妊娠の場合、人工妊娠中絶を行うケースがあります。

手術により赤ちゃんを流産させる(人工妊娠中絶)は、法的に可能なのは22週未満となります。これは母体保護法で決められていることです。

自分を責めない事

自分を責めない事

さまざまな流産がありますが、大切なのは自分を責めないということです。流産は残念なことではありますが、染色体異常などどうしようもない要因から引き起こされています。

いわば、自然の摂理として捉えるべきです。あまりにも落ち込んでしまっては、次に授かる赤ちゃんとの出会いも伸びてしまいます。避けられなかったこととして、次の出会いに備えてはいかがでしょうか。

流産後の妊娠

流産後の妊娠

流産は、誰もが経験する可能性のあるものです。しかし、流産を経験した後は、どれくらいのタイミングで子作りを再開しても良いのでしょうか。

医師により判断は異なりますが、最短なら生理を1回過ぎればOKとされています。

これは、流産により残っている可能性がある残留物がきれいに排除されるからです。また、流産後は子宮内がきれいになっていることから、妊娠しやすくなると言われているのです。

ここまでのまとめ

さまざまな流産についてご紹介しました。自然の摂理とはいえ、悲しい出来事であることに違いはありません。しかし、流産を経験したからこそ、よりよい状況で妊娠できる可能性があります。可愛い赤ちゃんに出会うためにも、次の希望へと進んで行きましょう。

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