化学流産について知っておきたいこと 

化学流産について知っておきたいこと 

排卵後受精は行われたものの、受精卵がうまく着床できなかったり、あるいは着床が完全に行われなかったために、その後の検診で胎嚢が確認されずに流産という結果に終わってしまう。これが化学流産と呼ばれる症状です。

化学流産という状態がクローズアップされるようになった背景には、市販の妊娠検査薬の性能が日増しに向上していることがあります。妊娠検査薬を用いて尿検査を行った結果、生理予定日の一週間後でも陽性反応が出るようになり、このため受精・着床というプロセスにいち早く気付くことが出来るようになりました。

化学流産が起こる主原因は、受精卵の染色体異常にあるとされています。健康で他になんの問題も抱えていない方であっても、年齢が上がるにつれて、受精卵の染色体異常の割合は高くなりますので、化学流産は決して珍しいことではありません。

化学流産に関して知っておきたいポイントをまとめてみました。妊活中の方もそうでない方も知っておくと便利なことばかりですので、ぜひ参考にしてみてください!

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化学流産とは

化学流産とは

化学流産というのはあまり聞きなれない言葉ですが、これは一体どんな種類の流産でしょうか。医学的に言うと、化学流産は流産とはみなされていません。化学流産とは市販の妊娠検査薬などで反応が出たものの、その後産婦人科での検診では、胎嚢が確認されない状態を言います。

つまり精子と卵子が受精したのち、子宮内に着床したものの、その後着床した状態が中断され、超音波検査で胎芽が入っている胎嚢が確認されない状態のことを指します。

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化学流産と呼ばれる理由

化学流産と呼ばれる理由

化学流産と呼ばれるのは、妊娠したという化学的反応が得られたにも関わらず、その後生理状の出血があり、胎嚢が確認できない状態になるためです。化学流産の件数が最近とくに増加しているのは、市販の妊娠検査薬の使用者が劇的に増えているためと考えられています。

妊娠検査薬で陽性反応が出たため、産婦人科に検診に赴いたところ、胎芽が入った胎嚢が確認できない、という事態になり、戸惑う方やショックを受ける方も多いといわれています。

妊娠に伴う化学反応は確認されたということで、てっきり妊娠したと思っていたら、その後生理状の出血があり、化学流産に気が付いたという方もいるようです。

妊娠検査薬の性能の向上

妊娠検査薬の性能の向上

そもそも一昔前までは、化学流産という言葉すらあまり聞くことがありませんでした。この化学流産という状態がクローズアップされるようになった背景には、市販の妊娠検査薬の精度が飛躍的に伸びたことが挙げられます。

妊娠検査薬がこれほど一般的に普及する以前には、妊娠検査といえば産婦人科での診察が標準的でした。しかし現在では妊娠したかな、と思った瞬間に市販の検査薬を用いる方も大勢います。また市販の妊娠検査薬の精度も以前とは比較にならないほど向上しているせいで、非常に早い時期から陽性反応が出やすくなってきています。

妊娠検査薬で陽性反応が出る仕組みとは?

妊娠検査薬で陽性反応が出る仕組みとは?

妊娠検査キットを使うことのメリットは妊娠したかな、と思ったら、自宅で手軽に検査できること。妊娠しているかどうかの判別は、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)と呼ばれるホルモンがどの程度分泌されているかどうかを調べることにより行われます。

このホルモンは受精卵が着床するようになってはじめて分泌されるようになりますので、このホルモンの有無により妊娠しているかどうかが判別できるという仕組みです。

妊娠検査薬を使う時期

妊娠検査薬を使う時期

尿の中のhCGホルモンの濃度を調べることで妊娠を判別する妊娠検査薬。以前のものに比べると格段に反応が出やすくなっていますので、製品によっては生理予定日の数日後でもhCGホルモン陽性という結果が出ることがあります。

しかし妊娠検査薬はそれぞれの製品により、生理予定日を基礎にしていつから使用できるかが明記されていますので、より正確な結果を得るためには使用上の注意事項を守ることが大切です。

妊娠検査薬はあくまでも目安

妊娠検査薬はあくまでも目安

妊娠したか気になる方にとって、市販の妊娠検査薬は非常に便利な存在です。以前は生理予定日からかなり日数を置かなければ判定出来なかったものですが、最近では生理予定日の一週間後から使用できるものが大半を占めます。

予定日になっても生理が来ないと妊娠したのではないか、と気になり、フライング検査してしまう方もいるようです。その場合陽性・陰性どちらの結果になったとしても、最終的には産婦人科で妊娠の有無を確認しなければなりません。

妊娠検査薬は病院での検診の前に行う、あくまでも予備的なものと心得ておくようにしなければ、一喜一憂を繰り返してしまうことになります。

化学流産の症状

化学流産の症状

妊娠検査薬の精度は高まる一方ですので、自分の状態が化学流産に当たると認識する方の数もどんどん増える一方です。化学流産が起きたと自覚できるのは、あくまでも妊娠検査薬で陽性反応が出たからであり、検査薬を使用しなかった方や、生理周期が乱れがちな方であれば、単なる生理としか感じられないこともあります。

化学流産が起きると、人によっては普段の生理よりも激しい痛みや出血を伴うこともあります。反対に普段から生理痛が激しい人などは、いつもとあまり変わらない症状しか感じないようですので、これをもって化学流産の特徴とすることは出来ません。

化学流産は医学的には流産として数えない

化学流産は医学的には流産として数えない

医学的にいうと、化学流産は流産としてはカウントされません。つまり流産というからには、まずは妊娠しているという状態が、医師により医学的に確認されなければなりません。

しかし化学流産を経験した人のほとんどは、市販の妊娠検査薬により陽性反応が出たことをもって妊娠しているとの確信に至っているわけで、これは医学的に妊娠が確認されたということとは異なります。

流産とはあくまでも、妊娠が確認され、胎芽の成長が認められたあとに、なんらかの理由により妊娠の継続が阻まれた状況を指します。それゆえ化学流産はほとんどの場合、医学的には流産とは認められません。

不妊治療中にも化学流産が起こることも報告されていますが、基本的に流産と呼べるのは胎嚢が確認された後に胎芽の成長が止まってしまったものを指します。化学流産とはその一歩手前、妊娠反応はうっすらとあるものの、うまく着床できなかった場合などを指します。

化学流産の原因とは?

化学流産の原因とは?

化学流産が起こる原因とは、受精卵の染色体異常や、着床障害など子宮の状態が受精卵にとって最適ではなかったことなどにあります。化学流産に限らず、流産の原因には複数の要素が絡み合っていて、問題を一つに特定することは難しいといわれています。

化学流産だけをもってして、流産を繰り返す不育性と診断を下すことは出来ません。ただしこれまでにも2回、あるいは3回以上胎嚢が確認されてからの流産を経験したことのある方は、一度精密検査を受けてみるようにしましょう。

着床障害の場合

着床障害の場合

他にさしたる理由がなく何度も流産を繰り返すという場合には、着床障害が疑われます。着床障害とは受精した卵が子宮内膜にうまく着床しないことを指します。

着床障害の原因の一つは、子宮内膜が十分な厚みを持っていないことにあります。これは黄体ホルモンなどの分泌が十分でないことにありますが、他にも考えられる原因はいくつかあります。着床障害が疑われる場合には子宮内膜の状態やホルモンの分泌量などを精密に調べなければなりません。

着床率を上げるには

着床率を上げるには

不妊症、不育症の原因の一つである着床障害は、受精卵の子宮内膜への着床率を上げることにより、妊娠の可能性を高めることが出来ます。

子宮内膜の状態を改善する他にも、着床率を上げるポイントがあります。その一つは子宮内膜の状態がもっとも着床に適した状態になる時期をよく把握しておくこと。排卵日から数えて一週間前後の時期が、子宮内膜の状態がもっとも着床に適しているといわれています。

化学流産の起こる染色体の異常

化学流産の起こる確率

化学流産が起こる確率は決して少なくないということを覚えておきましょう。受精卵の染色体異常や子宮内の環境が妊娠に整っていないことなどにより、着床できないケースや、着床はするもののその後受精卵の発育が止まってしまうことも多いのが現実です。

受精卵の染色体異常などの何かしらの問題を抱えているといわれています。すべての流産がそうというわけではありませんが、流産が起こる理由の一つは自然淘汰にあります。染色体に異常のある受精卵は、たとえ着床してしばらくの間成長を続けたとしても、やがては流産という結果に終わります。

化学流産と不妊治療の関係

体外受精

不妊治療の方法によっては化学流産が増える可能性があるのを留意する必要があります。不妊治療はまず排卵促進剤やタイミング法といった、体調を整えて妊娠のチャンスを増やす方法を指導しますが、ここで成功しない場合に体外受精など高度生殖医療に進みます。

体外受精は複数の受精卵から状態のよいものを子宮内に戻す方法ですが、通常の妊娠とは異なるタイミングでいきなり妊娠状態へ進むため、体の準備が追いつかず受精卵が着床しないケースが出てきます。もちろん全員がそうなるわけではありませんから、気になる時は主治医に相談してみると良いでしょう。

化学流産の起こる時期

化学流産の起こる時期

化学流産とは胎嚢が確認される前に、妊娠継続の状態が途切れてまうことを指します。受精卵が子宮内で着床するものの、その後胎嚢が確認される時期(妊娠第4週後半から第5週前半)以前に、胎芽の成長が止まってしまうものを指します。

つまり受精していなければ、ちょうど次の生理が始まる頃前後に起こるということになります。

化学流産前後の基礎体温の変化

化学流産前後の基礎体温の変化

化学流産が起きた場合には、出血がある数日前から基礎体温が徐々に下がることが多いといわれています。典型的なパターンでは出血が起きる2、3日前から少しずつ基礎体温が下がりはじめ、そして最終的に出血=生理があるという流れになります。

基礎体温を毎日付けてさえいれば、妊娠の可能性や化学流産の可能性に比較的早く気付くことが出来ます。女性の生理周期は体全体にとってとても重要なものですので、今すぐ赤ちゃんが欲しい方ももう少し時間を置いて妊娠を望まれる方も、基礎体温を測り記録する重要性をしっかりと理解しておきましょう。

化学流産後の処置

化学流産後の処置

胎嚢が確認されてからその後妊娠第22週目までに起こる流産と違い、化学流産の場合はその後の処置手術を受ける必要はありません。化学流産は、胎嚢や胎芽が確認されてからの流産に比べると、体にかかる負担は少ないといえます。

ただし激痛があったり、生理周期の異常な乱れや普段の生理と著しく異なる出血やおりものがある場合には、念のため診察を受けるようにしましょう。化学流産という結果に終わった場合には、体を安静にして、次の妊娠に備えるだけでなく、精神的な痛手から立ち直る努力も必要になります。

化学流産後のはじめての生理

化学流産後のはじめての生理

化学流産の場合、どのくらいで生理周期が正常になるのでしょうか。化学流産は排卵、受精、着床、そして流産というプロセスが、非常に短い間に行われますので、流産後のホルモンバランスが崩れやすい状態になっています。

化学流産後、はじめての生理の開始日をいつと捉えるかですが、ほとんどの場合出血=生理があった日よりも通常の生理周期なら3~4週間程度、遅れた場合は2~3週間後です。生理周期には個人差があり、また体調や精神的な影響も加わりますので、化学流産後も毎日基礎体温を付けることをお勧めします。

次の妊娠に備える

次の妊娠に備える

化学流産は妊娠のきわめて早い段階で流産に至ってしまうものなので、生理を何度か見送る必要はなく、次の妊娠までのタイミングを計る必要はありません。ただし体力があまりにも落ちている方や、他に何か問題がある場合などは、主治医と相談して、次の妊娠のタイミングを計ることが必要になります。

着床前診断の検討も

着床前診断の検討も

化学流産を繰り返すと、次こそはと期待していただけに肉体的・精神的な負担が辛くなってしまうでしょう。もう化学流産はしたくない、何が原因なのかを知って妊娠につなげたいと考えている方は、着床前診断を検討してみるのも1つの方法です。

着床前診断は体外受精の方法で確認しますが、体外受精した複数の受精卵の中から特定の染色体・遺伝子の異常を検査し流産率を下げるのが、この着床前診断の目的です。

この場合正常な受精卵は子宮内に戻すので、妊娠継続の可能性が高くなります。ただ、体外受精が必須・費用が高額・検査後の治療を受けるかと言った問題点もありますので、夫婦でよく調べ話し合うようにしてください。

化学流産による精神的なショック

化学流産による精神的なショック

一度ならまだしも何度も化学流産を経験するのは、非常に辛い経験になります。とくに不妊治療を行っている方は、妊娠反応がありながらも流産してしまうという、納得しづらい状況が続いてしまいます。

陽性反応というのは、赤ちゃんを心待ちにしている方にとっては、まさに福音のようなもの。陽性反応が出て、喜んだのも束の間、出血が始まり悲嘆に暮れてしまう、という感情のローラーコースターを味わうことになってしまいます。

まとめ

化学流産について知っておきたい基礎的な知識をまとめてみました。以前はあまり聞くことのなかった化学流産という言葉ですが、不妊治療の進歩と妊娠検査薬の精度の向上により、最近とくに話題になる言葉の一つです。

妊娠検査薬では陽性反応が出たのに、その後病院での検査では胎嚢が確認されず、出血も起きてしまうという化学流産は、妊娠を強く待ち望んでいる方にとっては非常に辛い経験になります。

しかし化学流産の原因はそのほとんどが受精卵の異常にありますので、他に問題がなければ、その後の妊娠で無事に赤ちゃんに恵まれる場合がほとんどです。化学流産と分かっても気を落とさずに、自分を追い詰めないようにしましょう!

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