初期流産について知っておきたいこと

初期流産はなぜ起こる?不安定な時期に知っておくべきこと 流産

妊娠中の女性にとって、流産という言葉は過敏に反応してしまうのではないでしょうか。 妊娠初期の頃は、不安定な時期であることから流産する確率が、ほかの時期よりも高くなります。

妊娠初期の前半に流産してしまうことを「初期流産」と呼びますが、初期流産は何故起こってしまうのでしょうかなど、幅広くご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。

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自覚のない初期流産(化学流産)

自覚のない初期流産(化学流産)

妊娠初期は妊娠0ヶ月から3ヶ月をさしますが、妊娠週数によっては初期流産と気がつかない場合があります。胎のうが確認できて医師が妊娠確定をするのは6週前後、心音が確認できるのは7週以降となりますが、この時期に流産となればお母さんにも自覚症状が現れるようになります。

しかし、それ以前の週数で受精しても着床しなかったり、着床しても何らかの理由で細胞分裂が停止してしまった場合は、妊娠症状が現れる前に出血とともに排出されてしまい、お母さんには流産したという自覚はありません。

生理予定日が過ぎた時点で妊娠検査薬を使用した方ならば、陽性結果が出たにもかかわらず数日後に生理が来てしまった事で流産を確認できるケースもあります。医学的に言うと、化学流産は流産とはみなされていません。 詳しく:化学流産について知っておきたいこと

初期流産の原因(稽留流産・進行流産)

初期流産は、妊娠して12週ごろまでに自然流産してしまうことをいいます。

妊娠初期の頃はつわりや体調の変化が激しく不安定なことから、母体に原因があると考えられがちですが、初期流産の原因は母体にあるわけではありません。 実は初期流産のほとんどが、受精した時にほぼ流産が確定していると言われています。

自分の身体のせいだと責めてしまう方もいらっしゃいますが、決してそのようなことはないのです。

流産する理由

流産する理由

初期流産の原因は、ほとんどが赤ちゃんにあるとご紹介しました。それは、染色体や遺伝子が正常ではなかったことから、細胞分裂がスムーズにいかず、早期流産してしまうのです。

初期流産は受精した時からほぼ決まっており、誰のせいでもありません。 授かった赤ちゃんにおいても、出産まではいたらなかったものの、限られた時間の中で生命の一歩は踏み出すことができています。

生きた時間は短いかもしれませんが、あなたの赤ちゃんとしてこの世に生を受けたことには代わりがありませんので、しっかりと送り出してあげましょう。

原因は男性側にもある?

原因は男性側にもある?

流産と言うとどうしても女性側に原因があるように見えますが、中には男性側に原因がある場合もあります。染色体は卵子と精子が23組ずつ持っていて受精する事でヒトの染色体となります。

しかし卵子が持つ染色体に問題がなくとも、時として精子が持つ染色体に異常を持っている事があり、その場合は受精しても細胞分裂できずに初期流産となる可能性が非常に高いです。

一般男性にこのような染色体異常があるのは0.6%ですが、乏精子症や精子奇形など不妊男性の染色体異常は5.6%と高いため、男性が不妊治療を行っているカップルは、医師と良く相談する必要があります。

高齢妊娠ほど初期流産率が高い

高齢妊娠ほど初期流産率が高い

35歳以上の女性が妊娠・妊娠すると高齢妊娠・出産と呼ばれますが、年齢を経れば経るほど初期流産の可能性が高くなります。

数字を見ると20代から30代前半までの初期流産率は10~15%程度なのに対し、40代後半になると40%程度と、初期流産率が急上昇しているのが分かります。

その原因はやはり卵子の細胞自体が衰えてきちんと機能しなくなっている事や長い間体内にあった事で染色体に異常が発生する可能性のが大きく、受精できたとしても着床できない、もしくは着床できても細胞分裂がある部分で停止してしまい大きくならない等の理由で体外に排泄されてしまうのです。

初期流産の兆候は?

初期流産の兆候

初期流産の兆候は、下腹部痛などで現れます。体調の変化が著しい妊娠初期の頃は、さまざまな体調の変化があるため、一時的な腹痛に思うこともあるでしょうが、おかしいと感じたら、すぐに婦人科を受診するようにしましょう。

また、下腹部痛に加えて少量の出血が確認されたときは、一刻も早く婦人科へ急ぐようにしてください。妊娠超初期の段階での微量出血は着床出血と言って正常な反応ですが、妊娠初期の頃に下腹部痛を伴う痛みとセットになった出血は放置しておくべきではありません。

痛みがない場合(稽留流産)

痛みがない場合(稽留流産)

初期流産は、兆候を全く感じずに起こることもあります。下腹部痛や出血も確認されないのに、定期健診を受けたときに既に亡くなっているということがあるのです。

痛みも出血も伴わないことを稽留流産と言いますが、突然医師から告げられるため、妊婦としては精神的に強いショックを受けることもあるでしょう。 悲しいことではありますが、母体に原因があるわけではありませんので、自分を責めないようにしましょう。詳しく:稽留流産について知っておきたいこと

急激な体温の変化

急激な体温の変化

初期流産の兆候は、全く起きないこともあります。しかし、妊娠してからも基礎体温を測り続けている方なら、身体の微妙な変化に気づくことができるでしょう。

基礎体温は、排卵日を予測するために妊活中の方が実践するものですが、毎朝同じ時間に測る習慣が根付くため、妊娠してからも続ける人はたくさんいらっしゃいます。

妊娠すると、高温期の状態が続くため、身体にだるさが出たり、ボーっとしたりすることもありますが、急に体温が低くなった場合は胎児に何らかの影響があることが考えられます。体温がどんどん低くなるようだと、初期流産している可能性が高くなりますので、すぐに婦人科を受診するようにしましょう。

初期流産の処置方法

初期流産の処置方法

初期流産と一口に言っても種類があり、胎児や付属物が子宮内に留まっている稽留流産・出血して流産進行を止められない進行流産。

流産の状態によるもので、胎児や付属物が排出されても一部分が子宮内に残っている不全流産・すべて排出されてしまった完全流産などに分かれます。

それぞれ手術して子宮内容物を取り除いたり、薬で子宮収縮させて排出を狙う方法があり、流産のタイプによって適用する方法は異なります。

また子宮内感染が認められない場合は、そのままにして自然に排泄されるのを待つ方法を採る病院もあります。病院側と相談して自分の状態にあった処置方法を受けましょう。

切迫流産について

切迫流産について

初期流産とほぼ同じ時期に注意すべきものとして、切迫流産があります。切迫流産はほかの初期流産とは違い、母体の影響が直接胎児に関わっていることが原因です。

安静にすべき時期なのに、忙しく働いたり、強いストレスの中に身を置いたりしていると、胎児も一緒に影響を受けてしまうため、不安定な状態になってしまうのです。

切迫流産は、初期流産と同じように下腹部痛や出血を伴います。ただ、医師から切迫流産と診断されても、すでに流産しているというわけではありませんので、パニックにならないように注意しましょう。詳しく:切迫流産について知っておきたいこと

初期は安静に

初期は安静に

切迫流産は、忙しく働いたり、強いストレスを受けたりすることで発生しやすくなります。医師から切迫流産と診断されたら、とにかく安静することを徹底しましょう。

もしそのまま日常生活のリズムを変えなければ、本当に流産してしまう可能性があるからです。赤ちゃんを安全に育てていきたいと考えるなら、妊娠初期の頃は非常にデリケートで不安定な時期ですから、こまめに休養を取るようにしましょう。

妊娠初期の働き方などは注意が必要

妊娠初期の働き方などは注意が必要

妊娠が発覚した初期の頃は、体調の管理が難しく、つわりや眠気に悩まされる方も多いでしょう。働いている方は、すぐに休職することができない場合もあるため、つい無理をしてしまうことがあります。

しかし、無理は切迫流産を引き起こしてしまいますので、働き方を変えていく必要があるでしょう。妊娠初期の頃は特に安静が必要になりますから、直属の上司や、信頼できる同僚に妊娠の事実を伝え、体調を見ながら仕事できる環境づくりを目指しましょう。

まだ安定期に入る前ですから、周囲に妊娠したことを伝えることに抵抗がある方もいらっしゃると思います。しかし大事な時期だからこそ、無理をしないために限られた人に伝えておくようにしましょう。

夫への理解

妊娠が初めてで戸惑うことが多いのは、あなただけでなくパートナーの夫も同じです。

妊娠初期の頃に起きる体調の変化や、無理をすることのリスクをきちんと伝えておきましょう。 身近にきちんと理解してくれる人がいるだけで、気持ちが安定してくるのでオススメです。

多くの人が経験する流産

多くの人が経験する

初期流産は、実は多くの妊婦が経験することでもあります。妊婦の約15%が初期流産を経験しており、初めての妊娠ほど確率が高いとされているのです。

原因については赤ちゃんの染色体や細胞が関係していることをご紹介しましたが、万が一初期流産を経験したときは、その事実をきちんとパートナーに伝えておくようにしましょう。

きちんとした情報を知らなければ、母体に原因があると感じたり、自分の種に原因があると思い込んだりしてしまう可能性があります。今後の夫婦関係にも影響してきますので、初期流産の理由はきちんと伝えておくようにしましょう。

母子手帳は安定期にもらう

母子手帳は安定期に

初期流産は、妊娠して間もない頃に起きてしまうことから、早めに母子手帳を頂いてしまうと、手帳だけが手元に残り心の傷を引きずってしまう可能性があります。

白紙の母子手帳を見るたびに、辛い経験を思い出してしまいますので、母子手帳をもらうタイミングは安定期に入ってからが良いでしょう。安定期に入ってから流産する危険性はほとんどないので、安心して赤ちゃんの成長記録を綴っていくことができます。

母子手帳を受け渡すタイミングは、それぞれの婦人科により判断が異なりますが、妊娠したからといって、少しでも早く母子手帳をもらおうと急ぐのではなく、まずは安定期に入るまで体を健康に保つことを徹底していきましょう。

心の整理で区切りを

心の整理で区切りを

初期流産は、妊婦にとってもパートナーにとっても非常に悲しいことです。なかなか気持ちの切り替えが難しい部分もあるかと思いますが、誰が悪いわけでもありません。

しかし、気持ちの整理がつかないこともあるでしょうから、きちんと水子供養をしてあげましょう。授かった命を弔うことで、少しずつ初期流産を受け入れることができるようになります。宗派にもよりますが、何かしらの自分らしい区切りを付けることも大切です。

流産後、次の妊娠はいつ出来る?

流産後、次の妊娠はいつ出来る?

流産してしまった後は、すぐまた妊娠して子どもが欲しいと思う方やもうちょっと落ち着いてからと考える方など、次の妊娠に対する考え方は人それぞれです。

子宮内容物を排出してきれいにすれば再び排卵は可能ですが、流産後はまだ機能が全て復活していないため、最妊娠を望むのならば2回生理周期を回った後を目安にしましょう。

また、流産で落ち込んでしまったり、気持ちが乗らない時は排卵システムにも影響しリズムが整わない事もあるため、パートナーとよく話し合って無理をせず自分の心身を落ち着かせて、次の妊娠に向けて心身ともに準備が出来るまでゆっくり待ちましょう。

初期流産を繰り返す場合は?

初期流産を繰り返す場合は?

初期流産はたまたま染色体に異常がある卵子や精子が受精して起こるもので、ほとんどの妊婦は問題なく次回妊娠する事が出来ますが、中には2回連続する反復流産や3回連続する習慣流産になってしまう方が数%の確率で見受けられます。

原因は様々で複数の原因が当てはまる場合もありますが、初期流産を繰り返す場合は染色体異常を起こした卵子や精子ではなく、カップル自身の染色体に異常がある可能性が高いため、二人でスクリーニング検査等を行い不妊治療を続ける必要があります。

その他には、糖尿病・感染症・免疫異常などが挙げられますので、もし初期流産を繰り返す場合は大きな病院の不妊科や習慣流産治療を扱っている病院で検査を受ける事を考えましょう。

ここまでのまとめ

初期流産についてご紹介しました。できる限り生活習慣を整え、妊娠生活を有意義に過ごしていくようにしましょう。

初期流産は防ぐことができなケースが多く、結果的に流産となったとしても自分を責めないようにしましょう。気持ちの整理がついた頃には、きっと、次の赤ちゃんへと幸せのバトンタッチが行われているはずです。

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