【妊娠22週】胎児と母体の症状で知っておきたいこと

妊娠22週 6ヶ月目

妊娠22週目は胎動がしっかりと感じるようになり、お父さんも感じられるかもしれません。大きく膨らんだお腹によって行動が制限されるようにもなります。今まではカンタンにできたような動作も、この頃から困難に感じられるようになるので、立ち仕事が多い方などは注意が必要です。

また、この頃になるとへその緒が太くなり、体調にも新たな変化が現れるようになってくるので、症状に注意しつつ過ごしましょう。妊娠22週の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

妊娠22週の胎児の成長、お腹の様子

妊娠22週の胎児の成長、お腹の様子

妊娠22週 胎児の体重は?様子は?

妊娠22週 胎児 胎盤 羊水 の様子

妊娠22週胎児体重は正常発育児の95.4%が320g~617g 平均体重:469gとなります。※1

22週目を過ぎるとへその緒が太くなり、赤ちゃんによりスムーズに栄養が運ばれるようになります。ますますしっかりとした在感を示すようになってきます。

ハッキリとした胎動を感じられるようになり、喜ぶ妊婦さんも多いです。妊娠中期に入る頃には、すべての妊婦さんが胎動を感じられるようになりますし、落ち着いて日々を過ごせるようになっています。

脳細胞がほぼ完成に

妊娠22週エコー 超音波 写真

段々と、脳神経が発達し終わるようになり、脳の状態が落ち着くようになります。最初は何も感じることができず、覚えることもできなかった赤ちゃんも、外からの衝撃をダイレクトに感じるようになります。海馬の発達によって物事を記憶するようになっているので、赤ちゃんがストレスに感じるようなことは極力避けるべきだと言えるでしょう。

また、脳細胞が完成したからといって、他の部位も完成しているかというとそうではなく、肺などはまだまだ未完成の状態にあるので、依然として無理な運動などはしないように注意しましょう。

赤ちゃんの表情が出るように

妊娠22週 胎児 の様子

まぶたがきちんと上下に分かれておらず、まばたきをすることが不可能だったのですが、22週目ごろになるとまぶたが上下に分かれるようになります。

この変化によって、赤ちゃんはまばたきが可能となりますし、より一層人間らしい動きを見せてくれるようになります。この頃の赤ちゃんは、いねむりをしたり動き回ったり、まばたきをしたりと、より一層細かな表情を見せるようになっているので、超音波検査などでチェックしてみましょう。

胎動が感じられなくなった場合

胎動が感じられなくなった場合

胎動が感じられて嬉しい毎日が続いていますが、さっきまであんなに暴れていたのに今はまったく動きを感じない、なんて事に気づくお母さんもいるでしょう。お母さんの中には「22週目に入ってから急に、胎動が感じられなくなった」方もいます。今までは感じられていた胎動が急になくなってしまうと、「死んでしまったのではないか」と不安に思うかもしれません。

動きの無さに不安を感じる方も多いですが、その理由は胎児の睡眠サイクルが挙げられ、短時間で寝る・起きるを繰り返すので、胎動も強弱が出てきます。またお母さんが活発に動いている最中に寝て、お母さんが寝ている時に活発に動いているようなことも少なくないので、そこまで不安に思う必要はありません。またお母さんが忙しければ、胎動があっても気がつかない場合があります。

ただし、強くなったり弱くなったりのリズムではなく、段々弱くなってきている・今までの強さが感じられない時は、すぐに病院を受診しましょう。

胎動がパパも感じられるかも

胎動がより大きくなりパパも感じられるかも

22週目の赤ちゃんは、各内臓が完成に近づいており、骨格などもかなりしっかりとした具合になってきます。

身体が大きくなることによって胎動もより大きくなり、周囲の人でも手を当てればそれを感じられるようになるので、ぜひともお父さんなどに触ってもらいましょう。「父親としての実感がなかなか湧かない」方も、胎動を感じると親としての自覚が深まるようになります。

胎教の仕方で情緒面に良い影響も

胎教の仕方で情緒面に良い影響も

胎教でクラシックや英語を聞かせたりして、お母さんがリラックスすることが赤ちゃんに伝わり一定の効果はありそうです。

胎教の大切なことは、お母さん・お父さん・周りの人が赤ちゃんによく話しかけることで、夜泣きが少ない・穏やかな性格など、情緒面に良い影響を与えると言います。

話しかけるのは恥ずかしければ、本を読み聞かせたり、外に出掛けて陽の光を一緒に浴びたりお父さんと3人で散歩して楽しい気持ちを分け合えば、赤ちゃんもきっとお腹の中で喜んでいます。

妊娠22週 性別、性器について

妊娠22週 胎児 下半身の様子

妊娠22週ごろには性別がはっきりとわかっています。遅い妊婦さんでも次回の健診でわかるようになります。

女の子は子宮が完成して原始卵胞が出来上がっていますが、この週になると、男の子の卵巣が陰嚢に下りてくるようになります。

すでに妊娠3ヶ月の時点で精巣および卵巣は完成していましたが、これまで外性器が未発達だったため骨盤内に置かれていました。妊娠6ヶ月にはいって性器もほとんど出来上がったため、精巣は陰嚢内の正常な位置につく事になります。

ただ、この下降する途中に何らかの原因で止まってしまうと停留精巣と呼ばれ、その場合は1歳児まで観察・治療が行われます。これは低体重児や早産児の3割がなるとも言われていますので、お母さんは注意が必要です。

早産と流産の分れ目 生育限界ライン

早産、流産の分れ目 生育限界ライン

22週に入ると、胎児は子宮の外に出ても生存できる生育限界ラインを超え、22週未満では子宮の外に出ても生きていけないため流産となりますが、それ以降は早産と区別されて出産後はNICU(集中管理治療室)で治療を行います。

ただ、22週の胎児体重は320g~617g 平均体重:469gとまだまだ非常に小さく、生存率は30~40%で後遺症が残らないのはその内の10%と数字を見ると厳しいですが、妊娠25週を超えて出産すると生存確率は50%超と大幅にアップします。

トラブルがあって出産しても育つ可能性がありますが、やはりまだ子宮の中にいた方が良いので、お母さんは無理をしないように十分注意し、異変があった時はすぐ受診する心構えを持ちましょう。

肺の成長がポイント

肺の成長がポイント

妊娠12週までの器官形成期に肺を含んだほとんど全ての器官は出来上がりましたが、この週になると肺の成長が進んでいきます。今は胎盤から酸素を取り入れているので肺の機能はまだ始まっていないですが、発達が進んでいて妊娠22週が生育限界と言われるのは、この肺の成長を元にしているからと言われます。

肺を膨らますのにはサーファクタントという界面活性物質を必要としますが、この時期にはまだ少ないためすぐしぼみやすく、未熟児や早産児は肺がしっかり機能せず呼吸状態が悪くなってしまいます。妊娠34週頃にはサーファクタントが十分量になるので、早産でも後遺症が残る事はほとんどありません。

妊娠22週の母体の症状などについて

おりものの量が増えることも

おりものの量がこれまでの倍に増えることも

妊娠期間中はどうしても、おりものの量が増えますが、22週目になるとその量が倍になる場合もあります。これは膣炎を防ぐために身体の機能がそうさせるので、おりものの量がいきなり増えても何ら問題はないです。

どうしても蒸れやすくなり、肌が荒れることも起きがちになりますので、下着は通気性の良いものを選ぶようにし、必要に応じておりもの用ナプキンなどを利用してみましょう。

22週までつわりが続いている場合

この時期までつわりが続いている場合

お母さんの中には、妊娠初期の段階で早々に、つわりが終わってしまう方もいますが22週目のこの時期になってもつわりが終わらない方もいます。

なかなかつわりが終わらないと不安に感じてしまいがちです。つわりはもともと個人差が激しいものですし、「出産直前までつわりがあった」方も少なくありません。体調不良が数ヶ月続いていると大変ではありますが、必ずつわりはいつか終わるので、ゴールを見据えつつ辛抱強く過ごすようにしましょう。

子宮の成長によって様々な症状が

大きくなる子宮によって様々な症状が現れるように

22週目の子宮はかなり大きくなっているので、バランスも崩しがちになりますし、子宮まわりの皮膚が張ることによって、「つっぱり感」を覚えがちです。

足の付け根が突っ張ったり、お腹の皮膚が突っ張っる症状を感じるようになり、それがストレスに転じてしまいがちなですが、ストレスも運動をしたり、リラックスしながら過ごしたりと時間を設けつつ軽減していくべきなので、自分なりのストレス解消法を見つけておくようにしましょう。

妊娠糖尿病に注意!

妊娠糖尿病に注意!

妊婦さんは22週目を過ぎる頃から、色々なものを無理なく摂取できるようになってきます。食べる楽しみを覚える時期でもあるので、甘い物についつい手が出がちな方もいますが、糖質を摂取しすぎると二型糖尿病になってしまいますし、妊娠糖尿病になってしまうと後が大変になりますので注意が必要です。

妊娠糖尿病に注意2

また病院の指導のもと改善の為に、自分でお腹にインスリンを打ったり、糖の検査を自分でやったりと大変になり、やることが増えてしまい大変です。

糖尿病は最悪の場合、足を切断したり、失明したりしてしまいますし、赤ちゃんの健康状態を想像以上に悪くさせてしまうので、間食の多い方は、甘いものではなく酸っぱいものや煎り大豆などを食べるようにしましょう。

足の付け根などが張りやすい

足の付け根などが張りやすい

赤ちゃんの大きさは既に500g前後にまで成長しているので、当然、お腹もより大きくなり、歩くのも困難になってきます。

足に負担が掛かりがちになりますし、足の付け根が張りやすい時期なので、長時間、歩いて移動するようなことがある場合は、適度に休憩を挟みつつ、足を休ませるようにしましょう。足の付け根の張りを放置するとストレスとなり、赤ちゃんに悪影響を与えてしまうので、気をつけなければなりません。

妊娠22週食事について

胎児の形成のためにたんぱく質を摂取しましょう

赤ちゃんの骨や皮膚などの形成が進む時期なので、たんぱく質の摂取を心がけましょう。たんぱく質にも、動物性のものと植物性のものがありますが、動物性のものを摂りすぎると血流や消化が悪くなりがちなので、できればたんぱく質は植物性のものから摂るようにしましょう。

植物性の豆類や魚からたんぱく質をとれば、たんぱく質だけでなく豆の食物繊維や脳の機能向上に働きかける魚のDHAなどが併せて摂れます。野菜や魚なら塩分控えめでも十分おいしく食べられるので、むくみ・高血圧対策にもなりそうです。この時期が妊娠期間中もっとも、たんぱく質を必要とする時期なので、出来るだけ摂取するようにしてみてください。

「リン」を含むものには注意

「リン」を含むものに注意が必要

22週目は赤ちゃんの成長のためにたんぱく質が必要となる時期なですが、肉類からたんぱく質を摂取することを続けてしまうと、「リン」の摂取量が増えてしまいます。

リンはむくみの原因になる成分であり、この時期に摂取してしまうと足や腰が余計に辛くなってしまいがちなので、肉料理の摂取はほどほどにしておきましょう。週に3回程度であれば、タフに活動するためのエネルギー源となりますが、毎日食べてしまうようだと血流も悪くなってきてしまうので気をつけなければなりません。

体重管理や健康管理方法は

健康管理の方法に自信がなくなってきた場合は・・・

22週目に突入すると、体調や体型が一気に妊婦らしいものになるので、生活が一変します。またつわりが終わり、食事がおいしくなり食べ過ぎてしまう妊婦さんも多い時期ですので、体重管理はしっかり行いましょう。

体調もどんどん変化するので、それによって健康管理の方法を見失ってしまいがちです。市の主催している母親学級などに参加すると、妊娠中の注意点などを質問することができるので、うまく利用しつつ、自信をつけていくようにしましょう。

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現在の医療技術では、22週目で生まれた赤ちゃんであっても生存できる可能性は十分あります。しかし赤ちゃんの体重や状態により障害が残るケースが考えられます。

早産の原因として妊娠高血圧症候群、前置胎盤、低置胎盤、子宮頸管炎、絨毛膜羊膜炎、細菌性膣症、子宮頸管無力症、子宮筋腫、子宮奇形、羊水過多症、羊水過小症、多胎妊娠、妊娠糖尿病、疲労、ストレス、喫煙、飲酒、早産経験者、高齢出産などが考えられます。

切迫早産の兆候をよく観察して

切迫早産の兆候をよく観察して

これまでつわりも軽くお腹の張りも少ない順調な妊婦であっても、いつ急な体調や胎児の急な変化があってもおかしくないので、出産までは気を抜けないと思った方が良いでしょう。

段々強くなるお腹の痛みや出血がある場合は、切迫早産の可能性があるためすぐ受診しましょう。切迫早産の処置が早いほど早産になるのを避けられますが、その原因によっては入院して子宮収縮抑制剤や抗生剤の投与治療を行い、状況によっては長期入院もありえます。

普段からきちんと定期健診を受けて、無理のないように生活する事が大事です。

詳しくは:お腹の張り痛み安定期流産破水切迫早産早産常位胎盤早期剥離妊娠高血圧症候群

膣に響く痛みは胎動?腹痛?

膣に響く痛みは胎動?腹痛?

胎動が日々強くなって、赤ちゃんの発育を実感できる時期ですね。まだこの時期は赤ちゃんが小さく、くるくる動くスペースがあるので、お腹のあちこちで胎動を感じられる事でしょう。

ただ、胃付近の胎動はあまり痛みを感じませんが、骨盤内での胎動は骨・筋肉・臓器が密集しているため、痛みを感じやすい傾向にあります。

特に子宮口や膣に響くような痛みは腹痛よりも胎動である事が多く、赤ちゃんの足が下を向く逆子の状態で起こります。今の時期に逆子でも、臨月には頭が下を向いている頭位になる赤ちゃんがほとんどなので、あまり心配しないようにしましょう。あまりにも痛む場合は赤ちゃんにお願いしてみては。

トラブル お腹の張り方や寝方

お腹の張り 寝方 仰臥位低血圧症候群

妊婦さんの体型や体質によってお腹の張りは変わります。お腹の張る原因といえば、疲れやストレス・切迫早産などさまざまあり、意外な所では寝方によってもお腹の張り方が変わります。

感じ始めた胎動をもっとしっかり実感しようと仰向けになると、お腹の張りが強くなったり気持ち悪くなる事がありますが、これを仰臥位低血圧症候群といいます。仰臥位低血圧症候群は背中側にある下大静脈を子宮が圧迫して血流が妨げられるために起きる症状で、お腹の張りもこれが原因と言われています。

トラブル お腹の張り 寝方

こんな時は仰向けでなく、左を下にした横向きで寝ると改善します。横向き寝が安定しない時は、腰やひざの間に枕やクッションを置くと良いでしょう。

ここまでのまとめ

22週目は妊娠中期であり、体調も安定しているので油断してしまいがちですが、身体のバランスを崩しがちになりますし、転倒しないための工夫は必須です。

お母さんの中で赤ちゃんの骨や皮膚が続々と完成していき、出産が近づいてきたことが現実的に感じられるようになりますが、用意しなければならないものなども増えてくる時期なので、計画的にしっかりと毎日を過ごすようにしましょう。

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