【妊娠7ヶ月】胎児と母体の症状で知っておきたいこと

妊娠7ヶ月 7ヶ月目

妊娠7ヶ月目になると、体重管理や激しい胎動などで悩み増える時期です。依然として腹痛、お腹の張りや出血には注意が必要です。また前駆陣痛(ニセ陣痛)が出てきたりと、本格的に身体が出産の準備を始めます。

この時期になると度々、子宮口が勝手に出産の準備を始めるので最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてくると陣痛、出産への恐怖感が和らぎ、出産のためのモチベーションを得られるようになってくることでしょう。妊娠7ヶ月の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

目次

妊娠7ヶ月の胎児の成長、お腹の様子

妊娠7ヶ月 胎児の体重は?様子は?

妊娠7ヶ月 胎児 へその緒 の様子妊娠24週胎児体重は正常発育児の95.4%が461g~859g 平均体重:660g
妊娠25週胎児体重は正常発育児の95.4%が546g~996g 平均体重:771g
妊娠26週胎児体重は正常発育児の95.4%が639g~1144g 平均体重:892g
妊娠27週胎児体重は正常発育児の95.4%が742g~1304g 平均体重:1023g

妊娠7ヶ月胎児体重は正常発育児の95.4%が461g~1304g 平均体重:660g~1023g ※1

この時期は脳皮質なども発達していきます。皮下脂肪が増えたり皮膚・筋肉がさらに硬くなるなど、身体の中身が充実してくる時期と言えます。

赤ちゃんの成長をサポートするには栄養を摂るのも大事ですが、それを胎盤を通して胎児まで届けるには十分な血液量が必要です。貧血にならないよう、水分や赤血球を作るミネラルやビタミンも忘れずに摂取しましょう。この時期から、赤ちゃんの意思や五感などがますます成長していくので、その経過を見守るようにしましょう。

赤ちゃんの体重の増え方に個人差が

妊娠7ヶ月 胎児 胎盤 へその緒 の様子

赤ちゃんの成長に個人差が出てくるのもこの時期で、平均より小さいと指摘される場合も出てきます。体重差が300g前後あれば小さな胎児ですから、十分大きな差となります。

元々胎盤の厚みがしっかりあったり、その中央付近にさい帯があれば胎児に栄養が行きやすいと言われていますが、それはもう直しようがないので、栄養を更に摂るしかありません。

他には急に体重が増えたり、お母さんが摂取した栄養が不足して胎児まで届かない原因が考えられますので、一度日頃の生活習慣や食生活を見直す機会を持つ必要があります。

赤ちゃんは昼夜の区別がつくように

妊娠7ヶ月 胎児 顔 手 足の様子

まぶたが分かれて目が開いても、その頃はまだぼんやりとしか分かりませんでしたが、7ヶ月に入ると更に発達し始めます。特に明るさには敏感になって、お母さんが晴れた日に外に出掛けると胎動が激しくなる事も多いです。

明るさが分かるようになるにつれて昼夜の区別も付くようになり、胎児はそれを基にして段々と睡眠サイクルを整えていくので、お母さんもそれをサポートして規則正しい生活をするよう気をつけましょう。

鼻の穴が開通し、嗅覚や味覚が発達

鼻の穴が開通し、嗅覚や味覚が発達

これまで鼻の形はエコーで確認できていても、実は鼻の穴はまだ開いていませんでした。この時期には鼻の穴が貫通して嗅覚が発達するようになります。

なんと妊娠7ヶ月の胎児は大人と同じ嗅覚が完成していると言われるほどで、お母さんのストレスや感情の動きだけでなく、これからはお母さんが好きな香りや嫌いな匂いまでも敏感に感じ取るようになります。

味が判断できなかった赤ちゃんも、この頃から嗅覚や味覚が発達するようになり、味に関する感性が高まります。お母さんが辛いものを食べると辛みを覚えるようになり、甘いものを食べると甘いものを感じるようになるので、赤ちゃんの五感もますます鋭くなり、次第に子宮の中での出来事を記憶できるようにもなっていくのです。

妊娠7ヶ月性別

妊娠7ヶ月性別

妊娠7ヶ月前までには性別がわかっている方がほとんどです。現在のエコーの精度ではあまりないですが、稀に男の子が女の子に、女の子が男の子に性別変更になる場合があります。性別変更と言っても本当に変わるのではなく、凸凹の見え方で先生判断が変わるようです。

妊娠7~8ヶ月に「付いているね」「割れ目があるね」と先生に言われた場合は確定だと思って間違いないです。

妊娠7ヶ月激しい胎動で逆子に

妊娠7ヶ月胎動

妊娠7ヶ月は妊娠中で最も胎動が激しくなる時期で、この後は子宮内で窮屈になってくるため胎動は控えめになってきます。まだ子宮内にはスペースがあるので自由に動き回っていますが、その動きの最中、時折頭が上になる逆子に位置する事があります。

まだ動き回る時期なので逆子になっても様子を見ていればその内正常な位置に戻りますが、たまに逆子の位置のまま手足を動かしていて、子宮下部にいつも胎動を感じるようであれば定期健診の際に相談したほうが良いでしょう。

※1 参照 日本産婦人科学会 胎児計測と胎児発育曲線について
※1 参照 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線」

妊娠7ヶ月お腹の張り 腹痛 出血 破水 早産など

ニセ陣痛、陣痛、胎動がわからない

ニセ陣痛、陣痛、胎動がわからない

若い妊婦さんの中には、前駆陣痛(ニセ陣痛)を知らず、焦って「早産だ」と解釈してしまう方がますが、ニセ陣痛はあくまでも出産の予行練習です。初めてのことなので胎動で痛みを感じるのと陣痛がわからない方もいらっしゃます。

突如として子宮口が収縮し始めるので最初はかなり焦ってしまうのですが、何度も何度もニセ陣痛を経験するようになってくると、「これは本物ではないな」「これは偽物だから焦らなくて大丈夫だな」とわかるようになってきます。ニセ陣痛には見抜き方がきちんとあるので、落ち着いて構えるようにしましょう。

ニセ陣痛と本物の陣痛の見分け方

ニセ陣痛と本物の陣痛の見分け方

「ニセ陣痛と本物の陣痛は、どのように見分ければいいの?」と疑問に思われる方も多いかもしれませんが、ニセ陣痛の場合は1:5:1のリズムに当てはまらない周期で動きます。

逆に、子宮口の収縮が1来て、間隔が5空いてまた子宮口の収縮が1来たように感じる場合は、本物の陣痛なので切迫早産、早産の可能性があり、すぐに病院に連絡しましょう。

胎動と陣痛の見分け方としては引っ張られる、押される、突き上げるなどのお腹の感覚は胎動で、お腹全体の腹痛、張りがある、強い痛みの継続などの感覚は陣痛です。

思い込みは禁物 切迫早産、早産

流産、早産いつからいつまで、切迫早産、早産、死産、正期産、切迫流産、切迫早産、稽留流産、化学流産、初期流産、後期流産の一覧表

この時期になるとニセ陣痛が増えてくることは前述の通りですが、やはりニセモノと本物があるとなると、判断が難しくなってきてしまいます。

「これはニセモノかもしれない」と思い込んでしまい、そのまま外で早産することになってしまったケースもあるので、自分では判断しかねるような場合は病院に電話をし、今感じている症状をすべて伝えるようにしましょう。

場合によってはそのまま切迫早産で入院となることもあるので、何か準備することがある場合は、準備しつつその場で安静にしつつ待つようにしてください。この時期の早産は赤ちゃんに障害が残る場合がありますので、正期産までかんばりましょう。

詳しくは::お腹の張り痛み安定期流産破水切迫早産早産常位胎盤早期剥離妊娠高血圧症候群

妊娠7ヶ月腹痛に悩まされる

妊娠7ヶ月腹痛に悩まされる

妊娠7ヶ月になると、腹痛が起きやすくなってきます。腹痛の正体は 子宮の収縮、便秘の痛み、胃痛、激しい胎動、前駆陣痛(ニセ陣痛)などがあり、必ずしも早産につながる痛みとは限らないので、「怪しいけど早産ではないかもしれない」と感じた場合はしばらく様子を見てみましょう。

本物の陣痛はじっと寝ることなどできない痛みです。破水や出血などがあり じっとしているのも難しいような激しい衝撃に襲われるので、「これは確実に陣痛だ、早産かも」と感じた場合はすぐさま周囲の人を呼び病院に行きましょう。

妊娠7ヶ月お腹の張り 出血は注意

妊娠7ヶ月お腹の張り 出血は注意

日に何回か、お腹がとても硬くなるように感じたりキューっと引っ張られるようなお腹の張りを感じる方が多いのがこの頃。お腹が張ると「もしかして切迫早産かも!?」なんて心配になってしまいますが、ほとんどは子宮が大きくなる前の準備と考えてよいでしょう。

ゴムを一気に伸ばすとあまり伸びませんが、伸ばして縮めてを繰り返すとぐーんと伸びるようになりますね。それと同じで子宮は筋肉なので、胎児を支えられるよう伸び縮みを繰り返しながら大きくなるのです。

その縮む時に張りを感じるのです。安静にすれば直りますが、段々酷くなったり出血があるような場合はすぐ受診してください。

妊娠7ヶ月のトラブル 破水について

妊娠7ヶ月のトラブル 破水について

前期破水が起こるケースは1割~1.5割程度と無視できない数字ですから、誰にでもあると考えておいた方が良いでしょう。実は破水には低位破水と高位破水の2種類あり、普段イメージする「一度に大量に羊水が流れ出る」のは、卵膜下部が破れる低位破水の場合です。

高位破水とは卵膜上部が破れるため、少量ずつ長期にわたって羊水が流れ出るのが特徴です。少量ですので、おりものや尿漏れと間違えて放置してしまう方もいますが、そのままにすると赤ちゃんの命の危険につながりますから、何かおかしいと思った時はすぐ病院を受診してください。

妊娠7ヶ月の母体の症状などについて

体重増加に注意 妊娠糖尿病

糖尿傾向になる

妊娠して胎盤が出来ると、お母さんが摂取した糖分は優先的に胎児へと供給されます。お母さんは代わりに脂肪を代謝してエネルギーを作るようになりますが、内臓に必要な分はある程度糖分を取り込んでいます。

ただ、これから胎児が更に成長するにつれてお母さんの内臓が吸収する糖分も胎児に必要になってくるため、身体は内臓が糖分を取り込まないように、その働きをするインスリンを抑制するようになります。

インスリンが抑制されれば、胎盤へ流れなかった糖分は体外へ排出されます。糖分は尿に混じって排出されるため、妊娠中期からは糖尿傾向になりやすいのが特徴で、最初は体重調節で血糖値を下げるよう指示されますが、効果が出ない場合はインスリン注射を受ける治療へ切り替える事があります。

妊娠7ヶ月吐き気、胃痛、後期つわり

妊娠7ヶ月吐き気、胃痛、後期つわり

子宮が大きくなる事で胃が押し上げられて、時折胃液が逆流する事があります。それによるのどの痛みや胸のムカつき、気持ち悪さを感じる方も増えてきて、後期つわりなんて呼ぶ事も。

妊娠してから逆流食道炎になった方は、出産後には胃が元の位置に戻るため改善されますが、しかしこの不快感を出来れば今すぐどうにかしたいのもわかります。

薬に頼る前に、まずは胃酸分泌を増やす脂肪分・糖分の多い食品・酸味のある食品・アルコール・コーヒーなどの摂取量を少なくして、様子を見ましょう。それでもダメな場合は、産婦人科医師に相談しましょう。妊婦に多い症状なので、胎児に影響の少ない薬を処方してくれるはずです。

妊娠7ヶ月 おりもの

妊娠7ヶ月 おりもの

感染症にならないために、おりものの量が多くなる時期でもあります。妊婦さんの体調により、おりものが多いとびっくりしてしまい破水と勘違いしてしまう場合もあります。通常白っぽい色で少し酸っぱい臭いがします。

注意が必要なのは臭いかきつい、色がいつもと違う、出血が混じるなどは注意が必要です。また大量の水分を感じた時は、破水の可能性もあります。おりものの状態に不安を感じた場合は、医師に診てもらうことが大切です。

むくみで指輪が抜けなくなることも

むくみによって指輪が抜けなくなることも

この時期は黄体ホルモンの影響でむくみが酷くなっています。指輪が抜けなくなってしまったり、顔が変わったりすることが出てくるので、旦那さんから「妊娠のせいではなく単純に太ったのではないか」「太りすぎなのではないか」などと言われてしまう方もいます。

しかし、この時期に指輪が抜けなくなるほどむくんでしまうのはよくあることであり、妊娠している女性であれば誰しもが経験することになるので、あまり深刻に捉えないようにし、あまりにもむくみが酷い場合は水分を多めに摂取するなどして過ごしましょう。

妊娠7ヶ月便秘になりがちに

便秘になりがちなので水分を多めに摂取しましょう

子宮が膨らんでくると腸が圧迫されますし、ホルモンの関係もあって、7ヶ月目の妊婦さんは便秘になりがちです。

きちんと運動をしたり、食物繊維の含まれる食べ物を摂取したり、水分をこまめに摂取するようにすると、便通が良くなるので試してみましょう。消化に悪い物を食べすぎてしまうと、便秘が悪化するばかりでなく、腹痛まで併発してしまうので気をつけなければなりません。

妊娠7ヶ月旅行について

旅行は厳禁です

「安定期になれば旅行も大丈夫」「マタニティプランを選べば安全」などの誘い文句に踊らされてしまいがちな方もいますが、安定期であれば絶対安全であることはまずありません。

やむを得ない事情で旅行をするにしても、母子手帳や保険証は必須ですし、トラブルがあった時のために万全に備えておかなければなりません。できれば旅行の予定などはすべてキャンセルしてしまった方が、後々のためなので、無理な遠出は出来る限り避けるようにしましょう。

安定期の内に美容院へ行きましょう

安定期の内に、美容院へ行きましょう

この時期を過ぎると子宮がどんどん大きくなってゆき、長時間座っていることが困難となり、美容院での施術に堪えられなくなってしまいます。

出産ともなればしばらくは美容院へ行く余裕もなく、伸ばしっぱなしの状態で様々なところに挨拶するようなかたちになってしまうので、できるだけこの時期に美容院へ行くようにし、カットをすませておくようにしましょう。

美容院によっては妊婦さんのためにクッションを貸し出してくれるところもあるので、座っているのが辛くなってしまった際は、そういったものがあるかどうか確認してみてください。

妊娠7ヶ月食事について

鉄分の摂取が重要です

この時期になってもやはり、栄養が赤ちゃんに集中しがちなので鉄分が何かと不足します。

鉄分は不足すればするほど赤ちゃんが成長しづらくなるので、ほうれん草やプルーンなど、鉄分を含む食材をリストアップしておき、外出の際はそれを見つつ買い物をするようにしましょう。また、鉄分を多く含む料理などもリストアップしておくと、レシピ選びに迷わないのでおすすめです。

妊娠7ヶ月運動 出産の体力づくりを

出産に向けた体力づくりを

この時期は妊娠初期に比べると大分、心身共に安定しています。妊娠7ヶ月目は運動するのに適していますし、運動しないとどうしても太ってしまいがちなので、なるべくウォーキングなどをするようにしましょう。

無理のない運動をして体力をつくれば、出産中にもスムーズに出産できるようになるので、体力に自信がない方はたんぱく質やビタミンB6などをしっかり摂りつつ、子宮に負担がかからない程度の筋トレや有酸素運動に励むようにしてみてください。

妊娠線が出来るのはお腹だけではない

妊娠線が出来るのはお腹だけではない

急激にお腹が大きくなり始めるので、妊娠線ケアに一層注意を払っている妊婦も多いでしょう。ただし、妊娠線はお腹周りだけに出来るのではないのを心に留めておく必要があります。

お腹だけでなく、バスト・脇・お尻・太ももの付け根も支給が大きくなり骨盤が広がるのにつれてサイズアップするので、そう考えれば胴体全体に出来てもおかしくはないです。

またお腹も大きくなると、自分からは死角になる場所に出来る可能性も考えられます。妊娠線ケアにやり残しが無いように、度々家族やパートナーに自分の見えない部分をチェックしてもらうのが良いかもしれません。

マタニティマークをつける?つけない?

マタニティマーク

市役所へ行くと、母子手帳と一緒に「マタニティマーク」をもらうことができます。マタニティマークとは、その名の通り「わたしは妊婦ですよ」を周囲に示すためのマークであり、つけていると電車やバスなどでも席をゆずってもらいやすくなります。

周囲の方の反応も変わってくるので、席をゆずってもらった場合は遠慮せず、「ありがとうございます」と言って座らせてもらうようにしましょう。

しかしマタニティマークをあえてつけない妊婦さんも近年いらっしゃいます。付けることでのトラブルに巻き込まれる恐れがあるため付けない選択です。余計ないざこざはストレスになりますのでよく考えて判断しましょう。

ここまでのまとめ

妊婦さんの中には、「7ヶ月目にやっと妊婦としての自覚がハッキリした」方が多く存在します。7ヶ月目にようやくマタニティブルーを抜けた方もいますし、逆に7ヶ月目になってからニセ陣痛によって陣痛を怖れるようになり、マタニティブルーになってしまう方もいます。

自分に合ったストレス解消法などを見つけつつ丁寧に毎日を過ごすようにし、出産のための本格的な準備を整えるようにしましょう。

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