妊娠中の妊婦には、葉酸が必要と言われているのをご存知でしょうか。しかし、葉酸というものに馴染みがないという方や、必要な理由がわからないという方もたくさんいらっしゃると思います。
そこで、妊娠中の妊婦には葉酸が必要な理由・効果をさまざまな方向から詳しくご紹介していきます。
葉酸について
妊娠中の妊婦には葉酸が必要と言われていますが、そもそも葉酸とは一体どんなものなのでしょうか。葉酸とは、ビタミンの一種でさまざまな食べ物に含まれています。
葉酸という字のとおり、葉物野菜に多く含まれていますが、レバーや卵黄などにも豊富に含まれており、毎日の食事で何かしら葉酸を摂取しているのです。
葉酸が必要な理由とは
葉酸がどのような栄養素なのかご紹介しましたが、なぜ妊娠中の妊婦には葉酸が必要なのでしょうか。 その理由としては、妊婦の身体への影響と、赤ちゃんの発育への影響があります。
葉酸を体内に摂取する量が少なく、足りない状態が続くと妊婦の身体に蓄積されているエネルギーや栄養がどんどん赤ちゃんへと奪われていってしまいます。 その結果、妊婦が貧血になりやすくなり、体調不良を生じやすくなるのです。
また、赤ちゃんは生まれる日までどんどん成長しているため、たくさんの栄養が必要になります。
特に妊娠初期の頃には細胞分裂が活発に行われるため、質の良い大量の栄養が欠かせません。葉酸は細胞分裂の働きを促すだけでなく、神経系の発達にも必要なものなので、積極的に摂る必要があるのです。
葉酸が不足している場合どうなる?
葉酸の効果は、新しい血液や細胞を生み出す力があるため、妊婦の身体に欠かすことはできません。また、発育途中の胎児にとっても葉酸は必要になります。
受精したあとの卵子は、急激なスピードで細胞分裂をくり返し、人へと成長していきます。葉酸はこの細胞分裂の時期に、血液を増やして栄養を送り込み、胎児の細胞分裂の手助けをする効果があるため、積極的に葉酸を取り入れる必要があります。
この時期に葉酸が不足していると、必要な栄養が届かなかったり、細胞分裂がうまく進まなくなったりする可能性があります。
胎児への影響
葉酸が不足して特に深刻になるのは、神経管閉鎖障害が発病するリスクが高まる可能性があるということです。このリスクを低くし、防止するためにも葉酸は積極的に体内へ摂取するようにしましょう。
妊娠中の妊婦が、もし葉酸をほとんど摂取しておらず足りない状態が続くと、妊婦が貧血になったり、体調不良が続いたりとさまざまな不具合が生じますが中でも問題なのが赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクが高まるということです。
葉酸が不足していると、このリスクが高まってしまうため、健やかに成長できない状態に陥ったり、障害をもって生まれたりしてくる可能性があります。このことを避ける上でも、葉酸は積極的に摂らなければならないのです。
厚生労働省が積極的に葉酸摂取を
葉酸が神経管閉鎖障害を予防する効果があると判明してから、厚生労働省が積極的に葉酸摂取を促しています。
また、婦人科では母子手帳に葉酸の効果や重要性について紹介しており、多くの妊婦に知られるようになりました。しかし、婦人科によっては安定期に入らなければ母子手帳を配布しないこともあるため、最も摂取すべき妊娠初期に葉酸を採れていない可能性が高くなります。
葉酸が不足しているからといって、必ず神経管閉鎖障害になるわけではありませんが、リスクをできるだけ軽減するためにも、妊娠が発覚したらすぐに葉酸を意識した生活に変えていきましょう。
葉酸を摂る時期は?
妊娠中の妊婦には葉酸が必要な理由として、妊婦の身体への影響と、赤ちゃんの発育への影響をご紹介しました。では、葉酸を積極的に摂る時期としては、いつを目安にすれば良いのでしょうか。
まず、最も赤ちゃんが葉酸を必要とする時期が、妊娠してから妊娠3ヶ月目あたりまでの時期です。この期間は赤ちゃんが成長する中で最も成長速度が早く、細胞分裂も頻繁に行われることから、葉酸の助けが必要不可欠なのです。
だからこそ、妊娠していたとわかった時点で、すぐに葉酸を摂る食生活に切り替えていきましょう。妊娠していたとわかるタイミングは、人により違いがあります。つわりなどの症状が出ない方は、妊娠しているとわかる時期が遅れてしまうため、普段(妊娠前)から積極的に葉酸を意識して摂るようにしましょう。
葉酸は妊活中も必要な栄養素
妊娠中の妊婦には葉酸が必要だとご紹介してきましたが、実は妊婦にだけ葉酸が必要なわけではありません。
妊娠を望む全ての女性に葉酸は必要だと言えます。健康な赤ちゃんを育みたいと考えるなら、普段から積極的に葉酸を取る生活を心がけましょう。
いつも葉酸をたっぷりとっていれば、いざ妊娠したという時にも慌てる必要がなくなります。妊活中の女性なら、葉酸は妊娠の準備材料だと思い、取り入れるべきです。
出産後も葉酸が必要
葉酸が必要な理由をたくさん上げてきましたが、実は出産後も葉酸を摂り続ける必要があります。
赤ちゃんを母乳で育てる場合、お母さんが食べたものの栄養がダイレクトに母乳を通じて赤ちゃんへの身体へ行き渡るため、葉酸をたっぷり摂らなければなりません。 葉酸を含むさまざまな栄養が不足すると、お母さんの身体から栄養を奪ってしまうため、抜け毛がひどくなったり、歯がもろくなったりしてしまいます。
これらのことを防ぐためにも、母乳で育てる場合は葉酸を積極的に摂るようにしましょう。葉酸には造血作用があるため、たくさんの母乳作りにも一役働いてくれます。母子ともに健康をキープするために、出産後も葉酸をたくさん摂るようにしましょう。
男性にも葉酸が必要
葉酸が必要なのは、女性だけではありません。男性にも葉酸を積極的に摂る必要があります。
葉酸には造血作用があり、新しい細胞を生み出す力がありますが、精子の染色体異常も予防することができます。
夫婦で一緒に葉酸をたっぷり摂ることが大切ですので、男性も積極的に取り入れていきましょう。
葉酸が含まれる食べ物
妊娠中の妊婦や、妊活中の女性、そして出産後のお母さんも必要な葉酸ですが、葉酸はどのような食べ物に含まれているのでしょうか。
葉酸をたっぷりと含んでいるのは、葉物野菜です。菜の花、グリーンアスパラ、芽キャベツ、パセリ、モロヘイヤなどに豊富に含まれています。
肉類だとレバーがダントツです。鶏、牛、豚の順に葉酸が多く、フォアグラにも豊富に含まれています。
海藻類にも豊富に含まれており、焼き海苔、青のり、ワカメなどが良いでしょう。
魚介類なら、うなぎ、たたみいわし、あんこうの肝、煮干、うに、すじこ、いくらなどに豊富に含まれています。
豆類なら、きな粉に大豆、小豆、納豆を積極的に食べていきましょう。
飲み物なら抹茶がダントツで、日本茶にも豊富に含まれています。
おやつがわりのフルーツなら、ライチ、イチゴ、マンゴーやアボカドがオススメです。
このような食品に豊富に葉酸は含まれています。毎日の食事メニューに積極的に取り入れていくようにしましょう。
体重管理に影響した場合
葉酸は女性なら常に積極的に取り入れたい栄養素です。妊娠中の妊婦には葉酸が必要不可欠で、積極的に摂る理由がありますが、たくさん食べ過ぎてしまうと体重がどんどん増えていってしまいます。
妊娠中の身体が急激に太ると、妊娠中毒症を招いてしまう可能性もあるため、食べすぎには注意が必要です。
しかし、葉酸の栄養が必要なので、たくさん食べなければと焦る妊婦の方もいらっしゃるでしょう。そんなときは、サプリメントでうまく補ってみてはいかがでしょうか。 サプリメントなら、葉酸をたくさんとっても急激に太る心配はありませんし、1日に必要な量を把握しやすくなります。
また、妊活中の女性であまり太りたくないという方や、出産後に赤ちゃんの面倒で自分のことは構っていられないという方にも、サプリメントがオススメです。気軽に葉酸を摂ることができるので、うまく使いこなしていくようにしましょう。
過剰摂取に注意
妊活中の女性、出産後のお母さん、そして妊娠中の妊婦には葉酸が必要です。しかし必要な栄養素だからといって、過剰摂取してしまうのは良くありません。
1日に摂取する葉酸の目安は、0.4mg(400μg)ですが、1.0mg(1000μg)を超えるような過剰摂取をしてしまうと、吐き気を催したり、食欲不振を招いてしまったりすることもあるので注意が必要です。
サプリメントは高濃度に葉酸が含まれているため、1日に摂取するべき量は必ず確認し、それを守るようにしましょう。
まとめ
妊娠中の妊婦には葉酸が必要な理由について幅広くご紹介しました。葉酸をたくさん摂ることで、妊婦の身体を守ることができますし、赤ちゃんの発育をスムーズにサポートすることができます。
サプリメントや毎日の食事メニューを工夫し、葉酸を積極的に摂り続けることが大切です。
お母さんの健康な身体と、赤ちゃんの成長の為にも、葉酸という栄養素を積極的に摂取し続けていきましょう。