【妊娠37週】胎児と母体の症状で知っておきたいこと

妊娠37週 10ヶ月目

妊娠37週目になると、「正産期」の時期に入ります。陣痛がきて出産するお母さんが出てきてきます。予定日をずれたとしても予定はあくまでも予定ですので、赤ちゃんが予定日より早く産まれてきたとしても過剰に心配に思う必要はありません。

予定日から数えて2週間程度のズレであれば、前後してしまっても問題はないので、ストレスを抱えすぎずに過ごすよう心がけましょう。妊娠37週の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

妊娠37週の胎児やお腹の状態

妊娠37週のお母さんのお腹と胎児の様子

妊娠37週 胎児の体重は?大きさは

妊娠37週 胎児 の様子

妊娠37週 胎児体重は正常発育児95.4%が2059g~3294g 平均体重:2676gです。※1

個人差があるので、この時期になっても2000g程度しか体重がない赤ちゃんもいるのですが、37週目になると2059g~3294gにまで成長します。身長は50cm程度です。

胎児が2500g以上の数値は低体重児と判断されるラインなので、この数値を超えていれば体内器官や皮下脂肪がきちんと付いているのを意味し、出産後に問題が起こる事はほとんどありません。しかし、この時期になってもまだまだ体重が2000g程度の場合は、出産まで時間がかかる可能性があるので、ゆっくりとその日を待つようにしましょう。

4000gまで成長してしまっている場合は、巨大児扱いになるので帝王切開で産むことになる可能性が濃厚です。この週で4000g超の胎児は、巨大児として早めの出産を提案されたり、お母さんの食事内容を厳しく指導されるケースもあります。

巨大児の出産は胎児が怪我をしたりお母さんの裂傷が酷くなる場合もあるので、指摘された場合は医師の指示に良く従ってください。

赤ちゃんは指しゃぶりをして練習を

妊娠37週 胎児 顔 手 胎盤の様子

37週目の赤ちゃんは、お腹の中で指しゃぶりをしています。これはお母さんのおっぱいを飲むための練習であり、産まれてきた赤ちゃんはこの練習の成果を産後、お母さんのおっぱいを飲むことで発揮します。

赤ちゃんは、産まれてすぐにお母さんのおっぱいを飲むことができるように、お腹の中で一生懸命、がんばっているのです。

胎児の腸に便が溜まるようになります

妊娠37週 胎児 下半身 の様子

胎児の腸の機能は、きちんと働くようになっています。消化管の働きが発達を続けて、今では肝臓・すい臓・胆のうから排出された老廃物や役目を終えた細胞、羊水と一緒に飲み込んだ胎児の皮膚細胞などが便となって腸内に溜まっています。赤ちゃんの腸の中には便が溜まり、それらの便はその後、きちんと、排出されるのです。

胎児の状態に溜めた便は「胎便」と呼ばれる種類の便であり、産後、真っ黒や濃い緑色な便として排出されるようになるので、真っ黒な便が確認できたということは、「胎便がきちんと出た」ことになるのです。

まれに分娩が長引いたり母体に強いストレスがかかると、胎児が低酸素状態になり一時的に腸のぜん動が活発になって、羊水中に排泄される事があります。これを間違って胎児が飲んでしまうと、胎便吸引症候群という呼吸障害を引き起こす可能性が高くなるので、お母さんは常にリラックスとストレスフリーを心がけましょう。

胎動の変化と感じ方はいろいろ

胎動の変化と感じ方はいろいろ

赤ちゃんは出産に向けて、肩を丸め手足を縮めて骨盤の中で頭を入れる形にだんだん移っていきます。

骨盤内に頭が納まっても胎児は出産直前まで手足を動かしていますが、姿勢が固定されて動かすスペースが少ないため動きも小さくなり、胎動が減ったように感じるお母さんも少なくありません。

そんな時はお腹の赤ちゃんが起きているタイミングを計って、横になりリラックスした状態で、胎動を観察してみましょう。しっかりした胎動が感じられるはずです。反対に強い胎動を感じるお母さんもいますし、出産直前まで胎動が通常通りある方もいます。

児頭骨盤不均衝とは

児頭骨盤不均衝とは 胎児子宮骨盤

胎児の頭と骨盤のサイズが合わず、物理的に胎児が下に降りられない状態を児頭骨盤不均衝といいます。母体が身長145cm以下・子宮低長が36cm以上・児頭横経が10cm以上などの条件では児頭骨盤不均衝が疑われ、この週になると恥骨の上端を触診して、胎児の頭が恥骨よりも上部にあるか下部にあるかを調べるザイツ法や、超音波を用いて検査を行います。

完全にバランスが合わない時は帝王切開となりますが、複数の検査を行いぎりぎり通れそうだと判断できた時はまず自然分娩を行い、分娩が進まないと判断された時に帝王切開へと移行します。

児頭骨盤不均衝だと指摘されても普通分娩できた方も多いので、なるべく赤ちゃんに苦痛の無い方法を選びましょう。

※1 参照 日本産婦人科学会 胎児計測と胎児発育曲線について
※1 参照 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線」

妊娠37週の母体の症状などについて

胃痛や吐き気に悩む方も

胃痛や吐き気に悩む方も

子宮の中の赤ちゃんがどんどん、下りてくる時期なので、胃痛や吐き気に悩むお母さんも少なくありません。つわりが37週目のこの時期まで続いてしまう人も少なくありません。諸症状に悩んで一日のカロリー摂取量が少なくなってしまう方もいるのです。

しかし、37週目は正産期であり、出産のためのエネルギーを溜めておかないといけない時期なので、最低でも1日2000カロリーは摂取するようにしましょう。

母乳マッサージは乳房の根元から

母乳マッサージは乳房の根元から

赤ちゃんが生まれてからすぐに沢山母乳を上げられるように、母乳マッサージを毎日続けている方も多いですが、お腹の張りやすい時期なので、乳頭部分のマッサージは避けた方が良いでしょう。

乳頭マッサージは母乳が通りやすくする為ですが、この時期は乳腺を刺激して母乳を沢山分泌するための基底部からのマッサージをお勧めします。

基本は乳房の脇・下から乳頭へ向かって両手で掬い上げるようにしてさするのですが、血行が良くなる入浴時や蒸しタオルで乳房を温めながら行うと効果倍増。お腹の張りに注意しながら毎日続けましょう。医師のアドバイスを受けた方はその通りにおこなって下さい。

マッサージで破水の可能性も

乳房のマッサージで破水してしまう可能性も

37週目のこの時期になると、「産まれてきた赤ちゃんのために」と、乳房のマッサージを始める人もいるのですが、この時期におっぱいに刺激を与えると破水してしまうこともあります。

医師のアドバイス通りにおこなえば問題はないのですが、お母さんの中には乳房に手が当たった衝撃で陣痛が始まってしまう人もいますし、正産期のお母さんは、本人の想像以上にデリケートな状態になっているのです。

しっかり睡眠を取っておくことも重要!

しっかり睡眠を取っておくことも重要!

正産期であるこの時期に入ると、いつ出産してもおかしくない状態になります。いざ出産となると眠っている暇もありませんし、難産になってしまうと15時間以上かけて力み続けることになってしまうこともあるので、とにかく睡眠だけはしっかり取っておくようにしましょう。お腹の張りが辛くて夜に寝ることができない場合は、昼寝で補うようにしてみてください。

体重を減らした方がいい妊婦さんは

体重を減らした方がいい妊婦さんは

通常、妊婦さんはたくさん食べた方が良いと言われるのですが、産婦人科で「体重を減らした方が良い」と言われる人もいます。

妊娠後に食べ過ぎてしまっており、産道が狭くなっていたりするのですが、出産前の時期なので、最低でも2000カロリーは摂取するようにし、2500カロリー以上の摂取を「食べ過ぎ」と解釈するようにしましょう。

出産前はやはり、エネルギーが必要なのですが、カロリーの摂取量は少なすぎても多すぎても害になってしまうので、注意が必要です。

足の付け根が痛くなります

足の付け根が痛くなります

赤ちゃんが骨盤に収まるようになってくると、足の付け根が圧迫されるようになります。圧迫感があると足が痛くなってしまいますし、少し歩いただけで足が疲れてしまいがちな時期なので、なるべく無理に歩行するのは避けるようにしましょう。

無理に歩き続けてしまうと、それによって破水してしまうこともあるので、この時期はウォーキングなども控えるのがベストです。

妊娠37週出産・陣痛・おりもの・破水など

妊娠後期、臨月・正産期・過産期・早産・切迫早産いつからいつまで 出産予定日いつ 一覧表

出産時期について
出産予定日は40週0日
臨月は妊娠36週0日~39週6日まで
正産期は妊娠37週0日~41週6日まで。正産期の出産を正期産と言います。
過産期は妊娠42週以降。過産期の出産を過期産と言います。

兆候から出産の流れは?
「おしるし→陣痛→破水→出産」
「おしるし→破水→陣痛→出産」
「破水→陣痛→出産」
「陣痛→破水→出産」
4パターンが一般的な流れです。

病院に行く陣痛間隔は? 
目安は初産婦は陣痛10分間隔、経産婦は陣痛15分間隔

陣痛から出産までの時間は? 
目安は経産婦では約7時間前後、初産婦で約15時間前後
数時間から数日まで個人差があります。

詳しくは;陣痛の始まりや兆候陣痛間隔

正期産いつ生まれても問題なし

正期産いつ生まれても問題なし

37週0日からは、胎児の発育が十分に行われて母体から出ても生きていける正期産に入ります。この時期になればいつ生まれてもおかしくないので、全ての準備が整っているかを今一度確認しておきましょう。

WHOの基準によれば、受精してから40週0日目を出産予定日としていますが、出産予定日ぴったりに産まれる可能性は低く、大抵は37週0日から41週6日までの正期産の出産がほとんどです。

出産予定日から10日過ぎてしまっても正期産の範囲で、実際に全体20%弱が41週で出産していますから、陣痛が来ないと過剰に不安になる必要はありません。

前駆陣痛(不規則なニセ陣痛)

前駆陣痛(不規則なニセ陣痛)が起きます

陣痛には出産の練習としてのものと、本番としてのものの2種類が存在します。本番の出産の際は、規則的な陣痛が起きるのですぐに陣痛だとわかるのですが、ニセ陣痛の場合は、あくまでも練習としての陣痛なので、痛みが非常に不規則なものとなっています。

あまりにも痛いと出産に対して恐怖感を覚えてしまいがちですが、ニセ陣痛を経験しておくと恐怖感も紛れますし、出産の痛みはそもそも延々と続くものではなく、必ず終わりがくる痛みなので、不安を抱え過ぎないようにしましょう。

子宮口の開きによっておりものが出ます

子宮口の開きによっておりものが出ます

出産が近づくとどうしても、おりものの量が多くなるのですが、おりものが多いとやはり不快感も増してしまいます。

夏場などはただでさえ蒸れやすい時期ですし、放置すればするほど、おりものをストレスに感じるようになってしまうので、できるだけおりものシートを使うなどして、状態を改善するようにしましょう。

不潔な状態が続くと、赤ちゃんにもその不快感が伝わってしまいがちなので、なるべく下着なども常に清潔なものを身につけるようにしてみてください。

「おしるし」が出た場合は

「おしるし」が出た場合は

おしるしとは、陣痛の2~3日前に現れる小さな出血のことです。生理の時のようにドバッと出るのではなく、粘り気のある少量の出血となります。異常な大量の出血が確認された場合は医師の診断を仰いでください。

おしるしが出てすぐにお産になるわけではなく、大体の妊婦さんは、おしるしを確認した2~3日後に出産するかたちとなるので、おしるしが出た場合は、出産の準備を整えておくようにしましょう。個人差がありますので数週間先の出産となる場合もあります。

詳しくは:おしるしについて知っておきたいこと

帝王切開への不安について

帝王切開 切開の方法

お母さんの中には、あらゆる事情によって帝王切開での出産方法が確定してしまう方もいます。

帝王切開は、切開方法は縦に切る方法と、現在主流の横に切ることで赤ちゃんを取り出す出産方法です。なので、恐怖心を抱く方もいますし、大きなストレスを感じてしまう人もいるのですが、今の世の中は妊婦さんの5人に1人が帝王切開を経験する時代です。

痛みはどの出産方法も同じですし、そもそも帝王切開は麻酔ありきのものなので想像ほど痛くない場合が大半です。赤ちゃんのためにも、ストレスを感じすぎないように注意しましょう。詳しくは:帝王切開について知っておきたいこと

破水があった場合は周囲の人に助けを

破水があった場合は周囲の人を呼びましょう

37週目に、外出中にいきなり破水になってしまう人も少なくありません。破水があるとパニックになって救急車を呼べなくなってしまう方も中に入るので、パニックになりやすい方は周囲の人を捕まえて、救急車を呼んでもらうようにしましょう。

ちなみに破水とは、羊水が溢れて足まで垂れてきてしまう現象のことであり、水が足を伝って下りてくる場合は、出産するという証拠です。破水があった場合はすぐに、救急車を手配しましょう。詳しくは:破水について知っておきたいこと

陣痛タクシー利用可能な場合は登録を

陣痛タクシーが利用できる地域の方はぜひ登録を

いつ陣痛や破水になってもおかしくない頃なので、なってからタクシー会社を探して慌てるよりも、今のうちに利用するタクシー会社や実家の電話番号などを控えて、すぐ見られるような場所に貼っておきましょう。

最近話題になっている陣痛タクシーは、出産予定日や病院などを事前に登録をしておけば、破水で急を要したり陣痛が強すぎて意識が朦朧としてしまっても、助産婦の講習を受けた乗務員が搬送してくれるので、通常のタクシーよりも安心して利用できます。陣痛タクシーを利用できる地域に住んでいる方は登録料が無料なので、ぜひ登録しておきましょう。

陣痛室と分娩室・LDRはどう違う?

陣痛室と分娩室・LDRはどう違う?

陣痛が始まると病院へ行きますが、そのまますぐに分娩台へ上がるわけではありません。陣痛が1,2分おきになるか、子宮口が全開になるまでは陣痛室で待機する事になります。そして出産の準備が整うと分娩室へ移動して出産となります。

最近増えてきたLDRは陣痛から分娩・回復までを全て同じ部屋で行うシステムで、移動の苦労が無かったり同じ部屋でリラックスできるメリットがあって、LDRを選ぶ妊婦さんも増えています。しかし、通常の出産よりも費用が高いケースがあるため、一度料金を確認しておくと良いでしょう。

ここまでのまとめ

妊娠37週目からは正産期と呼ばれる時期に入るので、この時期からはいつ赤ちゃんが産まれてもおかしくない段階になります。

お産に対して恐怖感を抱きがちな方は、この時期に鬱になってしまいがちなのですが、ストレスを抱えてしまうとお産が辛くなってしまいがちなので、できるだけ出産に対する恐怖感は産婦人科で相談するなどして解消するようにしましょう。

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