陣痛待ちの過ごし方で知っておきたいこと

陣痛待ちの過ごし方で知っておきたいこと 不安?疲れ?暇 イライラ 出産

臨月も後半に入り出産予定日が近づいてくると、陣痛がいつ始まるのか、そればかりを考えイライラしてまう妊婦さんもいるようです。とくに初産の方にとって、陣痛待ちの日々は辛いもの。分娩の兆候を見逃さないようにと、毎日気持ちを張り詰めてしまい、疲れや不安感が増大します。

陣痛は妊婦さんが焦ってもどうにもなりません。分娩のために体力を温存しておかなければならない大事な時期ですので、気持ちをリラックスさせ、ゆったりとした気分で陣痛が始まるのを待つことが理想です。

陣痛待ちのときに行いたいことや運動など、陣痛待ちの過ごし方のポイントを知っておくと、イライラや不安感を上手に解消できます。陣痛待ちの過ごし方について知っておきたい、いろいろな情報を幅広くご紹介しますのでぜひ参考にしてください。

陣痛はイライラせずに待ってみよう

陣痛はイライラせずに待ってみよう

出産予定日が近づき、妊婦さん自身もいまかいまかと陣痛の始まりを待っている。そんなときにパパや周囲の方から「陣痛まだ?」「陣痛いつくるの?」と聞かれると、焦りや不安を感じてしまいます。

とくにこれが初産の方にとって、陣痛や分娩に関することは未知の体験。出産予定日が近づくにつれ、陣痛の痛みや病院に行くタイミング、分娩のことなど、いろいろなことが不安になり、ストレスを感じてしまいます。

しかし陣痛を待ちながらイライラするのは、妊婦さんにとって望ましくありません。可愛い赤ちゃんと対面できる日もあとわずか。出産予定日が近づいてきたら、陣痛待ちの上手な過ごし方を心得ておくことが大切。陣痛待ちをリラックスして過ごすためにも、まずは陣痛と分娩に関する基礎知識を養っておきましょう。

陣痛は分娩の兆候

陣痛は分娩の兆候

陣痛はいよいよ分娩が始まりますよ、という合図。出産のための入院も陣痛の間隔を見計らって行われます。陣痛の痛みは、子宮が赤ちゃんを押し出すために収縮することによって生じるもの。陣痛が始まったということは、分娩が進行しているということ。陣痛の痛みが激しくなるとともに、子宮口が十分に開き、赤ちゃんが下のほうに下がってきます。

出産予定日と陣痛について

陣痛がいつ始まるかを予測することは医師にも無理な相談。出産予定日はあくまでも目安であり、実際に出産予定日に赤ちゃんが生まれるケースは、全体のわずかです。20人に約1人の確率といわれています。

つまりそれ以外の方は、出産予定日以外の日にちに分娩があるということ。大多数の出産は出産予定日の前後に起こります。陣痛がなかなかこない、と焦る方もいるようですが、たとえ出産予定日前に陣痛がこなくても、正期産で分娩があれば問題ありません。

正期産とは?

正期産とは?

出産は妊娠37週0日から41週6日の間に起こることが望ましいとされています。その理由はこの期間内に産まれた赤ちゃんは、ママのおなかの中で十分に発育しているため、母体の外の環境にうまく適応できます。この期間内に起きる出産は、正期産と呼ばれています。

正期産は5週間

妊娠37週0日から41週6日目とは、出産予定日をはさんで前に3週間、後に2週間になります。この5週間の間であれば、いつ陣痛が起こってもおかしくありません。それゆえ出産を間近に控えた妊婦さんの心構えとしては、妊娠37週目に入ったらいつ陣痛が起こっても慌てないように、入院準備を万端に整えておくことが大切です。

出産予定日まで陣痛待ちをしたけれども、まだ陣痛がこない、という状態はめずらしいことではありません。出産予定日以降の2週間も正期産のうちに入りますので、出産予定日を越えてから陣痛が始まることも当然あります。陣痛がいつくるかについてはあまり心配せず、不安なことがあればひとりで抱えず、直接病院に連絡して指示を仰ぎましょう。

妊娠37週前の出産

臨月とは妊娠36週0日から妊娠40週6日目までを指します。正期産は妊娠37週0日からですので、臨月の第一週目に陣痛が起こり出産に至った場合は、正期産ではなく、早産になります。

過期産とは?

過期産とは?

過期産とは妊娠42週目以降の出産を指します。過期産になると、母体および産まれてくる赤ちゃんに対するリスクが増大するため、日本では一般的に過期産を防ぐための方策が取られます。

過期産のリスクとは?

過期産のリスクとは?

妊娠42週目に入ると、胎盤の機能が低下したり、羊水の量が徐々に少なくなってくることがあります。胎盤の機能の低下および羊水量の減少は、おなかの赤ちゃんの状態に悪影響を与え、胎児機能不全になる可能性が増大します。また妊娠期間が長引くことにより、赤ちゃんがおなかの中で育ちすぎてしまい、巨大児になるリスクも。

このように過期産になると、母体・赤ちゃんの両方にさまざまなリスクが生じます。このため妊娠41週目に入っても陣痛がくる気配が一向になく、そのまま陣痛待ちをすると過期産になりそうな場合、医師は妊婦さんと分娩方法について相談します。過期産を防ぐために、陣痛促進剤による分娩誘発や帝王切開手術が選択されます。

陣痛待ちの上手な過ごし方とは?

陣痛待ちの上手な過ごし方とは?

陣痛を待っているときの気分は百人百様。陣痛がいつくるのか、そればかり考えてイライラする方、陣痛や分娩の痛みに不安を感じる方、何もすることがなくて暇をもてあます方、「陣痛まだ?」と聞かれてプレッシャーを感じる方など、陣痛待ちの感じ方はいろいろです。

イライラ、不安、疲れた、暇でしかたないなど、ネガティブな気分を抱えて残り少ないマタニティライフを送るのは残念なもの。陣痛待ちの不安・イライラの解消の仕方や過ごし方のポイントについて考えていきましょう。

陣痛待ちでイライラ?

陣痛待ちでイライラ?

陣痛を待っているときに、周囲の方から陣痛について聞かれるのはイライラするもの。「陣痛はじまったら教えてね!」「陣痛いつになりそう?」など、妊婦さん本人にも分からないことを聞かれても、返答に困ってしまいます。

パパや仲の良いお友達から「陣痛まだ?」と聞かれたら、イライラせずにまずは深呼吸。陣痛は出産予定日を超過してから始まることもあると伝えてみましょう。

気持ちをゆったりさせて待つ

気持ちをゆったりさせて待つ

陣痛がなかなか来ない、とイライラしてしまう妊婦さんは大勢います。しかしこれはかえって陣痛をおくらせる原因になりかねません。陣痛がなかなかこない、とイライラしても、陣痛が早く始まるわけではありません。

陣痛待ちの間はできるだけイライラせず、気持ちをゆったりさせることが大切です。イライラの解消法はさまざま。好きな音楽を聴く、読書をする、体を軽く動かすなど、陣痛のことを考えずにすむことを積極的に行いましょう。

陣痛待ちで不安?

陣痛待ちで不安?

陣痛がなかなかこないのは赤ちゃんになにか問題があるせい?このまま陣痛がこないと帝王切開になるのでは?など、陣痛を待っている間に不安を募らせる妊婦さんもいます。

上述したように、陣痛は必ずしも出産予定日に起こるとは限りません。出産予定日を超過してから陣痛が起こることは決して異常なことではありません。医師からあとは陣痛待ちです、といわれたら必要以上に不安がらす、気持ちを楽にして過ごしましょう。

医師から「あとは陣痛待ち」といわれたら

医師から「あとは陣痛待ち」といわれたら

陣痛を待っているとなにかトラブルが起きそうな場合は、医師のほうからその旨必ず伝えられます。そのまま陣痛待ちをしていると、母子ともにリスクが生じると医師が判断した場合は、妊婦さんと相談、合意を得た上で分娩誘発や帝王切開手術を行うことになります。

健診の際に医師から「あとは陣痛待ちですね。」といわれたら、とりあえず不安に思う必要はありません。あとは病院に行くタイミングを確認し、入院の準備を万端にするなど、ポジティブな心持ちで陣痛を待ってみましょう。

陣痛待ちで暇をもてあましてしまう?

陣痛待ちで暇をもてあましてしまう?

陣痛待ちで不安、イライラ、という方が多い中、陣痛を待つ間何もすることがなく、ただひたすら暇をもてあます妊婦さんも。陣痛はいつくるか分からないので、何も予定を入れず、外出もせず、ただひたすら陣痛を待つだけ。こんな毎日が続くと、暇で暇で退屈になるのも無理もありません。

陣痛待ちの間にやることを見つけて行う

いつ陣痛がくるか分からないので外出はしたくない、という気持ちは分かりますが、ただじっと座って待っていても、陣痛は早まりません。陣痛待ちの間は率先して体を動かし、散歩や軽い運動を行いましょう。入院準備の最終チェック、病院に行く方法の確認、家族との連絡方法など、今のうちにやっておかなければならないことをリストにし、できるだけ忙しく過ごしたほうが気持ちも紛れます。

初産婦さんの陣痛は遅くなる?

初産婦さんの陣痛は遅くなる?

経産婦さんに比べると、初産婦さんの陣痛は遅れる、という話を耳にしますが、これは本当でしょうか?陣痛が始まってから、分娩が終了するまでの時間に関しては、経産婦さんよりも初産婦さんのほうが長くかかる傾向にあります。これは分娩の経験のある経産婦さんは、子宮口が開きやすく、産道も早く柔らかくなるためと考えられます。

このように分娩時間に関しては、初産婦さんのほうが長くかかる傾向が一般的ですが、陣痛の始まりに関しては別。初産婦さんのほうが陣痛が遅く始まる、というエビデンスはありません。陣痛は母体と赤ちゃんの準備が整ってはじめておこるもので、初産婦だから遅くなる、経産婦だから早くなる、と断言することはできません。

陣痛待ちで行いたいこと

陣痛待ちをイライラせずに過ごすためにはいくつかのポイントがあります。正期産で安産を目指すために、陣痛待ちの間に行いたいことをポイントごとに見ていきましょう。

軽い運動で陣痛を促す

軽い運動で陣痛を促す

階段の上り下り、雑巾がけ、妊婦スクワット、妊婦体操・マタニティヨガ、散歩など、臨月の妊婦さんでもできる簡単な運動を行うと、全身の血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれやすくなります。

運動を行うときは、くれぐれも体に負担がかからないよう注意しましょう。妊婦体操やマタニティヨガは自己流ではなく、母親教室で指導を受けた方法で行うようにすると安心です。運動を行っている最中におなかに張りや痛みを感じたら、即刻運動をやめ、座るか横になった姿勢で休みます。

おなかの張りや痛みがおさまらないときは、陣痛が始まった可能性もあります。痛みの間隔や持続時間をしっかり把握し、病院に行くタイミングを見計らいましょう。

散歩はイライラ解消にも効果的

散歩はイライラ解消にも効果的

陣痛待ちでイライラしたら、戸外に出て気分転換に散歩することも効果的です。散歩をするときは無理せず、自分のペースで歩きましょう。あやまって転倒しないように、靴はフラットなものをはき、いざというときにすぐ自宅に戻れるように、歩く範囲は自宅付近にしましょう。

出産に備えてたっぷり休息を取る

出産に備えてたっぷり休息を取る

分娩は体力勝負。陣痛が始まってから分娩が終了するまで、早い方でも数時間、長い場合丸1日以上かかることも。いったん陣痛が始まったらゆっくり休息する暇はありません。妊婦さんの体力が持続しなければ、難産になるリスクも増大します。

出産予定日が近づいたら睡眠と休息をたっぷり取ることに専念しましょう。栄養バランスと栄養価に配慮した食事を心がけ、体調をしっかり整えておくことも大切です。

呼吸法を練習する

呼吸法を練習する

分娩を楽にするために考案された呼吸法を練習してみましょう。分娩の痛みを和らげ、妊婦さんの負担をできるだけ楽にすることを目的とした呼吸法は、母親教室などで指導されています。

主な方法はラマーズ法やソフロロジーなど。母親教室や病院でのマタニティクラスで受講できますので、臨月になる前に呼吸法についての知識を養っておきましょう。出産予定日が近づいたら、呼吸法の練習をしっかり行い、陣痛の始まりに備えましょう。

入院準備を怠りなく

入院準備を怠りなく

出産のための入院準備のチェックを怠りなく行いましょう。病院に持参するものをきちんと整理しておくと、いざ陣痛が始まったときに慌てません。また入院に必要なものだけでなく、病院に行く方法もしっかり考えておきましょう。タクシー会社の連絡先番号を控えておくことも大切です。

上のお子さんやご主人・パートナーの方のためが困らないよう、入院している間の手はずを整えておくことも忘れずに行いましょう。

まとめ

陣痛待ちの過ごし方についてぜひ知っておきたい情報を幅広くご紹介しました。いつくるか分からない陣痛を延々と待つだけの毎日は辛いもの。イライラしたり、不安になったり、また何もすることがなく暇なためにかえって疲れたりと、妊婦さんにとってはマタニティライフ最後の試練といえそうです。

陣痛待ちの上手な過ごし方のコツを知ることで、イライラや不安は解消されます。可愛い赤ちゃんに会えるまで、あともう少しの時間を有意義に過ごしましょう。