妊娠2ヶ月目になると、母体にも徐々に変化が現れ始めます。メンタルや体調にも段々と変化が現れるようになるので、さまざまな点に注意が必要です。基本的な注意点を覚えておけば大丈夫ですし、そこまで過剰に心配する必要はありません。
妊娠2ヶ月に知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。
妊娠2ヶ月赤ちゃんの成長について
妊娠2ヶ月の胎児の様子
細胞にしか見えない状態だった赤ちゃんも、この頃を過ぎると内臓が作られ始めるようになります。
妊娠4週から12週までは器官形成期と呼ばれ、内蔵や目・鼻・口・骨・神経・筋肉等々ヒトの身体を形作るパーツの原器が、この時期から作られ始めます。特に中枢神経から脳にいたるまでの形成は妊娠3週から5週と非常に早い時期から行われ、また心臓は妊娠3週末に形成され4週目にはすでに拍動を開始するなど、最重要器官の形成が一番早いです。
この時期に神経形成をサポートする葉酸や、他の臓器形成をサポートするビタミン・ミネラル・タンパク質などが不足していると、重大な障害や奇形に発展する事もありますので、妊娠を望んでいる方はこの時期の薬や食事内容に充分注意しましょう。
えらのある状態から2頭身へ
受精から胎児になるまで、姿に進化の歩みが表れてきます。平べったい受精卵はだんだんと両端が伸びて頭になる部分と尻尾に分かれ、それから更にあごになる部分に括れが入って頭と胴体が分かれるようになります。
妊娠2ヶ月は胎芽の成長が著しく、妊娠4週目にはしっぽのあるタツノオトシゴのような形でしたが、だんだんとエラや尻尾が無くなって妊娠3ヶ月目直前には身体と胴体が分かれた2頭身になります。ただ、手足の形成は内臓や脳などの基が出来上がってからなので、もう少し先の話です。
妊娠2ヶ月エコーで胎のうを確認=妊娠
妊娠2ヶ月目になると、赤ちゃんの袋を確認できるようになります。赤ちゃんの袋は胎嚢(たいのう)と言います。妊娠5~6週になるとこの胎嚢が病院の超音波検査で目視できるようになるので、自分の目で、赤ちゃんの姿を確認することができます。
胎盤が完成して母体から栄養をもらうまでは、胎児は胎のうに包まれて自分と繋がっている卵黄のうから栄養をもらって成長します。胎のうは1日1mm成長して妊娠5週目には10mm~25mmくらいになり、超音波検査で確認できるようになると、ここで始めて妊娠が確定されます。
胎のうを調べると同時に心音も確認するのですが、もし胎のうが見えなかったとしても心音が確認できれば、妊娠成立しています。しかし反対に、2ヶ月末になり胎のうが確認できても心音が確認できない場合は、流産の可能性があります。
定期的に赤ちゃんの成長をチェックすることは、妊娠中のストレス解消にかなり効果があるので、なるべく自分に定期的に「感動」を与えてあげるようにしましょう。
まだ妊娠の自覚がない方も
生理周期が一定の方は、この時期に妊娠を気が付きますが、反対にまだ自覚のない方も少なくありません。自覚がない方はほとんどが生理不順で、生理周期が異常に長かったり生理時期がまちまちといった症状があると、いつ排卵が起きたのか分かりません。
生理不順でも基礎体温を測れば排卵日や生理不順の原因が分かりますが、妊娠を望む方以外の若い女性はそれを習慣にせず、また本人自身も生理不順だから妊娠しづらい、と考えて性交してしまうので、もっと後になってから妊娠に気づく事も珍しくありません。
生理予定日に生理が来なくなる
妊娠2ヶ月目の最初の週である妊娠4週目は、生理周期が28日前後の方ならば「生理がこない」と妊娠を自覚します。元々生理は、受精卵が着床する為のベッドになる子宮内膜が受精しなかった事により剥がれ落ちて体外へ排出するものを指します。
しかし受精して着床した場合、子宮内膜は受精卵が癒着する土台になるため体外に排出されません。よって生理が来ない=妊娠となるわけです。
ただ、この時期はまだ胎盤が出来ておらず子宮内膜と癒着していても不安定なので、ちょっとした拍子に流産する事も考えられます。調子が悪い時は無理せず休むようにしましょう。
妊娠2ヶ月の母体の症状などについて
「絶対過敏期」とは
「絶対過敏期」とは、薬の影響を受けやすい過敏な時期のことを指します。身体のパーツが出来上がる時期なので、その働きを妨げるような事があれば、後々流産や早産・出生後の後遺症など、赤ちゃんにだけでなくお母さんにとっても深刻な事態になりかねません。
妊娠2ヶ月目は薬に対して絶対過敏期と呼ばれ、抗生剤類やワクチンを服用・注射してしまうと胎児の身体的・精神的発達に問題が出る可能性が高くなります。妊娠2ヶ月だと分からないうちに薬を飲んでしまったと不安になる方もいるかもしれません。しかし、1回飲んだら100%問題が起きるわけではないので、あまり思いつめずに医師に相談してみるのが一番です。
妊娠2ヶ月目に突入するとどうしても神経が過敏になり、飲んでいる薬の悪影響を受けがちになってしまうので、病院で薬を処方されるような際には必ず、妊娠していることを伝えるようにしましょう。妊婦さんに使用厳禁の薬は意外と多いので、注意が必要です。
妊娠2ヶ月つわりが始まる時期
「つわり」とは、妊娠の最中に起こる消化器系のトラブルの総称です。胃のむかむか感や吐き気などが主なつわりの症状なのですが、早い人だと妊娠2ヶ月目にしてつわりの症状が出てきてしまうので、注意しなければなりません。
つわりは食欲不振に繋がりやすく、脱水症状なども引き起こしやすいので、水分はできるだけこまめに摂取し、箸の進まないものは無理して食べないようにしてみましょう。
また、水分補給にはスポーツドリンクなどが適しているのですが、ボトルのまま経口摂取してしまうとあっという間にボトルの中に細菌が発生してしまうので、コップに少しずつ出すようにし、その日のうちに飲みきるようにしましょう。
熱病のような症状が続くことも
この時期には「黄体ホルモン」と呼ばれるホルモンの分泌量が急増します。黄体ホルモンが急増すると身体がだるくなり、熱病のような症状が続くようになるので、休めるのであれば無理に働くべきではありません。
家事を休みたい時は無理せず休むようにし、パートナーや家族にも「妊娠初期の症状だから家事ができない」「寝込む必要がある」といったことをしっかり伝えるようにしましょう。
同じ姿勢が続くと血のめぐりが悪くなる
事務仕事が多い方などは、座ったままの状態で何時間も経過してしまいがちです。また、立ち仕事が多い方の中にも、同じような姿勢を何時間も続けている人は、同じ姿勢のまま過ごしてしまうと血のめぐりが悪くなってしまいます。
最低でも一時間に一回は、ストレッチをするなどして血のめぐりを改善した方が良いので、意識的に姿勢を変えてみるようにしましょう。
頻尿は妊娠中であれば当たり前のこと
妊娠中は赤ちゃんの成長にともなって段々と、膀胱が子宮に圧迫されるようになります。最初は頻尿になってしまったことに戸惑いと恥じらいを感じ、無理に我慢してしまいがちになるかもしれませんが、頻尿は妊娠中であれば当たり前のことです。
それよりも尿路感染症、膀胱炎予防になってしまうことの方が大変なので、赤ちゃんのためにもこまめにトイレへ行くようにしましょう。
感情の波に負けないためには?
この時期は体調もアンバランスになりがちですが、感情もアンバランスになりがちです。ちょっとしたことでイライラしたり、ヒステリーを起こしてしまったりと何かと感情の波に負けそうになってしまいがちなのです。
周りに迷惑をかけないないためにも「1人になる」ということも大事です。1人でカラオケに行ってみたり、買い物に行ってみたりしつつ上手にストレスを発散しましょう。
妊娠2ヶ月食事について
妊娠2ヶ月目(4~7週目)は、妊娠による体調の変化が徐々に現れてくる時期です。
ホルモンの分泌も激しくなるので、一層気を引き締める方とマイペースな方がいらっしゃます。中には「少しなら煙草を吸っても大丈夫そうだから」「ストレスが溜まっているから甘い物を食べたい」といった理由で偏食や生活習慣が乱れてしまう方もいます。
しかし、2ヶ月目も大切な妊娠期間には変わりなく、食事も絶対に抜かないようにし、バランス良く一日三食摂ることが大事です。栄養バランスにも気をつけ、過ごすようにしましょう。また葉酸などの栄養も積極的にとるように心がけましょう。
妊娠期間は体重5~10kgは増ふえるもの
妊娠している期間はとにかくお腹が空くものです。赤ちゃんに栄養を届けるためにも、食事はきちんと摂るようにし、激しいダイエットなどは即刻中止にしなくてはなりません。
また、赤ちゃんの成長とともに体重はやせ気味の方は9~12kg、普通の方は7~12kg、太りり気味な方は医師と個別に判断していきます。妊婦により増減体重はありますが、範囲内で増やしても大丈夫です。体重が増えたとしてもその範囲内であれば「必要である」という風に捉えるようにしましょう。
喫煙は赤ちゃんに悪影響を
喫煙は流産や早産、未熟児出産の原因であると医学的にも証明されています。できれば最低でも妊娠1ヶ月目の時点で完全に禁煙しておくべきです。妊娠2ヶ月目まで吸っているとなると既に母胎のお子さんに悪影響が及んでいる可能性がありえます。
今からでも禁煙はするべきです。喫煙はその子の一生を台無しにしてしまう可能性がありますので、今日からでも禁煙、禁煙外来に通うようにしましょう。
妊娠初期は2週間に1回の診察を
妊娠初期は何かと診察が必要となります。やはり、赤ちゃんは毎日毎日、少しずつ成長するものです。初期の場合は1ヶ月に1度の診察では少ないので月に2回の診察が必要です。
医療費などがどうしてもかさんでしまいますが、必要な出費ですので、やりくりをして旦那さんにも相談しつつ、健診には通い続けるようにしましょう。
妊娠2ヶ月の出血や腹痛 流産について
妊娠4週の出血は子宮炎症によるものなど、問題のない出血は安静にしていればほどんどおさまります。しかし腹痛や鮮血、出血量が多い場合などは切迫流産や流産の可能性があります。このようなケースはすくに病院で検査を受けるようにしましょう。
不正出血が続くと流産の兆候と見なされるのですが、兆候は「切迫流産」と呼ばれており、流産の可能性が濃厚になってくるとそのような診断名をつけられます。切迫流産=流産ということではありません。まずは医師の判断に委ねることが重要なので、しっかりと診断を受けるようにしましょう。
流産の可能性が高い時期
妊娠12週までは初期流産の可能性が高い時期です。原因は受精卵の染色体異常がほとんどで、着床するまでは細胞分裂が出来ても、それ以降の分裂が止まってしまうのがその理由です。流産の症状としては腹痛・出血・つわりが突然無くなる等があり、痛みの強さや出血量は流産の状態や個人によって違いがあります。
受精は本当に一瞬のタイミングで人間が関与できるものではないので、あまり自分を責めたりすることの無いようにしてください。
詳しくは:妊娠初期出血:初期流産:化学流産:切迫流産:稽留流産:切迫早産:早産
お腹が張るのはなぜ?
妊娠2ヶ月だと妊娠している自覚がない方も多いですが、すでに赤ちゃんが大きくなるための変化が始まっています。
まず赤ちゃんの成長スピードについていけるよう、子宮は少しずつ伸び縮みを繰り返していて、この子宮が伸びる時にお腹の張りやチクチクとした痛みを感じる事があります。この働きもホルモンによるものですから、リラックスしたりお腹を温める事で張りや痛みを緩和できます。
それから黄体ホルモンの影響で腸の動きが更に鈍くなるため、腸内の老廃物が溜まり、そこからガスが発生してお腹の張りを引き起こします。便秘は妊娠中にずっとついて回るトラブルですから、なるべくお腹に変化が見られない今のうちから改善していくようにしましょう。
風疹検査は受けるべき?
妊娠初期に風疹になってしまった場合、赤ちゃんに白内障・先天性心疾患・難聴等の先天性障害が現れる可能性が高くなります。
風疹検査は血液内の抗体を調べるもので、抗体値が16倍以上235倍以下ならば問題がありません。しかし16倍以下だったり235倍以上だと再検査を行い、抗体が少ないのか、または最近風疹に感染した可能性があるかどうかをチェックしていきます。
赤ちゃんへの影響を考慮すると風疹検査は受けるべきで、特にワクチン接種率の低い1979年4月2日~1987年10月1日生まれの女性と20代~40代の男性はワクチン接種をしましょう。
ただし生ワクチンのため、妊娠している方には接種できないので、妊娠中は感染しないように注意が必要です。
ここまでのまとめ
妊娠2ヶ月目になると、赤ちゃんの姿を自分の目で確認できたり、つわりが始まったりと何かとあわただしくなってきます。
鬱にもなりやすく、ストレスを感じることも段々と増えてくるかもしれませんが、妊娠期間は280日しかなく、必ずいつかはゴール赤ちゃんとの出会いに辿り着くことができるので、健康に気をつけつつ毎日を過ごすようにしましょう。