着床痛について知っておきたいこと

妊娠初期

着床痛という言葉をご存知ですか?着床痛とは言葉が示すとおり、受精卵が子宮内膜に着床するときに起こる痛みのことといわれています。

着床痛は妊婦さんの体験談において語られる症状で、医学的な根拠はないと言われていますが、おなかの痛みは妊娠超初期の症状のひとつ。受精・着床を機に、女性の体のホルモン分泌には変化があらわれ、妊娠超初期の症状としておなかの痛みや下腹部の張りが生じることもあります。

妊娠を待ち望んでいる方にとって、生理前の体の変化はとっても気になるもの。妊娠の兆候といわれる症状が出ていないかどうか、心待ちにしてしまいます。

着床痛とは?どんな痛み?など、生理前のおなかの痛みは着床痛?と判断に迷う妊婦さんに参考になるよう、着床痛について知っておきたいポイントをご紹介します。

着床痛とは?

着床痛とは?

着床痛とはちょうど受精卵が子宮内膜に着床するころに感じる下腹部の痛みといわれています。着床痛に関してはさまざまな意見や体験談があり、生理予定日の少し前におなかに引っ張られるような痛みを感じた、という方もいれば、痛みなどまったく感じなかった、という方もいます。

着床痛を感じたという体験談を読むと、着床痛は起こって当たり前のような気がしますが、実際には着床痛を感じた、という方は稀なようです。着床痛に関しては、これを感じなかったという方が大多数なので、着床痛がなくても不安に感じる必要はありません。

着床痛は実際にある?ない?

着床痛は実際にある?ない?

実際のところ、着床痛には医学的な根拠はなく、あくまでも妊婦さんたちの体験談として語られているもの。産婦人科医の中には、受精卵の子宮内膜への着床に起因して、おなかに痛みが生じることは考えられない、という方もいます。

ただし妊婦さんの体験談を読むと、ちょうど受精卵が着床する時期に、おなかに普段とは異なる痛みを感じた、という話もたくさんあります。

着床痛は妊娠超初期の兆候?

着床痛は妊娠超初期の兆候?いつ感じる

着床が起こるのは、妊娠超初期と呼ばれる時期。一般的には妊娠の兆候を感じ始めるのは、生理予定日の一週間後からになりますが、体の変化に敏感な方は、生理予定日の一週間前前後、すなわち妊娠超初期からなんとなく体に変化を感じるようです。

着床が起こる頃と妊娠超初期は重なっていますので、この頃に生じるおなかの痛みや違和感は、妊娠超初期の症状である可能性もあります。この時期のおなかの痛みを着床痛と捉える方もいれば、妊娠超初期の兆候と捉える方もいるのではないでしょうか?

おなかの痛みは妊娠超初期の症状

おなかの痛みは妊娠超初期の症状

妊娠超初期は正式な医学用語ではありませんが、一般的には、排卵日以降生理予定日までの間の時期を指して使われます。

妊娠を待ち望んでいる方や不妊治療や妊活を行っている方にとって、排卵日以降生理予定日までの期間はとても気になる時期だといえるでしょう。妊娠したかどうかが気になり、無意識に妊娠の兆候を探してしまいます。

妊娠超初期の兆候にはさまざまなものがあります。頭痛、微熱、だるさ、腰痛、おなかの痛み、おりものの変化、むかつき、胃痛、胸の張りや痛み、着床出血、肌荒れなど、どんな症状が出るかは一人一人の妊婦さんにより違っています。

全体として捉えると、これらの症状は月経前症候群や風邪の症状にも似ています。そのため特別な注意を払っていなければ、生理前のいつもの症状なのか、それとも妊娠の兆候なのか、はっきり区別することは難しいでしょう。もしかして妊娠の兆候?と思われるものがあったとしても、それが確定されるのは生理予定日の一週間後以降になります。

着床痛と着床出血の関係とは?

着床痛と着床出血の関係とは?

上に挙げたように、着床出血もまた妊娠超初期の兆候のひとつです。着床痛と同じように、着床出血もまた受精卵が子宮内膜に着床した際に起こるとされています。受精卵には受精後7日目になると絨毛と呼ばれる根のようなものが出来て、子宮内膜にもぐりこみます。

絨毛は子宮内膜の表面組織を溶かしながらさらに奥深くに進みますが、このときに起こるのが着床出血といわれています。着床痛と同じように、着床出血は誰にでも起こるわけではありません。

ちょうど生理が始まる少し前に出血があることから、いつもより生理が早くきた、と勘違いする方もいます。

着床出血について

着床出血につい

着床出血が起こるのは稀なケースで、着床痛同様、ほとんどの方はこれを体験しないといわれています。先述したように、着床出血が起こるのは、排卵日以降生理予定日前の時期に相当します。

着床出血の量や状態は、一人一人の妊婦さんによってまったく違っていますので、いちがいにどの程度の量の出血があるとは断定できません。ごく微量のピンク色の出血がある場合もあれば、茶褐色のおりもののような出血の場合もあります。

出血の状態だけをもとに、生理なのか、着床出血なのか、それとも排卵出血なのかを自己判断することは無理かも知れません。もしかして妊娠?と思ったら、他にも普段と異なる変化がないかどうか、注意を払って観察するようにしましょう。

着床痛は着床出血をした場合に感じると考える方もいるようですが、出血はないにも関わらず、おなかに痛みを感じる方もいますので、必ずしも出血=痛みというわけではなさそうです。

着床痛が起こる時期はいつ頃?

着床痛が起こる時期はいつ頃?

着床痛には医学的根拠はないといわれていますが、妊娠超初期のこの時期、おなかに痛みや張りを感じる方は多いようです。

着床痛という言葉から考えると、着床痛が起きる時期とは、受精卵が子宮内膜に着床するときになります。では受精卵が子宮内膜に着床するのは、月経周期のうちいつ頃でしょうか?

受精卵が着床するまで

受精卵が着床するまで

卵管で受精が成立した受精卵は、その後3日間ほどかけて子宮へと移動していきます。受精後4日目には子宮の中に受精卵が到達していますが、すぐに着床するわけではありません。

子宮内膜に着床するのは、絨毛という根っこのような組織が形成されてから。受精から7日目に絨毛は子宮内膜の表面を溶かしながら、どんどん中に進んでいき、母体の血管から受精卵の成長に必要な養分や血液を取り出す役割を果たします。

このように受精卵が子宮内膜に着床するのは、受精から一週間後から10日後前後。前回の生理の開始日から数えると約3週間目前後になります。これはちょうど次の生理の始まりの一週間前頃、つまりは妊娠超初期と呼ばれる時期に当たります。着床痛の起こるのは、生理予定日の一週間前からの数日間というのが目安になります。

着床痛はどんな痛み?

着床痛はどんな痛み?

今度は着床痛の痛みについて詳しく見ていきましょう。着床痛の痛みについて、これを体験した妊婦さんたちはどのように表現しているのでしょうか?

おなかを引っ張られるような感じ

おなかや下腹部を引っ張られるような感じ、おなかの皮膚が突っ張るような痛みと表現する妊婦さんもいます。痛さの感じ方に関しては個人差があるようです。

生理痛のような重い痛み

生理痛のようなだるさ、重い痛み。シクシクするような鈍痛。生理が始まる前のようなおなかの張り。腰も重く感じられることもあります。

チクチクする痛み

子宮のあたりにチクチクする痛みを感じる。キリキリした痛み、突然刺しこむような痛みとして感じる方もいます。

不正出血のリスクとは

不正出血のリスクとは

このように痛みの感じ方や度合いはさまざま。生理前のこの時期に普段とはちょっと違う痛みがある場合には、軽く考えずに他に変化がないかどうか、注意深く観察するようにしましょう。

女性は毎月のように生理痛や生理前の痛みを経験するため、おなかの痛みに対する耐性がありますが、明らかに普段の痛みと違う場合や出血を伴う場合には特別な注意が必要です。

子宮外妊娠の可能性

子宮外妊娠の可能性

痛みが激しく、それに加えて出血が続く場合には、卵管妊娠や、頸管妊娠など、子宮外妊娠(異所性妊娠)の可能性もあります。子宮外妊娠はそのまま放置しておくと、大量失血でショック状態に陥る非常にリスクの高い妊娠になります。

子宮外妊娠は、受精卵が成長するにつれてリスクが高まり、最悪の場合、卵管破裂といった事態に至ってしまう怖い症状。出血の量が多く、激痛がある場合にはただちに病院に行くようにしましょう。

着床痛を感じる場所はどこ?

着床痛を感じる場所はどこ?

着床痛のする場所ですが、子宮のあたりという方が多いようですが、おなか全体、下腹部、腰まわりと人によって感じ方はいろいろです。

着床痛は何日間続く?

着床痛が続く期間ですが、着床出血が起こったときに一時的に痛みを感じた、という方もいれば、数日間ずっと痛みが継続したという方もいます。着床とともに受精卵は成長を続けていますので、子宮には大きな変化が起こっています。

ホルモンの分泌量も変化し、妊娠を機にはじめて分泌が行われるホルモンもあります。着床の際に痛みが生じたかどうかは別にしても、子宮に変化が起こっていることやホルモン分泌に変化があることにより、妊娠超初期には下腹部にいつもとは違うチクチクとした感じがあり、この状態がしばらく続くこともあります。

生理前の過ごし方について

生理前の過ごし方について

妊活を行っている方にとっては、排卵日以降次の生理が始まるまでの約2週間は、非常に神経を使う時期だといえます。

生理前の数日は妊娠の兆候がないかどうか、いろいろと気になるものですが、この時期だからこそ注意したいこともたくさんあります。生理前の時期の過ごし方のポイントについて見てみましょう。

基礎体温は必ずつける

基礎体温は必ずつける

妊娠を希望している方にとっては基礎体温を測定し、記録しておくことは当たり前ですが、今すぐには妊娠を希望していない方でも、基礎体温を測定するのは女性として当然の心得。

生理は女性の健康のバロメーターといわれるように、生理周期の規則性や推移から推定できることは多く、婦人病や不妊症を治療する上での重要な資料になります。

着床痛が妊娠の兆候かどうかを判断する上でも、基礎体温は必ず役に立ちます。基礎体温の測定はどんなことがあっても、毎日欠かさず続けるようにしましょう。

おなかや腰を冷やさないようにする

おなかや腰を冷やさないようにする

おなかや腰の冷えは生理痛を悪化させる原因のひとつ。体の冷えは女性の生理機能全般に悪影響を及ぼします。

排卵日以降生理前までの期間は女性ホルモンのバランスも乱れやすい時期。妊娠しやすい体作りを目指すためにも、おなかや腰の冷え対策は十分に行うようにしましょう。

体調や体の変化を敏感に察知する

体調や体の変化を敏感に察知する

着床痛や着床出血だけに気を取られずに、他にも体に変化が生じていないかどうか、妊娠の兆候といわれる症状があらわれていないかどうか、注意深く観察するようにしましょう。

着床後にあらわれる症状としては、おりものの変化や熱っぽさ、だるさ、基礎体温の高温期の持続、唾液の増加、脚の付け根の痛みなど。妊娠に伴う体の変化を敏感に察知できるよう、普段から自分の体調や体の状態に注意を払うことが必要です。

妊娠中にNGなことは避ける

妊娠中にNGなことは避ける

着床痛かどうかはっきりしない場合でも、基礎体温が高温期を保っているときは、妊娠している可能性ももちろん十分にあります。

飲酒やタバコ、妊娠中は服用できない市販薬、過剰なカフェインの摂取、激しい運動など、妊娠初期にNGとされる行為は念のため控えたほうが安心です。

病院に行くタイミングを考える

病院に行くタイミングを考える

妊娠しているかどうか1日でも早く知りたい!と思うのは当たり前ですが、妊娠しているかどうかを確定的に診断できるようになるのは、早くても生理予定日の一週間後から。病院での検査を受けるタイミングは、生理予定日の一週間後以降になります。

市販されている妊娠検査薬の大多数は、生理予定日の一週間後以降使用する決まりになっています。生理予定日前の段階でフライング検査しても、正確な結果が得られない場合があります。

生理予定日前に、妊娠検査薬をフライング検査した場合、判定の結果、陽性とでても陰性と出ても、それはまだ妊娠の確定とは言えません。生理予定日を一週間から10日過ぎてから、産婦人科で診察と検査を受けるようにしましょう。

まとめ

着床痛についてぜひ知っておきたいポイントをご紹介しました。妊娠を待ち望んでいる方にとって、着床痛や着床出血はとっても嬉しい兆候ですが、たとえ着床していても出血も痛みも感じない方もいますので、着床痛がないからといって不安に感じたり、がっかりする必要はありません。

生理前の数日前におなかに痛みを感じると、もしかして着床痛なのでは?と期待に胸をふくらませる方もいるでしょうが、実際には月経前症候群の可能性も十分にあります。

妊娠超初期のおなかの痛みだけでは、妊娠しているかどうか判断することは出来ません。妊娠の兆候を探している方は、おなかの痛み以外の症状にも注意を払うようにしましょう。

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