妊娠38週目になると、赤ちゃんが産まれてきても大丈夫な時期に入っているので、お母さんたちはそわそわしがちです。体重もこの頃を過ぎると3000g以上になってきますし、身体の器官も完成し、脂肪が増え続けているような状態になっています。
お産に対する高揚感と不安感で、気分が不安定になりがちですが、ゴールが目の前に迫っている時期なので、程良い緊張感を抱えつつ生活するようにしましょう。妊娠38週の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。
妊娠38週の胎児やお腹の状態
妊娠38週 胎児の体重は?大きさは?
妊娠38週 胎児体重は正常発育児95.4%が2181g~3494g 平均体重:2838gです。※1
赤ちゃんの体重は、最大で4000g程度にまで増える場合もあり、4000gを超えると巨大児扱いになるのです3000gを過ぎたあたりから、皮下脂肪がもう少し付くだけなので、体重の大幅な増えがなくなります。
増量のペースが落ち着くようになり、体重の変化がなくなってくるので、その変化を実感できることでしょう。赤ちゃんの大きさには個人差があるのですが、医師から注意を受けなければ、神経質になる必要はありません。
大きい胎児は、これ以上お母さんも胎児も体重を増やさないように厳しく指導されるでしょう。どちらも残りの時間は、お母さん自体の体重を増やさないようにするのが大事です。
胎児の毛がどんどん抜ける時期です
羊水の中にいる赤ちゃんは、全身に毛を生やすことで羊水の刺激から身を守っています。しかし、正産期に突入するにつれて、毛も必要なくなっていくので、段々と全身の毛が抜け落ちていくのです。
このような変化も出産のための一つの変化であり、失われても毛は産後、また違う形で生えてくるので、赤ちゃんの成長の一つとして見守るようにしましょう。
皮膚の状態がしっかり整ってきます
これまでは、半透明な状態だった赤ちゃんの皮膚も、段々と薄ピンク色の赤ちゃんらしい色になってきます。皮下脂肪が更に付いてきて、エコーでも丸々とした赤ちゃんの顔が見られるようになります。皮膚の薄い状態が長く続いていましたが、皮下脂肪が付いてきて外からは内蔵や骨が見えなくなり、しっかりと肌としての機能が完成しきます。
胎脂も剥がれて綺麗な肌が見えてきますが、冷え性のお母さんの場合は羊水の温度も低い為、胎脂が剥がれる事無く付いたまま出産するケースも最近増えてきています。自分の生活を見直して冷え性の原因となっているものは、すぐに止めましょう。
38週目になると、きちんと内臓や脳の状態も整っているので、あとは皮膚と脂肪が形成されていくのみの段階になってくるのですが、脂肪の成長はある程度の段階になるとストップするので、体重の増加スピードが遅くなったとしても、不安に思う必要はありません。
細かい部分まできちんと成長
この週になれば、胎児期の発達が成熟して後は子宮の外に出てくるのを待つばかりです。臓器や筋肉・骨と言った大きな部分だけでなく、形成が後回しになっていた細かな部分もきちんと整ってきています。
例えば髪の毛やまつげ・まゆげなどが生えて胎毛は抜け、手足の爪は指先を超えるほど伸びるので、胎児が自分の手を動かした際に顔や首に引っかき傷をつくってしまうほど。出生後しばらくしてから生えてくる歯も、その芽が口腔内にちゃんと揃っています。エコーでは確認できないかもしれませんが、直接会う時までのお楽しみとしておきましょう。
※1 参照 日本産婦人科学会 胎児計測と胎児発育曲線について
※1 参照 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線」
妊娠38週の母体の症状などについて
胎児が下がるため骨盤周辺に痺れる事も
胎児が下がると、上部器官の胃や横隔膜は圧迫感が減って楽になりますが、胎児と羊水の重量は全部骨盤周辺にかかってくるので、大腸や膀胱への圧迫がこれまで以上に強くなります。
また頚椎から骨盤を通り太ももの後ろからふくらはぎまで繋がっている坐骨神経をも圧迫してしまうので、下半身のあちこちが痺れたり痛みが出る方も少なくありません。妊娠中は通常の坐骨神経痛の治療が出来ないので、入浴で身体を温めたりツボ・マッサージなどで痛みを和らげましょう。そして何よりも坐骨神経痛になってしまった時は、無理をせず休むのが一番です。
おりものによって出産がラクになります
子宮口が出産のために開くようになり、おりものの量が多く出がちな時期なのですが、おりものは実は安産のために重要な役割を果たしてくれています。
おりものは産道を柔らかくしてくれますし、おりものが大量に出ることはその分、出産もラクになるということです。おりものがあまりにも多く出ると、それを疎ましく感じてしまうお母さんもいるかもしれませんが、これも安産のために必要な一つの過程なので、ポジティブに捉えるようにしましょう。
性交渉でハプニングが起きる場合も
38週目の段階でも、性交渉はNGです。男性の精子の中に含まれる「プロスタグランディン」というホルモンは、女性の子宮を収縮させてしまう作用があるので、それによって破水してしまうことがあります。
お母さんの身体は子宮口がゆるんだり、赤ちゃんの頭が下がってくる症状を抱えており、ただでさえ疲労困憊している時期なので、性交渉はしばらく控えるようにし、パートナーとのスキンシップは身体を使わない方法でおこなうようにしましょう。
不規則なお腹の張りに悩むように
38週目になると、前駆陣痛と呼ばれる陣痛が起こるようになるので、不規則なお腹の張りに悩むようになりがちです。お腹の張り方が不規則な場合は、ニセ陣痛であり、本物の陣痛とは異なるのですが、張り方が規則的になった場合は、本番の陣痛なので病院に相談しましょう。
また、本番の陣痛は夜中に来ることが多く、寝ている最中に陣痛を起こしてパニックになってしまう方も少なくないので、パニックになってしまいがちな方はすべてのことを自分でやろうとせず、周囲の人に助けてもらうようにしましょう。
下がってくる子宮によって足が痛みます
子宮や骨盤が下がってくると、次第にその周辺にある部位が傷むようになります。足の付け根が張るようになり、何かと皮膚の突っ張りに困るようになりますし、それによって眠れない夜が出てきてしまいがちです。
痺れたり、こむら返りがおこったりと、何かと足のトラブルが出てしまいがちなのですが、産後になると収まるようになります。
外出はどこまでOKか
臨月だけれども友人との集まりや気晴らしのショッピングに出かけたい、と思う方もいるでしょう。しかし、子宮口が開いてもうすぐという方はもちろん、まだ固いと指摘された方でもこの時期の外出は、タクシーや車を利用して30分で病院に到着できる範囲にすべきです。
気分転換を求める気持ちも分かりますが出産後一段落すればいつでも出来るのですから、まず何よりもお腹の赤ちゃんの状態を最優先したいですね。外出先で万が一破水してしまったりおしるしが出てしまうような事に備えて、ナプキンや大きめのタオル・母子手帳・健康保険などはいつもまとめて持ち歩きましょう。
妊娠37週出産・陣痛・出産兆候・破水など
出産時期について
出産予定日は40週0日
臨月は妊娠36週0日~39週6日まで
正産期は妊娠37週0日~41週6日まで。正産期の出産を正期産と言います。
過産期は妊娠42週以降。過産期の出産を過期産と言います。
兆候から出産の流れは?
「おしるし→陣痛→破水→出産」
「おしるし→破水→陣痛→出産」
「破水→陣痛→出産」
「陣痛→破水→出産」
4パターンが一般的な流れです。
病院に行く陣痛間隔は?
目安は初産婦は陣痛10分間隔、経産婦は陣痛15分間隔
陣痛から出産までの時間は?
目安は経産婦では約7時間前後、初産婦で約15時間前後
数時間から数日まで個人差があります。
子宮口が開くようになっています
子宮口には内子宮口と外子宮口の2つがあり、その間にあるのが子宮頸管です。最初に内子宮口が開いてきて、それにつれて子宮頸管が短くなってゆき最終的に外子宮口が開くと、「子宮口が開いた」状態になるのです。
個人差はあるのですが、38週以降になると、子宮口が数㎝以上に開くようになります。開くスピードは個人差によりますが、大体3cm幅に開くと身体が出産の準備に入った事を意味します。この週に開くのは大体1cmくらいですが、すぐに出産するわけではないので、いつも通りに家事や運動を行って構いません。ただし厳しい運動は子宮の収縮を促してせっかく開いた子宮口を閉じてしまう原因になりかねないので、休みながら無理をしないよう心がけましょう。
子宮口が開き、赤ちゃんの頭部が見えるようになってきているのですが、赤ちゃんの頭部が中々子宮口の外に出てこないこともありますし、この時期は子宮口の状態にも個人差が出てくるので、もし子宮口があまり開いていなかったとしても、そこまで気にする必要はありません。
子宮口の変化を定期健診でチェック
お母さんの身体は、今まさに出産を控えて様々なかたちではたらきだしています。子宮口が柔らかくなったり、広がったりするかたちで、出産に向けて準備をしているのですが、自分の状態は産婦人科で定期健診を受けないと中々、正しくチェックできません。
週1回の定期健診によって、子宮口の状態などをチェックしておくと、出産に対する不安感も解消されるので、きちんと通院しつつ、自分の身体の状態を把握しておきましょう。
産気づくとは?
「産気づく」という言葉を聞いた事があって何となく理解しても、実際どのような事なのか分からない方がほとんどなのではないでしょうか。
産気づくとは出産の体勢に入る事で、規則的な陣痛に繋がる様々な症状を指します。例えばいつ本陣痛に繋がってもおかしくない前駆陣痛や、出産の兆候であるおしるしなどの他に、陣痛が始まる前に破水してしまうと即出産へ繋がりますから、この場合も産気づく症状の1つに数えられます。
妊娠38週に入ればいつ出産に繋がってもおかしくありませんから、自分の状態を常にチェックし、もし産気づいた場合はすぐ病院へ行けるよう手配をしておきましょう。
お印があったのに陣痛が来ない?
基本的にはおしるし=出産なのですが、おしるしがあっても陣痛が来ないこともあります。このような場合は、その出血がお印ではなく、何かに触れたときのショックによる出血だったりしますし、この時期のお母さんの身体はちょっとした衝撃で出血してしまうこともあるので、「おしるしだと思ったけど違った」ということも実は多いのです。
また、出血してしまうと「身体の中に何か異変があったのでは」と不安を覚えてしまいがちなのですが、基本的に、この時期におしるし以外の理由で出血してしまう妊婦さんは少ないので、気にしすぎないようにしましょう。詳しくは:おしるしについて知っておきたいこと
陣痛は早く起こせる?
お腹が重いし疲れてきているから、正期産に入った今頃に出来れば出産してしまいたいと考えている方は少なくありません。口コミやネットなどでは陣痛を早く起こす方法として様々な手段が紹介されていますが、特定のものを食べたり飲んだりすれば陣痛が起きやすいというのは、全く信憑性がありません。
ただ、陣痛を起こすのではなくお産がスムーズに進みやすいと言う意味で、ウォーキングや雑巾がけなどの体を動かすことは、一定の効果が期待できそうです。いくらお母さんが願っていても出産を促すホルモンを分泌するのは胎盤なので、いつ出てくるかは胎盤と胎児任せてお母さんは待っているしかなさそうです。
陣痛が始まったら食事は
陣痛が始まると、30~40分周期でお腹が張ったり痛んだりするようになります。もともと生理痛などに慣れてしまっている方などは、その痛みに対しても耐性があるので、「今のうちに食事を摂ろう」などと考えます。余裕のある方はおにぎりやサンドイッチなど食べるのもありです。
しかし陣痛が始まってから食べた食事は、後々嘔吐というかたちで吐き出すようになってしまいがちです。数時間後には余裕の一切が失われるので、不安な方は食事を摂らないようにしましょう。
陣痛の痛みには個人差があります
お母さんの中には、本番の陣痛の痛みを「そこまでの痛みではなかった」と表現する人もいます。これは、痛みの感じ方が人それぞれ異なるからであり、元々痛みに強い方(身体の筋肉量が多い方)は、陣痛を「重い生理痛程度の痛み」と表現しますし、痛みに弱い方の場合は、「身を切られるような壮絶な痛み」という風に陣痛を表現するのです。
安産の人もいれば難産になる人もいますし、必ずしもすべての人が難産になるわけではないので、お産に対して恐怖を感じ過ぎないようにしましょう。
小柄な方は帝王切開になりがちです
小柄な女性はどうしても、3kgもある赤ちゃんを産むのが困難になりがちです。「帝王切開ではなく、自然に産みたい」と医師に伝えていたとしても、いざ陣痛が来てしまうと自然分娩が不可能だということがわかることもありますし、緊急帝王切開になってしまうことも実は非常に多いのです。
自然分娩で産みたい、お母さんの方がやはり多いのですが、帝王切開をすることを想定しておいた方が、いざ帝王切開になったときのショックが軽減されるので、様々な可能性を考慮しつつ、過ごすようにしましょう。
出産前に浣腸はするの?いきむ時が心配
これまで、産道を広げる為、赤ちゃんへの感染症を防ぐ為、刺激で子宮収縮を進める為の理由で浣腸をする病院が多かったのですが、最近ではこれらの効果が見られない事や陣痛中のお母さんに大きな負担をかけてしまうため、浣腸を行わない病院が増えてきました。病院に出産前の浣腸の有無を確認してみると良いでしょう。
浣腸をしないとなると、いきんだ時に便がでてしまったらと悩んでしまいます。よくあることですから対処するスタッフは慣れていますので安心してください。それよりもまずは赤ちゃんが無事産まれるよう、しっかりいきむのが大事です。
病院側も配慮してくれると思いますが、立会い出産を望む方は、浣腸をしてもらうか、見えないようご主人が立つ位置を変えてもらったり工夫が必要になるかもしれません。
ここまでのまとめ
子宮口がどんどん開いてきますし、この時期に破水してしまうお母さんも当然出てくるので、いつ出産しても良いように準備だけは整えておきましょう。出先で破水になってしまう方もいるので、なるべく携帯電話やスマホをしっかり持ち歩くようにし、入院のための荷物などもまとめておくようにしましょう。