出産時は痔になりやすい?出産と痔の関係について知っておきたいこと

出産時に痔になりやすいという話を聞くと不安になりますが、これは本当なのでしょうか?出産と痔、一見無関係なように思えますが、実は出産を機に痔になる妊婦は多く、産後の悩みのひとつとしても挙げられます。

出産時に痔になりやすい原因やその対処方法、妊娠中に気をつけたいことなど、妊娠・出産と痔の関係について、幅広い情報をポイントごとにご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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出産時に痔になりやすい原因とは?

出産時に痔になりやすい原因とは?

出産時に痔になりやすい理由のひとつは、分娩の際の「いきみ」にあります。分娩のときに赤ちゃんを押し出そうといきむことで、肛門の周囲の静脈が圧迫され、これが原因でいぼ痔になります。

また出産時に肛門の部分がめくれてしまい、内部にできていた内痔核が痛みを感じる部分に出てきてしまうことも、痔が増える原因のひとつ。これは出産のときに痔になったわけではなく、妊娠中にすでに痔でできていたことを意味します。

妊産婦は痔になりやすい?

妊産婦さんは痔になりやすい?

産婦だけでなく、妊婦もまた妊娠中をつうじて痔になりやすい状況に置かれています。出産時に痔になることを避けるためには、妊娠初期から痔の予防に努めることが大切。

妊娠中や出産時に痔にならないようにするためには、痔ができるメカニズムや原因について詳しく知っておくことが必要です。まずは痔ができる流れや原因について詳しくみていきましょう。

痔のタイプと特徴について

痔とは肛門や肛門周りに起こる症状で、いぼ痔(痔核)、裂肛(切れ痔)、痔ろうの3種類があります。

いぼ痔(痔核)

いぼ痔

いぼ痔(痔核)とは、肛門周辺にある静脈叢と呼ばれる静脈血管がうっ血、拡張し、コブ状になったものをさします。静脈叢とは、極細の静脈血管が網の目状に密集しているもの。排便があると、これらの静脈血管も伸び縮みしていますが、便秘などの理由により余分な力がかかると、弾性を失った一部の血管がコブ状に隆起します。

これがいぼ痔で、できる場所により内痔核と外痔核に分けられています。直腸側にできる内痔核は、出血がありますが、痛みを伴いません。これに対して外痔核は出血は少ないものの、痛みが強いことが特徴です。

裂肛(切れ痔)

切れ痔

裂肛とはいわゆる切れ痔のことで、肛門の皮膚の粘膜が裂けた状態をさします。肛門の皮膚が裂けているため、排便時に激しい痛みがあることが特徴です。

排便時の痛みに耐え切れず、我慢してしまうと、さらに便が硬くなり、裂肛が慢性的に起こり、なおりにくくなります。

痔ろう

痔ろう

痔ろうとは肛門のまわりで、便に付着した細菌が繁殖し化膿したのち、ろうこうと呼ばれる管が残ったものをさします。いぼ痔と裂肛については患部を温めると痛みや違和感が和らぎますが、痔ろうの場合、肛門付近の皮膚粘膜が炎症を起こしているため、患部を冷やすことが対処法になります。

痔の症状とは?

痔の主な症状は、出血、排便時の痛み、違和感、腫れ、かゆみになります。どの症状が出るかは、痔のできた場所や症状の進行具合や程度によりますので、どれかひとつでも心当たりがある場合には、慎重に様子を観察し、必要があれば医師の診察を受けるようにしましょう。

痔を引き起こす原因について

痔のタイプや症状についてみてきましたが、今度は痔の原因について詳しく挙げていきましょう。痔ができる状況を知ることにより、どうして妊娠中および出産時に痔になりやすいのかが分かります。

便秘や下痢

妊婦

便秘は痔の主原因。便秘になると肛門に圧力がかかる理由は、硬くなった便や排便時のいきみにあります。便秘になるとスムーズに排便できないため、大腸の中で便が硬くなります。また排便時にいきむことにより、肛門の静脈叢がうっ血します。

下痢は便秘とは逆に、何度も繰り返し排便が起こることにより、肛門に余計な圧力がかかり、その結果静脈血管の弾性がなくなり、コブ状の痔ができます。

妊娠中の便秘

妊娠中はプロゲステロンの影響により、胃腸のはたらきがやや弱まっており、便秘になりやすい状態です。おなかの赤ちゃんが大きくなると、そのせいで子宮も大きくふくらみ、大腸や直腸の血管を圧迫します。これらの理由により、妊婦は便秘になりやすく、そのため痔ができやすくなっています。

出産時のいきみ

出産時のいきみ

出産時に痔になりやすいのは、分娩の際に長時間時間がかかことにあります。便秘のときのように、全身の力をこめていきむことで、肛門にも強く圧力がかかります。分娩にかかる時間は短くても数時間、長い場合には丸一日以上かかることもあり、肛門への圧力は非常に強くなります。

分娩中は襲ってくる痛みの波に合わせて、赤ちゃんが生まれるまでいきむことを繰り返します。分娩時間が長いことに加えて、何度も何度も繰り返し肛門に圧力がかかることで、直腸側にできていた痔核がめくれてあらわになることも。またあらたに肛門の皮膚粘膜が裂けたり、静脈血管がコブ状にふくれ、外痔核ができることもあります。

長時間座ったままの生活

長時間座ったままの生活

長時間同じ体勢で座っていることも、痔の原因のひとつ。デスクワークの方や一日中座って作業をしている方、おなかに力を入れる仕事をしている方、長時間運転をする方などは、痔になりやすい職業といえるでしょう。

妊婦後期から臨月の妊婦

妊娠後期に入り、おなかの赤ちゃんが大きく成長すると、おなかが大きくせり出してきます。重くなったおなかのせいで、立っていることすらつらい、と感じる妊婦も大勢います。

立っているのもつらいため、気がつくと楽な姿勢で座ってばかり、という妊婦もいるようです。長時間同じ姿勢で座っていると、体の重みが肛門にずっしりとかかり、これが原因で痔ができます。

食生活・生活習慣に原因がある場合

食生活・生活習慣に原因がある場合

辛いものや胃腸に負担のかかるもの、アルコールなどを慢性的に摂取した場合、胃腸の消化吸収機能が乱れ、便秘や下痢になりやすい状態になります。また不規則な食事時間や栄養に偏りのある食事内容も問題。

他にも水分摂取の不足も、痔の大きな原因のひとつです。運動不足で体の筋肉をあまり動かさない生活が続くと、腸の蠕動運動が滞り、これもまた便秘を引き起こす原因になります。

痔になりやすい妊婦の日常生活

妊娠中は栄養バランスに注意した食事を心がけることが必要ですが、つわりのせいで食べられないものが増えると、知らず知らずに栄養に偏りがでることがあります。またつわりの嘔吐が激しいと、水分摂取が不足することも。

妊娠後期に入りおなかが大きくなると、体を動かすことが億劫になり、運動不足になる妊婦もいます。また大きくなった子宮が胃腸を圧迫することにより、便秘の悩みも増えていきます。

このように妊婦はさまざまな要因により、痔になりやすく、妊娠中から意識的に便秘予防や生活習慣を整えることが必要です。

出産時に痔になった場合の対処法について

出産時に痔になった場合の対処法について挙げてみましょう。産後の慌しい生活の中で、どのような点に注意すべきなのか、痔の症状を少しでも緩和するにはどうすればいいのか?痔の症状の緩和に効果的な対処方法についてみていきましょう。

便意を我慢しない

便意を我慢しない

便意を我慢してしまうと便が硬くなり、痔の症状は悪化します。硬い便は、排便の際に無意識にいきんでしまい、おなかや肛門に力が入り、その結果肛門の皮膚や静脈血管にダメージを与えます。

授乳や寝かせつけで、赤ちゃんからひとときも目が離せない場合もあるかと思われますが、できる範囲で排便の時間やタイミングを習慣づけることが大切です。

患部を温める

患部を温める

痛みや違和感の緩和には、患部を温めることが効果的です。入浴はシャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にじっくりつかり体を温めましょう。

痛みや違和感のある部分だけでなく、おなかや腰まわりを冷やすことは血行不良やむくみにつながります。普段から体を冷やさないよう十分に注意しましょう。

水分をたっぷり摂る

水分をたっぷり摂る

水分不足は便秘の主原因のひとつ。朝起きたらまず水を一杯飲む習慣をつけると、便秘になりにくい体質に変わります。

気温が高く暑い季節は、喉が渇くので無意識に水分を補給していますが、寒い季節は水分補給を忘れてしまうがち。起床時、食後、外出から帰宅したとき、家事を終えたときなど、タイミングを見計らい、水分をたっぷり補給する習慣をつけましょう。

適度な運動を行う

適度な運動を行う

産後は育児と家事の両立に忙しく、運動をする暇などもてないかもしれませんが、運動不足は便秘につながる悪習慣。激しい運動を行う必要はありませんが、適度な運動を継続的に行うことは、便秘の解消につながります。

軽い体操やストレッチ、腹筋や背筋、ウォーキングや水泳など、好きな運動を毎日の生活に取り入れることが大切です。必ず毎日行う必要はありませんが、週2、3回程度でもかまいませんので、できる範囲で運動を生活に取り入れましょう。

症状がひどいときは医師の診察を受けること

症状がひどいときは医師の診察を受けること

出血や痛み、違和感がひどいにもかかわらず、そのままにしておくとやがては脱肛まで生じます。脱肛は症状によっては手術が唯一の治療法になりますので、早期に改善することが重要。痔の症状が悪化したら躊躇わずに病院で治療を受けましょう。

何科で診てもらうの?

産後の痔を病院で診てもらう際には、何科に行けばいいのでしょうか?妊娠していない場合には、肛門科で診てもらうことが一般的ですが、妊娠中や産後は産婦人科で痔の薬を処方してもらえます。健診の際に痔のことを伝え、薬をもらいましょう。

市販の痔の薬でも効果はありますが、妊娠中には使えないものもありますので、妊婦は注意が必要です。また痔の症状やタイプによっては、市販の薬では効き目があまり得られないことがあります。できるだけ早く痔の症状を軽減するには、病院で薬を処方してもらうほうがいいでしょう。

まとめ

出産時に痔になりやすい原因から、予防法や対処法まで、知っておきたいさまざまな情報ををご紹介しました。妊娠中にできた痔は出産を機にさらに悪化する傾向があり、産後も痔の痛みに悩まされる妊婦は少なくありません。

出産時に痔になってしまったら、痔を悪化させる悪い食習慣・生活習慣を改めることが大切です。便秘にならない習慣を身につけることで、痔の症状は徐々に改善していきます。産後の痔の対処方法を知り、つらい痔を一日も早く治しましょう。

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