陣痛の始まりや兆候について知っておきたいこと

陣痛始まりや兆候について知っておきたいこと 妊娠後期

出産予定日まであとわずかになると気になるのが出産の兆候。とくに陣痛に関しては痛みや病院に向かうタイミングなど、とくに初めての出産を迎える妊婦さんにとっては、不安なことの多い時期になります。

陣痛の始まりを見極めるには、陣痛が始まる兆候について知っておく必要があります。出産予定日はあくまでも目安、実際の出産は出産予定日よりも前になることもあれば、予定日を大幅に過ぎてから陣痛が始まることもあります。

陣痛の始まりの兆候についての確かな知識を増やしておくと、出産に対する不安が解消され、余計なプレッシャーを抱える必要がなくなります。陣痛が始まる前に起こるさまざまな兆候について見ていきましょう。

正産期入ったら注意が必要

正産期、早産、臨月、過産期の表

正産期と呼ばれるのは妊娠第37週目0日から41週目6日までの期間で、この期間内の出産がもっともリスクの少ない出産時期になります。早産の不安を抱えて頑張ってきた妊婦さんも、この時期に入ると一安心ですが、それと同時にこの期間内に入ったら、赤ちゃんはいつ産まれてもおかしくないと心得ておかなければなりません。

出産予定日はあくまでも目安、実際には予定日以前に産まれる可能性が高いので、正産期に入ったらこれまでよりもさらに注意深く、陣痛の始まりの兆候に気を配るようにしましょう。

陣痛の始まりや兆候

胎動に変化がある場合も

胎動に変化がある場合も

出産予定日が近づくにつれ、お腹の中の赤ちゃんはいよいよ大きくなってきます。赤ちゃんは大きく成長してきていますので、子宮の中で赤ちゃんが自由に動き回れるスペースは減ってきています。このため、これまでに比べると胎動が少なく感じられるようになるお母さんもいます。今までと変化がないケースや激しさを感じるケースもあります。

今まで感じていた胎動が弱くなると、お母さんとしては不安になるものです。ただし胎動がまったく感じられない、今までとは極端に違い、弱弱しい、など異常が感じられる場合には、念のため病院に連絡するようにしましょう。

お腹が下がってくる

お腹が下がってくる

出産予定日が近づいてくると、赤ちゃんの頭はお母さんの骨盤の中に入ってくるようになります。赤ちゃんは出産に備えて、徐々に下に降りてきますので、これまでは胸の下にせり上がっていたお腹が、すとんと下に落ちたような感覚を覚えます。

初産婦さんにとっては初めての体験になりますので、「お腹が下がってくる」という状態がどんなものか、言葉で表現されても感覚として掴みにくいかもしれません。分かりやすい例として挙げられるのが、胃のあたりがすっきりとしてくることです。また赤ちゃんの位置が下に下がってきますので、胎動もこれまで感じていた箇所とは別の場所に感じられるようになります。

子宮の変化 子宮口の開きの変化

子宮の変化 子宮口の開きの変化

臨月に入れば1週間に1回の検診になり、必ず内診を行って子宮の状態がどの変化しているかをチェックしますが、陣痛が始まりそうな時は子宮口の筋肉が弛緩して柔らかくなっています。

また、陣痛の兆候がないにもかかわらず、すでに2cmほど子宮口が開いている妊婦さんも多いです。ただし、この状態からすぐに陣痛が始まるわけではなく、初産婦や高齢出産の方は子宮口がそれ以上開かず出産予定日を過ぎてしまった、ケースもよく聞きます。

陣痛が始まる目安として挙げられる症状なので、自分の体がどんな状態なのかを知りたい時は、どんどん担当医に聞いてみましょう。

下痢気味や便秘になる

下痢気味や便秘になる

今までは胃を圧迫する感じだった子宮が下に下がってくることで、今度は腸の辺りを圧迫される感じに変わってきます。これまで胃が苦しく食欲が沸かなかった方でも、臨月になると食欲が増すこともあり、消化機能に変調を来たし、下痢気味になることがあります。

ホルモンの分泌にも変化があることや、赤ちゃんが大きく成長していることから疲れやすくなり、消化機能がやや低下してしまうこともあり、この時期下痢の症状が表れやすくなります。

下痢気味になる妊婦さんがいる一方で、腸が圧迫されていることから、便が出にくくなり便秘気味になる妊婦さんもいます。お腹が大きくせり出しているため、運動不足になることも便秘の原因の一つ、この時期は出来きるだけ消化によい柔らかい食べ物を少しずつ食べるようにしましょう。

頻尿になる

頻尿になる

大きくなった子宮は腸を圧迫するだけでなく、膀胱も圧迫します。これまでにもましてトイレが近くなり、夜何度も目が覚めてしまう方も多い時期です。頻尿とともに残尿感のあるのも特徴、膣を通して雑菌が侵入しないよう、下着などに気を配り常に清潔にしておくようにしましょう。

おりものの量が増える

出産に備えて子宮の出口、子宮頸部、膣全体が柔らかくなっていきますので、おりものの量が増えます。子宮頸部は赤ちゃんが通りやすくなるように、柔らかくなるように、変化していきます。子宮頸部から分泌される粘液が増えることにより、おりものの量はいつもよりも確実に増えます。

気をつけたいのはおりものと破水の違い、おりものだと思っていたら実は破水だったということも稀にありますので注意しましょう。おりものと違い、破水の場合いったん始まると止まらずに、ほんの少し動くだけでどんどん流れてしまいます。自分ではおりものか破水か判断できない場合には、即刻病院に連絡するようにしましょう。

足の付け根が痛い

足の付け根が痛い

赤ちゃんが骨盤にはまってくるようになると、いよいよ膀胱が圧迫され、その結果足の付け根にずっしりとした痛みを感じるようになります。骨盤も出産が近くなると開いてきますので、その影響により左右に恥骨が離れてきて、そのせいで恥骨に激しい痛みを感じることがあります。

恥骨結合機能不全と呼ばれるこの症状は、妊娠後期の妊婦さんに特有の症状で、恥骨の開きが大きくなるにしたがって痛みも増します。恥骨や足の付け根の辺りに痛みを感じたら、無理をせずに楽な姿勢で休むようにしましょう。

食欲が増す

食欲が増す

赤ちゃんが下に下がってくると、これまで圧迫されていた胃の辺りがすっきりしますので、俄然食欲が出てきます。これまで後期つわりで食欲がなかった方もこの時期に来ると、食事が美味しく食べられるようになります。

出産は体力勝負、いよいよ出産が近づくと、体自体が体力をつけようとしているかのように感じる方もいるようです。出産日当日や前日に、いつもとは違う、なんとも説明しようのない強烈な食欲に襲われた、という妊婦さんも多いようです。これまでとは違う食欲を感じたら、出産が近づいているサインと受け止めましょう。

吐き気を覚える

吐き気を覚える

臨月になってもまだ吐き気を覚えることがあります。赤ちゃんが大きくなり、腸を圧迫することにより生じる胃腸の不調にくわえて、この時期分泌されるホルモンに変化が起こります。これまで多く分泌されていた黄体ホルモンにかわって、臨月からは卵胞ホルモンが多く分泌されるようになり、このホルモン分泌バランスの変化により、吐き気を催しやすくなるといわれています。

臨月は食欲も出る時期ですが、食べたあと吐き気が起こる場合は一度に食べる量を減らし、少しずつ食べるようにすると、気分が悪くなることを防ぐことができます。

おならが増える

おならが増える

臨月に入ると便秘の原因だったプロゲステロンの分泌が減少するため、妊娠中便秘に悩まされていた方も改善されてすっきりします。

ただ、赤ちゃんが下りるに従って子宮が下方へ移動すると腸を圧迫するため、調子がよくなったと思ったら再び便秘になってしまう方も多いです。

便秘になればもちろんガスが発生しますから、おならも増えるようになります。妊娠初期におならが多かった方もいると思いますが、この時期のおならはもうすぐ陣痛が始まる目安の1つと考えましょう。あまり我慢するとお腹が痛くなり子宮収縮につながってしまうので、無理はしないようにしてください。

夜何度も目が覚める

夜何度も目が覚める

トイレが近くなることや、大きくなったお腹の重みで安眠できないことから、陣痛が近づいてくると夜中に何度も目が覚めてしまい、十分な睡眠が取れなります。

出産に向けて体力・精神力を温存しておくことが大切なこの時期、大きくなったお腹が膀胱を圧迫するため、トイレが近くなるのは仕方ありませんが、それ以外のことで改善できることは積極的に行うようにしましょう。

抱き枕や妊婦さん専用のマットレスなど、便利なマタニティグッズを利用すると便利です。

お腹に張りを覚える

お腹に張りを覚える

陣痛が始まる前に痛みではなくお腹にいつもとは違う張りを覚える妊婦さんもいます。臨月になるとお腹が張りやすいのは、子宮が収縮しようとしているサイン。大きくなったお腹が腸や膀胱を同時に圧迫することや、赤ちゃんの位置が変わり、それに伴って胎動を感じる位置が変わることも、お腹の張りの原因になります。

いよいよ出産日近くになり、お腹に張りを感じたら、もっとも可能性の高いのは前駆陣痛であると心得ておくようにしましょう。前駆陣痛は本物の陣痛の前触れとして起こるもので、陣痛と同じような症状がありますが、規則性はなく、次第に収まってくるのが特徴です。

腰痛がひどくなる

腰痛がひどくなる

出産に備えて赤ちゃんはどんどん下に下がってきて、骨盤はどんどん開いてきます。これまで胃のあたりが苦しかったのが、臨月に入ると腰の痛みがひどくなる場合も多く、立っていても横になっていても腰が辛いという妊婦さんが多くなります。

腰の痛みを少しでも軽くするには、同じ姿勢を長いあいだ続けないこと、楽な姿勢で寝るようにすること、いきなり体勢を変えないこと、腰に負担のかかる姿勢をできるだけ避けること、など。少しでも腰の痛みが緩和されるように努力しましょう。

昼間眠くなる

昼間眠くなる

夜中なんども目が覚めてしまうため、昼間睡魔に襲われる妊婦さんも多くなる時期です。ホルモン分泌量の変化やホルモンバランスの変化により、陣痛が始まる前にはとにかく猛烈な眠気に襲われることがあります。

大きくなったお腹を抱えて体力的に辛いこともあり、昼間どころか朝起きてすぐにまた眠ってしまう方も多いようです。出産前に眠気を感じるかどうかは妊婦さんの体質や体調によっても異なりますが、いつもと違う感覚で眠気を覚えたら、陣痛が近いという合図かもしれません。

前駆陣痛がある

前駆陣痛がある

出産予定日が近づいたころ、お腹に痛みや張りを感じたらそれは前駆陣痛かもしれません。本陣痛の前に起こる前駆陣痛ですが、いつ起きるかに関しては個人差があり、本陣痛の数時間前に感じる人もいれば、臨月に入ってすぐに感じたという人もいます。

前駆陣痛の特徴は痛みが規則的でないこと、本物の陣痛の場合、時間が経つにつれてどんどん痛みが増していきますが、前駆陣痛の場合は痛みは徐々に薄れてきます。

前駆陣痛か本物の陣痛か区別がつかないようであれば、病院に連絡すべきですが、その際痛みが続く時間や痛みの間隔に関して尋ねられますので、お腹の痛みが始まったら、これらを計測するようにしなければなりません。

おしるしがある

おしるしがある

出産の三大兆候の一つ「おしるし」。これまでぴったりと閉じていた子宮口が開き、子宮は赤ちゃんを押し出そうと収縮を始めます。これに伴い、赤ちゃんを包んでいた卵膜の一部が剥がれおち、これと子宮頸管の粘液が混じりあい、おりもの状となってあらわれます。

おしるしはうっすらと鮮血の混じったピンク色をしていることもあれば、生理の終わりのときのような赤褐色をしていることもあります。おしるしの量が異常に多い、お腹が固くなる、激しい痛みを伴う、このような場合はすぐに病院に連絡するようにしましょう。

おしるし、破水、陣痛の順序

おしるし、破水、陣痛がどのような順序で起こるか、妊婦さんには気になるところです。一般的にはまず前駆陣痛があり、その後おしるし、そしていよいよ陣痛が始まり、最後に破水がある、という流れになりますが、これは一人一人の妊婦さんにより異なります。

この順序は絶対そうなるというわけでなく、実際に前駆陣痛の前におしるしがある方もいれば、陣痛が始まってからおしるしがある方もいます。どのような順序で起こるかはその時々で異なりますが、この中のいずれかが起こったら、出産が間近であることに間違いはありません。

異常があった場合

異常があった場合

お腹が激しく痛んだり、出血が止まらなかったり、お腹がかちかちに固くなるような異常事態が生じたら、すぐに病院に連絡しましょう。出血はおしるしという可能性もありますが、出血の量が多かったり、止まらない場合には異常出血かもしれません。

お腹の痛みや張り、そしておしるしには個人差がありますが、明らかに様子がおかしいという場合には、出来るだけ早く病院に連絡するようにします。

兆候がない、気づかないまま陣痛が起きるケース

兆候がない、気づかないまま陣痛が起きるケース

陣痛が始まる前には様々な兆候が見られますが、中にはそういった兆候がない、気づかないまま、今日はやけにお腹が痛むと思ったらすでに陣痛が進んでしまっているケースもあります。

そういったケースは経産婦に多いのですが、上の子の世話に追われていたり家事に熱中していたりと、兆候があっても他の事に気をとられて気づいていないのが原因と考えられます。初めての出産だとあれこれ考えてしまって、ちょっとした体の変化にも敏感ですから、その辺りが兆候を感じるか感じないかの違いだと言えるでしょう。

いつ陣痛が始まるかを考えすぎるとストレスとなってしまいますから、いつ来ても良いように準備だけはして、後はゆっくり構えて毎日を過ごすようにしましょう。

陣痛の始まり

陣痛の始まり

陣痛の始まりってどんな感じ?初産婦さんにとってはもっとも気になる点でしょう。陣痛の始まりは必ずしも激しい痛みで始まるとは限りません。陣痛には規則性があり、痛みを感じる時間と痛みのない時間が交互に訪れます。

陣痛というと激しい痛みを思い浮かべますが、陣痛の始まりはお腹に張りを覚えることから始まることも多いので、痛みの激しさだけでなく、痛みの間隔について注意するようにしましょう。お腹がなんとなく張っていたけど、これって陣痛?と思っているうちに、どんどん痛みが強くなり、間隔を計ってみたら痛みが規則的に起こっているので、はじめて陣痛が起こっていることに気付いたという人も少なくありません。

病院に行くタイミング

病院に行くタイミング

陣痛の間隔がどのくらいになったら病院に行くべきでしょうか。通常他のなんの問題もなければ、初産婦さんの場合は間隔が10分間おきになったら、経産婦さんの場合は15分間間隔になったときが、病院に向かうタイミングといわれています。

まとめ

陣痛の始まりに見られる兆候についてご紹介しました。出産という大切な場面を目の前に、不安なことがいろいろとある時期ですが、ここまで来たら出産まであと一息。陣痛の始まりの兆候を見逃さないよう、臨月に入ったら常にもまして注意を払うようにしましょう。