胎児のしゃっくりについて知っておきたいこと

胎児のしゃっくりについて知っておきたいこと 妊娠中

胎動はおなかの赤ちゃんが無事に育っているあかし。経産婦さんと初産婦さんでは胎動を感じ始める時期に違いがありますが、一般的にいうと初産婦さんでも、妊娠5ヶ月目に入ったあたりから赤ちゃんの規則的な胎動を感じ始めます。

おなかの中で赤ちゃんが動いている感じが分かるようになると、赤ちゃんに対する思いもひときわ大きくなります。胎動の中でもぴくぴくと痙攣しているような動きを感じることがありますが、これは胎児のしゃっくりと呼ばれています。

胎児のしゃっくりの原因はいまだ完全に究明されてはいませんが、羊水の中の異物を赤ちゃんが吐き出そうとしているのでは?という説が一般的です。

胎児のしゃっくりとはどんな感じなのか?胎児のしゃっくりを感じはじめる時期や回数、そして間隔、頻度などについて、胎児のしゃっくりに関して知っておきたいポイントをご紹介します。

胎動を感じ始める時期

胎動を感じ始める時期

胎動に関しては一人一人の妊婦さんにより、感じ方や感じはじめる時期に違いがあります。そのためいつから始まり、いつまで続くかは胎動の感じ方や強さなどにもそれぞれ違いがあります。

胎動を感じ始める時期ですが、個人差はあるものの一般的にいって、経産婦さんのほうが初産婦さんよりも早い時期に胎動を感じ始めるといわれています。

胎動を感じ始める時期はいつから?

胎動を感じ始める時期はいつか?

胎児がお母さんのおなかの中で動き始めるのは妊娠8週目くらいからですが、妊娠8週目の胎児の大きさは約2センチ程度。この程度の大きさでは小さすぎて、子宮内での動きをお母さんが感じることはありません。

胎動を感じ始めるのはいつからか、という点ですが、早い人では妊娠15週目あたりから胎動を感じ始めます。胎動を感じるのが遅い妊婦さんでも、妊娠20週くらいからは規則的な胎動を感じ始めるようになります。早い方では妊娠四ヶ月目くらいからおなかの赤ちゃんの胎動を感じ始めます。

初産婦さんは胎動を感じるのが遅い?

初産婦さんは胎動を感じるのが遅い?

よく初産婦さんは胎動を感じるのが遅いといわれますが、これは本当でしょうか?経産婦さんは以前の妊娠のときの経験値があるため、胎動があったときにすぐに気がつきます。

しかし初産婦さんの場合、胎動とはこんな感じ、と先輩ママから聞いたり、本などを読んで知識としては仕入れていますが、実際に胎動を経験したことはなく、そのため胎動があってもすぐには気がつかないことが多いようです。初産婦さんは胎動が遅いといわれるのはこのためです。

胎児のしゃっくりとはどんな感じ?

胎児のしゃっくりとはどんな感じ?

胎児のしゃっくりとは、ぴくぴくと痙攣するような赤ちゃんの動きを指します。動きの強さや早さ、回数やしゃっくりとしゃっくりの間の間隔、感じる位置などに関しては、おなかの赤ちゃん寝起きのリズムや、妊婦さん自身の感じ方により違ってきます。

胎児のしゃっくりはどんな感じか、具体的な例を挙げてみましょう。

ぴくぴくと小さく痙攣するような動き

赤ちゃんが手足を伸ばしたり、足を蹴ったりする動きとは違い、しゃっくりの場合、ぴくぴくと規則的に動く感じがします。

あたかも脈打つかのように、ぴくぴく、あるいはひくひくと一定のリズムをもつ動きを感じたら、胎児のしゃっくりと考えて間違いありません。

トクトク、もぞもぞという小さな振動

胎児のしゃっくりとはいいますが、すべての妊婦さんが同じように感じるわけではありません。胎児のしゃっくりというと、通常、ぴくぴくと小さく痙攣するような動きと説明されます。

しかし中にはぴくぴくというよりも、トクトクという呼吸や脈拍のような感じ方をする妊婦さんもいます。もぞもぞというごく小さな規則的な動きとして感じる方もいるようです。

おなかを蹴られる胎動との感じ方の違い

赤ちゃんが足でおなかを蹴るときの胎動は、しゃっくりの動きとは明らかに異なります。赤ちゃんが足を伸ばしたときにおなかに感じる胎動は、比較的大きな動きで、ぴくぴくと細かに脈打つしゃっくり胎動とはまったく異なります。

おなかの内側のほうで規則的にぴくぴくという動きを感じたら、それが胎児のしゃっくりです。胎児のしゃっくり胎動は細かな早い動きで、しばらく続くこともあれば、すぐに止まってしまうこともあります。

胎児のしゃっくりの頻度は 多い?少ない?

胎児のしゃっくりの頻度は?

胎児のしゃっくりがあまりにも頻繁で不安、というお母さんもいるようですが、しゃっくりの多い・少ないと胎児の状態のよしあしは無関係ですので心配する必要はありません。しゃっくりの多い赤ちゃんは、数分間続くしゃっくりを一日5、6回以上毎日行います。

また反対にほとんどしゃっくりによる動きが感じられない赤ちゃんもいて、しゃっくりの持続時間や頻度に関しては、赤ちゃん一人一人異なります。しゃっくりが多い・少ないを基準に赤ちゃんの成長状態を予測することは出来ませんので、しゃっくりが少なくても不安に思う必要はありません。

胎児のしゃっくりの位置は?

胎児のしゃっくりを感じる位置は?

胎動を感じる位置が通常よりも低く、おへその下や膀胱あたりに感じると、おなかの赤ちゃんが逆子である可能性があるとされています。

赤ちゃんは頭を下にした位置でお母さんのおなかの中にいますので、胎動はおへそよりも上のあたりに感じることがほとんどですが、逆子の場合は膀胱や肛門のあたりに鈍い痛みを感じます。では胎児のしゃっくりを感じる位置から、おなかの赤ちゃんが逆子かどうか判別できるのでしょうか?

胎児のしゃっくりの位置から逆子かどうか分かる?

胎動を感じる位置が通常よりも下の場合、おなかの赤ちゃんのポジションが逆子という可能性があります。この場合ももちろん、本当に逆子かどうかの判定は、産婦人科でエコー診断を受けるまで待たなければなりません。

結論からいうと、胎児のしゃっくりを感じる位置から逆子かどうかを判別することは出来ません。

おなかの赤ちゃんは羊水の中で自由に動き回っていますので、しゃっくりを感じる位置が変わることは当然ありえます。しゃっくりを感じる位置が以前と変わったからといって、逆子になったと断定することは出来ません。

胎児のしゃっくりの原因

胎児のしゃっくりの原因

おなかの赤ちゃんがしゃっくりをする原因について、医学的に確定的なことが判明しているわけではありません。通説として唱えられている原因の一つは、おなかの赤ちゃんが羊水の中に含まれる異物などを吐き出そうとするときの動き。この動きによる振動が、しゃっくりとして感じられる、というのが一般的な説になります。

しゃっくりの仕組み

起こる原因は、横隔膜の痙攣。なんらかの原因により横隔膜に痙攣を起こすと、これが原因でしゃっくりという症状になってあらわれます。会話の途中や食事の最中に声帯が閉じきってしまうことにより、ヒクヒクとしゃっくりが始まることもあります。

おなかの赤ちゃんの呼吸法

おなかの赤ちゃんはいまだ肺呼吸をしていません。酸素は胎盤を通してお母さんの血液から供給され、二酸化炭素もまた胎盤を通して排出されます。いまだ肺呼吸をしていない胎児がしゃっくりをするとは、なんだか不思議な気がしますが、おなかの赤ちゃんが横隔膜を振るわせられるほど成長しているという証しでもあります。

胎動をカウントする重要性

胎動をカウントする重要性

胎動はおなかの赤ちゃんの状態を図る重要な目安になりますので、胎動を感じ始めるようになったら必ず胎動の回数をカウントして、記録しておきましょう。胎動カウントの方法はいくつかありますが、もっとも一般的な方法は胎動が10回感じられるのにかかる時間を測定する方法です。

10回カウント法のやり方

赤ちゃんの胎動をはっきり感じ取れる時間帯を選び、ゆったりと落ち着いて数えるようにします。たとえば就寝前や昼寝のときなど、お母さんがリラックスできる時間帯を選ぶようにしましょう。

胎動をカウントする際には、しゃっくりのように感じられる小さな動きや振動は除外します。カウントするのははっきりと感じられる胎動だけで、これを10回感じるまでにどのくらいの時間が要されるか、これが10回胎動カウント法と呼ばれる方法です。

胎児のしゃっくりをカウントしないのはなぜ?

胎児のしゃっくりは赤ちゃんの動きというよりはむしろ、生理現象の一つと考えられています。胎動カウントではしゃっくりのような生理現象や胎動かどうかはっきりしない弱い動きは数えないことになっています。

胎動カウントから分かることとは?

胎動カウントから分かることとは?

胎動カウントから分かるのは赤ちゃんの規則的な動き。胎動をカウントし、記録することにより、万が一赤ちゃんに異変が起こったときに、その変化に気がつきやすくなります。

おなかの赤ちゃんも起きる・寝るというリズムを繰り返していますので、胎動の多い時間帯と少ない時間帯は必ずあります。しかし今まで感じられていた胎動がなくなった場合など、妊婦さん自身が早めに気がつき、産婦人科で診察を受けることにより、胎児に対するリスクを軽減することが可能になります。

胎児のしゃっくりが多すぎるのは問題?

胎児のしゃっくりが多すぎるのは問題?

胎児のしゃっくりの回数が多すぎるので心配、というお母さんも多いようですが、胎児のしゃっくりが多すぎると赤ちゃんに負担になるのでしょうか?

大人でもしゃっくりが止まらないとつらいのに、ましてやまだ小さいおなかの赤ちゃんがこんなにしゃっくりを繰り返していると、きっと体に負担がかかってしまうに違いない、あるいはこんなにしゃっくりが多いのは、どこかに問題があるからに違いない、と疑心暗鬼に駆られてしまう方も多いようです。

しかししゃっくりが多いからといって、おなかの赤ちゃんに異常があるというのは真実ではありません。単なる噂に惑わされることないよう、どうしても気になることがあれば、産婦人科医の診察を受け、アドバイスをもらうようにしましょう。

胎児のしゃっくりはいつまで続く?

胎児のしゃっくりはいつまで続く?

胎児のしゃっくりを感じ始めるのは妊娠5週目くらいからですが、ではこのしゃっくりはいつまで続くのでしょうか。胎動に関しては臨月になると動きが減るといわれています。これは赤ちゃんがお母さんのおなかの中で大きく成長し、子宮の中で動き回るスペースが少なくなっているためです。

しゃっくりの多い赤ちゃん

胎動は臨月に入ると減ってくる傾向にありますが、ではしゃっくりはどうでしょうか。しゃっくりに関してはいつから始まり、いつ終わるという傾向がはっきりあるわけではありません。しゃっくりの頻度や間隔に関しては、赤ちゃん自身の体質や特徴とでも言うべきものに左右されます。

おなかの中でよくしゃっくりをしていた赤ちゃんは、生まれてきたあともよくしゃっくりをする、という話もよく聞かれます。お母さんのおなかから出て、自分で呼吸する日のための予行練習をしていると思い、余計な心配はしないようにしましょう。

胎動の種類について

胎動の種類について

胎動はおなかの赤ちゃんからのメッセージ。胎動を通して、お母さんとお父さんとコミュニケートすることが可能になります。胎動にはしゃっくりのような生理機能によるものもあれば、赤ちゃんが手足を伸ばしたり、羊水の中で動くことから生じるものもあります。

胎動やしゃっくりは、おなかの赤ちゃんの様子を知ることの出来る重要な兆候。しゃっくり以外の胎動についてもしっかり把握しておきましょう。

羊水の中で動く

赤ちゃんは羊水の中で回転することがあります。逆子が自然に治ってしまうことがあるのはこのため。とくにまだ赤ちゃんが小さいうちは、自由に動き回れるスペースが広いため、強い胎動を感じることがあります。

手足を伸ばす

おなかの赤ちゃんの手足を伸ばす動きは、胎動の中でももっとも強い動きとして感じ取れます。足をばたつかせることで、お母さんが痛い!と感じるほどおなかを強くキックする赤ちゃんもいます。

音や外部からの刺激に反応する

外部からの音の刺激に対して、はっ、と驚いたような動きをすることがあります。胎動を利用した赤ちゃんとのコニュニケーション「キックゲーム」では、お母さんが叩いた場所を赤ちゃんが蹴り返すことにより、生まれる前から赤ちゃんとの交流を楽しむことが出来ます。

まとめ

胎動とも違う、ぴくぴくと脈打つような小さな動き。胎児のしゃっくりと呼ばれるこの動き、あまりに頻繁に起こるとなにか赤ちゃんに問題があるのでは?と不安になってしまうお母さんもいるようです。

胎児のしゃっくりは赤ちゃんの横隔膜が順調に発達しているという証しです。しゃっくりの多さ・少なさは赤ちゃんの個性ともいうべきもので、不安に思う必要は何もありません。

赤ちゃんのしゃっくりは胎動と合わせて、おなかの赤ちゃんから送られる貴重なメッセージ。おなかの赤ちゃんの様子を知る手がかりの一つになります。

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