臨月にお腹が下がる感覚とは? 影響は?下がらない理由とは?

臨月にお腹が下がる感覚とは? 出産兆候なのか?下がらない理由とは?  出産兆候 症状 原因 注意点は 対処方法 など 妊娠後期

臨月に入るといよいよ出産も間近。妊婦さんの体は出産に向けて徐々に準備が整っていきます。臨月の妊婦さんの体にはさまざまな変化が生じます。お腹が下がる感覚もその中のひとつで、妊婦さんの多くは臨月になるとお腹が下がったと感じます。

臨月にお腹が下がるのはどんな感じ?臨月にお腹が下がるのは出産の兆候のひとつ?臨月になってもお腹が下がらないこともあるの?お腹が下がる原因はそもそも何?など、臨月にお腹が下がる感覚についてはいろいろな疑問が沸いてきます。

臨月にお腹が下がる感覚、影響、注意点などについて知っておきたい情報を幅広く紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

臨月になるとお腹が下がる感覚とは

臨月になるとお腹が下がる?

臨月になるとお腹が下がる、という表現をよく耳にしますが、これは一体どのような感覚でしょうか?臨月になるとおなかが下がるのは、出産に備えておなかの赤ちゃんが徐々に下におりてくるため。赤ちゃんは出産が近づくと、ママのおなかから出てきやすいように体勢を整えていきます。

これにより子宮のてっぺん部分(子宮底)の位置が少し下がり、おなか全体が下にすとんと下がったような感覚を覚えます。これが臨月にお腹が下がる感覚。お腹が下がることにより、胃や肺への圧迫が減り、妊婦さんは少し体調が良くなったと感じます。

臨月にはお腹が下がるだけでなく、他にも妊婦さんの体にいろいろな変化が起こります。お腹が下がる、という感覚についてよく知るためにも、臨月の体の変化や赤ちゃんの様子をしっかり把握することが大切です。

臨月と出産について

臨月と出産について

臨月とは妊娠36週0日から39週6日目をさします。出産予定日は妊娠40週0日ですが、これはあくまでも予定、出産は予定日の前後に起こることがほとんどです。

妊娠37週目からは正期産と呼ばれる時期に入ります。正期産とは妊娠37週から41週までに出産があることを指します。正期産内での出産は、赤ちゃんとママにとって、もっともリスクの少ない出産といわれています。ちなみに37週目以前は早産、41週目以降の出産は過期産と呼ばれます。

臨月の赤ちゃんの様子

臨月の赤ちゃんの様子

臨月の赤ちゃんは体重が2800gから3400g程度になり、体長50cm前後にまで成長しています。体が大きく成長しているため、子宮内を動き回るスペースが減り、今までよりも胎動が少なくなったように感じられます。

胎動が少なくなったと感じられるもうひとつの原因は、赤ちゃんが出産に備えて頭をママの骨盤に固定するため。赤ちゃんは手足を体の前で組み、背中を丸くした体勢で、頭をママの骨盤にしっかりと固定していきます。

赤ちゃんは髪の毛も爪も伸びた状態で、体の表面を覆っていた胎脂も落ち、心臓、呼吸器、肝臓、泌尿器などすべての身体機能がほぼ完成します。

臨月にお腹が下がることによる影響とは?

上述したように臨月になり出産予定日が近づいてくると、赤ちゃんは頭をママの骨盤に固定する準備を始めます。臨月の赤ちゃんは体重も順調に増えているため、赤ちゃんの頭がママの骨盤にしっかり固定されていくと、子宮の重みが一気に下方向に移動。

このため子宮底(てっぺん側)は今までの位置よりも下がり、これにより胃のあたりがすっきりしたような感覚を覚えます。これが臨月のお腹が下がる感覚で、胃がすっきりした感じで食欲が沸いてきます。

お腹が下がることによる変化

お腹が下がることによる変化

臨月に入る前までは、大きくなった子宮に胃だけでなく、肺や心臓まで圧迫されています。胃が圧迫されることで、胃のむかつき、胸焼け、胃酸の逆流、動悸、息切れ、といったさまざまな不快症状がでて、辛い思いをする妊婦さんも少なくありません。

しかし臨月に入りお腹が下がり、子宮による圧迫がなくなると、上記の不快な症状が著しく軽減されます。妊娠8ヶ月頃になるとおなかの赤ちゃんの成長は目覚ましく、大きくなった子宮が胃腸を圧迫するために、いわゆる後期づわりと呼ばれる状態になります。

後期づわりの典型的な症状とは、食べ物を少しずつしか食べられない、吐き気を感じる、げっぷがたくさん出る、胸やけ・胃酸の逆流など。しかし臨月にお腹が下がると、胃への圧迫感がなくなるせいで、このような胃腸系のトラブルは激減。これまでよりも食欲が沸いてきた、食事が美味しく感じられるようになった、という妊婦さんが多くなることが特徴です。

胃、肺、心臓といった場所への圧迫は少なくなりますが、反対に子宮の重みは膀胱や足の付け根、恥骨のあたりに強くかかります。このため頻尿や尿漏れに悩まされる妊婦さんも増えてきます。

臨月のもうひとつの特徴は、便秘や下痢などの症状が出やすくなること。お腹が下がると膀胱だけでなく、大腸にも圧迫を与えます。これにより便秘や下痢といったマイナートラブルも生じやすくなります。

胎動の変化

胎動の変化

臨月にお腹が下がることにより生じるもうひとつの変化が、赤ちゃんの胎動。それまでは頻繁に感じられていた胎動が弱くなった、少なくなった、と感じる妊婦さんが増えてきます。

赤ちゃんが頭をママの骨盤にぴったりとつけて、安定した体勢を取りますので、それまでに比べると胎動が少し落ち着いた感じを受けます。臨月になると赤ちゃんの体が大きく成長し、子宮の中で動きまわるスペースが減ることも、胎動が弱まったという感覚に拍車をかけます。

しかし臨月に入ったからといって、胎動がなくなるわけではありません。あくまでも以前に比べると、少し弱まった程度ですので注意してください。

臨月にお腹が下がったときに注意したいこととは?

臨月にお腹が下がることによって起こる変化はさまざま。胃のもたれやむかつき、動悸や息切れといった不快な症状は緩和されますが、頻尿や尿漏れ、足の付け根の痛みといった問題も新たに生じます。

臨月にお腹が下がったときに注意したいポイントとはどんなものでしょうか?

食べすぎに注意すること

食べすぎに注意すること

お腹が下に下がることで胃への圧迫がなくなることから、大多数の妊婦さんは臨月になると食欲の増進を感じます。食欲が出るのはいいことですが、臨月でもやはり食べすぎはNG。食欲があるからといって節制なく食べてしまうと、急激な体重増加につながります。安産を目指すためには、臨月に入っても気を抜かずに体重管理をきっちり行うことが大切です。

また食べすぎのため腹痛や下痢になると、おなかが張る原因にも。臨月だからこそ、体重管理や食事内容にはより一層気をつけるようにしましょう。

胎動に注意を

胎動に注意を

臨月にお腹が下がると、これまでとは胎動の感じ方が変わってきます。臨月になると胎動はそれまでよりも少なく感じられる傾向にあります。また胎動を感じる位置も定まることが多くなります。

妊娠後期の半ば頃までは、子宮内に赤ちゃんが自由に動きまわれるスペースがあるため、ママのおなかの中で赤ちゃんがぐるりと回転することもよくありますが、臨月になると赤ちゃんがころころと位置や体勢を変える、ということはあまり見られなくなります。

赤ちゃんが出産に備えて、産道をとおりやすいように体勢を整えることが、胎動の変化の原因。手足を大きく伸ばしたり、くるりと回転する動きはなくなりますが、それでも赤ちゃんの動きは必ず胎動として感じられます。

臨月に入っても胎動カウントは引き続き行う必要がありますので、面倒と思わずにきちんと胎動カウントを記録していきましょう。胎動カウントをいつから行うかに関しては、病院や医師の方針によって異なりますが、多くの病院では妊娠34週頃から胎動カウント表に記入するよう勧めます。

頻尿の対処法

頻尿の対処法

赤ちゃんが下のほうにおりてくるため、膀胱や足の付け根に痛みを感じることも臨月の特徴のひとつ。頻尿や尿漏れも起きやすく、夜間に何度もトイレに行くために寝不足になる妊婦さんもいます。尿漏れに関しては破水と区別がつかずに、病院に連絡したほうがいいかどうか、迷ってしまう妊婦さんもいるようです。

臨月の頻尿や尿漏れはやむを得ないことで、予防することはできません。頻尿や尿漏れの症状があらわれたら、尿漏れパッドやおりものシートなどの利用も考えてみましょう。

臨月にお腹が下がるのは出産の兆候?

臨月にお腹が下がるのは出産の兆候?

子宮頚管は出産が近づくまではしっかりと閉じています。出産予定日が近づくと赤ちゃんの頭が骨盤の中にしっかり入り、子宮頚管をじわじわと押し広げ、開いていきます。お腹が下がる感覚があったら、赤ちゃんの頭が骨盤に入り込み、子宮頚管を少しずつ広げようとしている、と考えていいでしょう。

臨月にお腹が下がるのは出産の兆候といわれるのは、このことに原因があります。出産の三大兆候とは、おしるし、陣痛、破水ですが、お腹が下がるという感覚は三大兆候よりも前に起こります。お腹が下がったからといってすぐに陣痛が来るわけではありませんが、赤ちゃんも妊婦さんの体も出産に向けて徐々に準備を整えていることを意味します。

子宮頚管の成熟について

子宮頚管が出産に適した状態になることは、子宮頚管成熟と呼ばれています。子宮頚管の熟度は柔らかさ、開き具合、そしてどのくらい薄く伸びているかであらわされ、臨月の内診ではこれらがチェックされます。子宮頚管は適切な時期に成熟することが必要で、早すぎる場合には子宮頚管無力症、遅すぎると子宮頚管熟化不全という状態になります。

赤ちゃんの頭が骨盤の内に入っていく時期が遅くなると、赤ちゃんの頭が大きくなりすぎてしまい、ますます骨盤の内に入りにくくなります。赤ちゃんの頭の重みがかからないため、子宮口は開きにくく、硬いまま。子宮頚管や膣が硬く伸びが悪いまま、分娩が起こる状態は、軟産道強靭と呼ばれています。

臨月にお腹が下がらない理由とは?

臨月になるとお腹が下がると聞いていたのに、一向に下がる気配がない。臨月に入ってもお腹が下がらないと、何か問題が生じているせいなの?と不安を感じてしまいます。臨月にお腹が下がらない理由についてみていきましょう。

児頭骨盤不均等

児頭骨盤不均等

児頭骨盤不均等とはママの骨盤の大きさと赤ちゃんの頭の大きさが釣り合わず、そのままでは膣分娩が困難な状態を指します。

妊婦さんが低身長の場合や骨盤が小さい場合は、児頭骨盤不均等になるリスクがあり、臨月の妊婦健診では慎重に検査が行われます。赤ちゃんの頭が骨盤と同じ、あるいは大きい場合には、膣分娩を行うことが不可能なので、計画帝王切開が予定されます。

児頭骨盤不均等は、ママの骨盤が標準よりも小さい場合もあれば、赤ちゃんの頭が標準よりも大きく成長している場合もあります。

臨月にお腹が下がらないときの対処法

出産予定日が近づいてもお腹が下がらないときの対処法についてみていきましょう。正期産で安産を目指すために気をつけたいポイントとはどんなものでしょうか?

歩くことを心がける

歩くことを心がける

早産を避けるためにも、妊娠後期は安静に過ごしたほうがいい、といわれていますが、臨月に入って体をまったく動かさないのは問題です。疲労感を感じるような激しい運動はNGですが、臨月でも毎日必ず率先して体を動かすことが大切です。

毎日一定の時間散歩する、軽い体操を行う、雑巾がけをするなど、臨月に行ったほうがいいことはたくさんあります。体調に気をつけながら、無理をしない範囲で体を動かすようにしましょう。

体重の増えすぎに注意

体重の増えすぎに注意

臨月に体重が増えすぎるのも望ましくありません。体重が増えすぎると産道に脂肪がついてしまい、難産になるおそれがあります。臨月に入ったからといって油断せず、体重管理は厳重に行うようにしましょう。

お腹が下がる感覚がなくても陣痛はくる?

お腹が下がる感覚がなくても陣痛はくる?

お腹が下がるという感覚がないにも関わらず、おしるしや陣痛が来た、という妊婦さんもいます。お腹が下がるという感覚があるかどうかは、妊婦さんの感じ方や体格、出産までの経緯にもよります。お腹が下がる感覚がなくても、病院での内診や検査で子宮頚管の成熟度は順調です、といわれたら心配する必要はありません。

まとめ

臨月のお腹が下がる感覚について知っておきたいポイントをご紹介しました。臨月になり出産予定日が近づくと、赤ちゃんが出産に備えて頭をママの骨盤に入れようとするため、お腹の位置がすとんと下がります。

お腹が下がったということは、出産ももう間近というしるし。お腹が下がるだけでなく、出産が近づくと他にもいろいろな兆候があらわれます。臨月になったらいつ陣痛が起きてもおかしくありません。出産の兆候や体の変化を敏感に察知できるよう、日頃からいろいろな知識を得ておくようにしましょう。

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