妊娠超初期~妊娠初期のめまいについて知っておきたいこと

妊娠超初期~妊娠初期のめまいについて知っておきたいこと 症状 原因 対処方法 など 妊娠初期

妊娠初期には体にさまざまな変化が起こります。だるさ、熱っぽさ、眠気、吐き気、胃痛、腹痛など、妊娠初期にみられる症状は多種多様。どんな症状が、どのくらいの頻度・度合いであらわれるかは、一人一人の妊婦さんによって異なります。

妊娠初期というと、吐き気やむかつきなどのつわりの症状をいちばんに思い浮かべますが、これ以外の症状がないわけではありません。めまいや立ちくらみといった症状もそのひとつで、妊娠前にはなんともなかったのに、妊娠を機に急にめまいや立ちくらみといった症状があらわれることがあります。

妊娠初期のめまいについて、その原因から対処方法まで、妊娠初期を出来るだけ快適に乗り切るためにも、妊娠初期のめまいの対処法などについて幅広くご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。

妊娠初期のめまいの症状

妊娠初期のめまいの症状

妊娠初期の症状というと、吐き気、嘔吐、眠気、だるさなどがその典型パターンですが、吐き気とともに立ちくらみやめまいを感じるいう妊婦さんもいます。妊娠初期は妊娠に伴うホルモンバランスの変化により、体調に変化が起きやすい時期。めまいや立ちくらみは妊娠初期に起こるさまざまな不調のひとつといえそうです。

妊娠初期のめまいや立ちくらみはつわりの一種ともいえるでしょう。吐き気や眠気に加えて、頭痛、腹痛、だるさ、めまいなど、妊娠前には感じなかったさまざまな不調に悩まされる妊婦さんも多い時期です。

妊娠初期のめまいの原因とは?

妊娠初期のめまいの原因とは?

妊娠初期とは妊娠が成立してから15週目までをあらわします。妊娠初期のめまいにはいくつかの原因が考えられます。

どれかひとつだけが原因というよりも、いろいろな原因・要素が絡み合って、妊娠前には見られなかった症状があらわれるようになります。

妊娠に伴うホルモン分泌の変化

妊娠に伴うホルモン分泌の変化

女性の生理機能を司る女性ホルモン。プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)は、生理周期にしたがって規則的に分泌量を増減させています。

プロゲステロンも、エストロゲンも妊娠の成立および継続に欠かせないホルモンですが、妊娠中は妊娠前とはホルモンの分泌量に変化が起こります。妊娠を機に変化するホルモンバランス、妊娠初期の体調の変化や不調の原因のひとつはこのことにあります。

プロゲステロンの分泌量の変化

プロゲステロンは妊娠を助けるホルモンと呼ばれ、妊娠の成立と継続に重要な役割を果たします。プロゲステロンの分泌量は排卵後に急激に増加し、その後妊娠が成立しなかった場合、生理が始まる少し前から急激に減っていきます。

妊娠が成立した場合はどうかというと、分泌量は増加したまま。妊娠が成立するとプロゲステロンのはたらきが顕著になり、その影響を受け、体にさまざまな変化があらわれます。

女性ホルモンの分泌変化とめまいの関係とは?

女性ホルモンの分泌変化とめまいの関係とは?

女性ホルモンの分泌をコントロールするのは脳の視床下部ですが、この部分は自律神経のバランスもコントロールしています。

月経前や妊娠、出産を機に女性ホルモンの分泌に大きな変化があると、自律神経のバランスも崩れてしまいます。めまいや立ちくらみの原因の一端は、自律神経のバランスの乱れにあると考えられます。

貧血によるめまい

貧血によるめまい

妊娠すると貧血の症状が出やすくなります。妊娠により貧血が生じるその仕組みについて見ていきましょう。

貧血になるとめまいに加えて、息切れ、動悸、倦怠感、立ちくらみ、頭痛、耳鳴りといった症状も生じます。

妊娠による血液量の増加

血液量の増加

妊娠すると体内の循環血液量や細胞間質液は増加しますが、このとき血球成分の増加量よりも、血漿の増加量が多く、そのため血液が希釈、すなわち薄まった状態になります。血漿量の増加は妊娠初期から始まり、妊娠後期に最大に達します。

血漿量が妊娠前に対して増加するのに対して、赤血球の増加量はこれよりもずっと少ないため、結果的に血液が薄まった状態が生じてしまいます。

循環血液量の増加は妊娠前に比べると約4割近く増加し、分娩時までそのままの状態が保たれます。これは妊娠水血症(血液希釈)と呼ばれる貧血で、妊娠中に特有な見かけ上の貧血になります。

鉄欠乏症貧血

鉄欠乏症貧血

妊娠中はおなかの赤ちゃんに優先的に栄養分が送られるため、鉄分が欠乏してしまうことがあります。女性は妊娠していない状態でも貧血になりやすい傾向にありますが、妊娠中はさらに鉄欠乏性貧血にかかりやすくなっています。

妊娠中は意識して鉄分を補給しなければ、貧血に陥ってしまいます。症状が軽い場合にはおなかの赤ちゃんに影響が及ぶことはほとんどありませんが、症状がひどい場合には母体・胎児両方に問題が生じるおそれがあります。妊娠前から貧血気味の方は、食生活を改善する努力を行っておきましょう。

鉄欠乏性貧血の兆候とは?

鉄欠乏性貧血の兆候とは?

鉄分不足になっているかどうかは、妊婦健診での血液検査でチェックされますが、健診以外のときでも妊娠中は普段から意識して自分の体の状態を観察することが大切です。

貧血は症状が軽度の場合、自覚症状がほとんどなく、自分ではなかなか気がつきにくいという特徴があります。

めまい以外に注意したい症状としては、倦怠感、寝起きの悪さ、体のだるさ、息切れ、動悸、眠気、頭痛など。このような症状に心当たりがある方は、定期健診の際に必ず医師に相談するようにしましょう。

つわりによる体調不良

つわりによる体調不良

妊娠初期のつわりの症状による体調の悪化も、めまいや立ちくらみの原因として考えられます。つわりによる嘔吐や吐き気に加えて、体のだるさや倦怠感など、妊娠初期は身体的な不調が出やすい時期。

これが初めての妊娠の場合、当然つわりの経験もなく、つわりに対する対処法を心得ていないため、著しく体調を崩してしまうことがあります。

妊娠に伴う体と心の変化に上手に対処できずに、精神的な疲れやストレスを感じ、これが原因で自律神経を乱すことも、つわりの症状の悪化に拍車をかけて原因です。

低血糖が原因によるめまい

低血糖が原因によるめまい

低血糖とは、血液中に含まれる糖が低下した状態を指し、疲れや眠気・集中力の低下・食欲不振、そしてめまいなどを引き起こします。特に妊娠中は低血糖になりやすいと言われていますが、それはホルモン分泌とつわりに関係があります。

妊娠すると女性ホルモンのエストロゲンの分泌が増えますが、エストロゲンにはインスリンの働きを高める機能があります。よって、いつもと同じ量を食べても低血糖になりやすいのです。

それから、つわりで食べられるものが減ってしまうと必然的に血糖値が低い状態になり、よって低血糖によるめまいが現れます。特に低血糖とつわりの症状は同じなため、つわりだと思っていた症状が、実は低血糖が原因だったということも少なくありません。

妊娠初期のめまいの対処法について

妊娠初期のめまいの対処法について

妊娠初期のめまいの原因についてみてきましたが、今度はその対処法について考えてみましょう。めまいや立ちくらみが頻繁にあると、そのはずみで転倒するおそれもあります。

妊娠初期は流産が起こりやすい時期。めまいが起こったときは、落ち着くまでその場に座るようにしましょう。

鉄分を十分に取る

鉄分を十分に取る

めまいのいちばんの原因は鉄分不足による貧血。妊娠中の鉄分不足はおなかの赤ちゃんにも悪影響を与えるおそれがあります。鉄分不足かどうかは血液検査によって診断することが出来ます。

医師に鉄分不足と診断されたら、毎日の食事に鉄分を豊富に含む食材を積極的に取り入れしまょう。鉄欠乏症の治療はその程度によって決められます。食事療法に加えて鉄剤の服用が基本的な治療法になりますが、場合によっては漢方薬による治療も行われます。

漢方薬による治療が行われるのは、鉄剤を服用したために下痢や便秘、胃もたれやむかつきが生じる場合。女性はもともと貧血になりやすいので、これから妊娠を希望している方も、普段から鉄分を多く含む食材を積極的に取り入れるようにしましょう。

鉄分を多く含む食べものについて

鉄分を多く含む食べものについて

鉄分には植物性と動物性のものがあります。動物性のものヘム鉄と呼ばれ、肉や魚に多く含まれています。植物性の鉄分は非ヘム鉄と呼ばれ、卵、乳製品、ほうれん草などの野菜に多く含まれます。

ヘム鉄は体内での吸収率が良く効率的に鉄分を摂取できます。非ヘム鉄ですが、タンパク質やビタミンCと一緒に食べることにより、吸収率をあげることができますので、両方をバランスよく取り入れるようにしましょう。

鉄分だけでなく、葉酸、ビタミンB6、B12といった造血作用のある栄養素も忘れずに摂取することをお勧めします。妊婦貧血にかかっていない方でも、予防の意味で鉄分を多く含む食材を普段から意識的に食べるようにしましょう。

急に立ち上がらないようにする

急に立ち上がらないようにする

めまいが頻繁にする場合には、どんな場合でも急に立ち上がらないように注意しましょう。めまいがしたら無理せず、落ち着くまでその場にじっと座るようにします。

急に立ったり座ったりを繰り返すと、めまいがさらにひどくなります。動作はゆっくりを心がけ、休息を取りながら家事や仕事をするようにしましょう。

自律神経のバランスを整える

自律神経のバランスを整える

つわりで気持ちが悪いからといって、一日中家の中にこもっていると自律神経のバランスはさらに崩れてしまいます。気分が良いときには戸外で日光を浴びるようにすると、崩れている自律神経のバランスを取り戻すことができます。

妊娠初期は流産のリスクがもっとも高い時期なので、無理は禁物ですが、体調が良いときには散歩や軽い運動をして気分をリフレッシュさせましょう。

めまいがひどいときは必ず医師に相談する

めまいがひどいときは必ず医師に相談する

めまいがひどい場合には必ず医師に相談しましょう。たかがめまいと甘く見ていると、鉄欠乏性貧血の症状が悪化してしまい、鉄不足の改善に時間がかかってしまいます。

妊婦さんの約四分の一の方がかかるともいわれているほど、誰でもかかる可能性のある症状ですので、気になることがあれば早めに産婦人科で相談するようにしましょう。

妊娠超初期のめまい

妊娠超初期のめまい

妊娠超初期とは、排卵日以降生理予定日あたりまでの時期を指します。これは正式な医学用語ではありませんが、妊活を行っている方や妊娠を待ち望んでいる方の間でよく使われる言葉です。

妊娠週は最後の生理が始まった日を起点に数えますので、着床が成立するのは早い場合で妊娠3週目から。ホルモン分泌の変化に対する感受性の高い方は、この頃から妊娠の兆候を感じ取るといわれています。

妊娠4週目とは妊娠していなければ次の生理が始まる時期で、生理予定日の一週間後、すなわち妊娠5週目になると、市販の妊娠検査薬を利用することが出来るようになります。つまり妊娠超初期とは着床成立後生理予定日あたりまでの時期を指します。

妊娠超初期のめまいは妊娠の兆候?

妊娠超初期のめまいは妊娠の兆候?

着床が成立したからといって、すべての女性が妊娠超初期に妊娠の兆候を感じるわけではありませんが、体の変化に敏感な方やホルモンに対する感受性の強い方の中には、この時期に普段とは違う症状を感じる方もいるようです。めまいもそんな症状のひとつ。

他には腰のだるさや痛み、胸の張り、頭痛、熱っぽさ、ほてり、匂いに敏感になる、下痢や便秘、眠気など、妊娠超初期の症状は様々です。

生理前にこのような症状があらわれると、もしかして妊娠したのでは?と期待してしまいますが、本当に妊娠しているかどうかは、生理予定日の一週間後以降でなければはっきりしません。

妊娠超初期の症状なのか?月経前症候群なのか?

妊娠超初期の症状?月経前症候群?

めまいをはじめ、上に挙げた症状はどれも生理前の症状に似ています。生理前に心と体に起こるさまざまな不調は月経前症候群(PMS)と呼ばれています。

月経前症候群に関しては、いまだにはっきりとした医学的な原因が見つかったわけではありませんが、妊娠の兆候同様、これらもまた女性ホルモンの分泌の変化がなんらかの形で作用していると考えられています。

生理予定日の一週間前から数日前にかけて、上に挙げた症状があった場合、妊娠の兆候なのか、それとも月経前症候群なのか、その時点でははっきりと断定することはできません。妊娠超初期のめまいは妊娠の兆候の可能性もありますので、慎重に体調を見守り、基礎体温を測り続けるようにしましょう。

妊娠の兆候にしても、月経前症候群にしても、風邪の引き始めの諸症状に似通った点があります。少しでも妊娠の可能性がある場合には、軽々しい気持ちで市販薬を服用したりすることがないよう、十分に注意しましょう。生理予定日を過ぎても基礎体温の高温期が続く場合には、その後一週間から10日後を目安に産婦人科で一度診察を受けるようにしましょう。

まとめ

妊娠超初期・妊娠初期のめまいの症状について知っておきたい情報をご紹介しました。妊娠初期の症状は一人一人異なり、どのような症状が出るかはそのときになってみないとわかりません。妊娠初期にめまいが頻繁に起こる場合には、産婦人科できちんと検査および診察を受け、その原因を特定した上で必要な治療を受ける必要があります。

妊娠超初期のめまいはその段階では果たして妊娠の兆候なのか、それとも月経前症候群なのか、自己判断で断定することはできません。産婦人科で診察と検査を受けられるようになるまで、慎重に体調と体の変化に注意を払うようにしましょう。※参考 日本産婦人科学会 正常妊娠経過の概要