妊娠が成立すると、妊婦さんの体はおなかの赤ちゃんの成長とともに刻々と変化していきます。妊娠初期はまだおなかのふくらみは目立ちませんが、子宮は日ごとに大きさを増していき、体つきが全体的に丸みを帯びふっくらとしていきます。
妊娠初期の段階ではまだまだ妊婦さんらしい体つきとはいえませんが、それでも胸やおなか周りは妊娠前に比べると厚みを増しています。妊娠に伴う体の変化に対応するには、下着をはじめ服装全体について工夫を凝らす必要があります。
妊娠初期はおなかの赤ちゃんの臓器や身体器官が形成される大切な時期。妊娠初期の服装はどんな点に注意しなければならないのか?妊娠初期の服装として適しているのはどんなものか?妊娠初期の服装について知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。
妊娠超初期から妊娠初期の体の変化と服装について
妊娠超初期や妊娠初期は流産の可能性のもっとも高い時期。妊娠初期の早い時期での流産のほとんどは胎児側にあるといわれていますが、妊娠が判明した以上、日常生活を送る上でいろいろと注意しなければならないことがあります。
服装もそのひとつで妊娠前よりも胸やおなか周り、下半身全体が一回りも二回りも大きくなる妊娠中は当然服装も変えることになります。
マタニティウェアについて
マタニティウェアはおなかが大きくなってくる妊娠中期から臨月にかけて着るもの、という思い込みを持っている妊婦さんもいるようですが、マタニティウェアとはは妊婦さん用に作られた服。妊娠初期から臨月まで、妊婦さんが快適に過ごせるように工夫された衣服をマタニティウェアと呼んでいます。
マタニティウェアの特徴とは?
マタニティウェアの特徴は、おなか回りがゆったりとしていること、体を締め付けないデザイン、肌への刺激の少ない柔らかい素材を使っていることなど。これらに加えて、出産後も使用できるように授乳に適したデザインになっているものもあります。
ワンピースやパンツだけでなく下着や小物まで、マタニティウェアの種類やタイプはさまざま。マタニティウェアとして作られたものでなくても、おなかや下半身を締め付けず、ゆったりと着られる服であれば差し支えありません。
妊娠初期の時期とお腹のふくらみ
妊娠初期とは妊娠4週から15週目まで、妊娠2ヶ月から4ヶ月までの期間を指します。妊娠初期におなかが目立ってくることはありませんが、妊娠4ヶ月目になると体つきが全体にふっくらとし、おなかにふくらみが出てきます。
妊娠4ヶ月目末のおなかの赤ちゃんの大きさは、身長16cm前後、体重は100gまでに成長しますので、この頃になると妊娠前とは体つきがかなり変わってきます。
妊娠初期の服装 変える?変えない?
妊娠初期の段階で締め付けや違和感がなければ、現在お使いの物でも問題はありません。妊娠中期からはさすがにお腹が大きくなりマタニティウェアが必要となります。
しかし、まだまだおなかは大きくなっていないもの、胸やおなかは徐々にふくらみを見せていますので、妊娠前の下着や服では合わないこともあります。
妊娠初期の服装を選ぶ際に注意したいポイントについて挙げてみましょう。妊娠中の服装はまずインナーやボトムからマタニティタイプにしていくことが基本。まずはブラジャーやショーツから替え、その後ワンピースやパンツ、スカートへと進んでいくといいでしょう。
インナートップを選ぶ際の注意点とは?
妊娠を機に分泌量が増える女性ホルモンは、妊娠の継続だけでなく、出産後の授乳に備えて乳腺を発達させます。このため妊娠が成立すると胸に痛みや張りを感じたり、乳首が敏感になったりします。
乳腺が発達するため、バストサイズは妊娠前よりも大きくなりますので、それにあわせて妊婦さん向きのものに替えていくことになります。
妊娠初期のブラジャーの選び方
マタニティブラジャーとして販売されているものは、カップやワイヤーが乳腺を刺激しないように出来ています。
それでも締め付けがつらい場合は、スポーツタイプのブラや優しくバストを支えてくれるハーフトップにするとも肩こりの予防・改善にもつながります。
パッド付きのキャミソールなら、ブラジャーを付ける必要がなく、これ一枚でブラと肌着を兼ねますので脱ぎ着の際にも面倒がありません。また産後の授乳にも使えるタイプもあります。
インナーショーツを選ぶ際の注意点とは?
ショーツなどの下着も妊娠初期から必ずしもマタニティ下着にする必要はありませんが、おなかを優しく包み込むタイプがお勧め。注意するポイントをいくつか挙げると、ゴムが子宮を締め付けないこと、おなかを冷やさない素材を使っていること、肌への負担が少ないこと、ローライズタイプのように妊婦健診の際に便利なことなど。
おなかや腰の冷えは腰痛につながりますので、下着は暖かく、肌への刺激の少ないタイプを選ぶようにしましょう。マタニティインナーは妊娠期間中しか使えないので無駄、と思っている方もいるかもしれませんが、出産後もすぐには体型は元に戻りません。マタニテイインナーのほとんどは、出産後も使用できるようにデザインされていますので、産前・産後用として用意しておいても損はありません。
マタニティスカート・ボトムスを選ぶ際のポイントとは?
妊娠3ヶ月目まではおなかのふくらみもほとんどありませんが、妊娠4ヶ月目になるとそろそろマタニティスカート・パンツの着用を考える時期に入ります。妊娠初期のおなかのふくらみには個人差があり、体格の良い大柄な妊婦さんよりも、痩せ型で小柄な妊婦さんのほうが、おなかのふくらみが目立ちやすい傾向にあります。
妊娠4ヶ月ではまだおなかのふくらみがはっきりとは分からないかもしれませんが、これから妊娠週が進むにつれておなかはますます大きくなっていきます。妊娠初期の後半に入ったら、そろそろボトムスについても考えておくようにしましょう。妊娠初期に相応しいボトムスについて考えてみましょう。
おなかをしっかりと包んでくれるボトムス
スカートでもパンツでも、妊娠中のボトムスはおなかをしっかりと包んでくれるものを選ぶようにしましょう。
スカートやパンツを選ぶ際に注意したいことは、まずおなかをしっかり包んでくれること、大きくなるおなかに合わせて調節が出来ること、おなかを締め付けないこと、はいたときにずり落ちない工夫がされていることなど。ウエストにアジャスターが付いているかどうか確認しておきましょう。
最近のマタニティウェアは機能性だけでなく、デザイン性に優れていますので、妊娠中でもきちんとおしゃれを楽しむことが出来ます。インナー同様、出産後にもはけるものばかり。季節や好みに合わせて、スカート・パンツ両方用意しておきましょう。
履き心地の良いボトムスを選ぶ
ジーンズやデニムの他にも、伸縮性のある素材で出来たレギンズやタイツを用意しておくと、トップやワンピースとのコーディネートが簡単に出来て着まわしがききます。妊娠中も働いている方にはマタニティストッキングもお勧め。
スカートを選ぶ際には、おなか周りはギャザーやタックでゆったりしたものが最適です。市販されているマタニティスカートは種類もタイプも豊富なので、パンツ同様コーディネートしやすいものをいくつかそろえておきましょう。
機能性とファッション性を兼ねたマタニティウェア
マタニティウェアといっても現在ではファッション性が高く、おなかの部分以外はごく普通のスカートやパンツと変わらないものばかり。
妊娠中だけでなく出産後もはけるデザインになっていますので、コスパ的にも優れているといえそうです。妊娠・後期・臨月そして出産後にもはける可愛いデザインのものが人気です。
胸、おなか、腰周りがゆったりした服を選ぶ
マタニティウェアとして販売されている服はどれも、妊娠中の女性の体の変化やニーズに応える形で作られています。妊娠初期からマタニティウェアを利用する方もいますが、手持ちの服や普通の服の中から妊娠中に適しているものを選んで着る方もいます。
一般的な服を選ぶ際のポイントは、胸、おなか、腰周りがゆったりしたものを選ぶこと。他にはウエストサイズが調整できるもの、伸縮性のある素材を使ったもの、保湿性のあるものなど、妊娠中を快適に、楽に過ごせるものを選びましょう。
ハイヒールは避けるべき?
おなかが前に大きくせり出してくる妊娠後期には、転倒を防ぐためにハイヒールをはかないほうがいいといわれれていますが、これは妊娠初期にも当てはまるのでしょうか?
妊娠中は万が一のことを考え、靴は歩きやすさや足先へのフィット感を優先して選びます。ハイヒールやピンヒールはなるべく避けるほうが安心ですが、絶対に履いてはいけないというわけではありません。
妊娠中のヒール着用について
妊娠中でも結婚式やパーティにヒールを履いて出席する妊婦さんは大勢います。このようにやむを得ない状況によりヒールを履く際には、ピンヒールやハイヒールは避け、ローヒールにしたほうが転倒のリスクは少なくなります。
妊娠前からヒールの靴を毎日履いていた方にとっては、妊娠中にもヒールを履くことに違和感はないでしょうが、その場合もリスクを考慮に入れ、なるべく低めのヒールにしたほうが安心です。妊娠前からフラットな靴を履いていた方は、妊娠中にいきなりハイヒールを履くのは控えましょう。
ハイヒールは転倒のおそれがあるだけでなく、腰痛の原因にもなります。妊娠中は腰痛が起こりやすいので、その上さらに腰に負担をかけることは出来るだけ控えましょう。
一枚多めに羽織るものを用意しておく
妊娠中に体を冷やすことは絶対に禁物。体の冷えは血行不良につながり、その結果むくみやだるさが悪化します。妊娠中は女性ホルモンのはたらきにより、体が水分や栄養分を溜め込みやすくなっています。妊娠中はどんなときでも体、とくにおなかや腰、足先・手先、ふくらはぎや足首など、むくみやすい部分を冷やさないように気をつけましょう。
職場で一日中冷房に当たって仕事をしている方は、厚めの靴下やストッキング、膝掛け、カーディガンなどを常に用意しておきましょう。手足が冷えやすい方はスカートの場合はレギンズやタイツを組み合わせるといいでしょう。さっと羽織れるジャケットやカーディガンがあると、コーディネートの幅も広がります。
前開きで脱ぎ着しやすいもの
妊娠初期はホルモン分泌の影響で熱っぽさやほてりを感じることもあります。気温の変化に敏感になりやすく、急に寒気を感じたかと思うと、吐き気がするほどのほてりを感じることもあり、毎日の洋服選びに悩んでしまいます。
カーディガンなどの羽織るものを選ぶ際には、体温調節がしやすいように前開き・前ボタンでさっと脱ぎ着できるものにしましょう。前開きでないものは体温が逃げにくく、熱が体にこもってしまい、妊娠初期のつわりの症状を悪化させる原因にもなります。羽織るものは前開きのものを選びましょう。
妊娠中アクセサリーはかぶれる場合も
妊娠するとホルモン分泌が急激に変化するのは皆さんご存知と思われますが、その影響は様々な部分へ現れます。上に述べたように肌が敏感になったり、アレルギーを発症することもあります。特に妊娠中から産後にかけて金属アレルギーになって、指輪やピアスをつけられなくなったという妊婦さんも多いようです。
普段は問題なかったのに、急にアクセサリーに触れている肌がかゆくなったり蕁麻疹のようなものが発生する時は、すぐ外しましょう。外して症状が治まるなら良いのですが、そのまま症状が続くようならかかりつけの産婦人科もしくは皮膚科を受診し、妊娠中でも使える薬を処方してもらうと良いでしょう。
妊娠超初期の時期
妊娠初期とは妊娠が成立する妊娠4週目から15週目までを指しますが、これよりも早い時期のことを妊娠超初期と呼びます。妊娠週の数え方は最終月経を元に行います。
すなわち妊娠0週0日目は最終月経が始まった日で、排卵日に受精が成立したとすると、妊娠3週目頃には受精卵が子宮内膜に着床します。
受精・着床が起こる時期
妊娠超初期とはちょうど受精・着床が成立したものの、まだ市販の妊娠判定薬が使えない時期を指します。妊娠週でいうと妊娠3週目から4週目頃。標準的な妊娠検査薬が利用できるのは、生理予定日の一週間後以降、病院での検査は早くても4週目の終わりから、一般的には5週、6週目以降になります。
妊娠超初期の服装とは?
妊娠超初期とは、このようにまだ妊娠が確定できない時期を指します。この時期にはまだ服装のことで悩む必要はありません。この時期はまだ体の外側には変化は見られません。
服装について配慮する必要が生じるのはもっとずっと後です。妊娠を望んでいる方はこの時期は気持ちをリラックスさせ、ゆったりとした気分で過ごすことが大切です。
この時期に限ったことではありませんが、普段から冷え性やむくみの改善に努め、月経周期を整えていくことも妊活の一環。下半身を大きく露出する服装は足元や腰まわりを冷やしてしまいますので、出来るだけ控えましょう。
まとめ
妊娠超初期・妊娠初期の服装について注意したいポイントなどを情報をご紹介しました。過去にはマタニティウェアといえば、ファッション性やデザイン性のない、妊婦さんが着るセンスのない大きいだけの服、といったイメージもありましたが、現在では事情は一変しています。
妊娠中に着られるだけでなく、出産後の授乳にも対応した機能性・デザイン性の高いものばかり。インナー、トップス、ボトムス、アウター、小物とマタニティウェアは種類もタイプも選り取り見取り。本格的なマタニティウェアの出番はまだまだ後ですが、妊娠初期から替えていったほうがよいものもあります。妊娠初期でも胸やおなかを締め付けない、ゆったりした服装を選ぶことがポイントです。