40代の妊娠・出産について知っておきたいこと リスクは?

妊娠前

仕事をバリバリしていたら、あっと言う間に30歳半ばを過ぎ、そろそろ結婚しようと婚活して意気投合した男性と38歳で結婚。気づけばもうすぐ40歳。

子供を出産するのにはギリギリの年齢かもしれないと感じている女性は、実はたくさんいらっしゃいます。実際に30歳を過ぎて婚活を始めると、出会いから結婚するまでに時間がかかるため、結果的に子供を産もうとする状況になるのが30代後半から40代にかけてになるのです。

年齢はギリギリかもしれないけれど、自分たちの子供は欲しい!という女性に向けて、40代の出産について詳しくご紹介していきたいと思います。

妊娠年齢 40代という壁

妊娠年齢 40代という壁

妊娠と出産は、20代~30歳にかけてがベストだと言われています。35歳を過ぎると高齢出産と呼ばれるようになり、40歳を過ぎるとさらに妊娠の確率は下がっていきます。

実際に35歳を過ぎると卵子の老化が始まり、40歳を過ぎるとさらに老化が加速するため、妊娠しにくい状態となっているのです。

高齢出産と呼ばれる30代のうちはまだ妊娠する確率は高いままですが、40歳を過ぎると急激に確率が下がるため、大きな壁と考えられているのです。

40代妊娠出産のリスク

40歳で赤ちゃんを出産しようと思うなら、さまざまなリスクを覚悟しておく必要があります。

流産しやすい40代

流産しやすい40代

流産する確率は高いと思った方が良いでしょう。40歳の妊娠で流産する確率が高いのは、卵子の老化が関係しています。初期流産のほとんどに染色体異常があるため引き起こされていると言われており、染色体異常の原因としては、卵子の老化が関係しているのです。

40歳を過ぎると、健康な卵子が排卵される確率が下がるため、せっかく妊娠しても流産しやすいという傾向があります。

赤ちゃんがダウン症のリスクがある40代

赤ちゃんがダウン症のリスクがある40代

染色体異常は、初期流産を引き起こすだけでなく、ダウン症を持った赤ちゃんとして生まれてくる可能性もあります。よく、高齢出産だとダウン症の確率が上がると言われています。しかし、ダウン症は年齢に関係なくどのお母さんからも生まれてくる可能性があります。

健康な卵子の維持が難しい40代

健康な卵子の維持が難しい40代

40歳以上になると健康な卵子が排卵される確率が下がってきます。しかし、全く排卵されないというわけではありません。きちんと状況を整えておけば、健康な卵子をキープすることができるでしょう。40歳を過ぎているからこそ、身体にはさまざまな不具合が出てきます。

仕事においても立場のあるポジションを任されますし、さまざまなプレッシャーをかけられることもあるでしょう。また、社会で働いている以上、大なり小なり何かしらのストレスは抱えているものです。しかし、身体が不健康な状態であるのに、卵子だけが正常に排卵されるということはありません。

身体に不調があればあるほど、排卵は不定期になるでしょう。生理周期が乱れれば、妊活をしていても受精できる確率は下がってしまいます。少しでも妊娠の確率をあげたいなら、心身ともに健康であることが第一条件となるのです。

健康状態が重要な40代

健康状態が重要な40代

40歳を過ぎて、できるだけ早く妊娠・出産しようと思うのなら、まずは健康なカラダづくりから始めていかなければなりません。

そのためにも、生活をひとつひとつ見直していきましょう。規則正しい生活を心がけ、栄養バランスのとれた食事を摂り、喫煙はやめ、お酒もほどほどに嗜む程度にしましょう。

健康状態を維持するために軽い運動を習慣にするのもオススメです。運動することはストレス発散にもつながりますので、心の健康にもつながるでしょう。

男性が高齢の場合のリスク

男性が高齢の場合のリスク

高齢妊娠・出産のリスクは女性ばかりフォーカスが当たっていますが、実は男性の年齢も妊娠・出産のリスクを上げる要因の1つです。

高齢と呼ばれる目安は女性が35歳ですが男性の場合は40歳で、40歳以上の父親の子どもは自閉症・躁うつ病・乳がんや前立腺がんなどになる割合が、20代・30代の父親に比べて顕著であると言う研究結果があります。

更に母親が40歳以上の子どもは染色体異常によるダウン症や小人症の割合が高くなるので、高齢カップルが妊娠する場合は何倍ものリスクがあると意識しましょう。女性が30代半ばで妊娠を考え始める頃には、高齢までの時間が女性より長い男性ものんびりしている時間はないと考えて行動を始めるべきです。

40代の不妊治療

不妊治療の必要性

不妊治療の必要性

今では20代のカップルもクリニックに通うほど、不妊治療の敷居は低くなっています。特に自然妊娠率が格段に下がる40代での妊娠を望むカップルにとっては、最も重要な場所だと考えてよいでしょう。

40代で妊娠するためには、20代の妊娠と違って卵子の質だけでなく排卵できる可能性のある卵子はあといくつ残っているか、と言う事も考えなければなりません。そう考えると40代の方が妊娠する条件は20代・30代前半の方よりも厳しいので、きちんと検査を行って治療を始めるのが一番効率的です。

ただし、不妊治療を始めた年齢が30代後半と40代では妊娠確率が格段に違うので、妊娠を考えたらすぐにクリニックに相談に行くなど、すばやい行動が大事です。

高度生殖医療を視野に入れる

高度生殖医療を視野に入れる

通常不妊治療は、まず排卵日を検査して性交日を確認するタイミング法や排卵促進剤などで妊娠のチャンスを増やす方法を取ります。

そうやって検査と指導を繰り返して、妊娠できない場合は少しずつ高度な治療法へと変えてゆくのですが、40代で妊娠を望む方には最初から人工授精などの高度生殖医療を勧められるケースがあります。

それは自然妊娠確率の低さに加えてタイムリミットが近いというのが理由ですが、高度生殖医療は自由診療のため経済的負担が増える事も予想できますので、勧められた場合は2人で医師と良く相談し、また不妊治療に対する助成金の詳細などを良く調べましょう。

40代で妊娠したら

40代で妊娠したら

40歳でも健康な卵子が排卵され、タイミングが合えば問題なく妊娠することができます。妊娠初期も乗り越え、どんどん大きく成長していく赤ちゃんの様子に、一喜一憂していくことでしょう。

しかし、だんだんお腹が大きくなるにつれて、次第に出産への不安が出てくるのではないでしょうか。40歳という年齢と初めての出産という事実があるからこそ、不安になるのは当然です。では、40歳の出産は何に気をつけるべきか詳しく見ていきましょう。

40代の底力で妊娠出産を乗り切る

40代の底力で妊娠出産を乗り切る

40歳は、出産においてさまざまなリスクがあります。しかし、精神力や体力などが必ずしも劣っているとは限らないのです。今までバリバリと仕事をしたきたからこそ、40歳の底力があります。

初産の場合、やや出産に時間がかかることは言われていますが、経産婦の場合、20代と変わらない時間で出産できることも確認されているのです。40歳だから出産は大変だと思い込まず、赤ちゃんの無事だけを祈って出産に望むと良いでしょう。

出産する病院はしっかり検討を

出産する病院はしっかり検討を

高齢妊娠や出産には障害のリスクや妊娠中のトラブルの多さばかり問題にされますが、出産時は大出血や分娩停止・産道損傷など母子共に危険な状態になるケースが多く見られハイリスク出産と呼ばれます。

これらのトラブル発生を考えると、高齢の方が出産する病院を選ぶ時にはNICUが併設されているような大きな病院を選ぶ必要があります。

特に産科とNICUが組み合わさった総合周産期母子医療センターに指定されている病院は出産の際の万が一にもすばやく対応できるので、なるべくそのような病院を選ぶべきでしょう。

ただし出産予定日ごとに定員が決まっていたり、かかりつけの病院から紹介状が必要な場合があるので、なるべく早めに予約を取りましょう。

帝王切開の不安?できれば自然出産

帝王切開の不安?できれば自然出産

40歳を過ぎると、気になるのが出産のスタイルです。体力の衰えやリスクを考えると、帝王切開しか選択肢がないように思うかもしれませんが、実際には多くの40歳以上の女性が自然分娩で出産しています。

初産の方も多く、健康な状態と体力があれば、40歳という年齢であっても問題なく安全に自然分娩で出産することができるのです。

高齢出産は水中出産もあり?

高齢出産は水中出産もあり?

近年、さまざまな出産方法が出てきている中で、注目を集めているのが水中出産です。水中出産は、陣痛を和らげるのに適していると言われており、妊婦がリラックスして出産に望めると言われています。

水中出産は人肌のお風呂に浸かるため、浮力によりお腹の大きさに圧迫感を感じることはありません。妊娠後期になるとお腹が大きくなり腰痛を発症する妊婦の方も多いですが、水中出産なら腰の負担が軽減され、出産に集中しやすくなります。

水中出産のメリット

水中出産のメリットは、ほかにもあります。その中のひとつに会陰切開がありますので、ご紹介しておきましょう。会陰切開は赤ちゃんが生まれてくる状態であるにもかかわらず、なかなか子宮口が開かず、出産できないときにメスで会陰を切り開き、出産しやすくすることを言います。

赤ちゃんが産道で苦しまないために行われるものですが、出産後に縫合しなくてはならないため、痛みを伴うことから避けたいと考える妊婦は多いのです。

水中出産だと、会陰部分の皮膚が柔らかくなりやすいため、子宮口が開きやすく会陰切開する確率や範囲が小さくて済むと言います。このことだけを見ても、負担が最小限で抑えられると言えるでしょう。

40代出産のメリット

40代出産のメリット

40代の出産はリスクばかりに注目するため、子どもを諦めたというカップルも多い事でしょう。しかし妊娠のリミットは43歳と言われているように、40代になったからと言って必ずしも妊娠できない・子どもに障害が出るというわけではありません。

それから、40代ならば役職についている方も多いですから、経済的に余裕を持って子どもを育てられる事や人生経験が豊富なため落ち着いて子育てできる、といった20代・30代とは違った40代出産のメリットもあります。

若い時の冷凍卵子で妊娠は可能?

高齢妊娠の問題点として卵子の質が問われていますが、その解決策として現在卵子を冷凍保存する技術が注目されていて、海外では両親がプレゼントとして冷凍保存の費用を払う事もあるのだとか。確かに20代に卵子を冷凍保存しておけば、40代になっても若い自分の卵子を使って妊娠する事は可能です。

ただし、必然的に人工授精となるので妊娠確率が低い事と、卵子が若くても子宮の機能が衰えて、赤ちゃんを育てる環境を維持できない可能性もあり、ただ卵子の質が良いだけでは妊娠・出産は難しいと言えます。

また冷凍保存を行っている病院では妊娠確率を考慮して、45歳を過ぎた方の卵子は破棄してしまう事も多いです。卵子を冷凍保存するには様々な条件が必要ですから、検討する前に良く情報を集めましょう。

まとめ

40歳の出産について幅広くご紹介しました。40歳を超えるとさまざまなリスクはついてきますが、それは年齢に関係なくどのお母さんにも訪れるものです。40歳を過ぎると、その心配がちょっと増える程度に考えておきましょう。

大切なのは健康な身体で、元気な赤ちゃんを出産するということです。40歳以上の出産はまだまだデータが少ないため、未知の部分も多いと言われています。これからますます40歳以上の出産事例が増えていけば、きっとより良い情報を知ることが出来るでしょう。

可愛い赤ちゃんに出会いたいなら、年齢を気にしすぎないのが一番です。リラックスして望めば、きっとより良い方向へと進んでいくことができるでしょう。