双子出産や双子妊娠について知っておきたいこと

双子出産や双子妊娠について知っておきたいこと 妊娠中

双子を妊娠した!出産はどうする?気になるいろいろ双子出産。 妊娠検査薬が反応し、妊娠だと思い産婦人科へ行ったら、双子を妊娠していることが分かった。双子を妊娠するのって、なんだか神秘的です。

しかし、気になるのが出産スタイルではないでしょうか。帝王切開か、自然分娩か悩むところですよね。そこで、双子を妊娠した妊婦の方へ、多胎妊娠、出産や双子に関する情報など幅広くご紹介していきましょう。

双子(多胎妊娠)とは

双子(多胎妊娠)とは

そもそも双子とは、どのような妊娠の状態を指すのでしょうか。簡単にまとめておきたいと思います。

まず双子は、ひとつの卵子に一つの精子が受精し細胞分裂で受精卵が二つ分かれる一卵性双生児と、二つの卵子が同時に受精した二卵性双生児に分けられます。

一卵性双生児は、必ず同性になり、妊婦の年齢や遺伝などは関係していません。

一方、二卵性双生児は性別が同じになる場合もあれば、異なる場合もあります。比較的高齢の妊婦におきやすく、遺伝が関係していることも多いようです。

双子妊娠(多胎妊娠)の種類

一絨毛膜一羊膜

一絨毛膜一羊膜(いちじゅうもうまく いちようまく)は胎盤、羊膜が1個の状態。一卵性になります。

一絨毛膜二羊膜

一絨毛膜二羊膜(いちじゅうもうまく にようまく)は胎盤が1個で羊膜が2個分かれている状態。一卵性になります。

二絨毛膜二羊膜・癒合胎盤

二絨毛膜二羊膜・癒合胎盤(いちじゅうもうまく にようまく ゆごうたいばん)胎盤が2個で羊膜が2個に、胎盤が癒合胎盤になっている状態。一卵性又は二卵性になります。

二絨毛膜二羊膜

二絨毛膜二羊膜(いちじゅうもうまく にようまく)は)胎盤が2個で羊膜が2個に1個づつ別れている状態。 二卵性になります。

膜性診断

双子を妊娠している事が分かると、早い妊娠週数に膜性診断が行われます。これは羊膜と胎盤がいくつあるのかを確認するための検査で、1人に1つずつ羊膜と胎盤があるのなら問題はないのですが、胎盤が1個で羊膜が2個の場合はどちらかに栄養が偏ってしまうケースがあります。

また胎盤も羊膜も1個だけならば栄養が偏る可能性に加えてへその緒が絡みやすくなるため、頻繁な検査や入院をする必要が出てきます。

お腹の重さが辛くて数多い検診をサボってしまいたくなるかもしれませんが、お腹の赤ちゃんの状態によっては緊急を要する事もありますので、必ず定期健診は受けてください。

双子が生まれる確率

双子が生まれる確率

二卵性双子が生まれる確率は人種によって異なると言われています。一卵性双子はどの民族であっても0.3%~0.5%ほどですが、二卵性になるとアフリカ系のネグロイドが5%、ヨーロッパ系のコーカソイドが1.2%なのに対し、アジア系のモンゴロイドはたったの0.4%ほどと大きな差が見られます。

また母親の年齢によっても双子の出生率には差があり、母親が20代の双子出生率は1%以下なのに対し、30代後半になると21.7%とぐっと確率が上がるのです。

不妊治療による双子出生率が高くなった事もありますが、この年代は自然妊娠でも双子が生まれる確率が高いため、何らかの身体のシステムが働いていると考えると興味深いですよね。

双子が妊娠しやすい条件

不妊治療の関係で双子に

不妊治療の関係

双子は、不妊治療を行っている妊婦に起こりやすいと言われています。

不妊治療を行うのは、35歳以上の女性に多く見受けられますが、それは卵子が正常に排卵されにくくなるからです。毎月月経が起こっている方でも、排卵日に卵子が排卵されないということもあるため、妊娠の確立を挙げるために、排卵誘発剤を使うのです。

排卵誘発剤を使うと、確実に排卵されるため、受精する確率が高くなります。しかし、排卵誘発剤を使うと、1つだけでなく2つ以上の卵子が排卵されるため、双子が妊娠しやすくなるのです。

双子を妊娠しやすい女性とは

双子を妊娠しやすい女性とは

双子を妊娠、出産しやすい女性は、高齢出産で不妊治療を行っているケースが多いと言われていますが、その他にもさまざまな要素があるようです。双子を妊娠しやすい女性は、高収入であったり、背が高い人であったり、乳製品を多くとっている人であったりすることが多いようです。

比較的体力がありはつらつとしている女性が多く、体力があるからこそ、双子を妊娠できる土台があるとうかがい知ることができます。また、このことから、双子の母親は長生きしやすいとも言われているようです。

早産になる確率は

早産になる確率は

お腹に赤ちゃんが1人いるだけでも大変なのに、二人ならばその大変さは押して知るべしです。大型の哺乳類と同じように人間は1回の妊娠につき1人の赤ちゃんを育てるように出来ているので、2人となればその大変さは3倍以上と言われています。

現在では、赤ちゃん達の体重が低体重児の基準に達すれば、お母さんの身体の負担を考えて早めに出産しNICUで治療を行うというのが一般的になっていて、平均分娩週数は35.1週と赤ちゃんの肺の機能が出来上がる頃となっています。

しかし実際はそれよりも早く低体重児以下の体重で産まれてしまう事も多いため、妊娠20週から30週の間に管理入院を勧める病院もあります。

早産が多くてもなるべくお母さんのお腹の中にいた方が良いので、お母さんは絶対に無理をせず安静を心がけるようにしましょう。

気になる双子出産スタイル

気になる出産スタイル

双子を妊娠すると、徐々に心配になってくるのが出産スタイルです。自然分娩を望む妊婦も多いですが、初産の場合帝王切開も視野に入れておくべきでしょう。

また、産婦人科によっては安全面を考えて帝王切開のみ対応しているということもあるようです。かかりつけの産婦人科がどのような考えを持っているのか、また自分の体力的に自然分娩が可能かどうかを確認しておくと良いでしょう。

気になる出産時間

気になる出産時間

双子を出産するとなると、気になるのが出産にかかる時間です。初産を経験している妊婦ほど、あの苦しみが倍かかると思いがちです。しかし、実際に双子を出産するうえで、時間が倍になることはありません。

最初の赤ちゃんが生まれてくるまでに時間がかかることはあるものの、一人目が出産したら、二人目は10分後に出産されることも多々あります。出産時間により自然分娩への抵抗感がある方は、心配しなくてよいと言えるでしょう。

水中出産を検討してみては

重いからだ

双子を出産するとき、大変になるのが重さと大きさです。大きく成長した双子ほど、重さはずしんと身体に響きます。重い体を動かすことさえ容易ではなくなりますから、どんどん体力が奪われることもあるでしょう。特に陣痛が長引く人ほど、楽な体制に変えることが困難なため、大変な思いをされるようです。

そんな時には、水中出産を検討してみてはいかがでしょうか。水中出産なら浮力を利用できるので、双子で重くなった体の負担を軽減してくれます。

また、水分により子宮口が広がりやすくなりますので、お産がスムーズになりやすいのです。水中出産に抵抗がある方は、産む瞬間は陸に上がって行うことも可能です。ただ、対応している産婦人科は少ないので、問い合わせてみると良いでしょう。

安全な帝王切開

安全な帝王切開

双子を出産するときは、さまざまなリスクが生じる可能性があります。出産に時間がかかったり、徐々に体力が奪われたりすることで、自力で出産できなくなることは多いのです。

そんな時は迷わず帝王切開に切り替えるべきでしょう。帝王切開なら安全に赤ちゃんを取り出すことができます。また、大きく成長した赤ちゃんほど、自然分娩は困難になります。母子ともに安全を最優先するなら、帝王切開にすべきだと言えるでしょう。

いずれにしても本人の意思と、医者の意向が大切です。担当のお医者さんと納得がいくまで話し合って備えましょう。

双子出産にかかる費用はどれくらい

双子出産にかかる費用はどれくらい

双子は妊娠中から密に定期健診や検査を受ける必要があり、また出産は帝王切開がほとんどで出産後もNICUで治療を受ける必要があります。

こう見ると、赤ちゃん1人を妊娠している方よりかなり費用がかかるのが分かりますね。一般的には管理入院から帝王切開手術代・分娩代・赤ちゃんの入院費などで単胎妊娠より60~80万かかると言われているので、なるべくなら出産後にもらえるお金でカバーしたいですよね。

出産一時金などの給付金以外にも、高額療養費制度・乳幼児医療費助成制度・民間の医療保険など、帝王切開や低体重児の場合にお金を受け取れる制度がありますので、しっかり確認しましょう。

入院準備は早めに

入院準備は早めに

頻繁な定期健診は受けていても、妊娠後期になれば赤ちゃんやお母さんの状態が急変する可能性が高くなります。そのため病院側では母子のリスクを考えて、ちょっとした兆候があれば急な入院や出産に踏み切る事も出てくるので、入院の準備は早めに行った方が良いでしょう。

双子の出産は帝王切開が多いですが、その場合の入院日数は1週間から10日ほどとなり入浴もしばらくは出来ないため、パジャマやバスタオルを多めに持っていくと便利です。

それから出産後はかなり疲労度が激しく起き上がれない方もいるので、寝たまま飲めるペットボトルストローも必需品です。単胎妊娠の方の入院準備とは少し異なるので、情報を集めながら準備を行いましょう。

双子育児の段取り

双子育児の段取り

退院してからある程度は、赤ちゃんの世話のためにお母さん以外の必ず誰かが必要です。もちろんお父さんの協力は必要ですが、仕事に行っている間はお母さん1人だけでは到底持ちません。

またサポートがいない状態で頑張っているとストレスが溜まってマタニティーブルーになったり、そのイライラが赤ちゃんに向けられてしまう事すら考えられます。

手伝ってくれる人はやはり家族が一番ですが、もし誰も手伝える状態でない場合は、自治体のファミリーサポートサービスに相談してみてはいかがでしょうか。格安で利用できるため、早めに登録すれば条件にあった方をお願いする事が出来ます。産後からでは遅いので、動ける妊娠中に手伝ってくれる人を確保するのが大事です。

双子用赤ちゃんグッズを用意

入院準備に合わせて、赤ちゃんグッズも早めに用意した方がよいでしょう。ただし双子だからと全て2人分用意してしまうと、使わないまま無駄になってしまったなんて事もありえます。

服やオムツ・ミルクなど2人分用意しなければならないものとベビーバスなど1つで十分なものに分けて余分が出ないように気をつけてください。

消耗品はあっという間になくなってしまうので、まとめ買いが出来るネット通販などを利用するのも1つの方法です。また、授乳クッションやベビーバスチェア・ハンズフリー哺乳瓶など、双子の世話に便利なグッズも沢山販売されていますので、活用してみてはいかがでしょうか。

双子の不思議

双子を妊娠し、出産することは初めて体験するという方がほとんどでしょう。

一卵性双生児、二卵性双生児でもご紹介しましたが、双子を妊娠するということは奇跡に近いのです。そこで、双子に関する不思議な現象についてご紹介しておきましょう。

双子はオリジナルの言葉を使う

オリジナルの言葉を使う

双子を妊娠し、出産すると二人の赤ちゃんはいつも一緒に並べられ、時間を共有します。その中で双子にしかわからない言葉を作り出し、会話することが分かっているのです。

親とコミュニケーションをとっているときとは明らかに違う言葉を交わし、会話のようなやり取りも頻繁に行うと言われています。この行為は、成長により消失していくものです。

しかし、双子の赤ちゃんが一緒に話している姿を見られるのは、双子を妊娠した家族の特権です。ぜひ記録に残しておいてくださいね。

双子は全てが同じではない

全てが同じではない

一卵性双生児の双子を出産した場合、最初は見分けがつかないほどそっくりだったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに一卵性双生児はひとつの卵子から生まれているので、そっくりなのは当然です。しかし指紋など細かな部分まで一緒というわけではありません。指紋は、妊娠中にお腹の中で動き、羊膜腔に触れることで作り出されるものです。

双子とはいえ、いつも同じ動きをしているわけではありませんから、指紋は違ってくるのです。

ミラーツインの不思議

ミラーツインの不思議

双子として成長していくうえで、ある不思議に気づくケースがあります。それは、片方は右利きなのに、もう片方は左利きに成長していくときに気づくことが多いようです。

いわゆるミラーツインと呼ばれる現象で、一卵性双生児の25%に発生すると言われています。

つむじも逆向き、利き手も逆向きなので、まるで鏡で合わせているように見えることから、このような名前が付きました。双子は同じリズムで行動しやすい為、本当に鏡に映っているように見える瞬間があるようです。

まさかの父親違いの双子?

まさかの父親違い

双子を妊娠することは大きな奇跡ですが、中にはとんでもない奇跡が起きたケースもあります。

それは、父親が違う双子が誕生されてしまったということです。二卵性双生児の場合、二つの卵子に別々の精子が受精するため、医学的には排卵日の前後に別々の男性と性行為を持てば、父親が違う双子が成立するのです。

しかし、実際に報告されているケースは稀で、非常に低い確率とされています。しかし、このように父親が違う双子は実際に存在しているのです。生命の神秘でもありますが、複雑な奇跡でもあるようです。

まとめ

双子を妊娠した妊婦の方に向けて、出産や双子についての情報をご紹介しました。双子を授かることは神秘的でなかなか体験できない事です。だからこそ、出産についての準備を怠らず、生まれたら双子ならではの可愛さに触れていってください。