妊娠中の風邪予防と対策!ひきはじめが肝心!

妊娠中

妊娠中の妊婦さんは、体調を管理することが大切になります。日常的に気をつけたいことのひとつが、風邪予防です。軽度の風邪なら2~3日で回復することができますが、悪化すると赤ちゃんにも影響してしまいます。

そこで、妊娠中の妊婦さんが毎日実践しておきたい風邪予防の方法と、風邪をひいてしまった時の対処方法などについてご紹介します。

妊婦は風邪をひきやすい

妊婦は風邪をひきやすい

妊娠中の妊婦さんは、ホルモンや自律神経のバランスが乱れやすいため、免疫が下がりやすい傾向にあります。このことから、細菌やウイルスを撃退する力が弱まってしまうため、風邪をひきやすくなってしまうのです。

また、風邪をひくと進行が早く悪化しやすいこともあるため、きちんと予防していくことが大切です。

お腹の赤ちゃんへの影響は?

お腹の赤ちゃんへの影響は?

風邪の症状によっては、赤ちゃんに影響があるのではないかと心配してしまうようなものがあります。例えば下痢や咳が続けば腹圧がかかりますから、お腹の赤ちゃんが苦しいのではと思ってしまいます。

しかしほとんどの方は問題なく、臨月に近く喘息のような咳がずっと続いてお腹が張ってしまう方でも、破水等よほどの事がなければ病院側は治療を行いません。

熱も通常程度なら問題ありませんが、インフルエンザやウイルスなどで40度近い熱がずっと続く場合は、羊水量の減少による細菌感染や羊水の温度が上がる可能性があるため、早めに受診をした方が良いでしょう。

お母さんが精神面で不安になる方が赤ちゃんへの影響が大きいので、あまり心配しないのが大事です。

妊婦の風邪の予防方法

手洗い、うがいが予防の基本

手洗いうがいが予防の基本

妊娠中の妊婦さんは、とにかく手洗いうがいを徹底しましょう。基本中の基本ではありますが、これが風邪を予防するうえで最大の効果を発揮します。帰宅した時だけでなく、何かを口に入れるときは、必ず手洗いうがいを実践するようにしましょう。

最も気をつけたいのが、外出時の手洗いうがいです。ちょっと喉が渇いた、ちょっと小腹がすいたと、手洗いやうがいをせずに口にものを入れてしまい、殺菌やウイルスも一緒に体内へ取り込んでしまうのです。

正しいうがいの方法

正しいうがいの方法

うがいや手洗いなんて、小さい頃から実践していると思っている方も、もう一度改めましょう。意外と正しいうがいができていない方も多いのです。

まず初めに、口をゆすいでから始めましょう。コップ1杯の水を口に含み、ブクブクとすみずみまでゆすいでから吐き出します。イキナリ喉をガラガラうがいしてしまうと、口の中の細菌が喉の奥に押し込まれてしまいますので、必ずゆすいでから行うようにしてください。

コップ2杯目を口に含み、しっかり上を向いて喉の奥までガラガラうがいをします。最後に、コップ3杯目を口に含み、しっかりゆすいで喉の奥から出てきた細菌を吐き出すようにしましょう。

正しい手洗いの方法

正しい手洗いの方法

手洗いは、まず水で予備洗いをすることから始めます。しっかり泡立てた石鹸で、手首、手のひら、指の間爪先までしっかり洗っていきましょう。

すすぎ残しがないよう、丁寧に洗うことも必要です。濡れた手は清潔なタオルで拭き取るようにしましょう。

外出時には必ずマスクで予防する

外出時には必ずマスクで予防する

手洗いうがいの基本をマスターできたら、次は細菌やウイルスを遠ざけるよう工夫をしていきます。妊娠中の妊婦さんは、マスクを常備することを心がけましょう。

外出時には必ず装着することで、風邪の原因である細菌やウイルスを遠ざけることができます。また、マスクで口や鼻の湿度が保たれるため、風邪をひきにくくなるのです。

人ごみから帰ったらシャワーがおススメ

人ごみから帰ったらシャワーがおススメ

妊娠中の妊婦さんは、風邪をひきやすいため、基本的には人ごみの多い場所は避けるべきです。ただ、仕事をしている人や、外せない用事があるという場合は、人ごみの中を歩く必要があります。

そんなときは、帰宅したら手洗いうがいの他に、顔も洗うようにしましょう。可能なら、そのままお風呂に入って全身を洗い流すのもオススメです。手と同様、皮膚や髪にも細菌やウイルスは付着していますので、人ごみの多い場所から帰ったらすぐ対策するようにしてください。

身体を冷やさない工夫を

身体を冷やさない工夫を

妊娠中の妊婦さんは、体調管理が難しいため、風邪をひきやすくなります。身体が火照るように暑く感じることもあれば、急に脚の冷えを感じることもあるでしょう。外出時だけに限らず、家の中でも体調に合わせて衣服を調整することが大切です。

特に気をつけたいのが、冷えで下半身が冷えると赤ちゃんにも影響します。風邪は寒気から訪れることが多いため、冷え対策は特に徹底するようにしましょう。

疲れをためない工夫を

疲れをためない工夫を

妊娠中の妊婦さんは、赤ちゃんが成長するにつれてどんどん身体が重たくなってきます。また、ホルモンや自律神経のバランスが乱れやすいことから、ストレスもたまりやすくなるでしょう。

いつもの自分だったらできているはずと、家事や仕事を頑張りすぎては、どんどんと疲労が蓄積されてしまいます。身体が疲れると、それだけでも風邪をひきやすくなってしまうので、適度に休養を取るようにしましょう。妊娠中の妊婦さんだからこそ、気持ち半分程度で行動することを心がけてください。

栄養のあるものを食べよう

栄養のあるものを食べよう

妊娠中は、つわりなどの影響から食生活のバランスが崩れやすくなります。風邪を予防し、早く回復させるためにもビタミン豊富な野菜を積極的に採るようにしましょう。

ビタミンCを補給するために、フルーツをおやつに取り入れるのもオススメです。風邪をひいた時には、食べやすい茶碗蒸しや、プリンなどで栄養をつけましょう。

つわりで食べられない サプリで風邪予防も

つわりで食べられない サプリで風邪予防も

日ごろの食事から風邪予防をするのが一番ですが、つわりで食事を取れなかったり仕事を続けている方は中々難しいです。そんな時は無理に食事を摂るのではなく、サプリを活用しましょう。

ビタミンCは風邪予防の代表的ビタミンですが、その他にもストレスの軽減やお腹の赤ちゃんの脳や血管の形成をサポートする大事な役割を持っています。他のビタミンもそれぞれ風邪を予防する効果があるので、マルチビタミン・ミネラルの服用が効果的です。定められた用量、用法を守って服用するようにしてください。

風邪の気配を感じたら早めに対策を

風邪の気配を感じたら

風邪予防の対策をしていても、免疫力が下がりがちな妊婦さんは、風邪をすぐに引いてしまいます。風邪かな?と感じた時は、悪化させないためにもすぐに対処するようにしましょう。

寒気を感じたら、半身浴や足湯などで身体を温めてください。また、しっかりと衣服を着て厚手の布団で休養すると、風邪の回復が早まります。

風邪の症状別対策

鼻水やタンの対策

鼻水やタン

風邪の初期症状として、寒気の他に鼻水やタンがあります。外出中は、洟(はな)をかむことをためらう方もいらっしゃいますが、細菌やウイルスを体外に出すための作用なのでお手洗いなどですぐ洟(はな)をかむようにしましょう。

大切なのは、鼻水をかみ、タンを吐き出したら手洗いうがいをすることです。口や手に残った細菌やウイルスをしっかり洗い流すことで、これ以上風邪が進行することを防いでくれます。

喉のイガイガの対策

喉のイガイガ

喉のイガイガを放置していると、扁桃腺が腫れて風邪が悪化することがあります。風邪の初期症状として、喉のイガイガがありますが、これは喉の粘膜が弱っている証拠です。風邪に対する対抗力が弱まっていますので、大根とハチミツで対処していきましょう。

生の大根をサイコロ状に小さく切り、はちみつをかけて1晩寝かせます。生の大根には消炎作用があり、はちみつには粘膜を保護する役割があるので、喉のイガイガをいち早く改善することができるでしょう。

風邪をひいたら水分補給はこまめに

風邪をひいたら水分補給はこまめに

妊娠中の妊婦の身体は、水分を溜め込もうとする作用が強くなります。これは、胎児へと栄養を送るために血液や水分が必要となるからです。

通常の状態でも、水分を積極的にとる必要がありますが、風邪をひいているときは熱や汗で水分が奪われがちです。ストローを使えば、横になったままでも水分補給できますので、こまめに摂取するようにしましょう。

発熱の心配

発熱の心配

風邪予防を実践していても、妊娠中に風邪をひいてしまうことはあります。発熱の影響が心配されるところですが、38度以下なら問題ないでしょう。

通常の風邪なら、2~3日で熱も下がり回復しますが、38度以下でも長引く場合は病院へ行きましょう。

睡眠が風邪対策には効果的

睡眠が風邪対策には効果的

かかってしまった風邪を治すには、睡眠が最も大事です。睡眠には免疫力をアップさせる効果があり、睡眠時間が7時間以下の人は7時間以上睡眠時間がある人よりも、風邪にかかりやすいとの研究結果もあるほどです。

妊娠中でもやらなければならない事は沢山ありますが、そこで無理をしてしまえば風邪が長引いたり悪化する事も考えられるので、まずはたっぷり寝るようにしましょう。風邪を引けば身体がだるくなって横になりたくなりますが、身体が休養を欲しているサインと考えてそれに従うのが一番です。

仕事をしている方は無理に出勤すれば周りにうつしてしまう可能性もあるので、職場に迷惑をかけないためにもしっかり睡眠をとりましょう。

「首」がつく身体の部分を適度に温める

「首」がつく身体の部分を適度に温める

「風邪の引き始めは身体を温める」とは良く聞きますが、特に気をつけるのは「首」がつく身体の部分です。首・手首・足首は脂肪が少ない部分ですが、そこを大きな動脈が通っているため外気の気温に影響されて血液が冷えやすくなります。

そうすると血液が循環して身体が冷え風邪を引きやすくなるのです。寒気がする、喉がなんだか痛いと思った時は、まずはこの3つの首を暖める事からはじめましょう。

ただし、暖めようとするあまりに重ね着をすると暑すぎて汗をかいてしまい、更に冷えてしまう事もありますので、調節しながら保温に努めてください。

薬を飲まなくても風邪は治る?

薬を飲まなくても風邪は治る?

熱が出たり喉が痛くなるとすぐ薬を、と思ってしまいますが、妊娠中は薬が飲めないため風邪が長引くのではないか、お腹の赤ちゃんも苦しいのでは、と考えがちです。

そもそも熱が出る原因は、体内に侵入した細菌やウイルスを抑えるための防御反応だったり白血球の動きを活発化させるためなので、安易に薬で熱を下げてしまうと細菌やウイルスが再活発化してしまい長引いてしまう事になる場合も。

普通の風邪による熱ならば薬を飲まなくても3・4日ほどで下がるので、まずはゆっくり休む事が大事です。

特に妊娠中は免疫力が低く疲れも溜まりやすいですから、きちんと休まないと熱が長引き回復が遅れる可能性も出てきます。高熱がある場合には対処が必要ですので病院で相談しましょう。

医者にかかる場合は

医者にかかる場合は

安静にしていれば大体の風邪はよくなりますが、インフルエンザやノロなど強力なウイルスに感染した場合は、強いお腹の張りや感染・早産になる可能性があるので速やかに受診する必要があります。

かかりつけの産婦人科でも薬はもらえますが、病院に行った事で周りの妊婦に感染させてはいけないので、産婦人科ではなく内科を受診してもかまいません。

妊娠中でも問題なく服用できる薬を処方してくれますが、妊娠時期によって使用できる薬の種類が変わるので、自分が今妊娠何週であるかをきちんと伝えましょう。

風邪薬の服用について

風邪薬の服用について

妊娠中の妊婦さんは、風邪をひかない方が良いからと、ひきはじめに風邪薬を飲もうとする方がいらっしゃいます。

しかし、風邪薬に含まれる成分に、妊娠中に服用しない方が良いものがありますので、かならず医師に確認しましょう。

産婦人科の医師が処方した風邪薬なら、母体にも胎児にも影響が少ないので安心して風邪を治すことができます。

妊婦はワクチンを打てる?

ワクチンは打てる?

毎年流行るインフルエンザに、色々対策を行っている方も多いでしょう。しかし、妊娠中は普段と違うので重症化してしまう可能性もあるので、対策を講じるよりはインフルエンザワクチン接種をした方が効率的です。

インフルエンザワクチンは毒性をなくした不活性ワクチンを使用しているので、お母さんにもお腹の赤ちゃんにも大きな影響はないと言われています。産婦人科では防腐剤の含まれていないワクチンが用意されていますので、気になる場合は先生によく相談してみましょう。

ただし、インフルエンザワクチンが打てるといっても、妊娠初期の場合やアレルギーなどがある方はトラブルが起きる可能性もあるため医師と相談の上、接種するようにしましょう。仕事をしていたり外出する機会が多い方は、ワクチン接種を考慮に入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

妊娠中の妊婦さんの風邪予防と対処方法についてご紹介しました。基本の対策をしっかりと見直し、風邪をひき始めたと感じたらすぐに対処するようにしましょう。

妊娠中は免疫力が下がり風邪をひきやすい時期ですから、周囲の協力を得て、できるだけ風邪をひかずに妊婦生活を過ごせるようにしましょう。