妊婦がいくらを食べるときに知っておきたいこと

妊婦がいくらを食べるときに知っておきたいこと いいの 悪いの 注意点は 影響は など

妊娠中はおなかの赤ちゃんへの悪影響のある食べ物や飲み物を避けなければなりません。妊娠中に食べてはいけないとされる食べ物はたくさんありますが、生魚や生卵など、生ものもそのひとつ。食中毒のリスクのある生ものは、妊娠中は極力避けたほうが無難です。

生魚はできるだけ避けたほうがいい、ということは分かりましたが、ではいくらについてはどうでしょうか?栄養価が高く、いろいろな栄養素を含むいくらは、いくら丼やお寿司をはじめ、サラダやパスタでも楽しめる人気の食材。いくらが好きな女性の方は妊娠中にいくらを食べていいかどうか、非常に気になることでしょう。

妊娠中にいくらを食べていいの?悪いの?など妊婦さんがいくらを食べる際に知っておきたいいろいろな情報をご紹介します。

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妊婦はいくらを食べていいの?悪いの?

妊婦はいくらを食べていいの?悪いの?

妊婦さんは生ものを食べないほうがいい、といわれるのは、食中毒への感染のリスクがあるため。O157、リステリア菌、アニサキス菌、腸炎ビブリオ菌など、魚介類を摂取することにより感染する病気は多く、免疫力が弱まっている妊婦さんは要注意です。

妊娠中に控えたほうがいい食べ物とは、生卵、生肉、生魚介類、生野菜、生果物など。さらに海外産の生チーズ、生ハムやスモークサーモンなど、半生の加工食品についても、妊婦さんはなるべく控えたほうがいいとされています。妊娠中にこれらの食品をどうしても食べる際には、鮮度や保存の仕方、食べ方などに細心の注意を払う必要があります。

いくらについても同様で、食中毒のことを考えると、妊娠中に生のいくらを大量に食べることは避けたほうが安心です。食べてはダメではなく、食べる際は注意が必要です。

またいくらには過剰に摂取するとおなかの赤ちゃんに悪影響を与えるビタミンAが豊富に含まれています。この点から考えても妊婦さんがいくらを食べる際には、食べる量、回数、食べ方などに十分注意しなければなりません。

妊婦さんは食中毒にかかりやすい?

食中毒とは、人間の体に害をもたらす原因になる細菌、寄生虫、ウイルスによって起こる腹痛、発熱、下痢などの症状を指します。細菌やウイルス、寄生虫のついている食べ物を摂取することにより感染すると、体にさまざまな症状が生じますが、どのような症状が、どのくらいの度合いで出るかは、ケースバイケースで異なります。

免疫力が若干低下している妊婦さんが感染症にかかった場合、症状が重篤化しやすい傾向にあります。妊娠前に普通に食べていたものでも、妊娠中は食べる量や回数、食べ方に注意しなければ、感染症にかかるリスクが増大します。妊娠中は生ものを避けるようにといわれるのは、このことに原因があります。

いくらを食べることによる食中毒のリスクとは?

生肉や生の魚介類には寄生虫がついていることがあり、これが原因でいろいろな感染症が起こります。食中毒をおこす感染症のリスクについて、ひとつずつ詳しくみていきましょう。

リステリア菌

リステリア菌

リステリア菌による感染は、欧米での発生が多い感染症です。主な原因は生ハムやスモークサーモン、肉や魚のパテ、ナチュラルチーズなど、つまり冷蔵庫で長期間の保存が可能で、加熱せずにそのまま食べられる食品。

リステリア菌の特徴は低温でも増殖すること。他の菌が低温では増殖しないのに対して、リステリア菌は低温でも増殖することから、冷蔵庫で保管する場合の温度管理が大切になります。また加工食品にも発見されることから分かるように、塩分濃度の高い環境でも増殖します。

妊婦さんがリステリア菌に感染した場合、症状が重篤化しやすく、おなかの赤ちゃんへの悪影響も懸念されますので、とくに注意が必要です。

リステリア菌による感染の予防対策

リステリア菌による感染を防ぐためには、冷蔵庫を過信せず、0℃から2℃の温度で保管することが望ましいとされています。半生の加工食品は適切な温度で冷蔵し、賞味期限を厳守の上、開封したものはできるだけ早く食べ切ることがポイント。またリステリア菌は熱に弱いという性質がありますので、加熱して食べることも有効です。参照1

アニサキス菌

アニサキスは生鮮魚介類に寄生する線虫の一種で、サバ、秋刀魚、アジ、カツオ、イカなどの魚介類に多くみられる寄生虫です。アニサキスの幼虫は白い糸状で、目視で確認することができます。

冷凍(-20℃以下で24時間)、あるいは加熱(70℃以上、あるいは60℃で一分間以上)することにより、感染を予防できます。お酢やお醤油に付けることではアニサキスは死滅しませんので、お寿司やお刺身で食べる際には、必ず目視でアニサキスの幼虫が寄生していないかどうか確認します。また冷凍・加熱が不十分な場合にも感染のおそれがありますので、冷凍と加熱は完全に行いましょう。

アニサキス症の症状とは?

アニサキスに感染すると激しい腹痛やみぞおちの痛み、嘔吐などの症状が起こります。おなかの赤ちゃんに対する影響はないと考えられていますが、妊婦さんがおなかに激しい痛みを感じるのは好ましくありません。おなかの痛みは張りにつながります。

いくらを食べる前に目視で確認

アニサキスの大きさは長さが2、3cm、幅は0.5mmから1mm程度で、注意深く見ると目視で確認できる大きさです。いくらにアニサキスがついていることはほとんどありませんが、それでもいくらを食べる際には目視で確認したほうが安心です。また購入してから自宅に持って帰るとき、冷蔵庫・チルド室で保管するとき、盛り付けるときなどに、他の生魚と触れないようにすることも大切です。※参照2

その他の食中毒

その他の食中毒

いくらなどの魚介類が原因で起こる感染には、上記以外にも腸炎ビブリオやO157などがあります。妊婦さんがいくらを食べる際には食中毒にかからないよう、鮮度のよいものを選び、適切に保存した上で早めに食べ切ることが大切です。

妊婦さんは妊娠に伴うホルモンの影響により、免疫力がやや弱まっています。さらに妊娠初期はつわり、妊娠後期や臨月になるとおなかが大きくせり出すことで、体力が消耗され、感染症にかかりやすい状態にあります。いくらのような生ものを食べる際には、細心の注意を払うことが必要です。

いくらの栄養やカロリーについて

いくらの栄養やカロリーについて

いくらはややカロリーが高く、ビタミンをはじめ、DHA やEPAなどの脂肪酸、タンパク質を含む栄養価の高い食品です。他にもビタミンEよりも高い抗酸化作用をもつといわれるアスタキサンチンも含まれています。

含まれているビタミン群は、ビタミンA、D、E、B1、B2、B12、葉酸、パンテトン酸など。またリン、銅、マグネシウム、亜鉛、カルシウムなどのミネラルも含まれています。

いくらのカロリーは小鉢一杯分(60g)で163kcal,100gでは272kcal。お肉ほどのカロリーはありませんが、それなりにカロリーがありますので、妊婦さんが食べる際には量と回数に注意することが必要です。

栄養価が高く、海の宝石と呼ばれることもあるいくらですが、ビタミンAに含まれるレチノールの過剰摂取はおなかの赤ちゃんに影響を与える可能性があり、妊婦さんはこの点に留意しなければなりません。

いくらに含まれるビタミンAについて

いくらに含まれるビタミンAについて

レチノールとは動物性食品に含まれるビタミンAで、鶏肉、豚肉、牛肉のレバー、あんこうやうなぎなどに多く含まれています。いくらに含まれるビタミンAは100gあたり330μg。妊婦さんの一日のビタミンA摂取量の目安は、一日650μgから780μgですので、いくらを100グラム食べても上限には達しません。

いくらに含まれるビタミンAの量は、レバーやうなぎに比べると少ないため、それほどリスクはありませんが、それでも食べる量には注意が必要です。とくに注意すべきなのは、妊娠前から妊娠初期にかけての時期。この時期に妊婦さんがビタミンAを過剰に摂取すると、おなかの赤ちゃんに先天性の異常が生じる可能性があります。

ビタミンAの過剰摂取によるリスクとは?

妊婦さんが妊娠中にビタミンAを過剰に摂取すると、おなかの赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるといわれています。具体的には胎児の奇形や先天性の異常で、とくに妊娠前から妊娠初期にかけての時期の摂取は要注意。この時期は赤ちゃんの臓器や器官が形成される大切な時期であり、ビタミンAの過剰摂取は、赤ちゃんの先天性異常のリスクを増大させます。

いくらのビタミンAだけでは上限に達することはまずないと思われますが、食品からの摂取に加えて、サプリメントでビタミンAを補給している場合は、上限を超えてしまう可能性もあります。ビタミンAの不足が気になる方は、サプリメントからの補給ではなく、緑黄色野菜など植物性のビタミンAを積極的に摂取する方法がお勧め。どうしてもサプリメントを飲みたい方は、飲み始める前に必ず医師に相談した上で摂取しましょう。※参照3

いくらに含まれる塩分について

いくらに含まれる塩分について

市販のいくらには塩漬けのものや醤油漬けのものがあります。塩漬けや醤油漬けのいくらは日持ちがするというメリットがありますが、その分塩分量が多くなります。妊娠中は高血圧や糖尿病になりやすい状態ですので、塩分の高い食べ物は控えめに摂取しなければなりません。

妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病にかかると、母体だけでなく、おなかの赤ちゃんへの悪影響も心配されます。いくらの塩漬けを食べる際には、塩分を摂りすぎないよう十分注意しましょう。

天然のいくらと人工のいくら

いくらには天然ものと人工のものがあることをご存知ですか?人工のいくらは天然いくらの形状に似せてつくられたもので、原料はサラダ油、ゼラチン、ペクチン、天然色素、アルギン酸ナトリウム水溶液、塩化カルシウム水溶液など。見た目は天然のいくらそっくりに造られていますが、含まれている栄養に関しては天然のいくらとはまったく異なります。

人工のいくらのカロリーは、天然のいくらに比べると低いため、カロリーが気になる方には向いていますが、天然のいくらに含まれている栄養を摂れるわけではありません。

妊婦がいくらを食べる際のポイント

妊婦がいくらを食べる際のポイント

いくらは栄養豊富な食材ですが、妊婦さんが食べる際にはいくつか注意するポイントがあります。妊娠中に不安やストレスなく、いくらを食べるためのポイントを挙げてみましょう。

鮮度に注意

鮮度に注意

いくらを食べる際には鮮度の良いものを選びましょう。賞味期限ぎりぎりのものは絶対に避け、新鮮なものだけを選ぶようにします。

外食でいくらを食べるときも同様で、鮮度、品質、安全性について信頼の置けるレストランやお店以外は利用しないほうが安心です。

保存方法に注意すること

保存方法に注意すること

せっかく鮮度のよいものを買っても、保存の仕方が悪いと、いくらの鮮度はみるみるうちに落ちてしまいます。鮮度が落ちると、食中毒の原因となるウイルスや細菌が繁殖しやすくなります。

冷蔵庫に保管する際には、庫内の温度を適切に保った上で、温度変化の起こりやすい前側や扉近くには置かず、奥のほうに保存しましょう。食中毒を防ぐためには、冷蔵庫よりもチルド室で保管したほうが安心です。

保存したいくらをできるだけ早く食べきることも必要。妊娠中は免疫力が低下しています。賞味期限以内であっても、保管期間が長引き、鮮度の落ちたいくらは口にしないほうがいいでしょう。

食べる前には必ずいくらの状態を確認し、色が変わっている、ねばねばが出ている、においがする、買ったときと明らかに見た目が違うなど、鮮度が落ちていると感じられた場合は、絶対に食べないようにしましょう。

食べる量や回数に注意

食べる量や回数に注意

妊娠中にいくらを食べる際には、食べる量や回数を制限し、食べ過ぎないことが大切です。新鮮で高品質のいくらをごくたまに、少し食べる分には問題ありませんが、食べる量や回数に制限なく、好きなときに好きなだけ食べてしまうのは、食中毒のリスクを増大させます。妊娠中にいくらを食べる際には、少量をたまに食べるのみに留めましょう。

まとめ

妊婦がいくらを食べるときに知っておきたいいろいろな情報をポイントごとに挙げてみました。生ものには食中毒のリスクがあることから、妊婦さんが生のいくらを食べる際にはいろいろな点に注意しなければなりません。

妊娠中だからといって、絶対にいくらを食べてはいけない、ということはありません。鮮度の落ちたものを無造作に食べることはNG。妊娠中にいくらを食べる際には、鮮度のよいものをたまに少し食べる程度に留めるようにしましょう。

※参照1 厚生労働省 リステリアによる食中毒に注意してください
※参照2 食品安全委員会 アニサキス症ファクトシート
※参照3 食品安全委員会

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