妊娠中に食べていけない物と食べ過ぎ注意の物とは?

妊娠中

妊娠中の妊婦さんにとって、食事管理は大切です。どのような食事が身体に良いのか、またどんな食べ物は避けるべきかを把握しておくことが大切です。

コーヒーや飲酒は避けるべきだとわかっていても、食べ物に関しては知識が曖昧という方も多いのではないでしょうか。

そこで、妊娠中の妊婦さんが避けるべき食べ物、食べ過ぎ注意の物、積極的に採り入れたい食べ物について、詳しくご紹介していきましょう!

妊娠中避けるべき食べ物

まず、妊娠中の妊婦さんに知っていただきたいのが、避けるべき食べ物、食べてはいけない食べ物です。妊娠中は、免疫力が下がりやすいため、いつもなら問題のない食べ物であってもアレルギー反応や、感染する可能性があります。ひとつひとつの食材から詳しくみていきましょう。

生魚 お寿司 お刺身

生魚

妊娠中の妊婦さんが、ついうっかり食べてしまいがちなのが生魚です。妊娠のお祝いなどで、お寿司を食べる機会があるため、注意したい食べ物のひとつです。生魚の中でも、特にマグロは食べる量を控えるようにしましょう。

マグロには、少量ではありますがメチル水銀が含まれています。メチル水銀を大量に摂取してしまうと、胎盤を通じてメチル水銀が胎児の体内へと送り込まれてしまいます。

胎児の身体は、メチル水銀を身体の外へ排出する力がないため、体内に蓄積され、神経系の発達に影響してくると言われているのです。

目立った症状ではないものの、音への反応が少し鈍くなるといった報告がなされています。このことから、多くても週に1度程度に食べる量は控えておくようにしましょう。

避けるべき生魚:金目鯛、メバチマグロ、本マグロ(クロマグロ)、メカジキ、バイガイ、クジラ、イルカ、サメなど

注意すべき生魚:キダイ、マカジキ、ミナミマグロ(インドマグロ)、ユメカサゴなど

より詳しく:妊娠中お寿司を食べる前に知っておきたいルール

生の貝類

生の貝類

妊娠中の妊婦さんは、生の魚の他に貝類も避けておいたほうが良いでしょう。アサリや牡蠣などの貝類には、ノロウィルスが含まれていることがあり、感染してしまう可能性があるからです。

ノロウィルスに感染すると、発熱や嘔吐、下痢の症状で苦しめられることになります。妊娠中は、薬の摂取は控える必要があるため、ノロウィルスに感染すると沈静化するまでじっと耐え続けなくてはなりません。

妊娠中の妊婦の身体は、免疫力が低くなっているため、ノロウィルスに感染しやすい傾向にあると認識しておきましょう。

海藻類

海藻類

海の幸でも、海藻なら問題ないだろうと思うでしょうが、海藻類の中でもヒジキは過剰摂取を控えるようにしましょう。

ヒジキには微量ではありますがヒ素が含まれているからです。毎日のようにヒジキの煮物をたっぷりと採っていると、ヒ素が体内に蓄積され、胎児にも影響してくるので注意しましょう。

生肉

生肉

生のお肉にも、たくさんの最近が潜んでいます。ノロウィルスと同様、感染すると激しい症状を引き起こすO-157が生肉には含まれています。また、生肉や動物に付着しているトキソプラズマも要注意です。生で食べないように注意していても、加熱ムラなどで焼けていない部分があると感染してしまう可能性があります。

厚めのお肉は、中までしっかり火が通っているか確かめるようにしましょう。生ハムも加熱殺菌されていないので、大量に食べることは控えてください。

また、トキソプラズマは猫からも感染しやすいため、トイレ処理にも注意が必要です。可能であるなら、トイレ掃除や猫のごはんは妊婦以外の人に行ってもらいましょう。トキソプラズマは、胎児に感染してしまうと重い障害が残る可能性があります。今まで猫に触れたことがないという妊婦の方は、出産まで猫に近づかないようにするものひとつの対策です。

生卵

生卵

加熱ムラで、つい食べてしまう機会が多い食べ物として、生卵もあります。卵かけご飯は避けていても、スクランブルエッグなど加熱の程度がわかりにくい料理もあります。生卵にはサルモネラ菌が付着している可能性があるため、しっかりと加熱してから食べるようにしましょう。

サルモネラ菌は卵の殻に存在するため、卵をよく洗ってから料理に使うなどひと工夫するとより安心です。最近では、卵の殻を事前に殺菌処理して販売していることもあります。毎日の食事に登場する機会の多い卵だからこそ、注意して食べるようにしましょう。

ナチュラルチーズ

ナチュラルチーズ

妊娠中の妊婦さんが、つい気づかず食べてしまうのがチーズです。一見加熱処理済みのように思いますが、ナチュラルチーズは非加熱タイプのものがほとんどです。

非加熱タイプのナチュラルチーズには、リステリア菌が含まれており、感染すると激しい嘔吐や下痢症状を引き起こします。チーズを食べたい時は、パッケージの裏面を確認し、加熱済みを選び、加熱してから食べるようにしましょう。

イタリアンには生が多い

イタリアンには生が多い

妊娠中の妊婦さんは、生の食べ物を避けるべきです。お寿司やお刺身など、和食中心に注意する必要があるように思いますが、イタリアンにも生の食べ物は多いのです。カルパッチョ、生ハム、ナチュラルチーズ、スモークサーモンなど、気づかないうちに食べてしまうことが多々あります。

また、魚介類をたくさん使うため、加熱ムラがないとは言い切れません。少量なら問題ありませんが、大量に食べ続けてしまうと感染の危険性が上がってしまいますので、注意しましょう。

食べ過ぎに注意が必要な食品

積極的に食べたるべきものですが、食べ過ぎると良くない物をご紹介します。通常通り食べる分問題ありません。バランスが大切です。

レバーの過剰摂取

レバーの過剰摂取

貧血対策の代表的食品といえるレバーですが、妊娠中は過剰摂取に十分注意しましょう。安価で気軽に手に入り鉄分も豊富なレバーですが、レバーに含まれる動物性ビタミンAを摂りすぎるとお腹の赤ちゃんの水頭症や口蓋裂などの奇形発生率が高くなると言われています。

妊娠中のビタミンA1日摂取量は2,000~5,000IUですが、レバーには100gあたり3,700~47,000IUものビタミンAが含まれています。100gはたいした量ではないので、特に器官形成期にあたる妊娠初期には避けた方がよさそうですね。

食べてしまった方はあまり気にせず、これからは野菜や豆類からビタミンA、そして卵や青魚から鉄分を摂るよう意識しましょう。

精製された食品の過剰摂取

精製された食品の過剰摂取

妊娠中は代謝システムが変わるため高血糖になりやすく、その状態が続けば妊娠糖尿病を発病しやすくなります。

食事をすれば血糖値が上がるのは当たり前なのですが、あまりにも短時間で急激に血糖値が上がると更に妊娠糖尿病になりやすいので、なるべく血糖値を緩やかに上げる食事が大事です。

白米や餅・白砂糖・食パンなど精製した原料で作られたものは、精製する段階でビタミンやミネラルを排除してしまうため吸収が早く血糖値が急上昇する原因となります。

玄米や胚芽パンは血糖値上昇が緩いため妊娠中は便利なのですが、食べ慣れていない方は玄米と精米を半分ずつにした五分づき米から始めてみてはいかがでしょうか。

海藻類からのヨード摂取量には注意

海藻類からのヨード摂取量には注意

ヨードは甲状腺ホルモンを形作るためには不可欠な元素で、成長ホルモン同様成長を促進させる働きがあるため、お腹の赤ちゃんや育ち盛りの子供には大事な栄養素です。

ヨードは海藻類や魚に多く含まれていますが、これらの食品を摂る機会の少ない海外では、妊娠するとヨードの錠剤を摂るように勧められるほどです。日本の場合は、和食の材料として毎日のように食べているため、海外とは反対に過剰摂取ぎみだといわれています。

お母さんがヨードを多く摂りすぎると、お腹の赤ちゃんの甲状腺機能が低下して代謝に悪影響が出る可能性があるので、間食として昆布やわかめを沢山食べるのは控えた方がよいでしょう。

アレルギー予防のための食事制限は注意

アレルギー予防のための食事制限は注意

ピーナツ・牛乳・卵・そばなど、アレルギーを持つ方は、あらゆる事に対して制限がついてしまいます。お腹の赤ちゃんはアレルギーをもって欲しくないと、妊娠中からこれらの食品を食べないようにしているお母さんも多い事でしょう。

昔は胎児のアレルギー対策としてその方法が取られていましたが、現在はお母さんが制限してもしなくても子供がアレルギーを発生する確率は同じ事が分かっています。

反対に食事内容を制限する事でお母さんとお腹の赤ちゃんの栄養低下が心配されているため、自身がアレルギーで制限しなければならないお母さん以外は、アレルギーよりも栄養バランスの取れた食事内容を優先しましょう。

神経質になりすぎないこと

神経質になりすぎないこと

妊娠中の妊婦さんが、避けるべき食べ物についてご紹介しましたが、どれも大量に摂取しない限り問題はありません。

神経質になりすぎて、食事内容を厳しく制限するとストレスもたまりますので、考えすぎないようにしましょう。妊娠中は免疫が下がっていて、たくさん食べると感染しやすい程度に認識しておいてください。

積極的に採り入れたい食べ物

避けるべき食べ物ばかり知ってしまうと、食事の楽しみがなくなってしまいます。そこで、妊娠中の妊婦さんが積極的に摂るべき食べ物もご紹介しておきましょう。

食物繊維が豊富な主食

食物繊維が豊富な主食

妊娠中の妊婦さんは、ホルモンの影響から便秘になりやすいため、食物繊維を積極的に摂ることが大切です。

主食のお米を胚芽米や玄米に変えると、ビタミンやミネラルも一緒に摂取することができます。パン食の方も、胚芽パンや全粒粉に変えていきましょう。

納豆

納豆

納豆には腸内環境を整えてくれる働きがありますし、良質のたんぱく質も摂取することができます。また、納豆に含まれているビタミンKは、出産時に赤ちゃんが出血することを防いでくれます。妊娠中の妊婦さんは、身体のためにも赤ちゃんのためにも積極的に食べていきましょう。

加熱した緑黄色野菜

加熱した緑黄色野菜

緑黄色野菜は、たくさんの栄養素が詰まった食べ物です。鉄分、ミネラル、ビタミン、食物繊維、葉酸など、妊娠中の妊婦にとって必要なものですから、どんどん食べましょう。

スープにすると、栄養を丸ごと食べることができますし、身体も温まりやすいのでオススメです。

葉酸を意識

葉酸を意識

妊娠中の妊婦さんが、特に積極的に摂っていただきたいのが葉酸に含まれている食べ物です。葉酸は、ビタミンの一種で胎児の細胞やDNAに影響します。

ほうれん草、モロヘイヤ、パセリ、のり、いちご、アボカド、煎茶に豊富に含まれています。妊娠初期に積極的に採り入れたい栄養素ですので、妊娠が判明したら葉酸を優先して食べていきましょう。

妊娠時期で食事内容を変える工夫

妊娠時期で食事内容を変える工夫

お腹の赤ちゃんは10ヶ月の間、めまぐるしく成長していきます。妊娠時期によって成長する内容が異なるので、その時期ごとに成長のポイントとなる栄養成分を意識して摂るようにすれば、赤ちゃんの成長を上手くサポートできます。

例えば妊娠初期は赤ちゃんは卵黄のうという器官から栄養を摂っているので、つわりの最中でもある事からお母さんは無理して食事を摂らなくても大丈夫です。

妊娠中期は胎盤がつながって本格的に成長する時期なので、バランスよく栄養を摂りながらもたんぱく質やカルシウムは特に意識するとよいでしょう。妊娠後期は内蔵機能が完成して動き始める時期なので、それをサポートするために炭水化物でエネルギーをしっかり補給しましょう。

まとめ

妊娠中の妊婦さんが避けるべき食べ物、食べ過ぎ注意の物、積極的に採り入れたい食べ物についてご紹介しました。

たくさんご紹介しましたが、神経質になりすぎる必要はありません。大切なのは食事を楽しく美味しく食べるということです。食べ物を美味しく食べるということは、リラックスにも繋がり胎児にも良い影響を与えてくれます。

妊娠中だからこそ、食べる楽しみと大切さをもう一度学ぶきっかけにしていただければと思います。美味しく食べて、母子ともに健やかな毎日を過ごしていきましょう。

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