分娩第一期~第三期までの分娩の流れと分娩時間について知っておきたいこと

分娩第一期~第三期までの分娩の流れと所要時間について知っておきたいこと

出産予定日が近づいてくると気になるのが分娩のこと。陣痛の痛みはもとより、分娩時間が長引いて、難産になったらどうしよう、と不安を感じる妊婦も多いでしょう。妊婦なら誰しも、分娩時間はできるだけ短く、安産であってほしいと願うものです。

分娩時間についての不安感を解消するためには、妊婦自身が分娩についての知識を養うことが大切です。初産婦と経産婦の分娩所要時間の違い、分娩第一期から第三期までの分娩の三つの流れなど、知っておきたいさまざまな情報をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

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分娩の開始について

分娩の所要時間について考える際に大切なのは、分娩の開始の定義。分娩の前兆と挙げられるのは、おしるし、陣痛、破水ですが、分娩の開始をとらえる上で重要なのは陣痛の間隔になります。

日本産婦人科学会による医学的な定義によると、分娩が開始したとみなされるのは、規則正しく、分娩にまで至る陣痛が始まり、そしてその間隔が10分以内あるいは1時間に6回になったとき。病院に連絡を行うタイミングで用いられるのも、この陣痛の間隔になります。分娩の所要時間が長い初産婦の場合は、このタイミングで病院に連絡します。

前駆陣痛と本陣痛の違い

前駆陣痛と本陣痛の違い

痛みが襲ってきたので、てっきり陣痛が始まったと思ったら、しばらくすると痛みが引いてしまった。これは本物の陣痛ではなく、前駆陣痛と呼ばれるものです。

前駆陣痛とは、本物の陣痛の前に起こる陣痛のことで、本陣痛が始まる直前に起こることもあれば、1、2週間前に起こることもあります。病院に連絡するタイミングを見計らうためにも、前駆陣痛なのか、それとも本陣痛なのか、それぞれの特徴と違いを把握することが重要です。前駆陣痛と本陣痛、それぞれの特徴と違いについて挙げてみましょう。

痛みの間隔が規則的かどうか

本陣痛は痛みの間隔が規則的です。陣痛と思われる痛みが始まったら、痛みが続く時間と、痛みと痛みの間の間隔を測ります。前駆陣痛の場合は、痛みのパターンに規則性がありません。

痛みの度合いが激しくなるかどうか

本物の陣痛は痛みの度合いが徐々に強まります。これに対して前駆陣痛の場合、徐々に痛みが弱まり、やがてまったく痛みを感じなくなります。痛みの間隔と持続時間に加えて、痛みの度合いが強くなるかどうかも見極めましょう。

他の兆候がみられるかどうか

他の兆候がみられるかどうか

おしるしや破水など、分娩の兆候が他にみられるかどうかも、前駆陣痛か本陣痛かの判断基準になります。おしるし、陣痛、破水は、分娩の三大兆候で、この順番で起こることが一般的ですが、場合によっては陣痛が先におこることもあります。

また前駆陣痛はすべての妊婦が感じるものではありませんので、ないからといって不安に思う必要はありません。大切なことは妊婦自身が、自分の体の変化を敏感に察知し、適切に対応すること。前駆陣痛と本陣痛の違いをしっかり覚えておきましょう。※参照1

初産婦と経産婦の分娩所要時間の違い

初産婦と経産婦の分娩所要時間の違い

初産婦と経産婦では、分娩所要時間に開きがあります。目安の数字を挙げると、初産婦の場合の分娩所要時間は、約15時間前後、経産婦の場合は、約7時間前後ですので、初産婦の分娩所要時間は経産婦の2倍弱になります。

経産婦の分娩所要時間が短い理由とは?

経産婦の場合、以前の出産の際に産道ができており、このため子宮口が開きやすく、分娩時間が短くなる傾向にあります。初産婦の場合、子宮口が全開するまでに長い時間がかかるため、分娩所要時間が長くなります。

病院に連絡するタイミングの違い

病院に連絡するタイミングの違い

病院に連絡するタイミングについても、初産婦と経産婦では異なるタイミングが指示されます。上述したように、初産婦の場合は、陣痛の間隔が10分以内あるいは1時間に6回以上になった時点で病院に連絡します。

これに対して経産婦の場合は、分娩所要時間が短いため、陣痛の間隔が15分間隔目安になった時点で連絡するよう指示されます。ただしこれは妊婦の状態や病院までの距離、医師の考え方や方針によりますので、出産予定日が近づいたら、病院に連絡するタイミングを必ず確認しておきましょう。

遷延分娩について

分娩時間が非常に長くなる状態は遷延分娩と呼ばれています。遷延分娩の医学的な定義とは、陣痛の間隔が10分以内になってから、初産婦の場合は30時間以上、経産婦の場合は15時間以上経過してもなお出産に至らない状態。

遷延分娩は母子ともにリスクが高まることから、遷延分娩になりそうなときは、陣痛促進剤の使用や吸引・疳子分娩などの産科手術が行われる可能性もあります。※参照2

分娩の流れについて

分娩が始まってから胎盤が排出されるまでは、分娩第一期、分娩第二期、分娩第三期の三つの段階に区分されています。

分娩に関する不安や疑問を解消するためには、分娩第一期から第三期までの流れを正確に把握することが必要です。分娩の流れについて、陣痛の始まりから後産まで、それぞれの段階の分娩の進み方について詳しくみていきましょう。

分娩第一期

分娩第一期

分娩第一期は別名開口期とも呼ばれ、分娩の始まりから子宮口が全開するまでの期間を指します。分娩全三期の中で大半を占めるのがこの第一期で、初産婦の場合、10時間から12時間、経産婦の場合は5時間から6時間が目安になります。

分娩第一期におこること

分娩第一期の終わりには、子宮口は直径10cmまで広がります。子宮が収縮することにより、赤ちゃんはどんどん下におりていき、骨盤内にしっかり頭を固定します。子宮頸部は短く、柔らかくなり、子宮口も広がっていきます。子宮は赤ちゃんを押し出すために、収縮を繰り返していますので、陣痛の間隔もそれに呼応する形で段階的に短くなり、陣痛の持続時間はどんどんのびていきます。

子宮口が10cmまで開く頃には、陣痛の持続時間は目安で60秒以上、陣痛がくる間隔は2分程度になり、子宮口の位置も肛門側から前方に移動します。

分娩第一期の妊婦の様子

分娩第一期は分娩の中でもっとも時間がかかる段階ですので、妊婦は体力勝負。分娩第一期は休めるときは休みながら、できるだけ気持ちをリラックスさせて過ごしましょう。

いきみをのがし、陣痛を乗り切るためには呼吸法を学んでおくことが大切です。側にいる看護士や助産婦がサポートしてくれますので、不安がらず、覚えておいた呼吸法を実践することに専念しましょう。

分娩第二期

分娩第二期

娩出期とも呼ばれる分娩第二期は、子宮口が10cmに全開してから赤ちゃんが生まれるまでの期間を指します。分娩第二期の所要時間の目安は、初産婦の場合1時間~2時間程度、経産婦の場合はさらに短く30分~1時間程度になります。

分娩第二期におこること

分娩第二期の前半では、赤ちゃんの頭が骨盤入口の中に入り込み、骨産道から軟産道におりてきます。後半に入ると、赤ちゃんの頭がママの会陰部から出たり入ったりを繰り返すようになります。これは排臨(はいりん)と呼ばれ、陣痛時に頭が見え、陣痛と陣痛の合間には隠れてしまう状態を指します。

側でサポートしてくれている助産婦の指示に従い、いきみを始めると、今度はいよいよ赤ちゃんの頭がずっと見えている発露と呼ばれる状態へと分娩が進んでいきます。赤ちゃんの頭が完全に出たきたら、次に肩が片側ずつ出てきて、最後に体全体が出てきます。ここまでが分娩第二期で、後は胎盤の排出が行われる分娩第三期に入ります。※参照3

分娩第三期

分娩 第三期

分娩第三期は後産期と呼ばれ、赤ちゃんが生まれたあとから胎盤が排出されるまでの段階を指します。分娩第三期の所要時間ですが、初産婦の場合は15分から30分間、そして経産婦の場合は10分から20分程度となります。

分娩第三期におこること

赤ちゃんが生まれたら、それまで赤ちゃんとママを結んでいたへその緒は切られます。へその緒が切られると血流が止まり、子宮は再び収縮します。これは後産陣痛と呼ばれるもので、子宮が強く収縮することで、子宮内壁についていた胎盤が剥がれ落ちて、卵膜やへその緒と一緒に子宮の下のほうにおりてきます。

このとき子宮の収縮や腹圧で自然に膣外に排出されることもありますが、自然に排出されない場合は、助産婦が産婦さのおなかを軽く押したり、へその緒を軽く引くことで排出されます。これで分娩は終了、このあとは赤ちゃんへのはじめての授乳が待っています。

後産後の産婦の様子

後産後の産婦さんの様子

胎盤が排出された時点で分娩は終了しますが、このあと1、2時間は産婦の容態を細かに観察します。胎盤排出後の1、2時間は血圧の変化や弛緩出血などがおこりやすいからです。

胎盤が排出されたあとは、悪露がではじめます。悪露は胎盤や卵膜がはがれ落ちた際の出血や、子宮内に残っていた血液、分泌物や粘液などが混じりあったもので、産後数日間から1、2週間程度続きます。

分娩第一期から第三期までの目安時間は?

目安は経産婦では約7時間前後、初産婦で約15時間前後
数時間から数日まで個人差があります。

後悔しない分娩のために考えたいこと

後悔しない分娩のために考えたいこと

立会い出産や母子同室など、分娩および入院に対する希望があれば、定期健診の際に必ず医師に相談しておきましょう。

現在では妊婦の希望を、バースプランとして受けいれてくれる病院も増えています。あとで後悔しないためにも、分娩に対する希望は前もって病院に伝え、どの程度受けいれてもらえるのか、事前に確認しておきましょう。

まとめ

分娩の所要時間について知っておきたい情報を幅広くご紹介しました。分娩の流れや所要時間に関する情報を持っていないと、分娩に対する不安は増すばかり。陣痛の始まりから赤ちゃんが生まれ、胎盤が排出されるまでの一連の流れを把握すると、出産に対する妊婦の精神的なプレッシャーはやわらぎます。

出産予定日が近づいたら、いまいちど分娩の流れや呼吸法について確認を行い、分娩や陣痛への不安感を解消しておきましょう。

参照1 日本産婦人科学会 正常経膣分娩の管理
参照2 日本産婦人科学会 遷延分娩
参照3 高知県地域福祉部児童家庭科 分娩期

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