安産のためにやっておきたいことや注意点

安産のためにやっておきたいことや注意点で知っておきたいこと 妊娠中

出産が安産になりますように、との願いは妊婦全員が抱くもの。安産のためにすべきことを知りたい、と思うのは当然のことでしょう。ところが安産のためにしたほうがいい、とされることの中には、単なるジンクスやおまじない程度のものも混じっています。

安産のためにやっておきたいこととは?臨月の過ごし方の注意点とは?安産につながる運動とは?など、知っておきたい情報をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

安産とは?出産の特徴は

安産の特徴とは?

安産とは実は医学用語ではありませんので、厳密な定義が決められているわけではありません。安産は難産の正反対を意味する言葉で、その特徴とは、分娩中の痛みが軽く、分娩時間が短く、そして母子ともども健康な状態で出産が終了することです。

ひとりひとり違う安産の形

安産には厳密な定義はなく、分娩時間や痛みの程度などはひとりひとりの妊婦によって異なります。たとえば分娩時間は平均よりも多少長かったものの、これといったトラブルもなく、元気な赤ちゃんが生まれた。これは安産といえるでしょう。

陣痛の痛みが激しく、妊婦が体力を消耗してしまったため、結局帝王切開手術になった。これは難産といえるでしょう。

痛みの感じ方にも個人差があり、痛みに弱い方もいれば、比較的強い方もいます。分娩時間についても、短ければ短いほどいいというわけでなく、赤ちゃんとママの両方に負担がかからないように、徐々に分娩が進行することが望ましい分娩のあり方です。

陣痛の痛みは子宮の収縮のリズムにそっておこるものであり、分娩時間の長さは初産かどうかや、子宮口の開き方によって違ってきます。このように何をさして安産と判断するかに関しては、いろいろな判断基準があります。

難産の特徴とは?

難産の特徴とは?

安産とは反対に難産という言葉が喚起するイメージは、分娩時間が非常に長い、陣痛の痛みが激しい、産婦の体力が消耗される、分娩中にトラブルが生じる、分娩誘発剤を使う必要が生じる、母子に健康上のリスクが生じるなど。難産になると、赤ちゃんにもママにもいろいろなリスクが生じます。

安産の見方 特徴

分娩による安産の見方 正常分娩と異常分娩

分娩による安産の見方 正常分娩と異常分娩

正常分娩とは、妊娠37週から41週の間に、自然に陣痛がおこり、帝王切開などの医療行為の介入がなく、経膣分娩により赤ちゃんが生まれる出産をさします。また出産後、赤ちゃんにもママに合併症や障害が残らないことも正常分娩の条件になります。

これに対して異常分娩とは、帝王切開手術や吸引・疳子分娩による分娩や、早産、過期産になることをさします。正常分娩を安産ととらえると、異常分娩は難産にあたります。

時期に安産の見方 正期産と過期産

正期産と過期産

妊娠37週から妊娠41週目までにおこる出産は正期産と呼ばれています。この期間に生まれる赤ちゃんはおなかの中で十分に発育しているため、分娩の際のリスクがもっとも低くなります。

これに対して過期産は、妊娠42週目以降におこる分娩で、妊娠週が進むため赤ちゃんが大きく育ちすぎる巨大児や、胎児機能不全など、さまざまなリスクが増大します。分娩時期から考えると、正期産は安産で、過期産は難産ととらえることができます。

時間による安産の見方 分娩時間について

時間による安産の見方 分娩時間について

分娩時間には個人差がありますが、一般的にいって初産婦と経産婦では分娩時間に違いがあります。初産婦の場合は15時間から16時間、経産婦の場合は6時間から8時間程度です。

遷延分娩とは?

遷延分娩は分娩時間が長引く出産を意味します。初産婦の場合は30時間以上、経産婦の場合は15時間以上かかることを遷延分娩と呼びます。遷延分娩になると、産婦の体力は著しく消耗し、母子ともにいろいろなリスクが生じます。遷延分娩は難産のカテゴリーに入るといえるでしょう。

安産のためにやっておきたいこととは?

安産のためにすべきこととは?

安産を目指すためにやっておきたいことについて、ひとつずつ詳しくみていきましょう。妊婦の努力だけで、安産になるとは限りませんが、安産を目指すためにはおろそかにできないことがたくさんあります。臨月に入り出産予定日が近づいたら、必ず行うべきことを以下に挙げてみましょう。

体重管理を厳重に行うこと

体重管理を厳重に行うこと

臨月に入ると、それまで高い位置にあったおなかが下に下がってきます。これにより胃のあたりがすっきりし胃もたれがなくなるため、食欲が増し、体重が一気に増加することがあります。

体重増加が許容範囲を超えると、妊婦の産道に脂肪がついてしまい、難産になる可能性が高まります。臨月に入ったからといって油断せずに、体重管理は最後まで厳重に行いましょう。

体力を維持するための努力

体力を維持する

出産は体力勝負。体力が落ちていると微弱陣痛になり、分娩時間が長引きます。出産予定日前に体力が落ちてしまわないよう、適度に体を動かすなどして体力をつけておくことが大切です。

臨月に入るとおなかがいよいよせりだすため、体を動かすこと自体が億劫に感じられますが、何もせずに座ってばかりいると体力が落ちるばかりか、体重増加に拍車がかかります。妊婦体操やヨガ、ストレッチ、散歩、家事などで体を動かすことは、体力の維持に役立ちます。

筋肉を鍛える

筋肉を鍛える

出産には体のいろいろな部分の筋肉をはたらかせますので、筋力を維持することも大切です。骨盤底筋は子宮、膀胱、卵巣などの骨盤にある臓器を支えると同時に、膣、肛門、尿道の筋肉を締めるはたらきを担っています。

骨盤底筋肉には妊娠・出産により大きな負担がかかりますが、とくに分娩の際には強い力で引き伸ばされるためゆるんでしまい、産後に尿もれや失禁などのトラブルが生じます。妊婦体操やストレッチで、骨盤底筋をはじめとする下半身の筋肉を鍛えることも大切です。

呼吸法を学んでおく

呼吸法を学んでおく

ラマーズ法やソフロロジーは分娩の際のいきみを逃すのに大切な役割を果たします。陣痛の痛みや分娩に対する不安で緊張してしまうと、いきみを上手に逃すことが出来ず、陣痛の痛みを強く感じます。分娩の際の精神的な緊張や筋肉の硬直を和らげるためには、ラマーズ法に代表される呼吸法を行うことが効果的です。

ラマーズ法やソフロロジーは陣痛の感じ方を和らげると同時に、筋肉の強張りを緩和し、精神的な緊張もほぐしてくれます。安産を目指すためにぜひ覚えておきましょう。

股関節を鍛える

股関節を鍛える

骨盤底筋とともに分娩の際に大切な役割を果たすのが、股関節。股関節が固く、柔軟性がないと分娩の際に不都合が生じるおそれがあります。股関節のストレッチは座ったままできますので、ゆっくり無理をしない範囲で股関節を鍛えておきましょう。

不安な気持ちを解消しておく

不安な気持ちを解消しておく

出産予定日が近づくにつれて、陣痛の痛みのことや分娩がスムーズにいくかどうかが気になり、不安を募らせる方もいるようです。痛みに敏感な方やこれが初産の方が、陣痛や分娩について不安な気持ちを抱くのは自然なことですが、不安な気持ちをそのままにしておくことは難産につながりかねません。

分娩について分からないことや不安なことがあれば、健診の際に医師や助産婦に尋ね、疑問を解消しておきましょう。不安や疑問な気持ちを抱えたまま、出産予定日を迎えることがないように注意しましょう。

安産に関する習慣やしきたりについて

安産に関する習慣やしきたりについて

日本では妊娠5ヶ月に入った最初の戌の日に、神社やお寺で安産祈願をしてもらうことが慣わしです。戌の日に安産祈願をする由来は、犬はお産が軽いといわれてきたためで、犬のお産のように軽くすみますようにとの願いをこめて、神社やお寺に詣で、腹帯や安産のお守りをいただきます。

安産祈願で有名なお寺や神社では、従来のお守りにくわえて、デザインの可愛いお守りを用意しているところもあります。お守りをもっているだけで、安心感が得られ、精神的な安らぎが得られた、というママも多いようです。

安産祈願の神社・お寺の選び方のポイント

安産祈願のための神社やお寺を選ぶ際には、できるだけ自宅に近く、階段の上り下りが少なくところを選びましょう。

安産祈願をしてくれる神社やお寺では、祈願はなしでお守りだけをいただけるところもあります。安産祈願のお守りは出産後もらったところにご返納することが決まりですので、この点にも注意しましょう。

安産に関するジンクスや言い伝え

安産に関するジンクスや言い伝えについて

巷には安産や陣痛に関するジンクスがたくさんで回っていて、やったほうがいいものとやらなくてもいいものの区別がつかずに迷ってしまう妊婦もいるでしょう。○○を食べると陣痛が早くくる、スクワットやトイレ掃除をするといい、腹帯をすると安産になるなど、安産や陣痛に関するジンクスや言い伝えはたくさんあります。

たとえば腹帯は古来から伝わる風習で、おなかを冷やさないように、という意味が込められています。スクワットやトイレ掃除に関しては、四つんばいの姿勢で体を動かすことにより、体力の維持が期待できそうです。ただし妊娠中に運動を行うときは、体に負担をかけないように、無理せずできる範囲で行うことがポイント。○○を食べると陣痛が早くくる、といったジンクスは、先輩ママの経験談的な話で、すべての方に当てはまるとは限りません。

言い伝えや風習には先人の知恵が隠されていますが、ジンクスに関してはあくまでもジンクスなので、あくまでも経験談として受け止めたほうがいいでしょう。

まとめ

安産のためにやっておきたいことに関する情報を幅広くご紹介しましたが、いかがですか?安産のお守り、安産の神社、安産のジンクスと、安産に関してはいろいろな情報があり、いったいどれがほんとうに効果があるのか、どれをやるべきで、どれはやらなくていいのか、判断に迷う方も多いでしょう。

ジンクスやおまじないで出産予定日前の緊張をほぐすことも大切ですが、出産は気力と体力勝負。体力が落ちないように注意する、呼吸法をしっかり覚える、ストレッチや体操で柔軟性をもたせる、体重管理をしっかり行うといった実際的なことから実践しましょう。

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