臨月が近づくと、とにかく早く赤ちゃんを産みたい!と望む妊婦が増えるようです。妊娠後期の後半になると、おなかはさらに大きくせり出し、日常生活にもいろいろ不便を感じます。
出産予定日を超過しても陣痛が来なかったらどうしよう、赤ちゃんが育ちすぎて、難産になったら困る、臨月の体重管理に失敗したら、陣痛がなかなか来なくなるの?など、臨月に入ると、出産の時期についての不安や疑問がふつふつと沸いてきます。
臨臨月とはいったいいつからいつまでを指すの?臨月は正期産に違いはあるの?など、早く赤ちゃんを産みたい!と望む妊婦が知っておきたい情報をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
臨月とは?妊娠36週・37週・38週・39週
臨月とは正確にはいつからいつまでを指すのか、ご存知ですか?臨月とは妊娠最終月、すなわち妊娠10ヶ月目をあらわす言葉で、週数でいうと36週0日から39週6日目までに当たります。ちなみに出産予定日は便宜上妊娠40週0日と設定されていますので、臨月とは出産予定日の前日までのマタニティライフ最後の1ヵ月ということになります。
臨月に入ると、いつ陣痛が起こってもおかしくないといわれます。このことから、臨月と正期産とは同じ意味をあらわす、と誤解している妊婦もいるようですが、臨月と正期産は同じではありません。ここでまず臨月と正期産の意味と時期について確認しておきましょう。
正期産とはいつからいつまで?
正期産とは妊娠37週0日目から41週6日目までの出産をあらわします。臨月は36週目からですので、正期産は臨月の2週目から始まります。正期産の終わりですが、これは出産予定日の2週間後まで。つまり正期産とは、臨月よりも1週間遅く始まり、出産予定日を越えてさらに2週間続く期間におこる出産、ということになります。
臨月と正期産の違い
臨月に入ったらいつ出産があってもおかしくないといっても、臨月の第一週は正期産ではありません。正期産に入る前の出産、すなわち妊娠36週6日までの出産は、早産に当たります。
ちなみに早産の定義とは、妊娠22週0日から36週6日までにおこる出産を指します。妊娠22週以前の出産は流産と呼ばれます。
正期産の場合、出産予定日以降の2週間以内も含まれますので、出産予定日になっても陣痛がこない、と焦る必要はありません。出産予定日はあくまでも目安で、実際には出産予定日の前後に出産を迎える妊婦が大半を占めます。
正期産と呼ばれる理由とは?
正期産と呼ばれる理由は、妊娠37週目に入った赤ちゃんは、身体の機能がほぼ完成しており、生まれたあとのトラブルが起きにくいためで、正期産は出産するのにもっとも適した期間といえます。
早産で生まれた赤ちゃんは、生まれた妊娠週によっては身体の発育状態や機能が未熟で、子宮外の環境にうまく適応できません。
体温調節機能、免疫機能、心肺機能、消化機能など、赤ちゃんがママのおなかの外で生きていくために最低限必要な機能が十分に発達していないと、生まれたあとにさまざまなトラブルが発生します。出産は正期産の範囲内で、といわれるのはこのためです。
早産と過期産にはリスクがあること
早産には一定のリスクがありますが、同様に正期産の時期を超過してからの出産にもたくさんのリスクがあります。臨月に入ったらできるだけ早く赤ちゃんを生みたい、と願う妊婦は、正期産を越えての出産に不安を感じているにちがいありません。正期産を越えての出産は過期産と呼ばれています。
過期産のリスクとは
妊娠41週6日を超過してからおこる出産は過期産と呼ばれています。過期産の出産には多大なリスクが伴います。赤ちゃんが大きく育ちすぎると巨大児になり、ママの産道をとおることができず、難産になります。
また胎盤の機能低下や羊水量の減少といったリスクも生じます。過期産になり、母子ともにトラブルが生じることを避けるために、誘発分娩が行われることもあります。
赤ちゃんを早く生むための方法はあるの?
妊娠後期の後半に入ると、妊婦はいろいろなマイナートラブルに見舞われます。腰痛、頻尿、尿漏れ、動悸、息切れ、むくみ、こむらがえりと、妊娠後期から臨月の妊婦の悩みは尽きません。さらに出産に関する不安も加わるので、妊婦が出産に対してストレスを感じるのは当たり前。とにかく一日も早く出産を終えたい!と切実に願う方もいるでしょう。
また自分が楽になりたいという気持ちだけでなく、一日も早く可愛い赤ちゃんに会いたい、という気持ちもふつふつと沸いてきます。早く赤ちゃんを生めば、過期産のリスクも回避できます。臨月に入り、早く赤ちゃんを生む方法はあるのでしょうか?
陣痛を促す方法とは?
臨月に入り早く赤ちゃんを産みたい!と思ったら、無理のない範囲で体操やスクワット、散歩やウォーキングを行いましょう。
医師から安静を命じられている場合は別ですが、それ以外はなるべくこまめに体を動かしたほうが、気分も晴れ、不安な気持ちを解消できます。臨月に適している運動について、ひとつずつ挙げていきましょう。
妊婦体操
妊婦でも安全にできる妊婦体操は、産婦人科病院や市町村主催のマタニティ教室で教わることができます。妊婦体操は腰痛の緩和にも効き目がありますので、この点でも臨月におすすめの運動のひとつです。
妊婦体操を行うことで得られるメリットはさまざま。出産に必要な体力の維持できる、股関節や筋肉の柔軟性を保つ、体を動かすことで爽快感が得られる、精神的にリラックスできる、腰痛の緩和に役立つなど、出産に向けて、心身ともに準備を整える手助けをしてくれます。
スクワット
陣痛促進にはスクワットもおすすめです。スクワットで足腰を適度に鍛えることにより、出産に必要な体力・筋力をつけることができます。骨盤底筋を鍛え、骨盤を開きやすくする効果も期待できます。
ただし間違った姿勢で行うと、腰痛がひどくなることもありますので、臨月にスクワットをしたいと思ったら、まずは医師や助産婦に相談することが大切です。
マタニティヨガ
マタニティヨガのメリットは、陣痛の痛みを軽減させる呼吸法やいきみ逃しの呼吸法を同時に学べること。マタニティヨガの呼吸法を覚えておくと、陣痛や分娩の際に必ず役立ちます。
妊婦体操同様、妊婦専用に考案されたヨガですので、出産に必要な筋肉を鍛え、関節に柔軟性を与えられます。身体的なメリットだけでなく、ゆったりとしたリラックス気分になれる呼吸法で、精神的なストレスも緩和されます。精神的な圧迫感を解消することで、陣痛や分娩に対する緊張感をほぐし、安産を目指せます。
散歩やウォーキング
散歩やウォーキングは妊婦の体に余計な負担をかけることなく、適度に体を動かせる臨月に最適の運動です。歩くことで足腰の筋力をキープし、体力もつけることができます。適度な有酸素運動は、臨月の体重管理にも一役買ってくれます。戸外の風景に触れることで、心身ともにリフレッシュ。不安な気持ちも一掃されますので、リラックスした気持ちで陣痛がくるのを待つことができます。
雑巾がけ
四つんばいでの雑巾がけは、早く赤ちゃんを産みたいときに昔から勧められてきた方法のひとつです。大きなおなかで四つんばいになるのは、臨月の妊婦にとってはハードな運動ですので、無理せずゆっくり少しずつ行いましょう。
四つんばいの姿勢を取ると、背中や腰が楽に感じられる、という妊婦もいるようです。四つんばいになると、背中や腰の筋肉は緩めることができますが、重くなったおなかのせいでうまくバランスを取れないこともありますので、無理は禁物。おなかや腰に違和感を感じたら、即座に中止しましょう。
布団の上げ下げ
布団の上げ下げも陣痛促進に効果があるとされていますが、無理な姿勢を取ると、体のバランスを崩してしまい、よろけたり、転倒するおそれがあります。布団が重すぎるのもNGですので、布団の上げ下げは体調に合わせて、無理のない範囲で行いましょう。
階段の上り下り
階段の上り下りも陣痛促進に効果的といわれています。階段を上ったり降りたりすることで、下半身全体を程よく鍛えることができます。臨月の妊婦はおなかが大きくせり出していますので、階段の上り下りには十分に注意することが必要です。
出産は赤ちゃんの準備ができたときにおこる
臨月に入ったので、早く赤ちゃんを生みたい!と思っても、ママの体と赤ちゃんの準備が整っていなければ、陣痛は起こりません。臨月になり早く赤ちゃんを産みたい、と思ったときに試してみたい方法については上に挙げてきましたが、これらの運動を行ったからといって、必ずしも陣痛が促進され、出産が早く終わるとは限りません。
陣痛や出産は、赤ちゃんとママの準備が整ったときにはじめておこるもの。早く産みたい!と焦っても、陣痛が早まることはありません。不安や焦りを抱えていると、気持ちだけでなく、体まで緊張してしまい、かえって出産が遅れるおそれも。臨月に入り、早く赤ちゃんを産みたい、と思ったら、気持ちをリラックスさせると同時に、陣痛や出産についての疑問や不安を解消することも大切です。
まとめ
臨月っていつからなの?赤ちゃんをできるだけ早く産みたい!出産したい!正期産での出産を目指したい!などの情報を幅広くご紹介しました。
臨月になったらいつ出産しても大丈夫、と思っている方もいるようですが、正期産は臨月の2週目からに当たります。リスクが少なく、ママに負担のかからない出産を一日も早く実現するためには、臨月に適度な運動を行い、出産に必要な体力と筋力を維持することが大切です。臨月に入ったら、無理のない範囲で運動を行い、正期産を目指しましょう。