妊娠初期はつわりのせいで食欲が減退する妊婦さんが多くなりますが、これとは反対に我慢できないほどのお腹がすく、空腹感に襲われる妊婦さんも大勢います。妊娠初期はホルモン分泌に大きな変化が起こる時期で、妊婦さんの体と心にさまざな影響を及ぼします。食欲の変化もそのひとつで、妊娠超初期・妊娠初期には食欲の増進あるいは減退が顕著にみられます。
妊娠初期超初期~妊娠初期に空腹感について、その症状、原因から対処法まで、知っておきたいいろいろな情報を幅広くご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
体に影響が出るホルモンバランスの変化
妊娠が成立すると、妊娠の状態を継続するために必要なホルモンが分泌されはじめ、ホルモンバランスに変化が起こります。ホルモンバランスの変化は、妊婦さんの体にさまざまな形で影響を与えます。
妊娠を機に生じる症状には個人差があり、どんな症状があらわれるかはそのときになってみなければ分かりません。妊娠を機に体にあらわれる症状は、妊娠の兆候としてとらえられます。強い空腹を感じるなどの食欲の変化も妊娠の兆候のひとつで、早い方は妊娠超初期から感じます。
妊娠超初期に感じる食欲の変化
妊娠の兆候をいつ感じるかには個人差があり、早い方では生理予定日前後の時期、すなわち妊娠超初期から妊娠の兆候を感じ始めます。
熱っぽい、おなかが張る、眠気がひどい、食欲が旺盛になる、下痢・便秘になるなどが代表的な症状で、生理前の症状と似ていることもあります。
妊娠初期の空腹について
妊娠初期の症状というとつわりが真っ先に頭に浮かびます。朝起きた途端にムカムカに襲われ、嘔吐してしまい、何も食べられない。こんな辛い思いをする妊婦さんがいる一方で、空腹感がおさまらず、一日中何かしら口にしてしまう妊婦さんもいます。
妊娠初期に食欲に変化が起こる原因は、ホルモン分泌の変化にあると考えられますが、空腹感の原因はこれだけではありません。妊娠初期におなかがすくのはつわりの一種ととらえることもできます。
妊娠初期の空腹はつわりの一種?
妊娠初期におなかがすくのはつわりの一種とも考えられます。つわりとは一般的には吐き気や嘔吐を意味しますが、広い意味でのつわりはこれだけには留まりません。ムカムカや嘔吐に加えて、眠気、立ちくらみ、だるさ、頭痛、めまい、食べ物の好みの変化、匂いに敏感、唾液の増加といった症状も多くみられます。
妊娠初期の空腹も広い意味でとらえると、つわりの一種といえます。どのような状態で空腹を感じるのか、それぞれの状況について挙げてみましょう。
食べつわりによる空腹感
つわりのタイプにはいくつかの種類があります。嘔吐を繰り返す吐きつわり、匂いに敏感になる匂いつわり、眠気がひどい眠りつわり、空腹になるとムカムカするため、食べ物を常に口にしてしまう食べつわりなど、つわりのタイプはいろいろ。食べつわりになると、胃がからになるとムカムカ感が増すため、頻繁に空腹を感じることがあります。
食べつわりの空腹の特徴とは?
空腹を感じるにもかかわらず、いざ食べようとするとムカムカして食べられない。これは食べつわりで空腹を感じるときの典型的なパターンです。空腹なのに食べ物を見るだけで吐き気がして、どうしても食べられず、空腹感は募るばかり。空腹が続くために、吐き気や気持ちの悪さも延々と続くので、体力を消耗してしまいます。
空腹なのに食べられない妊婦さんがいる一方で、空腹感を少しでもいやそうと無理やり食べてしまう方も。おなかがすく→ムカムカを我慢して食べる→吐く、といった悪循環の繰り返しが妊娠初期の期間中ずっと続くこともあります。おなかがすくとムカムカするのは、食べつわりのせいといえるでしょう。
嘔吐するせいでおなかがすく
おなかがすいたので食べたけれども、すぐに吐いてしまう。これを一日に何回も繰り返す妊婦さんは、いつまでたっても空腹感がおさまりません。妊娠初期のがまんできない空腹感の原因は、満足に食事を取れないことにもあります。
妊娠初期の胎児は卵黄嚢から栄養を得ていますので、妊婦さんの栄養摂取が多少不十分になったとしても、おなかの赤ちゃんの成長には支障ありません。しかし妊婦さん自身の健康や体力のことを考えると、嘔吐を毎日何度も繰り返すことは望ましくありません。つわりの嘔吐がひどく、栄養が十分に取れない日々が続くときは、産婦人科医に相談しましょう。
妊娠悪阻になった場合
嘔吐が激しく、体重が減少する場合、脱水症状や栄養失調に陥る状態は、妊娠悪阻と呼ばれています。妊娠悪阻とはつわりの症状が重篤化したもので、入院治療が必要になる場合もあります。
妊娠悪阻はそのままにしておくと徐々に症状が悪化しますので、早めに対処することが大切。上に挙げたような妊娠悪阻の兆候がみられる場合には、念のため医師の診察と検査を受けるようにしましょう。
一度にたくさん食べられないため
空腹を感じるにもかかわらず、いざ食べようとすると少ししか食べられないことも、妊娠初期に空腹が続く原因のひとつです。食べ物の匂いが我慢できない、食べ物の味が変に感じられる、食べようとすると胃がしめつけられるような感じがするなど、つわりが始まるとおなかがすいているのに、どうしても食べられないという状況に迫られます。
なんとか食べようとしても、一度に少量しか食べられないため、空腹感を満たすことができません。これが一日中続くことで空腹感が途切れず、妊婦さんは食べたいのに食べられないという辛い状況を経験します。
食欲・味覚・嗜好の変化
妊娠を機に起こるホルモンバランスの変化は、食欲、味覚、そして食べ物の嗜好に対しても影響を及ぼします。つわりが始まるとムカムカと気持ちが悪いせいで、食欲が減退する妊婦さんもいれば、反対に食欲が旺盛になる方もいます。
食欲に変化が起こるだけでなく、味覚が変わったと感じる妊婦さんもいます。今までは大好きだった食べ物が不味く感じられる、何を食べても苦く感じる、食べ物の味が分からないなど、一人一人の妊婦さんによって味覚の感じ方は異なります。
また食べ物の嗜好も変わり、これまで好きだったものが食べられなくなることもあれば、あまり好きでなかったものばかり食べたくなることも。つわりになると酸っぱいものが欲しくなりますが、これは一般的な傾向であって、甘いデザート、濃い味付けのもの、カロリーの高いもの、スナック菓子ばかり食べてしまう妊婦さんもいます。
このように食べ物に対する感覚や味覚が変化することにより、妊娠前よりも食欲が増進した、頻繁におなかがすくようになった、と感じられることもあります。
妊娠初期に空腹を感じるときの対処法
妊娠初期に空腹が続く際の対処法について、ポイントごとに詳しくみていきましょう。つわりで吐き気や嘔吐がひどい場合には、食事の内容や取り方に注意することが大切です。おなかがすいているからといって、何も考えずに食べてしまうと、ムカムカをおさえ切れず、食べたものをすぐに吐き出してしまうこともあります。せっかく頑張って食事をしても、すぐに吐いてしまうのでは意味がありません。妊娠初期におなかがすいて仕方ないときの対処法やつわりを軽減する食事の仕方について知っておきましょう。
食事は少量ずつ摂る
おなかがすいているからといってたくさん食べ過ぎると、胃腸に負担がかかりすぎます。妊娠中はホルモンの影響を受け、胃腸の消化・吸収機能が若干弱まっています。その上一度にたくさんの食べ物を取ると気持ちが悪くなるのは当たり前。おなかがすいていても、一度にたくさん食べることは控えましょう。妊娠初期のつわりの時期は、食事の回数を増やし、一度に食べる量を少なくすることが基本です。
空腹にならないように小分けに食べる
空腹感を強く感じるとムカムカもそれに比例して強くなります。ムカムカをおさえるためには、空腹感を強く感じないよう、食事と食事の間に間食を入れ、小分けにして食べることが有効です。
朝起床時に空腹とムカつきがひどい方は、就寝前におなかにもたれないものを少し口にするといいでしょう。また夜中に起きたときに空腹を感じる場合は、すぐに食べられる軽い夜食やおやつを寝室にあらかじめ用意しておくと便利です。
間食は胃に負担のかからない、消化のよいものを選びましょう。間食の回数が増えるときは、カロリー摂取量にも注意が必要です。つわりの時期に食べ過ぎる妊婦さんはあまりいませんが、カロリーの高いものばかり食べていると、体重管理に失敗します。間食を選ぶ際にはこの点にも十分注意しましょう。
満腹感の得られるものを選ぶ
妊娠初期に空腹がひどいときは、少量でも満腹感の得られる食べ物を選ぶようにしましょう。野菜たっぷり具沢山のスープや雑炊など、胃に優しくあっさりしていながらも、腹持ちのよいメニューが理想です。
栄養バランスに気を配り、いろいろな食材を盛り込み、目でも舌でも満足感が得られる食事を心がけましょう。とりあえず空腹感をなんとかしようと炭水化物や糖質ばかり摂ると、そのときは満足できますが、すぐに再びおなかがすいてしまいます。いろいろな栄養素を満遍なく摂るようにすると、空腹感を上手に解消できます。
まとめ
妊娠超初期~妊娠初期にお腹がすくときに知っておきたい情報を幅広く挙げてみました。妊娠初期のつわりの症状のあらわれ方は千差万別。ムカムカと嘔吐のせいで、食欲をまったくなくしてしまう方もいれば、空腹感が強く、常になにかしら口にしてしまう妊婦さんもいます。
おなかがすくと気持ちが悪くなり、食べようと思っても食べられない、食べると吐いてしまうので空腹がおさまらない、と妊娠初期の空腹は妊婦さんの悩みの種です。妊娠初期におなかがすく原因を知り、効果的な対処法を知ることも大切です。