妊娠中は、手足がむくんだり、便秘になったり、イライラしたりといろんなことが起きて大変ですよね。もし、そんな症状に悩まされているのなら、妊婦体操・妊娠体操を実践してみてはいかがでしょうか。
妊婦体操・妊娠体操なら、妊娠中の妊婦さんでも安心して行うことができます。身体も心も健やかにしてくれる妊婦体操・妊娠体操。ひとつひとつ詳しくご紹介していきましょう。
妊婦体操の基本とは
妊婦体操は、妊娠中の妊婦さんでも安全に行える体操のことです。ただし、人により体調や妊娠している状態は違います。妊娠体操を行う前に、必ず医師に身体を動かしたい旨を伝えるようにしましょう。もし、お医者さんが今は身体を動かすべきではないと判断されたら、無理をして独断で行うべきではありません。
また、妊婦は日々体調が変わるものです。毎日続けなければと無理をせずに、体調が優れないときは安静に過ごすようにしましょう。また、妊娠体操中に、お腹にハリや傷みが生じたり、不正出血が確認されたりした場合はすぐに中断して、産婦人科で診察してもらうようにしてください。
基本的に安全な体操ですが、何かしらの原因で身体に負担がかかっている可能性があります。以上の点を踏まえたうえで、妊娠体操を実践していきましょう。
妊婦体操の目的は?
妊婦体操は、妊娠中に妊婦が抱える悩みの解消と、リラックス、そして出産に向けての体力づくりのために行われます。
むくみを取り除きたいという妊婦の方もいらっしゃれば、食べすぎて体重オーバーしてしまい、少し運動をしなければと考えている妊婦の方もいらっしゃるでしょう。
それぞれの目的を持って、こうなりたいと目標を掲げ、無理のないように近づいていくことで、長続きさせることができます。
妊婦体操はいつからが最適?
妊婦体操は、いつから始めるのが一番効果的なのでしょうか?一般的には妊娠5ヶ月ごろ、つわりが治まって安定期が始まる時期と言われています。
妊娠初期はつわりや胎児の不安定さもあってか運動よりもまず安静するよう指示されるので、それが一段落して本格的にお腹の赤ちゃんの成長が始まる時期が体操開始にはベストです。
血圧が高くなったり、体重が増えすぎてしまってから慌てて妊婦体操をしても中々良い結果にはつながらないので、始めるなら身体がまだ軽い時期にして次第に習慣づけるのが大事です。いつから始めるか迷ってしまう方は、一度先生に確認してみてはいかがでしょうか。
妊婦体操の大きなポイントは呼吸
妊婦体操はお産に備えてリラックスすると言うのが最大の目的です。骨盤や股関節の柔軟性を高めたり腰痛や肩こりを改善するのは全て、余計な力を入れず出産に臨めるようにするためなのです。
そして、リラックスすると言う点で最も大事なのは呼吸。いくら他の体操を頑張っても浅く早い呼吸では、陣痛時や分娩時により痛さを感じたり時間がかかってしまう事があります。
体操を始める前には横になってまずは口から20秒息を吐き、それから20秒かけてお腹を膨らませるように空気を吸い込む呼吸法を行いましょう。精神的に落ち着くと共に、身体の隅々まで新鮮な酸素が運ばれやすくなります。
妊婦体操の方法 いろいろ
妊婦の脚の体操
妊娠体操として、まずは脚を中心とした体操をご紹介していきましょう。むくみやだるさなど、比較的たくさんの妊婦が抱えやすい箇所ですので、重点的にご紹介していきます。
仰向けや座った状態からスタートします。足の指先をつんと引き延ばすように床に近づけ、5秒ほどキープしたらゆっくりと戻し、今度はすねの方向へと引き上げていきます。
上下にゆっくりと10回行うことで、ひざ下の前側や裏側の筋肉を刺激することができるでしょう。
妊婦の足首の体操
足の指先を上下に体操したら、次は脚の指先をグーパーと動かしていきます。
10回ほどしっかり行ったら、次は足首をぐるぐると回していきましょう。時計回り、反時計回りと10回ずつ回すことで、足先や足首周りの血行を促進させることができます。
つま先を上下する運動と、足の指、足首回しは、あおむけの状態だけでなく、座っている状態でも行うことができます。楽な体制をとって、いつでも行えるようにしましょう。
妊婦の股関節回り体操
次は、股関節回りをほぐしていきましょう。あおむけの状態で足をひとこぶし分開き、つま先を外へ向けましょう。脚全体が外側へと開かれる状態になります。
次は、つま先を内側に倒し、両足のつま先をくっつけるようにします。これを交互に10回ずつ行いましょう。
股関節が外へ、内へと動かされ、血流が良くなります。股関節回りは骨盤を取り巻く筋肉と連動しているため、妊婦体操欠かさず刺激するようにしましょう。
妊婦の便秘にもおすすめ体操!
次は、あおむけの状態で膝を軽く曲げ、膝と足の内側をぴったりとくっつけます。
両脚をそろえ、ひざを右の床につけ、左の床につけて振り子のように動かしていきいましょう。バランスボールを使ってもいいでしょう。
骨盤周りを大きく動かすことができますし、お腹を少しひねるので、腸を刺激しやすくなります。妊娠中は便秘になりやすいので、便通が滞ってきたら、骨盤周りをほぐす妊婦体操を丁寧に行うようにしましょう。
また、骨盤周りが硬い方は捻ることで肩がひっぱられて浮いてしまいがちです。両手を少し広げて床で支え、肩ができるだけ浮かないようにしましょう。
ただ、腰痛に響くという方は無理をせず、ふり幅を小さくして調整するようにしてください。また、両足がきついという方は、膝の間を少し開け、片脚ずつ行いましょう。
妊婦の骨盤底筋刺激体操
骨盤周りを刺激したら、そのままの状態で骨盤底筋も刺激していきましょう。
あおむけの状態で膝を軽く曲げ、膝と足の内側をぴったりとくっつけます。その状態で、肛門をきゅっと引き締めながら腰全体を上へと押し上げていきましょう。初めての場合は、手のひらを下にして、上半身を支えるようにすると安定します。
5秒ほど腰を上げた状態をキープしたら、ゆっくりとおろし、合計10回行うようにしましょう。
この妊婦体操は、骨盤底筋を刺激してくれます。骨盤底筋が弱まると、腰痛が出やすくなったり、腸や子宮が下がってしまい、便秘や傷みを生じさせたりすることがあります。
しかし、骨盤底筋をしっかりとさせることができれば、腸も元の位置に戻りやすくなり、便秘やつわりを和らげることができるでしょう。
妊婦のむくみ改善体操
次は、むくみ改善に効果的な妊婦体操をご紹介します。
あおむけの状態で軽く膝を曲げ、片脚の膝を伸ばして空中でぶらぶらと振りましょう。バランスボールを使ってもいいでしょう。
そして、膝をぴんと伸ばしたままで、脚のつま先を上下左右に動かします。もう片方の脚も同じように刺激し、ふくらはぎや足首にたまった水分を戻してあげましょう。
脚を上にあげることで、重力がかかり、たまった水分が体幹へと戻りやすくなりますし、つま先を動かすことで筋肉を刺激し、たまった水分が流れやすくなりますので、むくみやだるさを感じたときには実行してみてください。
妊婦の下半身全体の体操
次は、床に座った妊婦体操をご紹介します。座った状態であぐらの姿勢になり、足の裏をピッタリとくっつけます。そして、ひざを上下にぶんぶんと動かしていきましょう。
硬くてなかなか動かないという方は、手で膝を軽くバウンドさせるように動かすとほぐれやすくなります。
股関節や脚全体を刺激することができますし、椅子に座った状態でも、床に座った状態でもいつでもできるので気軽にできます。骨盤周りもほぐされ、大きく開きやすくなるので、出産に向けて骨盤周りを柔らかくしておきたい方にオススメです。
妊婦の腰痛防止体操
次は、四つん這いの状態で行う妊婦体操です。膝と両腕を肩幅に開いて四つん這いになり、背中をぐーっと大きく丸めていきましょう。
おへそを見るように頭を丸め、猫のようなポーズになります。
そして、次はゆっくりと腰を落とし背中をそらしていきましょう。天井を見るように背中をそらし、遠吠えしている犬のようなポーズになります。これを5回ずつ繰り返し、腰回りや背中、腹筋を刺激していきます。
妊娠中は腰痛を引き起こしやすくなりますが、丸めたり反ったりを繰り返しているうちに、徐々に腰回りの筋肉がほぐされ、傷みが和らいでくるでしょう。
妊婦のスクワット
最後に、たった状態で行う妊婦体操をご紹介します。
足を肩幅に開いて、ゆっくりと膝を曲げていきましょう。この時、お尻を突き出すようにして股関節も曲げていきます。
ポイントは、ひざがつま先を出ない程度の角度に抑えるということです。スクワットは体力づくり、股関節の筋肉ほぐしに欠かせません。10回2セットは行いたいものです。
夫婦で一緒に妊婦体操を
妊婦体操は夫婦二人でも出来ます。パートナーがサポートしてくれれば、妊婦さんも精神的にとてもリラックス出来ます。
お互いの両手を握って反対方向に引っ張ってストレッチしたり、お互いの肩に手を置いて一緒にスクワットしたりと二人だからこそ出来る体操も沢山あるので、ぜひお風呂上りや就寝前に試してみては。
仕事ばかりであまり身体を動かすチャンスのないパートナーも、これくらいの体操なら続けやすく心身的にリフレッシュ出来る良い機会です。二人で一緒に体操をすれば、無事に赤ちゃんが産まれて欲しいなと赤ちゃんに対する思いが沸いてくるのではないでしょうか。
マタニティエクササイズに通ってみる
一人では続けにくい、家にいるとつい体操をサボってしまうと言う方は、マタニティ・エクササイズに通ってみてはいかがでしょうか。マタニティ・エクササイズに参加する方は妊娠週数が違っても皆妊婦と言う共通点があるので、話が弾んだりお友達作りにも期待できそうです。
それからスポーツクラブに通う時間を作る事で、しっかり時間の切り替えが出来るのもポイントなので、さぼりがちな方にはぴったりです。
マタニティ・エクササイズは産婦人科医院でも教えてくれるところが増えてきていて、料金もスポーツクラブに比べれば安く何かトラブルがあってもすぐ先生に見てもらえると言うメリットがあります。かかりつけの病院のサービスを一度確認してみてはいかがでしょうか。
ここまでのまとめ
妊婦体操についてご紹介しました。大切なのは継続することです。体調を見ながら、少しだけでも良いので実行していくようにしましょう。
毎日続けることで気持ちも身体もリフレッシュできるので、健やかな状態で出産に挑むことができます。ただし無理をし過ぎないこと、体調に異変を感じたら速やかに医師に診察してもらいましょう。