赤ちゃんが無事に生まれるのを願うのは、世界中どこでも同じです。日本では多産の犬にあやかって、安定期に入った戌の日に腹帯をつける安産祈願の行事がありますが、最近注目されている新しい安産祈願として、妊婦さんの大きなお腹に絵を描くマタニティペイントがあります。
妊娠中のイベントとして代表的なマタニティフォトはお母さんが撮影の中心なので、体重や肌あれなど気になる部分が多く避けてしまう方も多いのですが、その点マタニティペイントはお腹の赤ちゃんが中心で、写真もお腹のみなので妊婦さんが気軽に試しやすいというメリットがあります。
ただ新しいイベントのため、中々情報を得にくいというのがデメリットです。そこで、マタニティペイントの効果や方法など細かい部分までの情報をご紹介していきます。興味のある方はぜひ参考にしてください。
マタニティペイントの効果
マタニティペイントは、まずはやはり安産の意味を込めて行うことが最も大きな理由です。その他にもマタニティペイントをすることで、妊婦さんに様々な効果がもたらされるとも言われています。
例えば、お腹に目立つペイントをすることでより一層赤ちゃんを意識するようになり、残りの妊娠期間に向けて気を引き締め直す妊婦さんも増えるでしょう。
また、気持ちが塞いだりイライラする時にマタニティペイントで気分転換したり、明るい色を使うため楽しい気持ちになれるというように、妊娠中不安定になりがちな感情面をポジティブに切り替えるきっかけにもなります。
海外発の妊婦のイベント
マタニティペイントのことをつい最近知ったという方も多いと思いますが、元々は海外で流行っている妊娠中のイベントで、ジェスティショナルペイントやベビーバンプペイントと呼ばれています。
発祥は定かではありませんが、昔インドや中近東で魔よけのために妊娠後期の女性のお腹にヘナで模様を描いたことから始まったという説が有力です。
欧米では出産前にベビーシャワーというイベントがありますが、マタニティイベントはその際に行われることが多く、多くの親しい人の中でペイントをすれば赤ちゃんを待ち望む気持ちが更に高まることは間違いなしです。
マタニティペイントはいつするの?
マタニティペイントをしてみたい!と思った時に、最初に気になるのがいつ行うのかということではないでしょうか。妊娠中の10ヶ月は長いようで早く過ぎますから、うかうかしているとマタニティペイントをするチャンスを逃してしまう可能性もあります。
マタニティペイントに適した時期は様々なことが言われていますが、妊娠中期から後期が一般的です。それぞれの時期が、マタニティペイントに適している理由をご紹介します。
妊娠中期が良い考え方
妊娠中期は最も動きやすい時期なので、マタニティペイントと撮影をスタジオなどに出向いて本格的に行いたい時はこの時期がベストでしょう。
妊娠7ヶ月ごろになれば十分写真栄えのするお腹になりますから、妊娠後期に入ると動けなくなってしまう双子の妊婦さんにはおススメかもしれません。
また妊娠中期から出産まではコンスタントに体重が増えるので、体重が増加する前に記念に残したい方も妊娠中期が良いでしょう。
妊娠後期が良い考え方
大きなまんまるお腹でマタニティペイントしてほしい、という方は妊娠後期がおススメです。妊娠中で最もお腹が大きくなるのは妊娠9ヶ月ですから、その時を見計らってマタニティペイントの予定を立てるのも良いでしょう。
ただお腹が大きくなると、正中線が濃くなったり妊娠線が出てきて、デザインによっては写真を撮った際に見えてしまう可能性があります。それらの線を消すよう修正を希望する場合は、スタジオで行う必要が出てくるでしょう。
臨月はキャンセルの可能性も
マタニティペイントを臨月に行う方も多いですが、臨月はいつ出産になってもおかしくないことを理解しておきましょう。出産予定日はあくまでも予定日で早く赤ちゃんが生まれることもあり、マタニティペイントの予約をしても、予約日前に出産してしまったというケースが非常に多いです。
臨月に入ってしまったら、体調の良い早い時期に行うようにしましょう。また、臨月は赤ちゃんが下がってお腹が少々下に伸びて見えてしまうので、自分が思い描いていたような出来上がりとは違ってしまう可能性もあります。
マタニティペイントはどこで行っているの?
マタニティペイント自体が新しいイベントなので、専門にマタニティペイントをしてくれるような所はまだまだ少ないのが現状です。
ただ注目度から少しずつ増えていて、マタニティフォトプランに組み込まれていたり、マタニティイベントで行っていることが多いので、まずは近くで開催予定のマタニティイベントでマタニティペイントがあるかどうかチェックしてみましょう。
マタニティペイント 誰に頼む?
マタニティイベントに参加する以外でマタニティペイントをするには、3つのチョイスがあります。
プロに頼む方法・絵が得意な友人や身内に頼む方法・自分で描く方法の3つですが、それぞれにメリットとデメリットがありますので、詳しく見ていきましょう。
プロに頼むメリットとデメリット
記念だから金額よりも可愛く描いてほしいと思う方は、プロアーティストにお願いしても良いでしょう。プロに頼むメリットは、やはり自分のイメージを上手く絵に表してくれるところでしょう。
また、描き始めから仕上がりまでの時間が比較すると短いので、お腹を長時間空気にさらして冷やしてお腹が張ってしまうなんてことも避けられます。
しかし、アーティストを紹介してくれるサイトではこれまでの作品が掲載されていますが、作風はさまざまですから、しっかりチェックして自分の好みに合ったアーティストにお願いする必要があります。
マタニティペイントにかかる料金は
プロに頼むとなると料金が気になりますが、ペイントのみか撮影も含めてなのかで変わってきます。ペイントのみなら1万円前後というケースがほとんどですが、それに撮影やアルバム作成までを含めると数万円となる場合もあります。
また、ペイントのみでも自宅出張をしてもらう場合は交通費などがプラスされることも考えられます。しかし、どの場合も相談すれば見積もりを出してくれるので、複数の見積もりを取って検討するのが一番賢い方法です。
絵が得意な友人に頼むメリットとデメリット
もし家族や友人に絵が得意な方がいれば、その人に頼むのもアリでしょう。頼まれた側は、お祝い代わりとしてOKしてくれることもあるかもしれません。
何といっても良く知っている間柄ですから、リラックスしてペイントに臨めるのが一番のメリットでしょう。ただマタニティペイントは丸い面に絵を描くので、描く方にしてみれば球面に描くのに慣れてなく戸惑ってしまうこともあります。
また、力加減が分からずに妊婦さんに痛みを与える可能性もありますから、そういった点を承知の上でお願いするとスムーズに進むでしょう。
セルフペイントするメリットとデメリット
プロにかかる料金は他の赤ちゃん用品に使いたいという方には、セルフペイントはいかがでしょうか。セルフペイントの良い所は、したいと思ったらすぐに始められる手軽さです。
マタニティペイントは一日で色が落ちるようになっていますから、セルフペイントしてスマホ撮影するということを好きなだけ繰り返せます。ただ、必要な道具もありますので、購入しなければならないのがデメリットかもしれません。
セルフペイントは絵の具に注意して
学校でよく使われている絵の具には鉛などの金属やアクリル樹脂などが含まれていて、妊婦さんに悪影響を及ぼす可能性があるため、マタニティペイントに使うべきではありません。
セルフペイント用に絵の具を購入する時には、プロアーティストも使っているフェイスペイント専用絵の具を選びましょう。
ヘナを使ったセルフペイントをしたい、という方は必ず天然100%のものを使用してください。ヘナ商品の中には、保存剤や発色を良くするために薬品を配合しているものが多いので、必ず確認する必要があります。
セルフペイントを成功させる下準備
セルフペイントをプロのようにきれいに描くには、ちょっとした下準備が必要です。まずは絵を描く前にお腹をしっかり拭くこと。これで見えない汚れや皮脂が取れて、絵の具がきれいに肌にのります。
また、妊娠中に敏感肌になってしまい絵の具の刺激が気になる方には、下地として保湿クリームを塗っておくと直接的な刺激をカバーできます。また、ペイントしている最中にかゆみや湿疹が現れた時は、残念ですがペイントを中止して洗い流してください。
どんなデザインが人気?
マタニティペイントの予約をしたけどデザインが思いつかない、という方もいらっしゃるでしょう。日本では、パステルカラーで赤ちゃんやお父さん・お母さんの顔、海や空など自然モチーフ、花・リボンなど赤ちゃんのかわいらしさをイメージしたものが人気です。
海外のマタニティペイントは一転して、原色を使ってお母さんが好きなものを自由に描く傾向にあります。どのようにデザインするかは妊婦さん次第ですから、ネット上にあるマタニティペイントの作品を参考にしてみてはいかがでしょうか。
家族でおそろいのペイントや子供に書いてもらう
特に上の子供がいる妊婦さんには、ぜひ親子でのマタニティペイントをおススメします。子供にとっては色を塗ることはとても楽しいことですが、お母さんだけのペイントだと自分にはないのかと不機嫌になってしまうでしょう。
顔や腕などちょっとした部分だけでもお母さんとおそろいのペイントがあると、お兄ちゃん・お姉ちゃんは嬉しいですね。お腹の赤ちゃんにとっても上の兄弟姉妹にとっても、マタニティーペイントは素敵な思い出となるに違いありません。
無理のないよう予定はしっかり立てて
妊娠8~9ヶ月頃にマタニティペイントの予約を入れる方がほとんどだと思われますが、妊娠後期はこれまでの疲れが一気に現れる時期でもあります。
切迫早産とまで悪化しなくても、ペイントをしてもらう場所に行くだけで疲れてしまい、その場で貧血になったりお腹が頻繁に張ることも考えられます。
お母さん自身が疲れては、明るい・楽しいといったマタニティペイントの効果は出ませんから、予約日まではあまり無理をしないように過ごしましょう。
臨月は出張をお願いする方法も
どうしても予定が立たなくて、臨月に入ってぎりぎり滑り込みでマタニティペイントをする方もいらっしゃるでしょう。ただ、臨月はいつ陣痛が始まってもおかしくない時期です。
ですからペイントを行っている最中に、陣痛開始・破水なんてこともありえない話ではありません。マタニティペイントのため外出する時には、必ず母子手帳や保険証・緊急連絡先などのもしもグッズを必ず携帯しましょう。
万が一を考えて不安な時は、自宅に来てもらうようプランを変えましょう。ペイントを施す側も妊婦さんの急な体調変更などは重々承知しているので、遠慮せずに確認してお願いしてみては。
無理をしない 保温や冷えに注意を
いくらペイントが1時間程度で終わるといっても絵の具は冷たく、その間はお腹を外気にさらし続けるわけですから、保温はいつもよりしっかり行いましょう。
妊娠後期は横になっていてもお腹が張る時期ですから、お腹を出すことでダイレクトに影響してしまう可能性があります。もちろんプロならば妊婦さんの体調を第一に考えてペイントしますので、冷えてお腹が張りそうと思った時にはすぐに報告してください。
まとめ
お腹に絵を描くことで記念に残すだけでなく、妊婦さんのストレスや不安な気持ちを楽しく明るいものに変える効果が、マタニティペイントの特徴です。
プロに頼む方法もありますが、友人に頼んだりセルフペイントしたりと気軽に行えるのも注目される理由の一つでしょう。ただ、自分で行う場合は専用の絵の具を使うなど、肌を労わりながら楽しんでください。
妊婦さんだけでなく家族も一緒にペイントすれば、赤ちゃんの待ち望む気持ちがアップするに違いありません。ぜひ家族で良い思い出となるように楽しんでください。