25歳、26歳、27歳、28歳、29歳というと、仕事に恋愛にと充実した時間を過されている方も多いことでしょう。しかし漠然と「結婚はまだ先のことだけれど、赤ちゃんは20代のうちに産んでおきたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もし、あなたが独身でこれから恋人とお付き合いをして、結婚し、出産まで考えていらっしゃるなら、時間は限られています。のんびりしていると、あっという間に赤ちゃんを出産するのは30代となってしまいますので、注意しましょう。
そこで、25歳、26歳、27歳、28歳、29歳の女性に向けて、妊娠のさまざまな情報を詳しくご紹介していきましょう。
独身なら妊娠は急いだほうがいいかも
もし、あなたが20代のうちに赤ちゃんを出産したいと考えているのなら、あまり時間に余裕はありません。なぜなら、逆算していくと思った以上に時間が取られていくからです。29歳で出産する場合を考えると、どう逆算して行動すべきか、簡単にご説明しておきましょう。
妊活と妊娠期間
20代ギリギリの29歳で赤ちゃんを出産したいと考えるなら、妊娠中の10ヶ月を考えると、28歳か29歳になったばかりの頃に妊娠しておかなければなりません。妊娠は、そう簡単に成立するものでもありませんから、27歳~28歳は妊活にあてるべきでしょう。
結婚の年齢
29歳で赤ちゃんを出産したいと考えているけれどまだ結婚していない場合、赤ちゃんを妊娠してからの「さずかり婚」ということでなければ、27歳~28歳までに結婚を済ませておく必要があるでしょう。
お付き合いをしているパートナーがいない場合、27歳~28歳でゴールインするとなれば、最低1年交際するとして26歳~27歳までには相手と出会っておく必要があります。
意外と時間は限られている
このようなことを考えれば、たとえ25歳であっても、時間に余裕はないことがお分かり頂けるでしょう。もちろん、ご紹介した事例はあくまで参考のものであって、29歳の始めに突然良いパートナーに巡り合い、妊娠し、ゴールインして出産するというスピードコースも考えられます。
ただ、一般的に、出会いの期間、お付き合いの期間、結婚までの道のり、妊活期間、妊娠期間を考えれば、25歳から本格的に行動していく必要があるのです。
20代と30代のお産の違い
20代のうちは、妊娠・出産をするのに最適な年齢と言われています。それは、20代前半や30代とはさまざまな状況が異なるからです。どのような点が異なるのか、具体的にご説明しておきましょう。
20代前半との違い
20代前半よりも、25歳、26歳、27歳、28歳、29歳の後半の方が妊娠や出産に適しているのは、心身ともに充実し環境も安定しているからです。
20代前半は、大人の仲間入りをしたことから、環境がガラリと変わる時期です。今まで学生生活で子供気分だった方も、社会人として仕事に邁進していくことが多いでしょう。
社会人になることで、自分の稼ぎを自由に使うことができるため、遊びや趣味に忙しくなります。そのため、結婚や妊娠についての認識があまり育っていないことが多いでしょう。
しかし、25歳~29歳になると、仕事もだんだん慣れてきて余裕が出てきますし、経済的な余裕もでてきます。すると、社会人としてではなくひとりの人間として誰かに認められたいという願望が出てくるようになるのです。また、親や親せきなどから「そろそろ結婚は?」と言われ始める時期でもあるため、結婚や出産を意識しやすくなります。
このようなことから、25歳~29歳は、環境的にも心情的にも、結婚や妊娠、出産を真剣に考えやすい時期なのです。
30代との違い
25歳~29歳で妊娠や出産を考えている方の中には、「30代になっても遅くないかも?」と考えていらっしゃる方もいるでしょう。確かに、30代でも妊娠や出産する女性はたくさんいます。
しかし、大きく違うのが妊娠の確率や主産や育児で消耗する体力です。感覚的には、20代後半も30代もあまり変わらないのではないかと思うでしょうが、20代で第一子を出産し、30代で第二子を出産した方の多くが、20代と30代の大きな違いを実感しています。
20代で出産した方が、妊娠しやすく出産や育児で消耗される体力の回復も早いですが、30代に入ると妊娠の確率は下がってしまいますし、体力の回復も遅く、育児疲れを引き起こしやすいと言われているのです。
そのため、できれば25歳~29歳のうちに妊娠や出産を経験しておいた方が、オススメと言えるでしょう。
妊娠の確率について
妊娠についてあまり考えたり調べたりしたことがない方は、簡単に妊娠できると考えている場合もあるでしょう。しかし、自然妊娠が成立するのは難しく、排卵日に性交したとしても100%妊娠することはあり得ません。
25~29歳の不妊の確率、妊娠の確率は
不妊の頻度から年齢の確率を見てみますと「不妊の頻度は25歳~29歳では8.9%」※1となっており、約9%とするとおおよそ11人に1人は不妊の可能性があると言うことです。逆を言えば11人に10人はおよそ1年(※2)の妊活期間で自然妊娠できる可能性があると言うことです。
ちなみに「30~34歳では14.6%」※1となり、年を取るごとに不妊症の確率が上がります。したがって問題なく妊娠できる可能性、自然妊娠の確率も低くなると言えます。排卵日に性交したとしても妊娠する確率が減っていきます。参考※1一般社団法人日本生殖医学会 ※2不妊の定義 日本産婦人科学会
生殖補助医療(ART)の確率は
25歳~29歳なら、自然妊娠の確率は高いですが、中にはなかなか妊娠が成立せず不妊治療を受ける方もいらっしゃるでしょう。不妊治療は、タイミング療法や体外受精などさまざまなステップを踏んでいきますが、年齢によって人工授精が成立する確率も変わってきます。
生殖補助医療(ART)が成立する確率は、25歳~26歳くらいまでなら約40%台ですが、27歳~29歳になると40%を切って36~38%と下がっていきます。30代半ばを過ぎると、35%も切るほどどんどん確率は下がっていくでしょう。
そのため、20代後半であっても赤ちゃんをできるだけ早く授かりたい方は、少しでも早く治療を受け始めることをオススメします。出典:ART妊娠率・生産率・流産率 2014
そもそも妊娠ってどういうこと?
妊娠は、排卵日さえわかればすぐに成立するものだと思っている方も多いと思います。しかし、25歳~29歳であっても、自然妊娠が貴重なものなのです。
では、そもそも妊娠とはどのような状況のことを指すのでしょうか。排卵から妊娠成立までの流れについて、簡単にご説明しておきましょう。
排卵から受精へ
妊娠が成立するには、まず何よりも健康な卵子が排卵されなければ始まりません。卵巣で卵子が成熟すると、排卵が引き起こされます。排卵は多くの場合28日周期で巡ることがほとんどです。排卵された卵子は、ゆっくりと卵管を移動します。このとき、卵子が精子と出会うことで受精卵となるのです。
受精から着床へ
受精卵となった卵子は、ゆっくりと卵管を移動していき、子宮内膜へと到達します。子宮内膜は妊娠するための準備として厚くなっており、受精卵が着床しやすい状態となっています。受精卵は絨毛と呼ばれる根のようなもので子宮内膜に着床します。着床が無事に定着すると、妊娠が成立したということになります。
なぜ不妊になるのか 授からないのか?
妊娠は、排卵された卵子が卵管で精子と結びついて受精卵となり、子宮内膜に着床したことで成立します。この流れで説明すると、さほど妊娠は難しくないように思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際に排卵日に性行為のタイミングをとってもさまざまな条件が必要なのです。
卵子が受精できるタイムリミット
妊娠は、まず卵子が精子と結びついて受精卵になることから始まります。しかし、卵子はいつでも受精卵になれるというわけではありません。卵子は、卵巣から排卵されてから24時間以内でしか受精卵になることはできません。24時間を過ぎると、精子と出会っても受精が成立しなくなるからです。
そのため、精子は卵子が排卵されたタイミングで卵管に到達していなければならないことになります。排卵日を予測することは非常に難しいため、受精できる24時間のタイミングを見つけることが、そもそも非常に難しいのです。
受精卵でも着床できない場合がある
卵子と精子が結びつき受精卵となるには、卵子が卵巣から排卵されてから24時間以内に精子と結びつく必要があります。しかし、排卵されてから無事に精子と出会い、受精卵になったとしても妊娠は成立しません。
受精卵が子宮内膜に着床することができなければ、妊娠は不成立となり月経が引き起こされてしまうでしょう。実は、受精が成功しても着床する確率はその半分以下しかありません。つまり、25歳~29歳であっても、受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が継続されなくては妊娠とはいえません。
健康な卵子が必要
妊娠の確率が低くなるのは、排卵日に健康な卵子が排卵されていないこともひとつの原因です。生理不順が起きやすい方の場合、健康な卵子が排卵されないケースもあります。
卵子は赤ちゃんにいる頃から準備されており、年齢と共に老化していくものです。そのため、20代であっても歳を重ねるにつれて卵子は老化していき、受精しにくくなってしまうのです。
健康な卵子でない場合、着床率も落ちますし流産する確率も高くなってしまうため、年齢を重ねるにつれて妊娠の確率も下がっていってしまいます。
25歳~29歳 流産の確率について
妊娠したすべての人が無事に妊娠を継続できるとは限りません。染色体異常やさまざまな原因から、流産してしまう方もいらっしゃいます。
流産する確率は、25歳~29歳の場合、11%(※3)です。つまり、10人に1人の割合で流産する可能性があるということになります。流産は、多くのケースで染色体異常によるもので、お母さんやお父さんの行動が関係することはほとんどありません。参考※3厚生労働省 母の年齢と自然流産率
初めての妊娠の場合ショックは大きいですが、誰のせいでもないので自分を責めることはしないようにしましょう。
つわりや難産の確率
25歳~29歳で妊娠や出産を考えている方の場合、健康な身体であれば、定期的に性行為を持つことで自然に妊娠する可能性は高いでしょう。妊娠が成立すると、つわりに苦しんだり、出産で大変な思いをしたりする方がいらっしゃいますが、年齢は関係あるのでしょうか?
実は、つわりの大変さや、難産かどうかは年齢に関係ないと言われています。35歳の高齢出産となる方でも、全くつわり症状が出ないこともありますし、25歳であってもお産に時間がかかり難産となるケースもたくさんあります。
つわりも難産も、遺伝や体質などさまざまな原因があると言われていますが、実際には解明されていないため年齢が関係していると一概に言うことはできません。ただ、つわりや陣痛に耐え抜く体力や気力は、30代よりも20代のうちの方があるため、比較的楽な部分はあるかも知れません。
妊娠の確率を上げるために
25歳、26歳、27歳、28歳、29歳で妊娠と出産を考えている方は、できるだけ早めに準備を始めるようにしましょう。妊娠の確率を上げるためには、健康な卵子を排卵することと、妊娠周期を安定させて排卵日を特定しやすくすることが大切です。
健康な卵子を排卵するためには、生活習慣を正すことが何よりも重要になります。適度な運動をして睡眠をしっかりとり、バランスのとれた食事を摂っていれば何の問題もありません。ただ、健康的な生活をしていても、喫煙習慣や大量の飲酒がある場合、妊娠に影響する恐れがあるので控えるようにしましょう。
また、妊娠の成功率をあげるためには、排卵日当日ではなく排卵日の前日~2日前に性行為を持つことが大切です。卵子は排卵されてから24時間以内しか受精できる時間がないため、それまでに精子を卵管にスタンバイさせておくようにしましょう。
妊娠しやすい身体を作る ダイエットのやりすぎはNG
ホルモンの安定や卵子の成熟度、そして出産後の子育てに必要な体力などを考慮すると、20代が最も妊娠に適した年代だと言われています。
ただ、妊娠に適していると言っても性交すればすぐ妊娠するわけではなく、それなりの準備、つまり妊娠しやすい体を作る事が必要です。其の中でも最も大事なのがダイエットをしすぎない事。卵子が入った卵胞の成熟に欠かせないエストロゲンは脂肪組織からも作られるため、脂肪が少ないと卵子が成熟しなかったり、酷い場合は生理自体が止まってしまう事もあります。
反対に脂肪がありすぎる場合も、エストロゲン過剰となり排卵障害が起きやすくなります。BMI18.5以下またはBMI25以上は妊娠期・分娩時のトラブルが増える可能性があると言われていますので、その間の範囲に収まるように調整しましょう。※参考:厚生省「妊産婦のための食生活指針」内容と解説
まとめ
25歳、26歳、27歳、28歳、29歳までに妊娠や出産を考えている方に向けて、さまざまな情報をご紹介しました。今まで何となく「20代までに赤ちゃんが欲しいな」と考えていた方も、意外と時間がないことに気づかれたことでしょう。
赤ちゃんを授かるということは、奇跡に近いことでもありますが、きちんと知識を得て準備を整えることで妊娠の確率をあげることができます。是非、体力も気力もある20代のうちに行動し、可愛い赤ちゃんと出会ってください。