【妊娠39週】胎児と母体の症状で知っておきたいこと

妊娠39週 10ヶ月目

妊娠39週目になると、赤ちゃんがなかなか子宮口に下りてこないことに悩む方も出てきます。この時期になっても前駆陣痛(ニセモノの陣痛)がない方もいますし、様々なことに悩みを抱えがちなのですが、赤ちゃんの成長速度にも個人差があるものです。予定日を大幅に過ぎてしまってもストレスを抱え過ぎないようにしましょう。

医師から危険性を告げられない限り問題はないので、ストレスや恐怖感を避けつつゆっくりと過ごすようにしましょう。妊娠39週の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

目次

妊娠39週の胎児やお腹の状態

妊娠39週のお母さんのお腹と胎児の様子

妊娠39週以降の 胎児の体重は?

妊娠39週 胎児体重は正常発育児95.4%が2292g~3685g 平均体重:2989gです。※1

妊娠40週 胎児体重は正常発育児95.4%が2388g~3862g  平均体重:3125gです。※1

妊娠41週 胎児体重は正常発育児95.4%が2465g~4023g  平均体重:3244gです。※1

出産に必要な脂肪が身体につきます

妊娠39週 胎児 の様子

39週目の赤ちゃんの体脂肪率は大体15%程度になっており、産まれるのに必要な分の脂肪分はこの時期に既に完成しています。

羊水の温度はお母さんの体温よりも1.5度ほど高く、その中で10ヶ月を過ごしてきた胎児がいきなり20度近くの温度差の外の世界に出てくるのは、かなり大変です。そこで自分が作ったエネルギー熱を逃がさないよう皮下脂肪をふやしていくのです。

この時期の赤ちゃんは、アドレナリンなどもしっかり分泌していますし、心臓や肝臓もしっかり動くようになっています。肺呼吸も既にできるようになっていますし、いつ産まれてきても心臓は肺を動かすことができるのです。

下がってくるのがわかるようになります

胎児が下がってくるのがわかるようになります

お腹の中の赤ちゃんは、徐々に頭の形が下の方に下りてくるようになります。

頭が子宮口から出てくるようになるので、赤ちゃんが下がってくるとお母さんはそのことに気づくことができますし、子宮の様子が変わってきたことも察知できるようになるのです。

赤ちゃんが中々下がってこない、下がってくる感覚がわからない方も、健診を受けてみるとアドバイスをもらうことができるので、アドバイス通りに過ごすようにしてみましょう。

頭蓋骨は出産に備えて動くように

胎児 骨盤 子宮 の様子

ほとんどの赤ちゃんは頭位で頭を骨盤内に収めているので、子宮の開きを内診する時には指先に頭皮や髪の毛が触れるようになります。この週の児頭大横経は85mm~97mmほどで、身長が低かったり痩せているお母さんはちゃんと産めるかと心配になってしまうかもしれません。

しかしそこは上手くできたもので、胎児の頭蓋骨は1枚ではなく4つに分かれていて、それぞれを薄い靭帯で繋いでいます。

産道を通る時には、それらを重ね合わせて面積を小さくして通りやすいようなシステムになっているのです。出産の時はこうやって赤ちゃんも外に出ようと頑張っているので、お母さんもしっかりサポートしてあげましょう。

胎脂が剥がれて羊水が白っぽい色に

胎脂が剥がれて羊水が白っぽい色に

胎児の熱エネルギー産生と代謝システム、そして体温調節機能が完成したので、これまでそれらの代わりをしていた胎脂は無用となってどんどん剥がれていきます。始めの頃は胎児が羊水と胎脂を一緒に飲み込んで胎便となっていましたが、量が多くなって無色だった羊水が白っぽい色になってきます。

しかし全て剥がれ落ちてしまうのではなくある程度は残っていて、分娩時に潤滑油の代わりになったり出産後の皮膚の乾燥を守る働きを持っているのです。

最近は胎脂のメリットを考慮して、出産後の産湯で全部落としてしまうよりは残しておいた方がよいと考える病院も多いので、お母さんはクリームのようなものが付いているわが子を見てびっくりするかもしれません。

※1 参照 日本産婦人科学会 胎児計測と胎児発育曲線について
※1 参照 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線」

妊娠39週の母体の症状などについて

食事の摂り方は医師のアドバイス通りに

食事の摂り方は医師のアドバイス通りに

39週目になると、赤ちゃんはこれ以上もう育たないというほど大きくなっています。食事の摂り方にも気をつけなければならないのですが、赤ちゃんの成長具合に個人差があるので、医師のアドバイス通りに食事をするのが正解です。

カロリーを多めに摂った方がいい人もいれば、そうでない人もいるので、自己判断は避けるようにし、医師の言う通りに栄養を摂るようにしましょう。

足腰の痛みはマッサージなどで解消

お腹の中に3kgもの大きさの赤ちゃんがいる状態なので、足腰の痛みも深刻化しがちです。歩くことも難しかったり、寝ていても足元が苦しかったりするのですが、ラクな姿勢を見つけつつ、マッサージなどをしつつ解消していくしかありません。

足の痛みも、あともう少しで治まるので、ゴールを見据えつつリラックスして過ごすようにしましょう。

姿勢が不安定なりやすい時期

姿勢が不安定なりやすい時期

お腹にいる赤ちゃんがどんどん下りてくるようになると、姿勢が不安定になりますし、それによって背中に負担が掛かってしまいがちです。姿勢が反るようになるので、それによって背骨などを痛めてしまいがちなのです。

腰痛や背中の痛みは、湿布を貼ることである程度解消することもできますが、妊娠時は使ってよい湿布と使ってはいけない湿布の種類がありますので、必ず医師に相談上使用するようにして下さい。

なるべく湿布の使用は避け、腰を温めたりマッサージなどをして緩和するようにしましょう。

便通が辛い場合は薬を使ってみては

便通が辛い場合は、薬を使ってみるようにしましょう

39週目の段階になっても、便通はまだまだ悪いままだったりします。胃腸の状態が悪いと身体や気分が重くなりがちなので、マタニティブルーになってしまう方も少なくないのですが、処方薬を使うと便通が改善されるので、頼ってみることも検討しましょう

この時期には、絶対過敏期もすっかり抜けていますし、赤ちゃんの重要な部分の形成も終わっているので、処方薬を飲んでも基本的に問題ありませんが、必ず医師に相談してから飲むようにしてください。

睡眠不足に悩みがちな時期です

睡眠不足に悩みがちな時期です

陣痛は夜に来ることが多いので、この時期のお母さんはどうしても、夜に寝付けなくなりがちです。

眠たくても不安で寝ることができなかったり、寝ることが出来ても眠りが浅かったりするのですが、昼寝をすることで眠りを補うようにし、なるべく睡眠不足を解消するようにしましょう。

睡眠不足の状態で出産するとなると、必要以上に苦しくなってしまうので、気をつけなければなりません。

寝るのが辛い場合は抱き枕を

寝るのが辛い場合は抱き枕を

この時期のお母さんは、おりものが多くて常に身体に不快感があったり、腹痛がまったく治まらなかったりと、何かと寝付くのが難しい状態にあります。

寝るのが辛い夜が続く場合は、抱き枕を使ってみると解消されることがあるので、抱き枕を使いつつラクな姿勢を見つけるようにしましょう。

妊娠39週出産・陣痛・出産兆候・破水など

妊娠後期、臨月・正産期・過産期・早産・切迫早産いつからいつまで 出産予定日いつ 一覧表

出産時期について
出産予定日は40週0日
臨月は妊娠36週0日~39週6日まで
正産期は妊娠37週0日~41週6日まで。正産期の出産を正期産と言います。
過産期は妊娠42週以降。過産期の出産を過期産と言います。

兆候から出産の流れは?
「おしるし→陣痛→破水→出産」
「おしるし→破水→陣痛→出産」
「破水→陣痛→出産」
「陣痛→破水→出産」
4パターンが一般的な流れです。

病院に行く陣痛間隔は? 
目安は初産婦は陣痛10分間隔、経産婦は陣痛15分間隔

陣痛から出産までの時間は? 
目安は経産婦では約7時間前後、初産婦で約15時間前後
数時間から数日まで個人差があります。

詳しくは:陣痛の始まりや兆候陣痛間隔

まだ前駆陣痛が起こらない方も

まだ前駆陣痛が起こらないという方も

39週目の段階になっても、前駆陣痛が起こらないお母さんもいます。前駆陣痛が中々来ないと、「赤ちゃんが産まれてこないのではないか」と不安を抱えてしまいがちなのですが、陣痛が来るのが遅いことに悩むお母さんは実は少なくありません。

出産するのが、予定日を2週間以上過ぎた頃だったことはよくあることですし、陣痛がなかなか来ないとしても、待っていればほとんどの場合、40~41週目に来るので、ゆっくりその時を待つようにしましょう。

キケンな状態だと帝王切開になることも

キケンな状態だと帝王切開になることも

胎児の心音が低下していたり、大きくなりすぎていたりと様々な状況により、胎児の生命がキケンな状態に陥ることがあります。その場合は、医師から「もう帝王切開で産んでしまいましょう」と言われることもあります。医師が勧めてくる場合は基本的にそのまま、帝王切開で産むことになります。

帝王切開で産むことに恐怖感を覚える方もいるのですが、最新の医療ではかつての出産とは比べものにならないほど、ラクに出産できるようになっているので、心配しすぎないようにしましょう。詳しくは:帝王切開について知っておきたいこと

分娩前後の点滴は何でするの?

分娩前後の点滴は何でするの?

多くの病院では分娩前後に静脈点滴を行いますが、その目的はトラブルのための血管の確保、水分、栄養補給の他に薬剤点滴があります。分娩中に発熱する妊婦さんがいたり、陣痛が強くなってくると痛みで水分補給をする事も出来なくなってしまうため、点滴で水分や電解質を補給し脱水を防ぎます。

薬剤点滴は抗生物質や降圧剤・子宮収縮剤など、感染・血圧上昇・異常出血などの分娩トラブルに対し血管確保してあれば、すぐ対処できるようにするためです。

点滴をすると何か問題があるのかと思ってしまうかもしれませんが、多くの病院でトラブル回避のために行っているものですから、先生、スタッフにお任せしましょう。

呼吸法の練習で出産がラクに

呼吸法の練習で出産がラクに

39週目のこの時期は正産期であり、ラマーズ法などの呼吸法を練習するのに最適な時期です。出産をラクにするためには、呼吸法の練習をしておくのがベストですし、陣痛が始まってからでは、呼吸方法を思い出そうとしても思い出せなかったりします。

ただでさえ、出産時はパニックになりがちなので、できるだけ呼吸法は出産前のこの時期に練習をすませておくようにし、ラクに出産するための工夫をしておくようにしましょう。

出産時はなるべく声を出さない?

出産時はなるべく声を出さない

できれば、出産の時にはなるべく声を出さないようにしてみましょう。一見すると、声を出していた方がラクになりそうな印象があるのですが、声を出す=お腹を使うことなので、騒ぎすぎてしまうようだと、身体に余計な力みが入ってしまいます。

ラマーズ法などの呼吸法があり、そうような方法を用いた方が身体的ラクになるので、声を出すのは控えるようにし、呼吸法を用いつつ身体への負担を軽減するようにしましょう。

いつ陣痛が来てもおかしくない状態に

子宮口 開く 骨盤 産道

この頃になると、毎週の健診のたびに子宮口が開いてくるのを確認できるでしょう。

3cm開けば身体が出産の準備に入っている状態ですが、初産婦は1cm開くのに1週間かかると言われているので、開きを指摘されても医師から何の指示も無い場合は、まだ時間がかかると思って通常通りに身体を動かしましょう。

子宮口が開いたからと安静にしている必要はありません。ただ心配なのが破水で、子宮口が開くと羊水と胎児の重みを全部受けた卵膜が破ける事があり、そこから細菌感染する可能性が非常に高くなります。子宮口の開きに破水が伴う場合は、即病院へ行きましょう。

胎児が下に降りてこない時は

胎児が下に降りてこない時は

初産婦に多いのですが、子宮口が堅くしまったままで胎児が下りられないケースがあります。ここでイライラしてしまっては赤ちゃんのために良くありません。

41週6日までは正期産なので、出産まで時間がかかってもしょうがないと、落ち着いて過ごしましょう。

42週以降は過期産となってしまう為、ここまで来ても陣痛が来ないかもしれないと判断された場合は、陣痛誘発促進剤を用いて出産する事があります。薬と聞くと使いたくない方も多いですが、微弱陣痛を長引かせて母子の体力が低下してしまうよりは、最後のラストスパートのサポートと思ってください。

ジンクス!ぞうきんがけで陣痛を

陣痛が来ない場合は、ぞうきんがけをしましょう

陣痛が中々来なくて不安になってしまう場合は、ぞうきんがけをしましょう。ぞうきんがけの動きは、陣痛が来やすくなる動きなので、前駆陣痛が来なくて困っているお母さんには最適です。

「陣痛が来なくて不安だったけど、ぞうきんがけを続けていたら陣痛がきた」という方も多いので、不安な場合はぞうきんがけや、ウォーキングなど体を動かすことをしつつ過ごすようにしましょう。しかし無理はしないようにしてください。

破水しない時は破水を人工的に起こす場合も

破水は子宮口が全開大になった時に起きるのがベストですが、その時点でまだ破水をしていない時や陣痛が弱い時に人工的に卵膜を破って破水させる人工被膜(じんこうはまく)を行う事があります。

人工被膜によって羊水が少量排出されると、子宮内の体積が減少して子宮収縮が促進され、人工被膜後24時間以内には60~80%が分娩にいたると言われています。

しかし人工被膜のタイミングが早すぎると外部の菌で感染してしまったり、臍帯が赤ちゃんよりも先に出てしまう臍帯脱出の危険性もあるため、人工被膜を行うには様々な条件が必要です。人工被膜を行う事態になったとしても、万全の処置を行いますから心配しすぎないようにしましょう。

再度出産の流れを確認しましょう

再度出産の流れを確認しましょう

陣痛が来れば後は身体が勝手に動く、なんて昔に出産された方は言うかもしれません。しかし、陣痛が強すぎたり子宮口の開きが早いと、パニックになって出産を長引かせてしまう可能性も出てきます。

病院にいけば看護婦さんが指示を出してくれますが、自分が今どんな状態か全く分からないのは不安です。

子宮口の開きによってお腹の赤ちゃんがどう動いているのか、いきむタイミングはいつかなど、おおよその出産の流れを今のうちに確認しておきましょう。また、パートナーが立会い出産を希望しているのならば、一緒に呼吸法を練習するのもいいです。

最後の時間を楽しんで

最後の時間を楽しんで

母子が文字通り一心同体であった10ヶ月が終わると思うと、赤ちゃんに会える嬉しさと同時に寂しさを感じるお母さんも多い事でしょう。

つわりで辛かったり大きなお腹を抱えて思うように動けなかったりと、トラブルも沢山ありましたが、全ては赤ちゃんが元気に生まれてくるためだと思えば、なんだか名残惜しい気もします。

赤ちゃんが生まれてしまえば、これからはどんどん成長して手を離れていくだけなので、密着している最後の時期をぜひ楽しんで過ごしてください。

ここまでのまとめ

39週目になると、出産のための本格的な症状に襲われるようになります。この時期に前駆陣痛に慣れてくる方もいれば、陣痛がなくて困ってしまう方もいるのですが、何事も個人差があることを踏まえておくと心理的な負担も少なくなります。

不安が出てきがちな時は「同じ思いをしているのは自分だけではない」と言い聞かせるようにし、ラクな体勢で過ごすようにしましょう。

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