立ち会い出産を後悔しないために知っておきたいこと

立ち会い出産について知っておきたいこと 出産

夫に出産に立ち会ってもらい、子供の誕生という感動を一緒に味わいたい!と思うお母さんの数は増える一方、またこれに呼応するように、男性側からも、ぜひ妻の出産に立ち会いたい!という方が着実に増えています。

立会い出産がブームであった時代は終わり、今ではごく当たり前のことになりつつあります。しかしまだ一度も立ち会い出産を経験したことのないお父さんの中には、立会い出産に関して具体的なイメージをお持ちでない方もいるようです。

立会い出産を成功させ、夫婦や家族の絆を強めるには、よく話し合った上で決めることが大前提になります。まずは立会い出産のメリット・デメリットを知り、予備知識を得た上で決めるようにしても、決して遅くありません。周囲に実際に立会い出産を行ったご夫婦がいれば、直接感想などを聞いてみるとより具体的なイメージを持つことが出来るでしょう。

立会い出産のメリット

立会い出産のメリット

立会い出産にはメリットとデメリットの両方があります。メリットはご夫婦一緒に出産というかけがいのない経験を味わえること。妊娠・出産・育児を奥さんに任せきりにするのではなく、ご主人も積極的に関わっていくことにより、夫婦や家族の絆がより強くなります。

新しい命の誕生を目の当たりにするのは、たとえ当事者でなくても大きな感動を覚えます。赤ちゃんのお父さんであれば感慨もひときわ、自分の子供の誕生に立会い、感動のあまり男泣きしてしまう方も多いようです。

立会い出産のデメリット

立会い出産のデメリット

デメリットとして挙げられるのは、十分な心の準備も予備知識もなく立会いに臨んだご主人の中には、はじめて見る出産の様子に精神的なショックを受けてしまうことです。

奥さんの大変さや出血などを目の当たりにして、奥さんを労わるどころか、自分自身がショック状態に陥ってしまい、気分が悪くなってしまうこともあるようです。

立会いを希望している男性の方は、まずは立会い出産の講習などを受けるようにしましょう。奥さんの出産に立ち会える勇気があるかどうかを自分自身に問いただしておかないと、当日になり尻込みしてしまい、奥さんをがっかりさせることになってしまいます。

ご主人に分娩の知識を備えてもらう

ご主人に分娩の知識を備えてもらう

立会い出産はご夫婦でよく話し合って決めるべき重要な決断です。ただ流行っているから、お友達がそうしたから、という理由だけで踏み切ってしまうと、後々後悔することになりかねません。

ただなんとなく立会い出産してみるか、という程度の認識では、奥さんの出産に立ち会ってもショックを受けるだけかもしれません。立会い出産を経験したことのない男性の方には、まず分娩や出産の現場についての確かな知識を持ってもらうようにしましょう。

向く男性と向かない男性がいる

向く男性と向かない男性がいる

奥さんの出産に立ち会い、新しい命が誕生する瞬間を見届けた男性のほとんどは、「感動的」、「妻への感謝の気持ちでいっぱい」、「女性の偉大さを感じた」という肯定的な感想を持ちます。立会い出産の意義はここにありますが、中には出産の場に居合わせることを生理的に受け付けられない男性もいるようです。

誤解のないようにいいますと、生理的に受け付けられないというのは、あくまでも自分がその場にいることがいたたまれないだけであって、奥さんや生まれてくる赤ちゃんに対する敬意や愛情がないということではありません。立会いはちょっと、というご主人に無理強いをするのは控えておいたほうが無難です。

母親・父親教室に一緒に参加する

母親・父親教室に一緒に参加する

立会い出産を行うと決めたら、母親・父親教室にご夫婦で一緒に参加するようにしましょう。出産前から二人で出産に備えることにより、出産当日の感動もひときわ輝きます。

病院などで行われている母親・父親・両親教室以外にも、立会い出産を経験した方やこれから経験するという方向けの「立会い出産教室」を開いているグループや病院もあります。立会い出産教室では実際に行われた立会い出産のビデオの鑑賞や、呼吸法の練習など立会い出産に役立つ知識が盛りだくさんです。

立会い出産に関する予備知識が増えれば増えるほど、妊婦さんもご主人もリラックスして当日の出産に臨むことが出来ますので、ぜひ参加してみましょう。

あなたの気持ちも大切にする

あなたの気持ちも大切にする

夫婦の絆が深まるといわれている立会い出産ですが、妊婦さんの中にはご主人に立ち会ってもらいたくないと感じる方もいます。出産に立会いたいと思うご主人の気持ちも大切にするべきですが、妊婦さんの意思や気持ちも同様に大切です。

ご主人のほうから立会いたいと言われた方も、自分から言い出そうと考えている方も、まずは立会い出産に対して、自分自身はどう考えているのかをはっきりさせましょう。

流行っているから、周りもみんなしているから、というだけで安易に決めてしまうのは考え物です。とくにこれがはじめての出産になる方は、慎重に考えるようにしてください。はじめての出産に心細い思いをしているのは、ご主人も同様かもしれません。

二人で体力づくりをしておこう

二人で体力づくりをしておこう

初産婦の場合、陣痛が10分おきになってから分娩終了までにかかる時間は11~15時間で、30時間未満が正常分娩と言われています。

微弱陣痛になれば丸一日弱い陣痛の波に翻弄されますが、奥さんの側にいるご主人もこの時間ずっとサポートに回っています。ただ、奥さんを気遣って長い時間を過ごすのは、会社での仕事とは異なった疲労が溜まってきます。

こういった大変さを乗り越えるためにも、二人で妊娠中からしっかり体力づくりをしましょう。体力をつければ気持ちも落ち着いてきますから、奥さんの辛い時もしっかり支えられるでしょう。

また、奥さんが体力をつければ微弱陣痛ではなくきちんとした陣痛となって、出産にかかる時間も短くなります。休日に一緒にウォーキングを始めてはいかがですか。

立会い出産が出来るか病院かどうか

立会い出産が出来るか病院かどうか

病院によっては立会い出産が出来るところと、原則できないところとありますので、立会い出産を希望されている場合は早めに申し出るようにしましょう。また病院によっては、事前に行われる父親・母親教室へ参加することが条件という場合もあります。

これは実際に出産に立ち会う前に、出産に関する予備知識を得てもらうため。他にも立会いは父親だけという病院や、希望すれば誰でも(子供や妊婦さんの母親など)立会い可、というところもありますので、まずは出産予定の病院で確認するようにしましょう。

カメラやビデオは許可を取る

カメラやビデオは許可を取る

立会い出産の様子を記録に残したい!と思うお父さんは多いようですが、カメラやビデオの持込に関しては必ず事前に病院の許可を得るようにしましょう。病院によっては立会いは可能でも撮影は不可というところがあります。

立会いが許可されている病院でも、撮影の際には医師や看護師の方の邪魔にならないよう十分に配慮しましょう。

医師や看護師さんの指示に従う

医師や看護師さんの指示に従う

最後の検診でもなんの異常も見当たらず、母体も赤ちゃんも健康な状態で出産に臨んでも、やはり出産は出産、なんらかの状況で緊急事態が発生することもあります。そんなときは慌てずに医師や看護師の方の指示に従うようにしましょう。

また出産自体には問題はなくとも、立ち会っているお父さんのほうが気分が悪くなってしまうということもたまにあるようです。このような場合、医師の判断により退出を促されることもあります。立会い出産はあくまでも、母体と赤ちゃんに支障がない範囲で許可されるものということをしっかり把握しておきましょう。

立会い不可で転院も?

立会い出産OKの病院が増えてきても、やはり不可という病院もあります。立会い出産について考え始めるのは大体妊娠後期に入ってからという方も多いですが、いざ立会い出産をしたいと思った時に実は立会い不可だと知るケースも少なくありません。

中には立会い出産を強く希望するあまり、立ち会い出産できる施設への転院を考えてしまう方も出てきます。ただし、妊娠後期の転院には必ず前の病院からの紹介状が必要になりますし、それがなければ初診を受けるのは不可能といって良いでしょう。

違う病院を探している間に赤ちゃんの様子が急変する可能性もありますから、赤ちゃんを第一に考えて、今回は分娩室の外で待ってもらうようにしましょう。

立会い出産ができない状態は?

立会い出産ができない状態は?

病院が立ち会い出産不可の方針である以外に、いくつか立ち会い出産ができないケースがあります。それは前期破水や早期胎盤剥離など、緊急帝王切開手術を行って赤ちゃんを取り出さなければ、母子共に命の危険があるケースです。

妊娠後期は赤ちゃんの体重増加に加え、これまでの疲れも重なって体調が急変しがちですから、立会い出産は望む方はご自身の体調をよくチェックして、出産予定日まで無理のないように過ごしてください。また、ご主人の仕事の都合でどうしても立会いに間に合わなかった、なんて事も考えられるでしょう。

絶対立ち会い出産すると意気込めば、出来なかった時にご主人を責めてしまいがちですから、立会い出産を希望していても万が一の事を常に考えておくと、気持ちに余裕が生まれます。

予定帝王切開で立会い出産できる?できない?

予定帝王切開で立会い出産できる?できない?

前置胎盤や逆子などで自然分娩ができない方は、立会ってもらえないと落ち込んでしまうかもしれません。立会い出産で心配なのは、外から菌やウイルスを分娩室へ持ち込んで新生児が感染してしまう事ですが、帝王切開は手術であるため自然分娩よりも感染する確率が高くなってしまいます。

しかし、帝王切開手術を担当する医師や看護士と同じように厳重に管理すれば、数は少ないですが立会いOKとする病院もあります。

もちろんカメラや携帯電話の持ち込みも不可ですが、ご主人が側にいる事で手術の不安も軽減できるでしょう。まずは担当医に確認しましょう。

まとめ

年々増えているといわれる立会い出産、はじめての出産を迎える妊婦さんにとって、分娩室でご主人が手を握ってくれるのは非常に心強く感じられます。ご主人にとっても、自分たちの子供の誕生に立ち会うという貴重な経験になり、夫婦仲が良くなり、家族の絆も強まります。

その反面、予備知識なく立会ってしまい、奥さんの分娩に苦しむ姿を目の当たりにして、ショックを受けるご主人も多いといわれています。せっかくの機会ですので、立会い出産にしようと決めたらご夫婦できちんと話し合い、事前講習などをぜひ受講するようにおきましょう!

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