不妊治療と仕事を両立するために知っておきたいこと

不妊治療と仕事を両立するために知っておきたいこと

不妊治療と仕事の両立は難しいと考えている方は、かなりの数にのぼります。不妊治療を行っている方は、なんと9割の方が仕事と治療の両立は難しく、また4割の方は治療のために転職や退職をしたと考えているようです。

やはり自己注射を行っていたとしても必ず月に何回かは病院に行かなければならず、また妊娠はタイミングが大事なので急に採卵日を決定されて仕事のスケジュールを合わせるのが大変な事も多いのが理由に挙げられます。

今は昔とは違って不妊治療に対する意識が高まり、専門のクリニックや病院も増えてきています。今は両立できるような様々なやり方があるので、すぐ退職せずに出来るところまで頑張っている方が多いです。どのように仕事と不妊治療を両立していたのか、その方法をご紹介いたします。

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不妊治療の現状

不妊治療の現状

不妊治療しながら仕事とも両立する対処方法不妊症は「避妊をせずに定期的な性行為を行っていても妊娠できない状態が2年以上続く」状態を指します。

この状態での妊娠率は1年以内で85%なので、「生理初日から2週間の危険日に性交して1年以内に妊娠しなかった場合」にも不妊症と定義づけられています。現在10組のカップルのうち1組が不妊だという調査結果がありますが、その不妊症と診断されたカップルのほとんどが不妊治療を考えます。

不妊治療と仕事、お金の問題点

不妊治療と仕事、お金の問題点

しかしそこで問題になってくるのが治療費用と仕事との両立です。不妊治療の一般的な検査や治療では社会保険が適用される種類もありますが、高度治療になると社会保険が適用されないため1回あたりの費用も高く、また1回で成功する可能性は低いので複数回続けなければならず費用がどんどんかさむ事も多いです。

厚生労働省が特定不妊治療費助成事業を行っていますが、それでもやはり大きな負担となっているのが現状です。また仕事との両立も大きな問題で、治療によっては数日間病院に通ったり検査結果次第では急な呼び出しがあるケースも少なくありません。

だからといって治療のために退職すれば費用の支払いが大変になり、両立すれば治療と仕事の兼ね合いをしっかりしないといけません。しかし不妊治療のため多くの女性が仕事を諦める中、不妊治療と仕事を両立させて妊娠できた方もたくさんいます。

仕事と両立の為の会社との接し方

リスクはあるが不妊治療を上司に相談

リスクはあるが不妊治療を上司に相談

 

自分が不妊治療している事を、会社の人に伝えている人はどれくらいいるでしょうか?

実は、ほとんどの方が伝えていません。医療関係企業・公務員・女性がメインで働く企業などは、社員の不妊治療に対して休暇やサポート体制を整えていますが、その数はまだまだ少なく全体の1%にも満たないのが実情です。

その他の企業は不妊治療を個人的な用事の範疇として、サポートがないばかりか嫌味を言われたり仕事を辞めるよう遠まわしに薦める会社もあります。

そんな中で働く女性は不妊治療をしていると打ち明ける事に、デメリットばかりで何のメリットがないと思われるのも仕方がありません。しかし社会人のマナーとして、会社を早退したり休む機会が普通よりも多いのならば、少なくとも直属上司へは伝えておくべきでしょう。

女性上司ならば「不妊治療」で理解してくれるでしょうが、男性上司ならば言いづらい事もあるかもしれません。そんな時は「婦人科の病気治療」として少し説明し、言外にデリケートな問題なのだと匂わせれば、それ以上の説明は求められないでしょう。

仕事で妊娠の事を忘れられることも

仕事で妊娠の事を忘れられることも

不妊治療のために仕事を辞めてしまう女性が多い中で、仕事と不妊治療を両立している人は仕事をしていると治療の事ばかり考えなくてすむと言います。

ストレスと妊娠は大きく関係していますので、家にいて治療の事ばかり考えてしまえばストレスが溜まりよい結果は生まれず、ついには夫婦の仲がギクシャクする最悪のケースにもなりかねません。

仕事はよい気分転換という事ですね。また、会社全体が不妊治療をする社員に対して配慮がなくても、あなたが毎日頑張っていれば理解を示してくれる人も出てきます。

不妊治療の不満や愚痴ばかりで仕事をきちんとしない人よりは、治療の事は打ち明けてあっても何も言わずに仕事に打ち込んで大変さを見せない人の方が、周りもサポートしたくなりますよね。

治療のために急に欠勤しても、周りが「休みばっかり取って」と思うか、「大変だけどがんばって」と思うかは日頃のあなたの行動次第ではないでしょうか。

融通が利く環境に変更して仕事を減らす

融通が利く環境に変更して仕事を減らす

不妊治療にために病院を訪れる夫婦の7割以上が30代後半です。35歳から治療を始めれば成功率は3~4割なのに比べて、40代から不妊治療を始めても成功率は1%と非常に低いのが、年齢が集中する理由なのでしょう。

しかし夫婦ともに正社員を続けていれば、このくらいの年齢では重要な仕事を任されている方も多いでしょう。そんな立場で急な欠勤や休みを複数回とるのは仕事に差し支え、ご自身も仕事と治療の板ばさみになって辛い思いをするなんてよくある事。だからと言ってすっぱり退職してしまうのは、これまでのキャリアを考えればもったいないですよね。

融通の利く会社ならば、正社員ではなくパートや契約社員としてもらうよう打診してみるのも一つの方法です。代わりの有能な社員がいる・不妊治療のサポートがある・前例がある、という会社環境ならば了承されるかもしれません。

それが難しいのならば転職という手もありますが、今の時代は技術職・資格保持者以外は転職できても給与の点では劣る可能性が高いです。不妊治療は費用がかかりますから、そのあたりも考慮しましょう。

在宅の仕事に切り替える

在宅の仕事に切り替える

出来る業種は限られているのですが、自分の仕事を会社へ行かず家で行う在宅へ切り替えて不妊治療と仕事を両立させている方もいらっしゃいます。

IT系などコンピューターで全て終わらせられる仕事なら、会社でも家でも構わないでしょう。ただし、普通の事務仕事では代わりがいますから、自分の技術がなければ出来ないプロジェクトなどを担当している方に限るケースも少なくありません。

また、仕事との両立は難しく退職された方にも、在宅で仕事を依頼する業者を通して仕事を見つけられるケースもあります。退職すれば収入はゼロですが、少しでも治療費をカバーできる収入が在宅ワークで得られれば是非やってみたいと思いませんか。まずは情報を集めてみましょう。

不妊治療での時間の活用方法

開き直って有給休暇を使う

開き直って有給休暇を使う

厚生労働省は平成16年から特定不妊治療費助成事業を全都道府県の指定都市で開始し、平成19年からはさらにその範囲を拡大しています。

また、事業主に対して不妊治療を行っている従業員への、理解を求めるリーフレットを作成しています。このように政府から母子保健対策の一環としての事業が始まって10年経ちますが、社会への浸透度は他事業と比較すると低いといってよいでしょう。

しかしいくら会社が知らないと言っても政府がこのような事業を始めているわけですから、それを切り札にいっそ開き直って有給休暇を取ってしまいましょう。

日本の企業や役所は前例があれば強く拒否する事はしませんので、あなたがその前例となってしまえばよいのです。ただし、悪き前例とならないように自分の仕事はいつも以上にしっかり行い、同僚や上司に対する配慮を忘れないようにしましょう。

昼休みを上手に使い病院に

高度医療不妊治療は、検査を行い判明した問題点をなくし子宮内で受精させるために最適な方法をとる一般不妊治療と、それらの効果が一定期間で出なかった場合の、卵子と精子を体外に取り出して行う高度不妊治療の2つに分かれ、一般不妊治療の中にはホルモンを調べる血液検査や注射など、短時間で終わる治療もあります。

そのような治療に対しては昼休みに行って終わらせるという方法があり、クリニックでもお昼休憩を遅らせていたり交替の先生が診察するなど、そのような立場の患者に対するフォロー体制を整えています。

ただしこの方法を利用するには会社の近くのクリニックを探す必要があるので、最初のクリニック選びから慎重に行いましょう。

休日診療や夜間診療の活用

休日診療や夜間診療の活用

不妊治療を行う病院やクリニックでは、仕事と治療通院を両立させる患者に配慮して平日の診療時間を延長したり休日・祝日診療をしている所があります。

たいていは夜7時まで、そして休日・祝日は午前中に診察を行うシステムですが、やはりその時間帯に診察を受けたいカップルが多く、また高度不妊治療を受ける方の予約で埋まってしまう場合があります。

やむをえない場合は時間外診療

やむをえない場合は時間外診療

しっかりスケジュール調整していても、どうしても終わらない・抜けられない仕事というのはあるものです。そんな方のために、数は限られていますが時間外診療を受け付けているクリニックがありますが、時間外診察を受ける際には必ず決められた時間までに電話連絡しなければなりません。

待たなくてすむので便利と思われるかもしれませんが、実は一般診療と違って診察料金に大きな違いがあり、再診料だけでなく時間外料金・休日料金・深夜料金の3種に分かれて2,000円~4,000円がプラスされ、場合によっては保険適用外で全額負担になる可能性もあります。

時間外診療はどうしても仕方がない時のみにとどめましょう。

時間にとらわれない排卵誘発剤自己注射

時間にとらわれない排卵誘発剤自己注射

不妊治療法は実にさまざまで、個人に合わせたオーダーメイド治療法などという人もいます。

その中でまず最初に行われるのがタイミング法で、検査で特定した排卵日に合わせて性交を行う治療法です。

女性側に排卵障害があったり何回か試してもうまくいかない場合は、受精率をあげるために排卵誘発剤の注射をしますが、この注射は病院に行かなくても自分で出来るため、仕事をしている人は自己注射に切り替えています。

自己注射にすると費用が3万円程度高くなりますが、なんと言ってもスケジュール調整しなくてすむのが嬉しいところです。注射も針が短いためあまり痛みを感じずに、会社内で簡単に打てるのもポイントですね。

ストレスが溜まるなら退職を視野に

ストレスが溜まるなら退職を視野に

いくら理解のある会社で働いていたとしても、スケジュールを治療日のためにわざわざ調整したり、自分の仕事を同僚にお任せして早引けするのは気が引けます。

そんな調子に加えて、結果も思うように出なければストレスは溜まるばかり。ストレスと生理周期は大きく影響し合っていますから、ストレスが溜まるほど生理周期やホルモンバランスはどんどん崩れてしまい、妊娠への道のりも遠くなってしまいます。

心身ともに妊娠への準備ができていないのならば、いくらお金をかけても良い結果は得られません。毎日のストレスが酷くなってうつのような症状が現れてしまうようならば、思い切って退職し不妊治療に専念する方法も視野に入れましょう。

病院を変えることも検討する

病院を変えることも検討する

なるべく仕事に支障がないように不妊治療をしたいのならば、病院が自分のスタイルと合っているかどうか確認しましょう。例えば、いくら成功率の高い病院があったとしても職場から遠い場所にあって平日のみの診療ならば、自分にとってまったくメリットはありません。

また、担当医と合うかどうかも大きな問題です。不妊治療はこの先生となら夫婦で頑張れると言うお互いの信頼が大事なので、いくら良い先生と言われていても自分とフィーリングが合わず先生の言葉に何一つ納得できないのならば、他の病院を探すべきです。

幸い不妊治療を行う病院・クリニックは増加しているので、条件に合った病院を二人で選んでみてはいかがでしょうか。

体外受精の費用と考え方

体外受精の費用と考え方

女性の年齢もありますが、体外受精で妊娠する確率は大体平均で5・6回目で、1回目2回目で成功すれば非常にラッキーと言った感じなのだとか。

採卵し胚移植後妊娠できた場合は55万円程度、そして採った卵子を冷凍保存し溶かしてから移植させ手成功した場合は60万円強と、1回の体外受精につきかなりのお金がかかります。

これを5・6回も続けば金額はうなぎのぼり、妊娠までの平均額は130~180万円ほどと言われています。

妊娠するまでずっと続けるカップルは良いのですが、その出費がいたいと考えているのならば、ずるずると続けるよりもどこまで不妊治療を続けるのか、夫婦でしっかり話し合った方が良いです。

まとめ

一見すると、会社の無理解や仕事と治療の兼ね合いの難しさに辞めてしまったほうが気が楽だ、と思われるかもしれません。しかし辞めた事によるデメリットもありますし、頑張って続ける事で分かるメリットというのもあります。

不妊治療は夫と妻が協力しなければよい結果が得られませんので、まずはご夫婦で不妊治療の方法やかかる費用をよく調べてしっかり話し合ってください。

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