夜のつわりが辛く眠られないときに知っておきたいこと

夜のつわりが辛く眠られないときに知っておきたいこと 妊娠初期

妊娠初期のつわりというと、朝食を一目見ただけで嘔吐してしまう吐きつわりを思い浮かべますが、妊婦さんの中には夜になるとつわりがひどくなるという方もいます。夜のつわりが辛く眠れない日々が続くと、妊婦さんは体力を消耗してしまいます。

妊娠中は免疫力も落ちていますので、その上睡眠不足に陥ると妊婦さんはみるみる体力を消耗させてしまいます。妊娠初期の大切な時期に体調を崩さないようにするためには、夜のつわりをできるだけ軽減し、良質な睡眠を確保することが不可欠です。

夜につわりがひどくなる原因からその対処法まで、夜のつわりが辛く眠られないときに知っておきたい情報を幅広くご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

夜のつわりが辛く眠れない?

夜のつわりが辛く眠れない?

つわりというと吐き気や嘔吐を真っ先に思い浮かべますが、つわりの種類は百人百様。ひとりひとりの妊婦さんによって、あらわれる症状の種類や度合いには違いがあります。

一般的にはつわりがもっともひどいのは、朝起床したときといわれています。朝は胃がからっぽで、吐き気や胃のもたれを感じやすいためと考えられます。

朝食時には吐き気がマックスだったものの、お昼近くになると徐々につわりが落ち着き、午後から夕方までは比較的過ごしやすく感じられます。その後夜になり就寝しようとすると、再び胃のムカムカや気持ち悪さに襲われ、なかなか寝付けない。このような体験をする妊婦さんも少なくありません。

夜間つわりで気持ちが悪く、十分な睡眠が取れないと、翌日も疲労感を引きずります。妊婦さんの健康管理を上手に行うためには、夜間に良質の睡眠を十分に確保する必要があります。つわりは妊娠に伴う生理的な症状であり、予防することはできませんが、少しでも楽になるような対処法を取ることが大切です。

つわりの原因や時期について

つわりが起こる原因はいまだに医学的に解明されていませんが、妊娠に伴うホルモン分泌の変化となんらかの形でかかわりがあると考えられています。

つわりが始まるのは、通常妊娠5、6週目からで、数週間続くこともあれば、妊娠中期に入るまでずっと続くこともあります。このようにつわりの時期や続く期間は、ひとりひとりの妊婦さんによって違いがありますが、大多数の場合、妊娠12週目頃から徐々におさまってきます。

つわりの様々な症状で眠られない

つわりの症状について

つわりの主な症状とは、吐き気や嘔吐、胃のムカムカやもたれなど、消化器系のトラブルで、いわゆる吐きつわりに相当します。空腹を感じると吐き気が増すために、常になにかしら食べ物を口にしている状態は、食べつわりと呼ばれています。

他にも日中も強い眠気を感じる眠りつわりや、唾液の量が増えるよだれつわり、いろいろなものの匂いに敏感になる匂いつわり、胃がもたれる感じがあり、げっぷがたくさんでるげっぷつわりなど、つわりの症状にはいろいろな種類があります。

他にも頭痛や腰痛、だるさやめまい、息苦しさ、不眠、気分の浮き沈みなど、つわりの種類は千差万別で、どんな症状がでるかは、ひとりひとりの妊婦さんによって異なります。つわりに上手に対処するためには、どんな症状が、どのくらいの頻度であらわれているかを把握しておかなければなりません。

夜つわりが辛い原因とは?

夜つわりが辛い原因とは?

つわりというと朝に辛い、というイメージがありますが、実際には朝と夜につわりひどくなるというパターンも多いようです。つわりが起こるメカニズムに関しては、いまだに医学的な解明がなされていませんが、空腹感を感じると吐き気が増すパターンが多くみられます。

お昼から夕方にかけてはさほど辛く感じないのに、朝と夜につわりが辛い理由の一端は、空腹を感じることにあります。他にも、つわりのせいで体力が落ちている、十分な栄養が取れていない、疲労感がある、体がだるい、気力を感じない、自律神経のバランスが乱れている、ストレスを溜めているといったことも、夜のつわりをひどくする原因と考えられます。

夜のつわりが辛い状況とは?

夜のつわりが辛い状況とは?

つわりが辛いといった場合、いろいろな状況が考えられます。1日に何度も嘔吐するせいで辛いという状況もあれば、吐き気がこみ上げてくるものの、吐くことができずに辛いという状況もあります。

吐き気がこみ上げてくるものの嘔吐できない「空吐き」は、つわりの辛さの最たるもの。いっそ吐いてしまえれば胃のあたりが少し楽に感じられますが、吐きそうなのに吐けないと体力を非常に消耗してしまいます。

吐き気がおさまらず、ムカムカが夜中ずっと続き、一睡もできないまま朝を迎えてしまった。夜のつわりが辛い方の典型的なパターンです。夜間に睡眠を取れないと、昼間も体がだるく、体調を崩してしまいます。

つわりは妊娠12、13週目になるとじょじょに収まってきますので、それまで辛抱するしかありませんが、少し工夫するだけで、夜のつわりの辛さを多少なりとも緩和することができます。夜のつわりの辛さを緩和するための対処法ついて、ポイントごとにくわしくみていきましょう。

夜のつわりの対処法について

眠気が襲ってきたのに、ムカムカと気持ち悪く、眠ることができない。吐きそうなのに吐けず、トイレとベッドを何度も往復してしまう。気持ちの悪さを我慢しているうちに、朝を迎える日々が続く。夜のつわりは、形容しがたいほど辛いもの。この辛さを少しでも緩和する方法について詳しくみていきましょう。

就寝前に空腹を和らげる

就寝前に空腹を和らげる

吐き気がして気持ちが悪いからといって、空腹のまま寝ようとすると、かえって吐き気が増します。就寝前に消化がよく、胃腸に負担をかけないものを軽く摂る習慣をつけましょう。

夕食についても同様で、胃腸に優しく、さっぱりした味付けのものを選ぶことがポイントです。妊娠中はホルモン分泌の変化のせいで、味覚や食べ物の嗜好にも変化が生じますので、そのときどきに食べやすい物、食べたいものを摂るようにしましょう。

妊娠初期の赤ちゃんは、胎盤がしっかり完成するまでは、卵黄嚢から栄養を得ています。妊婦さんの摂取する栄養が多少偏っていても、赤ちゃんの成長には支障ありませんので、つわりで辛い時期は妊婦さんの食べたいもの・食べられるものを、少しずつ口にすることが大切です。

夕食・夜食の食べすぎはNG

夕食・夜食の食べすぎはNG

空腹になるとムカムカを感じるために、つい食べすぎてしまう妊婦さんもいるようですが、これは控えたほうがいいでしょう。妊娠中は胃腸の消化機能もやや弱まっていますので、食べすぎは胃酸過多や逆流性胃腸炎・食道炎の原因になりかねません。胃酸の逆流はげっぷやムカムカを増大させます。夕食は胃腸に優しく、消化のよいものを選びましょう。

夜食の選び方のポイント

夜食の選び方も基本的には夕食と同じですが、量はごく少量にし、さっぱりと口当たりのよいものを摂るといいでしょう。食べ物ではなく、夜食を飲み物にするのもひとつの方法です。つわりの最中は冷たい飲み物のほうが飲みやすいといわれていますが、冷たいものの飲み過ぎは体を冷やす原因のひとつ。

体の冷えは血行不良につながり、手足のむくみが生じるだけでなく、眠りに入りにくい状況を作り出します。就寝前にはカフェインを含まない、口当たりのさっぱりした飲み物がお勧め。アイスではなくホットで飲みと、体の内側も温まります。

夜食で空腹感を和らげてから眠りに入ると、吐き気や気持ちの悪さを多少なりとも緩和できるでしょう。このとき注意したいのは、カロリーのこと。夜食にカロリーの高い食べ物や飲み物を毎日摂ってしまうと、体重管理に失敗します。毎日夜食を食べる習慣のある方は、カロリーや栄養価にも注意を払いましょう。

寝方を工夫する

寝方を工夫する

妊婦さんにとって寝やすい体勢はシムスの体位とよばれています。シムスの体位はおなかの赤ちゃんが大きく成長してくる妊娠中期の後半以降に便利な寝方ですが、妊娠初期に寝つきにくいときにもお勧めです。

シムスの体位

シムスの体位

シムスの体位とは、体の片側を横にした体勢を指します。一般的には体の左側を下にし、右足を体の前に出し、ひざから曲げ、楽な体勢を取ります。左手は体の後ろか横に置き、右手は体の前側に起きますが、このとき抱き枕やクッションを右足とおなかの間にはさむと、さらに楽な姿勢が取れます。

このシムスの体位は、おなかが大きくなったときにお勧めの寝方ですので、妊娠初期からぜひ覚えておきましょう。基本的な体勢を覚えたら、あとは妊婦さん自身がもっとも楽に休める体勢を探してください。

妊娠初期はおなかは大きくなっていませんが、つわりの影響で、腰に痛みや違和感を感じたり、胃のもたれや息苦しさを感じることもあります。楽に寝られる体勢を見つけることで、つわりの辛さを多少なりとも緩和することができるでしょう。

就寝前のリラックスタイムをつくる

就寝前のリラックスタイムをつくる

つわりが始まると、妊婦さんは精神的にもプレッシャーを感じます。つわりで満足に食事が取れないこと、睡眠不足でイライラしてしまうこと、妊娠前とは毎日の日課がまったく違ったものになること、食べ物や飲み物に制約を受けること、妊娠や分娩に対する不安を感じてしまうことなど、つわりの辛さに加えて、妊娠初期の妊婦さんは他にもたくさんの悩みやストレスを抱えています。このような状態で眠りにつこうとしても、安眠できるはずがありません。

つわりで辛い上に、ストレスや不安を抱えると、自律神経のバランスはさらに乱れ、良質の眠りを確保することがどんどん難しくなります。就寝前には必ず自分だけの時間を持ち、好きなことをして過ごすようにしましょう。好きな音楽を聴く、読書をする、夜食タイムを楽しむなど、ストレス解消に役立つことを積極的に行いましょう。

まとめ

夜のつわりが辛く眠れないときにぜひ知っておきたい情報を幅広く挙げてみました。夜のつわりが辛く眠れないときは、赤ちゃんがおなかで成長しているからこそ、つわりがあるんだ、とポジティブに受けとめましょう。

つわりは妊娠に伴う生理的な症状で、妊娠中期が始まる頃にはおさまってきます。吐き気や気持ち悪さで辛い毎日が続きますが、なるべくイライラせずに、気持ちをゆったりとさせ、つわりがおさまるのを待ちましょう。