妊娠が発覚したら、妊婦は突然やらなければならないことに追われ始めます。嬉しいと思う反面、大変なことも多いでしょう。
特に妊娠初期は身体の変化も大きく、ストレスもたまりがちです。妊娠初期には何が起こり、どのようなストレスを受けやすいのでしょうか。予め情報を知っておくことで、ストレスをうまく付き合い、妊娠初期を乗り越えていけるようにしましょう。またストレスの原因、対処方法などを紹介していますので参考にしてください。
妊娠初期の体調変化によるストレス
妊娠初期は、妊婦にとって最も辛い時期とも言われています。それは、つわり症状が出る時期だからです。妊娠中は妊婦の身体に大量のホルモンが分泌され、赤ちゃんを育てるための胎盤を形成するのにエネルギーが使われます。
一方、赤ちゃんの方も細胞分裂のスピードが早く、急速に成長していく時期でもあるのです。
このことが影響し、妊婦の身体にはつわりが起きてしまいます。つわりの症状の出方は、妊婦によって違いがありますが、今までとは違う身体の様子に戸惑い、ストレスを感じる方も多いようです。
つわりの症状によるストレス
妊娠初期に現れ、妊婦に大きなストレスを与えるつわりですが、具体的にはどのような症状が出てくるのでしょうか。つわりの症状として多いのが、吐き気を催すつわりです。
ただ、吐き気を何によって催すかは人により違いがあります。ある妊婦の方は、食べたものを全て吐き出してしまうつわりに見舞われる場合や、ある妊婦は食べないことから吐き気が催してしまう場合もあります。さらに嗅覚が異常に敏感になり、吐き気を催してしまう妊婦もいるのです。
何度も吐き出してしまったり、気持ち悪さが続いたりしてしまうのは、妊婦の身体にとっても心にとっても大きな負担となります。このことからストレスがどんどん溜まっていってしまうのです。
ストレスがつわりが強くなる原因に?
つわりは精神的なものが大きく影響していて、神経質・心配性の方はつわりが強くなりやすいと言われています。確かに仕事や趣味に没頭している時はあまり気持ち悪さや吐き気を感じない、という方も多いのではないでしょうか。
またストレスもつわりを悪化させる原因で、例えば同居のストレス・食べられない事によるストレス・流産への不安などがある方はつわりが強くなる傾向にあります。
ストレスの原因をなくせば改善するのですが、中々そう簡単に排除できないためストレスがどんどん溜まってしまう方も少なくありません。つわりが治まる安定期にはストレスが軽減される方も多いので、時間の解決を待つしかない場合も。
初期症状によるストレス
妊娠初期に起きるつわりは、吐き気だけでなく、眠気や熱っぽさなどにも現れます。とにかく四六時中眠気が襲ってくる眠りつわりは、日常生活に支障をきたす場合もあり、どんな状況でもとにかく眠ってしまいます。
また、妊娠初期は体温が高い状態が続くため、常に熱っぽさやだるさを感じてしまいます。このことから、仕事をしなければならない状況や、家事をテキパキこなしたいのに、なかなか体調をうまくコントロールできずに、ストレスが溜まっていってしまうのです。
真面目な性格の妊婦ほど、今までこなせていたことが、全くできないことにストレスを感じやすくなります。妊婦の身体になっているのですから、当たり前のことではありますが、身体の反応としては戸惑うことも多く、ストレスはどんどん溜まっていってしまうのでしょう。
妊娠初期からストレスは赤ちゃんに影響
胎盤が完成するまでは、お母さんがストレスを感じていたとして赤ちゃんへの影響はないと思われるかもしれません。しかし着床した瞬間から母体から栄養を得るために受精卵は絨毛と呼ばれる根のようなものを出しますが、この絨毛が後に胎盤になってゆくのです。
ですから絨毛組織が発達している最中には、お母さんからの栄養を取り込み、不要物を排泄する胎盤の働きはすでに始まっているのです。
未熟ながらもお母さんと赤ちゃんをつなぐ器官が出来ているのですから、妊娠初期であったとしてもお母さんのストレスは赤ちゃんへ少なからず影響を与えてしまっています。
ストレスとアレルギーの関係
最近の研究では、お母さんが強いストレスを感じると赤ちゃんのアレルギーや喘息の原因となる事が分かっています。ストレスを感じると分泌されるホルモンは、血行を鈍らせるだけでなくT細胞やリンパ球など免疫にかかわる機能をも抑制する働きを持っています。
このホルモンがお腹の赤ちゃんへ送られてしまうと、未熟な免疫システムが更に悪影響を受けて免疫力が下がってしまい、出生後アレルゲンに過敏になりやすい体質になってしまうのです。
ストレスの多い社会と言われる今、子供のアレルギー疾患や喘息保有者が増えているのは、やはりストレスと免疫システムの間に何らかの関係があると思ってよいでしょう。
ストレスと流産の関係
ストレスが溜まると、それに対抗するためストレスホルモンが分泌されますが、このホルモンは血行を鈍らせる働きを持っています。血行が鈍れば子宮にも血液が届かなくなり、赤ちゃんを育てるための環境が整いにくくなってしまいます。
血液が届かなくなれば身体は子宮の機能が鈍って妊娠状態を維持する状態ではなくなったとして、お腹の赤ちゃんを外に排出しようと動きます。
このようにしてストレスは切迫流産や流産に大きく関係しているので、ストレスを溜めない事はお母さんだけでなくお腹の赤ちゃんにとっても非常に大事なのです。
その他のストレスの原因、対処方法
ストレスはあるものと割り切ると楽に
生理前は無性にイライラする方も多いですが、妊娠すればその度合いは生理前の比ではありません。生理前は一時的に女性ホルモンが増える事によってホルモンバランスが崩れ、精神面に影響を与えるのは皆さんご存知だと思います。
しかし、妊娠すると増えるホルモン量は生理前よりも非常に多くなるため更に精神面で不安定になりやすく、妊娠した後の変わりように周りだけでなく自分もびっくりするほど。自分の意思ではどうにもならないのですから、ストレスがあるのは仕方がないものと考えましょう。
ストレスが原因のイライラややる気のなさ・頭痛などを治そうとあれこれしても治りません。改善のなさが更にストレスになってしまいますから、出産後は良くなると考えて、割り切った方が上手くいくかもしれませんね。
我慢だらけのストレス
妊娠が発覚すると、妊婦は我慢しなければならないことが増えてしまいます。例えば、喫煙や飲酒は御法度とされており、妊娠中~授乳時期まで長い期間我慢し続けなければなりません。
タバコを吸うことでストレスを解消していたり、お酒を毎日のように楽しんでいたりした人にとっては、大きなストレスになるでしょう。また、カフェインが多く含まれている飲み物も、なるべく取らない方が良いことから、喫茶店に行っても選べるメニューがほとんどない場合が多いのです。
コーヒーや紅茶、緑茶にはカフェインが含まれていますので、フレッシュジュースや、ルイボスティーを選ぶことになるでしょう。友人と気兼ねないティータイムを楽しみたいのに、メニューで選べるものがないというのは、大きなストレスになるのです。
肌トラブルでのストレス
妊娠初期はお腹が目立たないのに色々と外見に変化が出てくるため、特に以前から美容や体型維持に努めていた方はそんな部分が気になりすぎてストレスとなってしまう事があります。
妊娠初期の妊婦は傍目から見れば普通の人と変わりませんが、肌荒れやシミ・そばかす・脇などの黒ずみ・むくみなど、女性ホルモンの分泌量が増えた分、急にこれまでになかったトラブルが増えてきます。
普段のスキントラブルの原因とは違うので友好的な対策が出来ずに更に増えていくだけなのを感じて、ずっとこのままなのではないかと不安を感じるように。そんな方は安定期から後期にかけて、自分の体型変化にもストレスを感じてしまうかもしれません。
ファッションの変化
妊娠初期は、身体がまだ不安定なことから、ちょっとした刺激が大きな影響を及ぼすことがあります。このため、つまずいたり転倒する事態を避けたりするために、ヒールのないペタンコ靴やスニーカーを履かなくてはなりません。
また、お腹を締め付けないことが大切になりますので、ゆったりとしたサイズの服を着なければならず、ファッションにこだわりのある方にとっては大きなストレスになります。
マタニティウェアに好みのデザインがない場合は、好みのブランドから近いシルエットを選び、ファッション心を大切にするようにしましょう。
周囲への気苦労
妊娠が発覚すると、周囲にその事実を報告しなくてはなりません。夫や両親なら大喜びしてくれるでしょうが、今まで仕事をしてきた人にとっては、会社への報告は大きなストレスになります。
上司との折り合いが合わないという方は、妊娠の報告をすることに抵抗感を覚えることもあるでしょう。しかし、妊娠初期はつわりが出てくるため、会社の理解なくては仕事を続けることはできません。
また、妊娠の報告をしないままでは、仕事に手を抜いていると思われたり、場合によっては仕事をサボっているように思われたりすることもあります。急な体調の変化から、遅刻や早退せざるをえない場合もありますので、上司にはきちんと報告するようにしましょう。
理解がないことへのストレス
妊娠の事実を会社に報告しても、理解がない場合大きなストレスになります。特に男性ばかりの職場だと、妊娠中に起きるさまざまな体調の変化に鈍くなることが多いようです。
妊娠初期に現れるつわりは、知識として知っていても、実際にそのような場面に遭遇する男性が少ないため、頭では理解していても仕事が進まないことに苛立ってしまうこともあるといいます。
これでは、お互いにストレスが溜まってしまいますので、思い切って休暇を取ったり、プロジェクトから外してもらったりするなど何かしらの打開策を見つけられるようにしましょう。
ストレスの溜まり過ぎに注意
妊娠初期は、体調の変化や周囲への報告などいろんなストレスがいくつも重なる時期です。しかし、ストレスをごまかし、我慢し続けてしまうと身体に大きな影響を与えてしまう可能性があります。
妊娠初期の頃に起きやすいのが、ストレスによる切迫流産です。切迫流産とはストレスが溜まりすぎたり、激しい運動をして身体に刺激を与えすぎたりした場合、引き起こされるものです。
出血や腹痛を伴うことから、絶対安静が必要になります。もし医師に切迫流産と診断されても、なおストレスを受け続ける状況にあれば、本当に流産してしまう可能性が高くなってしまうでしょう。このことからもストレスはできるだけ受けないようにし、解消する方法を見つけることが大切です。
ストレス解消法について
妊娠初期は、たくさんのストレスを受けてしまうものです。だからこそ、ストレスとの付き合い方を見直していく必要があります。まず、今までと同じように全てのことが出来ると思わないことから始めてみてください。
感覚としては、半分以下の能力に思っていたほうが良いでしょう。家事ができない、仕事ができないからといって、あなた自身のせいではありません。妊娠初期だからそういう時期なのだと捉えるようにしましょう。
また、喫煙や飲酒、ファッションなど何かしら我慢をしているという方は、何か打開策を見つけることが大切です。ストレスをためない方法を見つけ出していくことが大切です。また、溜まってしまったストレスは一刻も早く解消していきましょう。好きなDVDを鑑賞したり、気晴らしに散歩をしたり、友人と会って話したりすることで、ストレスは緩和されていきます。
何もしない日を作りリラックスを
妊娠初期はする事があるのに身体の調子が悪くて出来ない、というのが最も大きなストレスの原因です。また妊娠中のリズムに慣れず、今までの生活リズムが崩れるのが嫌なのがストレスな方もいるでしょう。
いっその事全ての家事や用事を後回しにして、自分の好きな事だけをする日を作ってみませんか。自分の好きな事に没頭すればストレスを解消できてリフレッシュできるので、上手く自分の中で切り替えが出来るようになるかも。
ただし、いくら趣味といっても激しいスポーツは、お腹の赤ちゃんの事を考えて避けた方が良いでしょう。
まとめ
妊娠初期に妊婦が受けるストレスについて幅広くご紹介しました。妊娠中はさまざまな変化が起きていくものですから、ストレスは溜まりやすくなりますが、大切なのは一人で抱え込みすぎないということです。妊婦だからこそ、周囲の助けを借りるようにしましょう。
ストレスをうまく緩和させることができれば、健やかな妊婦ライフを過ごすことができます。