生理が予定日を過ぎても、まったく来る気配がない。もしかしたらと思い、妊娠検査薬を試してみたら、陽性反応が出た!そんなとき妊娠したと喜びたくなります。
しかし、妊娠検査薬はあくまで簡易的な検査薬。確かな診断をしてもらうためには、婦人科へ行って初診を受ける必要があります。
しかし、どのタイミングで初診を受けるべきか、わからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、妊娠が発覚したあとどのタイミングで初診を受けるべきかなど幅広くご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。
妊娠の初診はいつ行くの?
生理予定日を過ぎても生理がこなかったり妊娠検査薬で陽性となった場合でも、病院に行くのは少し我慢して待った方が良いというのは皆さんご存知ですね。
生理予定日が妊娠4週目なのでこの段階では妊娠検査薬も反応しません。妊娠検査薬が陽性になるのは5週目を過ぎてからですが、まだ胎のうは確認できない事がほとんどです。
早い方は確認できる場合もあります。6、7週目になればほとんどの方が胎のうを確認できて妊娠を確定できます。
早めに知りたい方は5~6週目に、確実に知りたい方は7~8週目です。
生理予定日から1ヶ月以内に受診を
なるべく1ヶ月以内に受診をするべきなのは子宮外妊娠の可能性があるからで、卵管に着床した場合は5週から7週にかけて大出血を引き起こす卵管破裂になってしまうケースも考えられるためです。
適切な時期に受診すれば何かあった場合でも早めの処置が取れますので、生理周期はしっかり把握しておきましょう。
妊娠検査薬の正確性は?
生理予定日を過ぎて妊娠を疑う場合、まず試してみるのが妊娠検査薬です。妊娠検査薬が反応を示し出すのは、生理が来る予定日を1週間ほど過ぎたあたりです。1週間以降であれば、何かしらの反応は出てきます。
妊娠検査薬はあくまで簡易的なものですが、最近のものは僅かなホルモンの変化もキャッチしてくれるため、ほぼ間違いのない結果だと言えるのではないでしょうか。しかし胆のうや心肺が確認せれるまではまだわかりません。妊娠検査薬はあくまで簡易的なものですから、きちんとした診断を受けるようにしましょう。
初診が早すぎる場合
妊娠検査薬を試して、陽性反応が出たからといって、すぐに産婦人科を受信しても早すぎる場合があります。これは妊娠を確認する条件が揃っていないためです。
産婦人科の初診を受けるタイミングが早すぎる場合、超音波検査を受けても、胎児の姿を確認することはできません。うっすらと影らしきものを確認できる場合もありますが、決定打まではいかないため、医師はきちんと判断することができないのです。
初診のタイミングが早く、妊娠の有無を判断できない場合は、再診で確認するよう促されます。再診を受ける場合、初診から1週間~2週間経てからになります。
早すぎると不安が出ることも
妊娠検査薬を試して、すぐに産婦人科の初診を受けたとしても、胎児の姿を確認できない場合は後日改めて検査することになります。
しかし、妊娠を望む人にとっては妊娠しているかどうかわからない時間を過ごさなくてはならないため、気持ちの面では不安になりやすくなるでしょう。特に初めての妊娠の場合、不安と期待が混じりやすく、待っている時間が苦痛になることもあります。
不安な場合は、定期的に妊娠検査薬を試すことで、妊娠の事実を再確認できますので、安心することができるでしょう。
初診で行うことと流れ どんな検査を何をするの?
妊娠しているかどうかを知るために、産婦人科で初診を受けるわけですが、実際には初診でどのような検査を行うのでしょうか。
問診票を書く
まず、初めての来院の場合、問診票を書き出すことからスタートしていきます。
何故産婦人科に来たのか、どのような症状が現在あるのか、最後の月経の日付、出産や中絶の有無、妊娠する前の平均体重、持病や過去の病歴、アレルギーの有無などを記入していきます。
産婦人科に来た理由や、症状に関しては、生理予定日を過ぎても生理が来ないことや、妊娠検査薬を試したら陽性反応が出たことを記しておきましょう。出産や中絶の有無、病歴などは必ず正確に記すことが大切です。
さまざまな基本の検査 (尿検査 身長体重 血圧など)
産婦人科で初診を受け、問診票を書いたら次はさまざまな検査を行っていきます。
最初は尿検査を行い、尿に含まれるホルモンの数値を測っていきます。妊娠している場合、特殊なホルモンの数値が出てきます。また、尿蛋白や尿糖などの数値も同時に知ることができるため、今の健康状態を知ることもできるでしょう。
次は、体重測定を行っていきます。初診の時に体重を測っておくことで、胎児の成長や体重管理のペースを把握しやすくなるからです。
次は血圧を測定していきます。高血圧の場合は高血圧症候群の疑いがありますが、妊娠しているかもしれないと興奮状態であったり、産婦人科での初診に緊張しすぎたりしていると高い数値をはじき出してしまうため、検査の前にはリラックスするよう心がけましょう。次はいよいよ身体の内部への検査です。
血液の検査
初診では、血液検査も行うのが一般的です。初診の時に血液検査を行うことにより、隠れている病気がないかどうかを判断することができますし、何か不具合がある場合は早期に対応することができます。
場合によっては、何かの病気に感染しているケースもありますので、血液検査は必須項目だと言えます。血液には今の健康状態が如実に反映されるため、健康診断のつもりで必ず検査を受けるようにしましょう。
内部の検査(内診)
妊娠の疑いがある場合、産婦人科で初診を受けるわけですが、さまざまな検査を受けていきます。次に、身体の内部へフォーカスした検査についてご紹介しておきましょう。次に検査するのは、子宮の硬さの検査です。
器具や医師の指によって子宮の硬さが測定されます。この時の硬さのチェックで、病気の有無も判明するため、できるだけリラックスした状態で検査を受けるようにしてください。あまりにも緊張しすぎていると、身体も子宮も硬くなってしまうため、正確な検査を行うことができなくなりますので、注意しましょう。
内診は痛い?痛くない?
妊娠検査の中で一番気になるのが内診です。内診には触診と膣鏡診と2種類に分かれるのですが、どちらも膣内に指やクスコ(腟鏡、ちつきょう)と呼ばれる器具を挿入するため、緊張して身体に力が入ったままだと痛みを伴う事も多いです。
内診される時の格好と痛さの情報は本やネットで得られるのでマイナスイメージばかり膨らんでしまいますが、子宮の形や硬さ・性感染症・子宮筋腫や卵巣の腫れの有無など、超音波検査でははっきりとわからない症状を調べられる大変重要な検査です。
お腹の赤ちゃんが順調に成長するための環境を確認するための検査ですから、あまり毛嫌いせず身体の力を抜いて内診に臨みましょう。
超音波の検査
次に行うのは、超音波の検査です。超音波の検査では、経膣プローブと呼ばれる棒状の器具を使います。経膣プローブを膣の中に挿入し、子宮の状態を調べていくのです。妊娠が正常なものかどうか、また授かった赤ちゃんは1人なのか、双子なのか、もっと多いのかもこの検査で知ることができます。
さらに胎嚢や胎児の大きさまで細かく調べることができるため、おおよその出産予定日もこの時点で判明することができるでしょう。ただ、超音波の検査も、内部の検査と同様にリラックスしておくことが大切です。
また、トイレを我慢していると尿により画像がはっきり見えないことがあります。産婦人科によっては尿検査を行わない場合もありますので、通常の状態に整えておくようにしましょう。
人によっては検査項目が増える場合も
初診の検査項目は、問診・内診・触診・血液検査・体重測定・尿検査・経膣超音波検査と大体決まっています。
しかし問診の結果次第では、検査項目が増える場合もあります。たとえば双方の家族や親戚に高血圧や糖尿病患者が多かった場合は、初診では行わない血圧検査や血液検査項目が増えるケースも考えられます。
また、独自に初診検査にこれ以外の項目を組み込む病院もあり、中には初診で性感染症検査を受けたと言う方も。検査項目が増えればその分費用もかさむので、行く予定の病院のホームページなどで検査内容や金額を良くチェックして見てください。
医師からの説明
産婦人科の初診で、さまざまな検査を受けた後、トータルの情報をまとめて、妊娠しているかどうかを診断してくれます。医師から妊娠の事実を聞く瞬間は、緊張と同時に大きな喜びが訪れるでしょう。
ただ、場合によっては妊娠しているものの、何かしらのリスクも背負っている可能性があります。子宮に病気があることが判明したり、子宮外妊娠していたりする場合もあるでしょう。しかし、そうだからといって全てダメというわけではありません。
医師からのアドバイスを参考にすれば、より良い解決方法を見つけることができますので、ひとつひとつ解決の方向を見出していきましょう。
初診を受ける時の素朴な疑問
初診は何を持っていけばいい?
持ち物は他科の病院を訪れるのと同様で、健康保険証と少々大目のお金を持っていけば問題ありません。基礎体温をつけている方は基礎体温表を持っていきましょう。
妊娠検査薬で陽性となった場合でも、病院に行く時期が早すぎれば再来院するよう言われるのみですが、基礎体温表があれば医師はそれを考慮して妊娠の可能性を知らせてくれるかもしれません。もちろん100%確定ではないので、もう一度来院する必要があります。
それから、予約しても先生が急な分娩や手術で診察を待たなければならなかったり、人気のある病院は待ち時間が長くなるので、時間をつぶせる本などを持っていくと良いでしょう。
メモに問診表の記入サンプルがあると便利
問診表には、最終月経予定日やパートナーの生年月日・既往症やアレルギーなど一瞬記入を間違えそうな項目があります。
初めて訪れる産婦人科の雰囲気に飲まれてすっかり忘れてしまった、なんて方も多いです。病院側も記入に間違いや虚偽がある事は十分理解していますが、それでもなるべくなら正確に記入したいものです。そんな時はぜひメモを活用してください。
自分の生理周期や生年月日など細かい数字はメモに書いておいた方が、問診表記入の際もスムーズにいきます。また、初診ならではの不安や疑問もメモにまとめて書いておくと、診察の際に先生に質問しやすいですね。時間がなさそうな時は、前もって看護婦さんに渡しておくのも良いかもしれません。
初診の費用はいくら位?
妊娠・出産に関しては社会保険が適用されないので、すべて実費というのが常識です。最近は地方自治体ごとに定期健診費用を補助する補助券がもらえますが、それは母子手帳に添付されているため実際に使用できるのは母子手帳を交付された後となり、妊娠かどうかを確定する初診では利用できません。
初診費用は病院の規模や設備によって異なり、検査内容はほぼ同じでも1万円から2万以上と大きな差が出ることもありますが、特に超音波検査は定期健診代に含まれているかいないかでかなり金額が変わってくるので、産婦人科のホームページなどで、前もって調べたほうが良いかもしれません。
初診を受ける時の服装は?
妊娠の可能性があり、妊娠検査薬を試して陽性反応が出た場合、産婦人科で初診を受けることになりますが、初診を受ける時の服装に注意しましょう。スキニーパンツやストッキングをはいていると、着脱に時間がかかりますし、下半身をさらけ出した状態で検査を受けなければなりません。
初診では、できるだけふんわりとしたワンピースを着用するようにしましょう。ワンピースなら下着を脱ぐだけで済みますし、下半身をさらけ出さずに済みますので、恥ずかしい思いをすることもありません。初診では、初めてのことに戸惑うことも多いでしょうから、服装はできるだけリラックスした服を着用するようにしましょう。
パートナーも一緒に連れて行くか?一人で行くか?
初めての産婦人科で少々不安になったり、一緒に妊娠の知らせを聞きたいと言う理由から、カップルで初診に訪れるのだとか。確かに普通の病院と産婦人科は雰囲気が違いますから、それに慣れるためにも早いうちに連れて行くのも良いかもしれません。
ただし、産婦人科には臨月近くでお腹の大きい方や体調の悪い方もたくさん訪れますので、男性は自分の妻だけでなく周りの方を気遣う事も最優先してください。また、病院によっては診察室には入れないところもあるので、前もって確認した方が良いでしょう。
まとめ
妊娠している可能性がある場合の初診を受けるタイミングや内容についてご紹介しました。初めてのことにドキドキしている方も多いと思いますが、初診ではたくさんの情報を知ることができますので、是非メモを片手に楽しみに受けるようにしてください。
わからないことは医師に質問し、不安をできるだけ少なくして妊婦生活をスタートできるようにしましょう。