赤ちゃんが欲しいと考えている方にとって、毎月の排卵で妊娠しているかどうか気になるところではないでしょうか。次回の生理が来る前までに妊娠の有無を知りたい方はたくさんいらっしゃると思います。
妊娠は、受精卵が着床したことを言いますが、着床後の身体の変化を細かく観察していくことで、より早く妊娠の可能性をキャッチすることができるようになります。
着床後、身体の症状、着手はいつごろなど その仕組みやさまざまな症状など幅広い情報を詳しくご紹介していきましょう。
妊娠とは?着床とは?
妊娠は、卵子と精子が結びついて受精卵となって終わりというわけではありません。受精卵が無事に着床することで初めて妊娠が成立したということができます。
排卵された卵子と精子が結びついていたとしても、子宮内膜に無事に着床することができなければ、妊娠は成立せず、生理が起きて次の排卵に向けて準備が進められます。
着床は妊娠3週目に起こる時期
妊娠は受精卵が着床することにより成立するものです。この着床は、妊娠3週目に行われます。最終生理の1日目を妊娠0週0日とカウントされるため、排卵日は妊娠1週目に起こり、着床は妊娠3週目に起こるのが平均的です。
そのため、生理が終わってから3週間ほど経過した、着床した後の身体の変化を見過ごさないようにしましょう。
妊娠検査薬の反応時期
受精卵が無事に着床すると、妊娠が成立しますが妊娠検査薬を試してもまだ反応が出ないことが多くあります。それは、妊娠検査薬に反応する物質が充分に分泌されていないからです。
hCGホルモンについて
受精卵が着床して妊娠が成立していても、hCGホルモンというホルモンが充分に分泌されなければ妊娠検査薬は反応しません。hCGホルモンとは、ヒト絨毛性ゴナドトロピンとも言われる女性ホルモンのことで、妊娠することで活発に分泌されるようになります。
hCGホルモンは次に起こる予定の生理や排卵を抑制させる働きをして、エストロゲン(卵胞ホルモン)や、プロゲステロン(黄体ホルモン)といった女性ホルモンの分泌を活性化し、着床した受精卵が育ちやすいよう子宮内膜を厚くしていく働きを促します。
妊娠検査薬は生理予定日を過ぎてから
受精卵が着床していても、hCGホルモンの分泌量が足りないと妊娠検査薬は反応しません。妊娠検査薬に反応するためには、hCGホルモンは50mIU/mlを超えていなければ感知されないからです。また、着床をしていても再び子宮内膜から剥がれ落ちてしまったり、受精卵が充分に育たず流れてしまったりする可能性もあるため、早すぎる妊娠検査薬は避けた方が良いでしょう。
妊娠検査薬は、次に来る生理予定日を過ぎた1週間以降に行うのがオススメです。妊娠週数としては、妊娠5週目から6週目くらいの時期で、妊娠2か月目に突入した頃に、妊娠の事実が発覚することがほとんどです。
着床後の身体の変化、症状
妊娠検査薬はまだ使用できないけれど、一刻も早く妊娠しているかどうか知りたい!という方は多いと思います。実は着床後には身体にさまざまな変化が生じているため、そのサインを細かくチェックしていくことで確認することができます。
ただ、着床後の身体の変化はすべての人に現れるというわけではありませんし、症状の現れ方には強弱がありかなりの個人差があります。また、別の症状を混同しやすい部分もあるため、参考程度に捉えておくようにしましょう。
このようなことを踏まえ、着床後の身体の変化について詳しく触れていきたいと思います。
着床後に微量の出血が起きる
着床後の身体の変化として、微量の出血が起こることがあります。これは、受精卵が子宮内膜に着床する時に、絨毛が子宮壁の組織を傷つけてしまうことから発生します。「着床出血」と呼ばれることもあり、微量の出血が1日~数日続くこともあるでしょう。
早めの生理が来たのかもしれないとおもったら、後々着床出血だったと判明することもあります。基本的に着床出血はおりものに少し血が混じる程度の量ですが、人によっては生理と勘違いするほど量が多いこともあります。
ただ、着床出血はすべての妊婦に現れる症状ではなく、全体の1割~2割程度にしかすぎません。また、排卵出血と間違えてしまうケースもあるので、出血があったからと言って妊娠だと断定するのはまだ早いと言えるでしょう。
排卵出血と着床出血の違い
着床出血と間違えやすいものとして、排卵出血があります。排卵出血は卵巣から卵子が排卵されるとき、卵管を移動する時に組織を傷つけてしまうことから発生します。着床出血と同じように微量の出血を伴うため、排卵出血を着床出血と間違えてしまうこともあるでしょう。
排卵出血と着床出血の違いとして、週数に注目するようにしてみてください。生理から3週間後に微量の出血が起きた場合、着床出血の可能性が高いと言えます。
排卵はその1週間前に行われているので、生理が終わってから2週間くらいの時期に微量の出血があった場合は、排卵出血の可能性が高いと言えるでしょう。
ただ、排卵は環境や体調の変化で簡単にずれることも多いため、生理が終わって3週間後の出血でも、排卵出血の可能性はあります。
着床後に下腹部痛が起こる場合も
着床後の身体の変化として、下腹部痛が起こることがあります。下腹部痛が起こる仕組みはまだハッキリと解明されていませんが、受精卵の絨毛が子宮内膜に潜り込むときにチクチクと痛みが生じたり、骨盤が開き始めて太ももの付け根がチクチクしたりすることから引き起こされると考えられています。
ただ、この下腹部痛も環境によって引き起こされることもありますし、排卵によって引き起こされることもあります。また、全ての妊婦に現れる症状ではありませんので、下腹部痛が無かったからといって妊娠していないとは言い切れないでしょう。
着床後におりものが増える
着床後の身体の変化として、おりものの量が増えることがあります。これは、女性ホルモンの働きが活発になりおりものの量を増やして子宮内を守ろうとするからです。
おりものには、外から雑菌が侵入することを防ぐ役割があり、着床したばかりの受精卵を守ろうとする作用からたくさん分泌されていると考えられています。
おりものの状態はサラサラとしていることが多いですが、人によっては少し白っぽくなったりすることもあります。ただ、カッテージチーズのようにボロボロとしたものが混ざっていて、生臭いニオイやツンとしたニオイがする場合は、雑菌が繁殖している可能性があるので、すぐに医師に診てもらうようにしましょう。
着床後に眠気が強くなる
着床後の身体の変化として、眠気が急に強くなることがあります。ちゃんと寝たはずなのに、どうにも眠くて家事や仕事がはかどらなかったり、気づいたら昼寝をしてしまったりしていることもあります。
着床後に眠気が強くなるのは、身体を安静にしようとする身体の仕組みからくるものです。妊娠初期は流産しやすい期間のため、安静にして受精卵が無事に育つことが優先されます。そのため、少し身体が疲労したと感じただけでも眠気を感じやすくなるのです。
着床後に身体が火照るようになる
着床後の身体の変化として、身体に火照りや風邪のような熱っぽさを感じることがあるでしょう。これは、妊娠により体温が上昇するためです。
着床した受精卵を育てやすくするためにも、安定した体温は必要不可欠になります。女性ホルモンの働きにより高温期が継続されるため、いつもより身体が火照るように感じやすくなるのです。そのため、比較的多くの妊婦が身体の火照りを経験します。
実際に体温を測っても高いことが多いため、風邪だと勘違いして薬を服用してしまう方もいらっしゃいますが、赤ちゃんへの影響を考え、妊娠の可能性がある時は、安易に薬を飲まないようにしましょう。
着床後に鼻水やよだれが増える
着床後の身体の変化として、鼻水やよだれが増えてくることがあります。これは、雑菌やホコリを身体の中に侵入させないようにするためです。
赤ちゃんや母体にとって、身体にとって害ある可能性のあるものは事前に鼻や口でブロックする必要があります。鼻水は雑菌やホコリを外に出してくれる働きをしますし、よだれは食中毒などを防ぐ働きがあります。そのため、どちらも着床後に活発に分泌されやすくなることがあるのです。
着床後に胸に変化が出てくる
着床後の身体の変化として、胸に違和感が出てくることがあります。妊娠すると女性の身体は赤ちゃんを育てて母親の身体へと変化していくため、乳腺が発達して胸が大きくなっていくのです。
着床後、早い人は胸に張りを感じるようになったり、チクチク傷んだりするようになることがあるでしょう。生理前に起きる胸の違和感と似ている部分もありますが、人によっては明らかに違和感が出るケースもあります。
いつもと胸の感じが違うなと思ったら、妊娠の可能性があることを覚えておきましょう。
着床後に肌が変化する
生理前になると必ず肌トラブルが起きる方も多いでしょう。これはプロゲステロンが増えることでホルモンバランスが崩れてしまうのが原因ですが、着床後も同様の症状が現れます。妊娠していない状態では生理直前にプロゲステロンの分泌が急激に減少しますが、妊娠した場合は少々減少した後に更に分泌増加に向かいます。
普段にはないホルモン分泌量の変化が、余計に肌トラブルにつながると考えられます。このまま放置すると妊娠中に乾燥肌となって悩まされることになりますので、今のうちから十分にケアしていきましょう。
また、プロゲステロンだけでなくエストロゲンも同様に増加しますから、増え方によっては肌が急にきれいになった、なんてケースも少なくありません。
着床後に味覚が変化する
着床後の身体の変化として、味覚が変化することがあります。今まで好きだったものがそうではなくなったり、そんなに好きではなかったものを好んで食べるようになったりします。
妊娠すると酸っぱいものが食べたくなる方も多いですが、全ての妊婦がそうなるわけではありません。人によってはジャンクフードが食べたくなったり、濃い味付けのものを欲したりするようになることもあるため、味覚の変化を見過ごさないようにしましょう。
着床後につわりが始まる
着床後の身体の変化として、早い人だとつわりが出てくることもあります。胸がムカムカしたり、食べても胃が落ち着かなかったりする場合、軽いつわりが始まっている可能性が高いでしょう。
つわり症状の有無は、妊婦により大きく個人差があります。つわりが激しく食べ物を一切受け付けなくなる場合もあれば、全くつわりが出ない場合もあります。
着床後に寒気がする
着床後は、寒気がする方も多いです。着床時期は基礎体温の高温期にあたるため熱っぽさを感じる方も多いのですが、普段よりも周りの温度と体温に差がでて、体の火照りよりも寒気を強く感じるようになります。
基礎体温から見れば生理前と同じような動きなのですが、着床後は本格的な妊娠維持に向けて体が様々な準備を始める時期なので、普段とは異なった症状が現れるのも不思議ではありません。
ただ、寒気がある・熱っぽい体の状態から、風邪と勘違いして風邪薬を服用してしまう方もいらっしゃるでしょう。飲む前に、本当に風邪から来る寒気なのかを確認するようにしましょう。
着床後に頭痛が起こる
生理前になって急に偏頭痛に悩まされるようになった方は、もしかしたら妊娠している可能性があります。排卵後に増えるプロゲステロンには、血流を促進し子宮を温めて受精卵が成長できるような環境を作り出します。
しかし、血流を促進させるために血管を拡げるので、広がった血管に周囲の神経が圧迫されて痛みを感じ頭痛につながります。
着床後はプロゲステロンの分泌量が増加し続けるため、普段は生理前に頭痛は起こらないと言う方でも、偏頭痛になる方が増えると言われています。冷たいタオルで当てれば痛みが和らぎますが、辛い時は内科や頭痛外来よりも産婦人科で診てもらうとよいでしょう。
妊娠初期は大切な時期
着床後に起こる身体の変化を感じたら、妊娠検査薬を試す日まで待ち遠しくなるのではないでしょうか。ご紹介した症状は、全ての妊婦にあてはまるというわけではないので、症状が出たら妊娠が確定したというわけではありません。ひとつの目安として捉えるようにしましょう。
ただ、妊娠している可能性があるとしたら、やるべきことや改善すべきことはたくさんあります。着床後から安定期にかけての妊娠初期は、妊婦にとっても赤ちゃんにとっても非常に大切な時期ですので、ひとつひとつ見直していきましょう。
タバコやお酒はやめる
妊娠の可能性があると感じたら、タバコはできるだけ早い段階でやめるようにしましょう。また、お酒もできるだけ控えるようにしてください。
タバコやお酒は、赤ちゃんの発育に大きく影響する可能性があり、発達障害や奇形に繋がる恐れがあります。また流産のリスクも上がりますので、妊娠を望む方は普段から改善を心掛けるようにしましょう。
食生活を見直す
妊娠の可能性があると感じたら、食生活を見直すようにしましょう。食生活を見直すことで、母体の体調を整えることができますし、赤ちゃんの発育に必要な栄養を確保することもできます。
特に、妊娠初期の頃は「葉酸」が必要不可欠になりますので、緑黄色野菜などもしっかり食べるようにしてください。脂っこいものや甘いものを欲することもありますが、食べ過ぎると太り過ぎて母体に負担がかかったり、赤ちゃんに影響したりする恐れがあります。
食生活の管理は妊娠中最も重要になりますので、妊娠前からできるだけ意識して改善しておくと安心です。
薬をストップ
妊娠の可能性があると感じたら、薬を安易に飲まないようにしましょう。着床後には風邪のような熱っぽさや鼻水などの症状が出やすいため、安易に薬に頼りやすくなってしまいます。また、便秘症の方は日常的に下剤を飲むこともあるため注意が必要です。
妊娠を望む場合、薬は母体にも胎児にも大きく影響しますので、飲む習慣をできるだけ無くせるよう体質改善に努めておきましょう。
まとめ
着床後の身体の変化について症状やその仕組みなど詳しくご紹介しました。着床することで身体にはさまざまな変化が一気に起こるようになります。
お母さんの身体へと変化し、赤ちゃんを育む環境を整えるためには、妊娠初期がとても大切です。さまざまな症状から妊娠の可能性があると感じたら、日常生活をもう一度見直し、健やかに赤ちゃんを育んで行けるようにしてくださいね。