妊娠中のお腹の張りと痛み!知っておきたいお腹の変化

妊娠中のお腹の張りと痛み!知っておきたいお腹の変化 妊娠中

女性の身体は妊娠すると妊婦の体へとどんどん変化していきます。胎盤が作られ、子宮が大きくなり、赤ちゃんが成長するにつれて、お腹もみるみる大きくなっていくでしょう。

ただ、時々お腹に張りや痛みを感じる場合があります。初めての妊娠の場合、お腹の張りや痛みを経験すると流産するのでは?とすぐに不安になることもあるでしょう。

お腹の張りや痛みは、妊娠のどの時期に起きているかによって原因が違います。不安を少しでも取り除くために、お腹の張りや痛みについて詳しくご紹介していきましょう。

目次

張りや痛みは何故おきる?

張りや痛みは何故おきる?

妊娠すると妊婦さんの多くが一度や二度はお腹の張りや痛みを経験します。ほとんどのケースで、成長して大きくなった子宮によりお腹が引っ張られています。

お腹の大きさは、39週経つ間にどんどんと重くなります。羊水や胎児の重さも加えると、ペタンコの頃より約20倍の重さになります。ぐんぐん成長したお腹の大きさとは裏腹に、子宮の筋肉は反作用で縮もうとします。これが、お腹の張りや痛みとなって現れるのです

張りや痛みの原因は?

子宮の成長による収縮の影響

張る場所の変化

お腹の張りや痛みは、月日を重ねるごとに変改していきます。妊娠し始めの頃は、下腹部あたりに張りや痛みを感じますが、徐々におへその方へと上がってくるのです。

これは、子宮が成長するにつれて大きく膨らみ、位置が変わりはじめることから、感じる場所が変わってきます。ある程度の大きさのお腹になると、今度は重いお腹を支えようと、再び下腹部に張りや痛みを感じ始めます。

腰周りの靭帯の影響

腰周りの靭帯の影響

妊婦さんの体は、妊娠するとさまざまなホルモンを分泌し始めます。特に、妊娠初期の頃には子宮を大きくし、胎盤を作るためにスペースを開けようと腰周りの靭帯を緩めようとホルモンが作用します。

すると、骨盤の位置関係が崩れ、筋肉が引っ張られて違和感になるのです。骨盤周りの位置が変わることで、お腹の張りや痛みだけでなく、腰痛が引き起こされる場合もあります。

便秘の影響

便秘の影響

妊婦の体が積極的に分泌するホルモンは、他にも影響します。それが、腸の働きを鈍らせるという作用です。腸の働きが鈍ると、中に溜まった便を押し出そうとする力が弱まるため、慢性的な便秘に陥ってしまいます。

また、水分バランスも変わってくるため、便が硬くなって更に出にくくなり、体がむくむようになります。慢性的な便秘が続くと、やがてお腹まわりを圧迫し始めます。これが、お腹の張りにもつながるのです。

慢性的な便秘が続くと、体の浄化作用で強制的に下痢となって排出しようとする力が働きます。すると、今度はお腹の痛みとして現れるのです。

ストレスの影響

ストレスの影響

人間はストレスを感じると、それに対抗するストレスホルモンのコルチゾールを分泌しますが、コルチゾールには血管収縮作用があり、身体の冷えや頭痛・自律神経失調症を引き起こします。

妊娠中はホルモンバランスが崩れるので通常よりもストレスを感じやすくなり、人によってはコルチゾールの分泌量が増加してしまった妊婦もいます。妊娠中はお母さんの血液は優先的に胎児に回るのですが、コルチゾールが分泌されてしまうと充分に血液が子宮にまで届かなくなり、子宮は収縮し胎児は苦しい思いをしてしまうのです。

妊娠中は少しの事でもイライラしてしまうので、夫婦喧嘩はもちろんイライラの原因となるような出来事を避け、あまり考えすぎないように毎日を過ごすのが大事です。

姿勢の影響

姿勢の影響

お腹の張りや痛みは、姿勢でも影響します。洗濯、炊事、パソコン、読書など何かの作業をするとき必ず姿勢は前かがみになります。通常なら問題ありませんが、大きなお腹があいだにあるため、前かがみの姿勢が続くとお腹が圧迫されてしまうのです。長時間同じ姿勢という点では、横たわっている姿勢も関係してきます。

うつ伏せよりの姿勢が長引くと、どうしてもお腹が圧迫されてしまうため、張りや痛みを引き起こしてしまうのです。仰向けに寝転がるのは、お腹が重くて辛いので、抱き枕などをうまく利用し、真横に寝られるようにしましょう。

姿勢はストレッチで改善

姿勢はストレッチで改善

前かがみの姿勢でお腹に張りや痛みが生じた場合、安静にして治まったらストレッチしておきましょう。両手を万歳の状態にして、伸ばすだけでも前かがみの姿勢をリセットすることができます。

ひとつの作業を終えるたびに、ストレッチを習慣化しておけば、前かがみで強く丸まることは減っていくでしょう。また、肩周りがリラックスすると、呼吸が深くなり、ストレスも和らぎやすいのでオススメです。

食生活での影響

食生活での影響

お腹の張りや痛みは、単純に食べ過ぎた事でも起こります。妊婦の身体は、妊娠したとたん栄養をとにかく吸収しようとし始めます。食欲がどんどん増してきますので、お腹がいっぱいでもついまた食べてしまうのです。

妊娠初期の頃には、食べつわりと言って食べていないと気持ちが悪いつわりもあります。またつわりが辛い人が、妊娠中期に改善し、その反動でどんどん食べてしまうということもあります。子宮に赤ちゃんがいるので、ただでさえ貼っているお腹に、食べ物を詰め込んでしまえば、キャパオーバーです。お腹の張りや痛みを感じるのは当たり前のことでもあるのです。

張りや痛みの変化、時期は?

妊娠初期 お腹の張りや痛みが出たら

妊娠初期 お腹の張りや痛みが出たら

妊娠中にお腹の張りや痛みが出たら、安静にすると大体は治まります。1時間ほど横になり、椅子に腰掛けておけば徐々に和らいでくるでしょう。もし、1時間以上経ってもお腹の張りや痛みが治まらず、より悪化するようなら婦人科へ連絡してみましょう。

出血が伴う場合

出血が伴う場合

妊婦によって、お腹の張りや痛みに出血が伴うケースがあります。妊娠初期であれば、着床出血といって自然な作用のひとつなので問題はありません。しかし、妊娠初期であっても鮮血で、出血の量が多い場合は、すぐに婦人科へと連絡しましょう。

受診が必要なお腹の痛みは

受診が必要なお腹の痛みは

お腹が張ったり痛くなって、安静にしても同じ痛さが続く場合や更に酷くなる場合はすぐ受診しましょう。着床が子宮外で起こる子宮外妊娠で卵管に着床すると、受精卵が成長する妊娠5~6週に卵管が破裂し大出血と激痛を引き起こします。

また妊娠初期の流産では出血よりも腹痛が顕著に現れる事も多いです。胎児が大きくなってからの胎動は非常に力強いので、手足がお母さんの骨や直腸・膀胱に当たると圧迫される痛みを感じますが、これはよくある事なので問題ありません。

妊娠中期の変化

妊娠中期の変化

妊娠初期の頃は、微量の出血はあるものです。しかし同じようにお腹の張りや痛みを感じ、微量の出血が確認された場合でも、妊娠中期の頃に発生した出血に関しては、すぐに病院へ行くようにしましょう。

お腹が張り、痛みを感じるようなら切迫流産の可能性があるからです。切迫流産とは、身体に大きな負担が生じ、このままいけば流産してしまうという状況のことです。早めに処置をしておけば、流産を防ぐことができますので自己判断せずすぐに連絡するようにしましょう。

胎動とお腹の張りを混同しない

胎動とお腹の張りを混同しない

初産婦に多いのですが、胎動を感じる頃に胎動とお腹の張りを混同する事があります。胎動が一番大きくなる妊娠7ヶ月頃は、お腹から胎児の手足が浮き出るほど強烈になります。

そんな時に強い張りがあると、子宮が収縮して胎児の頭や手足が外に浮き出たように錯覚するので、お腹の張りを胎動だと勘違いする方が出てくるのです。

胎動とお腹の張りの大きな違いは、胎動がお腹のあちこちに痛みを感じても腹部全体は柔らかいのに対し、お腹の張りは全体がカチカチになり、その違いは一目瞭然です。

胎動と勘違いしたままお腹の張りを放置しておくと、切迫流産や切迫早産につながりかねませんので、分からない時は横になり安静にしてからお腹の状態を確かめてみましょう

切迫流産の原因

切迫流産の原因

妊娠中の体は、思った以上にストレスを感じているものです。お腹の張りや痛みのサインを見逃してしまうと、切迫流産を招いてしまいます。切迫流産は、ストレスが多い人、仕事が忙しい人、気を使いすぎな人、几帳面な人に多く見られます。

つまり、本当は辛い状態なのに無理をして頑張ってしまう人たちです。お腹の張りや痛みは、これ以上頑張らないでという身体のサインですから、耳を傾けて休養を優先するようにしましょう。

妊娠初期は、今までの生活リズムが染み付いているため、なかなかうまくコントロールできない環境を受け入れ難い時期でもあります。しかし、無理をすると身体と赤ちゃんに影響が出ますので、ほどほどを心がけましょう。

必ず出血と胎動もチェック

必ず出血と胎動もチェック

陣痛前のおしるしや膣の炎症によるもの以外に、妊娠中は出血するという事はほとんどなく、少量あったとしても問題にはされません。しかし、腹痛だけなら良いのですが、それと一緒に多量の出血が認められるならば何か問題が発生した可能性が非常に高いと考えてよいでしょう。

原因としては切迫流産や胎児が子宮内にいるのに胎盤が剥がれてしまう胎盤剥離などが挙げられますが、どれも腹痛を伴い時には歩けなくなるほど。

また、腹痛と出血に加えて胎動が急激に減少したり弱くなってしまった場合は、一時を争う深刻な状態になります。いつもとは違うお腹の張りや痛みを感じた時は、一緒に出血の有無と胎動の強さを確認しましょう。

後期の張りと痛み

後期の張りと痛み

妊娠後期に差し掛かり、まもなく出産というころ、張りや痛みを感じることがあります。この時、出血も伴うようならすぐに病院へ駆けつけましょう。

お腹の張りや痛みが伴わず、出血のみの場合は、まもなく出産が近づいているよというサインなので心配ありません。

子宮口が開いてしまった場合は

子宮口が開いてしまった場合は

妊娠後期は毎日のようにお腹が張るのですが、これは子宮口を開く為に必要な働きです。子宮が収縮する事で少しずつ子宮側にある内子宮口が開いていき、膣側にある外子宮口との間にある子宮頸管が短くなって最後に外子宮口が開くのですが、通常この段階を経るには最後の1ヶ月丸々かかります。

しかし子宮頸管が元々短かったり子宮口が緩みやすい方は、お腹の張りによって子宮口の開きが早くなるので切迫流産や切迫早産になる可能性が高く、前もって入院を勧められたり子宮頸管を縛る処置を行います。

ただ、中には急に進行が進んでしまう方やそれに伴って破水をしてしまう方も少なからずいるので、中期から臨月にかけては異常を察知するためにも検診を必ず受ける必要があります。

お腹の張りを陣痛と判断するには

お腹の張りを陣痛と判断するには

お腹の張りと陣痛は同じものです。臨月になるとある程度お腹の張りに慣れてしまっているので、陣痛とは分からないままお腹の張りが長いなと思っていたら急に破水してびっくりした、なんて方もいます。

お腹の張りも陣痛も子宮が収縮するのに変わりはないのですが、ただの張りは安静にすれば次第に治まるのに対し、陣痛は規則的にお腹の張りや痛みがやってきて段々強まっていくのが特徴です。

横になって一旦痛みが治まってもまたぶり返す場合は、痛みが引いてから次の痛みが始まるまでの間隔を測り、段々短くなるようならば出産準備が始まっているので、すぐ病院に行きましょう。

赤ちゃんとの会話

赤ちゃんとの会話

お腹の張りや痛みは、身体からだけでなく、赤ちゃんからのメッセージでもあります。ストレスを強く感じて、仕事で忙しく走り回っていると、赤ちゃんも同じように感じてしまいます。

窮屈さや辛さを理解してもらおうと、ブレーキの代わりにお腹に張りや痛みを生じさせるのです。多少張りがあるけど、これくらいは我慢できるとやり過ごすのではなく、赤ちゃんからのメッセージに耳を傾けて身体を休めるよう努めましょう。

とにかくゆっくり深呼吸

とにかくゆっくり深呼吸

お腹の張りや痛みを感じたら、すぐ楽な姿勢になってから深呼吸がオススメです。深呼吸は筋肉の緊張と弛緩を正しいリズムにする効果があるので、不規則に収縮してしまった子宮を元の状態に直してくれます。

また、お腹の張りが続くと「何か異常があるのでは」と不安になる方も少なくありませんが、その不安な気持ちを和らげ落ち着かせるのにも大きな効果を持っています。最初に息を吸うのではなく、全て吐ききってから吸うとスムーズに深呼吸できます。

深呼吸は腹式呼吸ですが、お腹が大きくなると複式では腹圧がかかりやすくなってしまうので、胸を膨らませる胸式呼吸でもよいでしょう。ポイントは椅子に座ったり横になったり楽な姿勢で行う事です。

仕事を続けている方は要注意

仕事を続けている方は要注意

妊娠中もギリギリまで仕事を続ける方は多いですね。仕事の忙しさに気が紛れがちですが、実は気が付かない疲労が溜まっていて、それがお腹の張りや痛みとなって表れます。

職場ではずっと同じ姿勢で座っている事も多いので、血行が鈍り余計に張りや痛みを感じる事も少なくありません。周囲は配慮をしたとしても実際にどの程度つらいのか分からないので、自分でこまめに休憩を取るようにしましょう。

厚生省は妊娠中も仕事を続ける方に対し、雇用主は配慮するよう通達を出していて、それに関する書類も母子手帳の最後に掲載されています。お腹の張りや痛みが続く中で無理をすれば、辛いのはお腹の赤ちゃんですから、ぜひ上司に相談してみてください。

ここまでのまとめ

妊婦さんがお腹に張りや痛みを感じた時の原因と対処法などについてご紹介しました。妊娠中はとにかくたくさんの変化が起きますので、張りに違和感がり、強い痛みを感じた時はすぐに病院へ連絡するようにしましょう。

お腹の張りや痛みは、身体を休めるためのサインでもあるので赤ちゃんのためにも無理をせず安静にすることを心がけてください。

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