妊娠初期、中期、後期の性行為について知っておきたいこと

妊娠初期、中期、後期の性行為について!夫婦の関係性をより深めていくためにも 妊娠中

妊娠が発覚したときは、2人の赤ちゃんができた事実に幸せを感じることでしょう。しかし、妊娠がわかったとたん、性行為を一切行わなくなるカップルもいます。それは「妊娠中=性行為禁止」だと思っているからです。

しかし実は妊娠中でも、ルールを守れば性行為自体は問題ありません。夫婦の関係性をより深めていくためにも、妊娠中の性行為に対する詳しい情報を幅広くご紹介していきましょう。

妊娠中の性の問題

妊娠初期、中期、後期の性行為について02妊娠により、女性の体は妊婦の体へとどんどん変化していきます。しかし、男性は体そのものに変化がないため、パートナーが妊娠したという実感が得られないということもあります。

性行為の気持ちはあるのに、妊娠中だからと我慢し、気持ちを封じ込めることも多いようです。このことがきっかけで、気持ちがすれ違いがちになることもありますが、妊娠中だからこそ、夫婦の関係は大切になります。ルールを守り、性行為しても問題のない時期を選びましょう。

妊娠初期の性行為

妊娠初期、中期、後期の性行為について01

妊娠中に性行為が可能だといっても、いつでも大丈夫というわけではありません。妊娠初期の間は、できるだけ母体を優先させてあげるようにしましょう。

妊娠してから安定期に入るまでの妊娠初期は、母体も胎児も非常に不安定な状況が続きます。この時期に無理やり性行為をしてしまうと、ストレスから切迫流産を引き起こしてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

妊娠初期の症状

妊娠初期は、女性の体にたくさんの変化が訪れます。その中でも症状が辛いのが、つわりです。つわりがひどい人の場合、食べ物を一切受け付けなくなってしまいます。

これでは、性行為どころか日常生活さえままなりません。また、身体のだるさや熱っぽさを感じるなど、気分が優れないことも多々あります。これは、妊娠初期の頃に分泌されるホルモンの影響であるため、気分の浮き沈みをサポートしてもらうよう伝えましょう。

母性の強化

妊娠初期の頃は、体だけでなく気持ちにも変化が生じてきます。それが、母性の強化です。赤ちゃんを守るための体制に入るため、男性そのものを受け入れられなくなることがあるのです。

この場合、本能によるものなのでパートナー自身が嫌になったというわけではありませんが、相手に触れて欲しくないという感情が芽生えてしまいます。男性側がそれを察して理解するのは難しいため、妊娠初期は母性が強くなることを説明し、理解してもらうようにしましょう。

妊娠初期でも可能なケース

妊娠初期は、できるだけ性行為は避けたほうが望ましいです。しかし、コミュニケーションや気持ちの面から、性行為を行う機会が訪れることもあるでしょう。そのような時は、無理をしない範囲で行うのが鉄則です。

性行為により大量の出血が見られ、気分が悪くなることもありますので、その場合は無理せず中断しましょう。

性行為可能な妊娠中期

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妊娠初期は、性行為をしないほうが良いですが、妊娠中期に差し掛かると母体も胎児も安定してくるため、安心して行うことができます。

妊娠中期は、妊娠中の妊婦が、性行為に対して前向きになる時期でもありますので、このタイミングで夫婦のスキンシップを取っておくと良いでしょう。

妊娠中期の性欲

妊娠中、パートナーの性欲のために性行為をするというだけでなく、妊婦自信が性欲をもつこともあります。妊娠中であるのに性欲を持つことがおかしいと感じる方も多いようですが、不自然なことではありません。

性欲は、妊娠にかかわらず常に発生しているものです。しかし、妊娠初期は身体が大きく変化し、ホルモンや自律神経が乱れがちであるため、性欲にスイッチが入らないだけなのです。

妊娠初期を通過し、中期に差し掛かると身体と気持ちに余裕が生まれてくるため、再び性欲にスイッチが入るのです。

妊娠中期の性行為のルール

妊娠中期の性行為のルール

妊娠初期を過ぎて、安定期にさしかかったら、性行為が可能になります。しかし、守るべきいくつかのルールがありますのでご紹介しておきましょう。まず、清潔な状態を心がけるようにしてください。

妊娠中は免疫力が下がっているため、細菌の影響を受けやすくなるため感染症の危険性が高まります。お互いの身体を清潔な状態にすることで、感染症を予防しておきましょう。

性行為はゆっくりと

妊娠していなくても、性行為の後お腹が痛くなったりする事ありませんか?妊娠中はいつも以上に敏感になっているので、激しく動くとお腹の張りが強くなる事があります。

性行為で膣や子宮頸部・乳頭に刺激を強く与えると、脳の下垂体からオキシトシンというホルモンが分泌されるファーガソン反射が起こり、子宮収縮作用をもたらします。

刺激が強いほどオキシトシン分泌量も増えるので、性行為後のあまりのお腹の痛さや張りにもしかしたら流産したのではと不安になってしまう方もいますが、激しい性行為が原因で流産する事はありません。ただ、お母さんの身体の調子が悪くなりやすいので、深く挿入せずに浅く、ゆっくり行うように心がけましょう。

避妊具の装着

妊娠中は、妊娠の心配がないため性行為に対してオープンになります。しかし守っていただきたいのが、避妊具の装着です。

避妊具を付けることにより、感染症の予防が強化されるからです。安全に性行為を楽しむためにも、必ず装着するようにしましょう。

身体に負担をかけない

妊娠中の性行為は、夫婦のスキンシップにとって非常に重要です。しかし、激しい動きは母体に負担となりますので、控えるようにしましょう。

大切なのは、性行為を通じたコミュニケーションです。お互いの身体と気持ちを思いやる気持ちを大切にしましょう。

流産が心配

妊娠初期の頃は、まだ安定していないため性行為は負担となることがあります。しかし、妊娠中期の性行為は、流産の可能性が高いのでは?と心配に思う方もいらっしゃるでしょう。

妊娠中の性行為は、普段とは違った反応を引き起こすこともありますが、基本的に流産に直結するようなことはありません。

時折、妊娠中に性行為をして流産したというケースがありますが、それは妊娠初期の段階に多く性行為そのものが影響しているわけではないのです。妊娠初期の頃は胎児の染色体やDNA異常が原因であることがほとんどです。

性行為中にお腹が張る?

妊娠中の性行為中、お腹に張りを感じて中断したという方もいらっしゃいますが、これは流産の危険性があるわけでも、赤ちゃんに負担がかかっているわけでもありません。妊娠中に性行為を行うことで、子宮収縮が起きるため、それがお腹の張りに影響しているのです。

妊娠後期の性行為

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妊娠中期は、性行為に適している時期だとご紹介していますが、妊娠後期はどうでしょうか。実は、妊娠後期は妊娠初期と同様、性行為に適さない時期でもあるのです。妊娠後期に差し掛かると、お腹が大きくなり動くだけでも大変になります。

また、徐々に近づいてくる出産日が気がかりになり、気持ちも不安定になりがちです。さらに、妊娠後期に性行為をして感染症を引き起こすと破水してしまう可能性があります。このため、妊娠後期は性行為を避けたほうが安心なのです。

精子は陣痛促進や性感染症の原因

動物組織にはプロスタグランジンと呼ばれる活性物質があり、それが女性の場合は生理直前にホルモンとして分泌されますが、プロスタグランジンには子宮収縮作用がある為、分泌量が多い方は生理痛になりやすいと言われています。

実はこのホルモンは精子にも含まれていて女性よりも濃度が高く、膣内で射精すると時として生理痛以上のお腹の痛みや張りを引き起こします。

臨月前の性行為を控えるよう言われるのは、この収縮作用で早産の可能性が高まるとされているから。また、精子にはプロスタグランジン以外にも様々な細菌が含まれているため、性感染症になる事もあります。早産を避けたいのならば妊娠中を通してコンドームを使用しましょう。

陣痛が弱い時に性行為で促進できる?

挿入後の動きや膣内に精子を射精する事はどちらも子宮を収縮させる作用があるため、胎盤がまだ出来上がっていない妊娠初期や正期産前の妊娠後期は、性行為を行わない方が良いとされています。

しかし、いつでも陣痛が来てよい頃になると、今度はその働きを活用できる場合があります。陣痛は規則的に段々と強くなっていくものですが、時間の間隔からすれば陣痛の症状なのに、痛みが強くなったり弱くなったりして一定しない微弱陣痛になると母体も体力を消耗し胎児も苦しい思いをします。

そんな時にコンドームを使用しない性行為を行うと、陣痛促進されやすいお迎え棒と言うジンクスがあります。臨月は体調に個人差があり、おすすめはしませんが、昔から言われている事なので覚えておいてもよいでしょう。

妊娠中の性行為のいろいろ

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性行為でリラックス

妊娠中の性行為は、夫婦のコミュニケーションを深めるためにも大切なことです。また、性行為することで、気持ちの面でもリラックスすることができるでしょう。

リラックスすることで、乱れがちだったホルモンバランスも整いやすくなりますし、夫婦関係の絆も深まります。胎児にとっても夫婦の関係性が良好であることは良いことなのです。

パパも性行為を怖がっている?

男性は、妊娠中の女性の体型がどのように変化するのか知りません。妊娠初期は全く変わらない体型なのに妊娠週数が進むにつれてお腹が大きくなり、その短時間での変化に戸惑いを感じる男性も少なくありません。

そのお腹といつも大変そうな様子を見れば、もっと身体に負担をかける性行為をして妻とお腹の赤ちゃんに万が一の事があったら、と不安や怖さがつのって自分の気持ちを押さえ込んでしまうのです。

したいけど出来ない、浮気はもちろん無理というジレンマにパートナーが悩んでいるのに、自分もしたく無いからちょうど良いと放っておけば後々不満の原因になりかねません。どうしたらよいか、解決策を話し合うのも大事です。

拒否しすぎれば産後不仲に・・

妊娠初期はつわりで、妊娠中期・後期はお腹の赤ちゃんに悪い影響が出るのではないかという気持ちが妊婦にはあるので、妊娠中は性行為を嫌がったり拒否してしまう方も多いです。

特に妊娠すれば「お腹の子を守らないと」という本能が強くなって、自分に近づく人はパートナーであっても警戒してしまう傾向もあってか、中には妊娠中1回も性行為をしなかったと言うカップルも。そんな態度を見せていると、相手も嫌な気持ちになり我慢しているうちに慣れてしまったり、出産した妻の中に女性らしさが見られなくなったと、産後のトラブルに陥る可能性が高いです。

お互いの気持ちを良く話し合って

妊娠中に性行為したいと言うパートナーを見てどう思いますか。自分もしたいと思うのなら結構ですが、面倒くさい・うっとおしいなんて思っていませんか。態度や言葉で嫌悪の気持ちを示すほど、相手は「扶養する家族の一員」としか思わず、妻が第2子が欲しいと思っても全くその気が起きない、なんて事態に陥ります。

性行為が嫌でもぴったりくっつくスキンシップ程度ならお母さんも大歓迎ですから、お互い自分の今の身体の状態や気持ち・したい事を良く話し合うのが大事です。パートナーが満足できるラインと自分のラインを上手くすり合わせられたら、どちらかが不満に思う事無く出産後も仲良くやっていけます。

どうしても無理な時は他の方法で

お腹が重くて動けない、ちょっと動くと気持ち悪いなんていう時に性行為を迫られたら、パートナーを嫌いになってしまいそうですよね。今はどうしても無理な事と次の約束を取り付ければ大抵の男性は一応納得してくれますが、どうしても絶対今じゃなきゃダメ、というのっぴきならない状況というのもあります。

そんな時は挿入ではなく手や口で行うなど、お互い妥協するのも不満を溜めないためには大事です。性行為の誘いを全てばっさり断ってしまうような方のパートナーは、もしかしたら部屋の中に本やDVDを隠しているかもしれません。それを見つけてしまった場合は、問い詰めたり怒る前に一度パートナーの意見をよく聞いた方がよいかもしれません。

産後はいつからしていいの?

産後はいつからしていいの?

産後、子宮が元の大きさに戻り機能が正常化するには最低1ヶ月かかります。安静状態が長く続いたり巨大児・多胎出産の方は子宮の戻りが遅い事がありますが、遅くとも8週くらいには完全に元に戻ります。

1ヶ月検診で性行為を再開しても良いという医師の指示がありますが、急に激しい動きをすれば膣や子宮に痛みを引き起こしかねません。医師からOKが出れば禁止しなくても良いと頑張ってしまうカップルも多いですが、もうしばらくは妊娠中と同じような性行為を行った方がよいでしょう。

ここまでのまとめ

妊娠中の性行為についてご紹介しました。妊娠初期や後期は不安定な時期なので避けたほうが安心ですが、体調や気持ちに合わせてうまくタイミングを計るようにしましょう。

コミュニケーションをうまく取りながら妊婦生活を過ごすことができれば、赤ちゃんも安心して生まれてくることができるでしょう。

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