普段からストレス発散にカラオケに行って歌いまくる、という方も多いのではないでしょうか。妊娠中は普段よりもストレスが溜まりやすい状態ですから、カラオケで歌ってスッキリしたいと思っている妊婦さんも多いことでしょう。
ただ、カラオケの大きな音で自分の体や赤ちゃんに悪影響が出てしまうのではないか、と心配になる方も多いです。カラオケに行って赤ちゃんに何かあったらと思うと、そのことが更にストレスに拍車をかけてしまいます。
そこで、妊娠中にカラオケに行っても良いのか、もし行く場合には何に気をつけるべきか、など気になるポイントをご紹介していきます。
妊娠中のカラオケOKの意見
妊娠中はカラオケに行ってOKとする意見が多く、ストレスを抱える妊婦さんにとっては嬉しい情報です。
加えて妊娠中のカラオケには妊娠や出産につながるメリットがあると言われているので、ぜひ試してみたいところでしょう。妊娠中のカラオケにはどんなメリットがあるのかをご紹介します。
ストレス発散できる
妊娠中に感じるストレスは、お母さんが思うよりも赤ちゃんに悪影響を与えます。長期にわたって強いストレスが続けば切迫流産や切迫早産の原因ともなりかねませんから、取り返しがつかなくなる前に少しずつでもストレスを解消していく必要があります。
大きな声を出すのは最も手軽なストレス解消法ですが、外や屋内では周りの目が気になって大声を出すどころではないです。
そこで、好きなだけ大声を出して発散できるカラオケがおススメされているのです。また、カラオケは家族や友人と一緒に楽しめるので、親しい人と一緒に過ごす時間もストレス解消に一役買ってくれます。
腹式呼吸で免疫効果もアップ
カラオケでしっかり歌う時は、お腹から声を出す必要があります。カラオケをすると自然と腹式呼吸になりますが、深い呼吸は新鮮な酸素を体に循環させて活性化させるので、免疫力アップ効果があると言われています。
また腹式呼吸は横隔膜も一緒に動かしますが、横隔膜が動くことで自律神経が刺激を受け、副交感神経が有利になってイライラを抑える効果が現れます。どちらも妊娠中に陥りやすい症状ですが、カラオケで改善が期待できます。
[噂] 臨月にカラオケで陣痛が来る?
出産予定日を過ぎてジリジリしている妊婦さんにとって、「陣痛が来るジンクス」はとにかく試してみたくなるものです。陣痛が来るジンクスは焼肉・カレー・オロナミンCなどとにかく沢山あり、その中には実はカラオケも含まれています。
ただ、実際は赤ちゃんが生まれたら当分は飲食店やカラオケに行けなくなるからと、遊びに行ったり食べたタイミングでちょうど陣痛が来てしまったというだけで、残念ながらそういったジンクスと陣痛が関連する根拠は全くありません。
沢山歌えば腹圧がかかって陣痛がくるかも!なんて思って実行すると、反対にお腹が強く張ってしまったり、気持ち悪くなったりしかねません。陣痛がいつ来るのかは、自然に任せるしかなさそうです。
妊娠中のカラオケNGの意見
妊婦さんは何があってもお腹の赤ちゃんを最優先すべきという考え方を持つ方にとっては、カラオケは単なる遊びと思われNGが出るかもしれません。
しかし現在はカラオケOKの意見が主流ですから、大きな声でNGという方は少ないでしょう。ただ、妊娠中のカラオケをNGとする意見は、多少なりとも妊婦さんも気になるポイントかもしれません。そこで、妊娠中のカラオケで妊婦さんが心配することをいくつか挙げてみました。
腹圧がかかる
カラオケで最も気になることは、歌う時に腹圧がかかってお腹の張りを引き起こすのではないかという点です。確かに何時間も続けて大声で歌うような場合だとお腹の張りにつながるかもしれませんが、みんなで楽しむ程度のカラオケならば、声を張り上げない曲を選んで歌えば、腹圧が過剰にかかることはありません。
妊娠中のカラオケは腹圧がかかるというネガティブ面よりも、ストレス解消や免疫力アップといったポジティブ面の効果が大きいですから、自分の体調をチェックしながらカラオケを楽しむのが一番です。
空調で体が冷える
カラオケは機械を使いますし多くの人で混雑するので、冷房が強くなりがちです。その環境の中で数時間座っていると、体が冷えてしまうのではないかと気になってしまうでしょう。
ただ、現在は部屋ごとに空調がコントロールできるようになっていますから、寒すぎないようにこまめに温度調整をすれば体の冷えを防げます。万が一空調がコントロールできない場合を考慮して、足元を温かくした格好や上に羽織るものを1枚用意しましょう。
ただ、周りの人は暑すぎると感じてしまうかもしれませんので、前もって一言告げておくとスムーズにカラオケを楽しめるでしょう。
[噂]胎教に良くないの?
カラオケの大きな音をずっと聞いていると、大人でも頭が痛くなってしまうことがあります。大人でも調子が悪くなってしまうのだから、未熟な赤ちゃんはさぞかし辛い思いをしているのではと思ってしまいますが、スピーカーを直接お腹に当てて大音量を聞かせるのではなければ、赤ちゃんには影響はほとんど出ません。
それよりもお母さんがストレスフリーでリラックスしている状態が赤ちゃんにとって最も過ごしやすい環境ですから、カラオケでお母さんが楽しい思いをしているなら、赤ちゃんにも良い影響があると言ってよいでしょう。
赤ちゃんの聴覚発達はいつ頃?
カラオケで歌うお母さんの声が、赤ちゃんに聞こえるのはいつ頃なのでしょうか。赤ちゃんの聴覚は比較的早い時期から発達し始めます。妊娠8週ごろにはすでに耳の原型が出来て、妊娠20週ごろにはお母さんの血液が流れる音が聞こえ始めます。
聴覚が完成するのは妊娠28週ごろで、外の音や声も聞こえるようになります。赤ちゃんには高音域の音がより聞こえるので女性や子供の声に反応しやすく、反対に男性の声は聞こえづらいため反応が鈍くなります。
妊娠時期ごとに気をつけるポイント
妊娠と言っても、妊娠初期はつわり、中期は体重コントロール、後期は出産準備と妊娠時期ごとに気をつけるポイントは変わってきます。
旅行やイベント参加など体調を考慮して計画するのと同じように、カラオケをする際も妊娠時期に合わせて体調をチェックしましょう。大げさに思われるかもしれませんが、妊娠中はいつ体調が崩れてもおかしくありませんから、楽しく過ごすためにも自己管理はしっかり行ってください。
妊娠初期 気持悪くなったらストップ
妊娠初期はやはりつわりが問題です。つわりが軽くてカラオケを楽しめる方もいれば、起き上がることも大変な方もいらっしゃいます。つわりは個人差があるので、無理せず安定期に入るまでカラオケはとっておきましょう。
つわりが軽い方は自分から周りを誘ってカラオケを楽しむかもしれませんが、妊娠初期は体調が急変してもおかしくない時期ですから、つわりを軽視せずに体調を頻繁にチェックしましょう。もし気持悪くなったら我慢せずに、その時点でストップしてください。
妊娠初期の腹圧は流産につながる?
妊娠中の流産のほとんどが、妊娠初期に起こります。歌う時は自然と腹式呼吸になりますから、歌って腹圧がかかり流産の可能性が高くなるのでは、と不安になってカラオケを避ける方もいるでしょう。
しかし、妊娠中の流産の原因は受精卵の染色体異常がほとんどで、外部からの力が流産原因となるケースは交通事故などの非常に強い衝撃があった場合などですので、歌の腹圧程度ではお腹の赤ちゃんに影響はありません。心配せずカラオケを楽しんでください。
妊娠中期 疲れが急にでることも
安定期に入れば、つわりが辛くカラオケが出来なかった方も楽しめるようになります。ただ妊娠中はいつでも言える事ですが、担当医から切迫流産や切迫早産を指摘された場合は、母体と赤ちゃんを第一としてカラオケは産後まで待つようにしましょう。
妊娠中期は活動的になりますが、今のうちに部屋を大掃除したり赤ちゃん用品を買い揃えたりと忙しくなり、気づかないうちに疲労が溜まる時期でもあります。
体調が良いからとカラオケを楽しんでいる最中にいきなり貧血や腹痛が出てくる可能性もあるので、このような状態になった時は部屋の外に出て少し休むなど、落ち着く時間を作ってください。
妊娠後期 長時間同じ姿勢はお腹の張りにつながる
カラオケのソファーは柔らかいので、深く座ると中々姿勢を変えることが出来ませんし、足の付け根がお腹に圧迫された状態になります。カラオケをしている間、同じ姿勢でいると、筋肉が緊張してお腹の張りにつながりやすくなります。
妊娠後期は一日に何回もお腹が張るようになりますから、余計に回数が増えてしまうと赤ちゃんも居心地が悪くなってしまうでしょう。
また、お腹の重さが一箇所に集中するようだと足の痺れや痛みにつながり、カラオケを楽しめるどころではなくなってしまいます。座る位置を変えたりトイレに行くなど、時々姿勢を変えるよう注意しましょう。
カラオケを楽しむ上での注意点
妊娠前はカラオケをしたい!と思った時にすぐ店に行って楽しめましたが、妊娠すると色々な心構えが必要になります。
一緒に行く家族や友人には分からない部分も多いので、自分で前もってチェックして準備しておくとカラオケを楽しめ良い思いでとなるでしょう。妊婦さんがカラオケを楽しむ上で注意すべき点を、ピックアップしました。
必ず禁煙ルームでカラオケを
今はカラオケ店も客層に合わせてレディースルームやキッズルームなどのサービスを提供していますが、部屋を選ぶ時は禁煙かどうかを必ず最優先条件としてください。
一緒に行く家族や友人も、妊婦さんのことは詳しく分からなくてもタバコの煙は害であることくらいは常識として知っているはずです。
「ちょっとくらいなら」と言う気持が赤ちゃんを苦しめる原因となりかねませんから、どうしてもタバコが吸いたい人がいる時は、自分の参加は取りやめにするとはっきり断りましょう。
三次喫煙の影響も考える
自分自身の喫煙はもちろん、喫煙者が吐き出す煙も周りの人間に有害であることは皆さん良くご存知でしょう。これらを一次・二次喫煙と呼びますが、現在は三次喫煙の悪影響が問題になっています。
三次喫煙とは、タバコの煙に含まれる有害物質が部屋の壁やカーテン・絨毯などに付着して、部屋に入った人間の呼吸から体内に入って悪影響を及ぼすことを指します。有害物質は壁や天井など掃除できない部分に付着すると、長期にわたって多くの人間の健康を害する原因となります。
楽しむなら昼間のうちに
友人や家族が集まりやすいので、カラオケを夜に計画することがあるかもしれません。しかし、妊娠中はいつ体調が急変してもおかしくありませんが、カラオケ中急に腹痛が強くなったり出血してしまった場合に病院の診療時間終了後では対処が出来なくなります。
トラブルがあった時のことを考えて、カラオケは昼間に楽しみましょう。昼の時間帯なら夜よりも料金は格安ですし、中にはドリンクやフード料金が割引になるサービスもあります。
色々なカラオケ店に行って、赤ちゃん連れやママ会などこれからも使えそうなお店を今からチェックしておくのも良いかもしれませんね。
カラオケのフードやドリンクには要注意
カラオケの料金が安くなる時間帯には、ドリンク飲み放題はもちろん食べ物の割引もサービスする店が多いです。
安いし食べないともったいないからと言って食べ物や飲み物にどんどん手が伸びてしまうと、せっかくの体重管理が無駄になってしまうかもしれません。
カラオケにある飲食物は糖分や油脂が多くカロリーも高めです。食べる時は、良く見てカロリーの低いメニューを選びましょう。また、飲み物も冷たいものを沢山飲めば体が冷えてしまいますから、ハーブティなど温かくカフェインの少ないもの・ノンカロリーのものをチョイスしましょう。
張り切りすぎに注意を
カラオケで気分が乗ってきたからと、妊娠前のように体を動かしたり頭を振るのはNGです。妊娠中は血液が赤ちゃんに優先的に送られるので、慢性的に貧血のような症状が現れやすくなります。
体や頭を動かすことで血流が促進され、脳に送られる血液が余計に少なくなって立ちくらみやめまいが悪化してしまうのです。
また、妊娠前はカラオケで盛り上げ役だった方も、妊娠中と同じように張り切ってしまえば翌日に疲れが残って体に影響が出る恐れがありますから、妊娠中は抑えて楽しむようにしましょう。
ここまでのまとめ
妊娠中のカラオケは、気軽に出来るストレス解消法としておススメです。腹圧によるお腹の張りや赤ちゃんへの影響を心配する妊婦さんも多いですが、カラオケが赤ちゃんの悪影響の直接原因となることはありませんので安心してください。
ただ存分に楽しむためには、禁煙ルームを選ぶ・昼間の時間にする・無理をしないと言った準備や心構えが必要となります。お母さんがカラオケでストレス解消して楽しめば、赤ちゃんにも楽しさが伝わって良い影響を受けることは間違いありません。ぜひ赤ちゃんと一緒に楽しんで良い思い出にしてください。