【妊娠1ヶ月】胎児と母体の症状で知っておきたいこと

1ヶ月目

妊娠1ヶ月目は、妊娠0週から妊娠3週の期間のことを指します。この時期は「妊娠超初期・妊娠初期」と言われる時期であり、1ヶ月目は妊娠の自覚症状が肉体にほとんど現れません。

と気をつけなければならないことはたくさんありますので、妊娠1ヶ月に知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。

妊娠1ヶ月の赤ちゃんについて

卵子が受精卵となり3週目に着床

育った卵子が受精卵となり3週目に着床します

1週目はまだ卵子が育っている段階であり、まだお腹に赤ちゃんが存在しない状態です。2週目に性行為をすると精子が卵子の中に入ることによって「受精卵」となります。

しかし卵子が子宮に移動するまでの間はいつでも受精可能なわけではなく、その期間は排卵後たったの24時間しかありません。その24時間でもあっという間に老化してしまうので、特に排卵後最初の6時間以内に受精するのがベスト、と言われています。

3週目に晴れて子宮に受精卵が着床するのですが、着床するまでは正確に言えばまだ妊娠していない状態なので、妊娠0週~3週前半までの段階ではまだ妊娠していないことになるのです。もちろん、着床以降でないと妊娠検査薬を使っても反応しません。陽性反応が出るまでには時間がかかるので、妊娠検査薬は3週目~4週目以降に使うようにしましょう。

上手く着床できない受精卵が多い

上手く着床できない受精卵が多い

着床するのに、子宮内膜が充分に厚くなっていなかったり受精卵の染色体に異常があると、受精しても着床せずに排出されてしまいます。

ただ受精から排出までには1週間ほど時間があるのでその間に妊娠検査薬を使うと陽性と出ますが、後で生理が始まってしまう場合があり、それを化学流産と言います。確率の低さを考えると、1つの命が宿る事は奇跡と言ってよいかもしれません。

最終生理の初日=妊娠初日

最終生理の初日=妊娠初日

まず、自分の「妊娠初日」が何日かを調べましょう。妊娠周期の数え方は一見すると複雑なように思われるのですが、妊娠初日=最終生理の初日なので、カレンダーにマークをつけながら数えていけばカンタンにチェックすることができます。

ちなみに妊娠初日は卵子がまだ成熟しておらず、成熟をはじめる日=妊娠初日なので覚えておきましょう。

妊娠を自覚できない期間

妊娠を自覚できない期間

日本では妊娠期間を太陰暦と月満で計算して十月十日といわれていますが、海外では妊娠期間は9ヶ月とする所が多いです。これは海外が受精した日を0週0日と数えるのに対し、日本は生理が終わって次の卵子が成熟を始める日を0週0日とする、いつを持って最初の日とするかの違いです。

日本の産科は、卵子を胎児の前身と考えているのが分かりますね。そうすると妊娠するにしろしないにしろ、日本の妊娠週数の数え方に倣うと排卵日は誰でも妊娠2週目の状態になります。しかし、次の生理が来なければ妊娠しているかどうか分からないので、自分が妊娠していると自覚した時にはすでに4週目、つまり妊娠2ヶ月に入っているのです。

赤ちゃんの大きさは1ミリ以下

赤ちゃんの大きさは1ミリ以下

受精すると急速に細胞分裂を繰り返して成長していきますが、それでもこの時期のサイズは1mm以下です。元々卵子の大きさが0.1mmであるのを考えると成長するスピードにはびっくりですが、この小ささではもちろんエコーで確認する事は出来ません。

しかも、この頃はまだ胎児ではなく「胎芽(たいが)」と呼ばれる段階ですし、まだ赤ちゃんとしてのかたちになっていません。成長していくにつれ大きくなっていくのですが、1ヶ月の段階ではまだ「細胞」なので、そこまで大きく成長しないのです。

赤ちゃんが球体から楕円形に

卵子

妊娠1ヶ月目の段階では、赤ちゃんは球体をしています。球体になっている赤ちゃんが段々と楕円形になっていき、着床によって子宮に根付くようになり、そこに絨毛が生え、絨毛によるホルモン分泌によってどんどん、母体が変化していくのです。

着床出血とは?

着床出血とは?

3週目末になると「着床(ちゃくしょう)」が起きるのですが、着床すると女性の身体は痛みを感じることがあり、下腹部の痛みとともに出血することがあります。

この時の出血は「着床出血(ちゃくしょうしゅっけつ)」と呼ばれており、着床の時に出血する人と出血しない人とで分かれるのですが、出血しなかったからといって別段問題はないので、深く気にせず過ごすようにしましょう。

妊娠の確認方法は?基礎体温・妊娠検査薬

妊娠の確認方法は?基礎体温・妊娠検査薬

妊娠1ヶ月の前半は通常の排卵前と同じ状態で、受精した後半もしっかり着床するまで母体が何らかの影響を受ける事はありません。

この時期に吐き気や下痢・下腹部痛などの妊娠超初期症状が現れる方もいますが、この時点では妊娠超初期症状なのか月経前症候群かがはっきりしないので、妊娠を望んでいる方は次の生理予定日までの時間を落ち着かなく過ごしているのではないですか。

この時期に妊娠かどうかを判断するにはまずは基礎体温の変化。一般的に排卵後の高温期が16日以上続く場合は妊娠していると考えてよいとされています。ただし1ヶ月程度の計測ではグラフがきちんと読み取れないので、なるべく数ヶ月に渡ってデータを取るようにすれば確実さがアップします。

妊娠検査薬は次々と機能向上しているため早い段階でも検査が出来ますが、陽性だったからといってこの時期に産婦人科に行っても妊娠確認は出来ず、数週間後に再度来るよう言われて何も検査をせずに終わった方も多いです。

妊娠1ヶ月の母体の症状などについて

妊婦=病人ではない

妊婦=病人ではない

妊娠したからといって、24時間安静にしている必要はありません。もともと妊娠を望んでいた方の場合は、妊娠初期の段階で妊娠に関する知識があるので「妊娠は病気ではない」ことを理解しているのですが、「意図せず妊娠してしまった」方の場合は、妊娠に関する知識がなく、妊娠=病気に捉えてしまいがちです。

しかし、妊娠は病気ではありませんし、初期の段階ならばむしろ積極的に運動もするべきです。寝込む必要はないので、なるべく身体を動かすようにしましょう。

寝込むのは出産前ではなく「出産後」

寝込むのは出産前ではなく「出産後」

出産前はある程度の時間が経たないと、お腹が大きくなりません。初期であれば体調もそこまで悪くなりませんし、「22週になるまで妊娠に気づかなかった」方もいますので、出産する直前まで働いているような女性も少なくないのです。

出産前はある程度は運動もしつつ、健康的に過ごすべきだと言えます。しかし、出産後一ヶ月はうってかわって、安静を心がけつつ無理な運動もしばらく避けるべき状態になるので、やるべきことは出産前にやってしまうようにし、出産後の自分に負担を残さないように準備しましょう。

妊娠糖尿病について

妊娠糖尿病という病気

「妊娠糖尿病」の病気を知らないまま出産に至る女性もいるのですが、この病気は時として胎児の命をも奪ってしまう病気です。

痩せ型だと「糖尿病とは縁がないから」と無視してしまいがちなのですが、誰にでもなる可能性がある上、もともと血糖値が高い方などは、お医者さんにしっかりと相談しておくようにしましょう。

ビタミンAの過剰摂取は注意が必要

ビタミンAの過剰摂取は注意が必要

妊娠していることがわかると、とにかくたくさん食べなければならないような気持ちになるのですが、何でもかんでも食べればいいわけではありません。

妊娠初期(1~4ヶ月目)の時にビタミンAを過剰摂取してしまうと、それが奇形児出産の原因になってしまいます。奇形児を出産してしまった場合は一生、老後になるまでその子の介護をすることになる場合がほとんどなので、絶対にビタミンAの過剰摂取はしないようにしましょう。

レバーの食べ過ぎに注意

「貧血対策といえばレバーなのにどうして?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、レバーはビタミンAをたっぷり含んでいる食品です。つまり、食べ過ぎると貧血が解消される代わりに奇形児を産む可能性が高くなってしまうことなので、貧血対策にはレバーではなく、ほうれんそうなどを用いるようにしましょう。

煙草は低体重や流産の原因の可能性も

煙草は低体重や流産の原因の可能性も

妊娠していることがわかったら、喫煙はただちにやめるようにしましょう。喫煙は赤ちゃんにとって毒でしかありません。ニコチンは血流を妨げるので早産や流産、未熟児出生などの原因となります。

もちろん、副流煙もNGですので、身の回りの人にも禁煙してもらうようにお願いするようにしましょう。ヘビースモーカーの方なども、禁煙外来へ行ってしまえば必ず禁煙に成功します。

実は喫煙依存症のメカニズムは非常に単純明快であり、薬でカンタンに治療できてしまう時代になっているので、旦那さんがヘビースモーカーである場合は、お金を出してでも禁煙外来に通ってもらいましょう。

貧血には注意が必要!

日本は発展途上国なみの貧血国であるということ

あまり知られていませんが、日本は貧血を軽く見る男女が多い国であります。自分が貧血だとわかってもなお「あまり気にしていない」などと言う人もいるのですが、貧血=赤ちゃんに栄養を届けるための川が枯渇していることなので、きちんと鉄分を摂取するようにしましょう。

ワクチン等に注意が必要

ワクチン等に注意が必要

妊娠中に気になるのは、薬の服用です。何気なく服用している薬の成分が胎児に影響を与えたらどうしよう、と我慢している方も多いはずです。しかし、また妊娠1ヶ月の段階は無影響期と呼ばれて、お母さんが飲んだ薬が胎児に影響を与える事はないので安心してください。

ただ、風疹生ワクチンやリウマチ剤など、体内に長期間残留するものはこの時期でも服用を中止しましょう。妊娠2ヶ月からは胎児への影響が大きくなる絶対過敏期となり、程度の差はあっても過敏期は出産まで続きますので、妊娠を望んでいる方は次の生理近くなったら薬の服用を一時停止し、様子を見たほうが安心です。

過剰な心配やストレスは大敵

過剰な心配やストレスは大敵

妊娠初期の女性はどうしても、「妊娠神話」や「妊娠にまつわる噂」などに踊らされがちです。出血を見ただけで「流産したのでは」と思ってしまったり、葉酸の摂取に過剰に気を配るようになったり、性交渉を断固として断ったりしがちなのですが、少量の出血であれば実は誰にでもあることです。

葉酸摂取を積極的に

葉酸摂取を積極的に

葉酸は妊娠中の女性には欠かせない栄養成分ですが、実はこの時期から飲み始めるのが胎児にとっては最も重要なのです。妊娠4週目からは胎児の器官形成が始まり、この時点で母体に葉酸が不足していると、胎児の先天性神経管閉塞症や二分脊椎など胎児に非常に深刻な影響が出てしまいます。

しかし妊娠1ヶ月はまだ妊娠を自覚できない方も多いため、生理中や終わった今から葉酸を摂取し始める必要があるのです。葉酸は名前のとおり葉物野菜に多く含まれていますが、妊娠中の摂取量を維持するためには食事からのみでは足りません。サプリメント等を上手く活用しましょう。

まとめ

妊娠1ヶ月目は、とにかく不安と高揚感で感情のバランスを崩しがちです。不安になりすぎてしまうとやはり、それがストレスに転じてしまいがちなので、なるべく定期的に産婦人科に通いつつ困ったことは何でも相談するようにし、パートナーにもしっかり協力を仰ぐようにしましょう。